2011年10月1日土曜日

今年の登山

退院数ヶ月後にリハビリと長い運動不足とリフレッシュを兼ねて今年も登山を行った。

そもそもこの地に住んでいるのは自然に接し、山もスキーも気軽に出来る事がある。

でも納期遅れを出している身としては小さくならざるを得ません。

肩は思う様に動かなくても足腰は元気なのです、済みませんです。


昨年から今年は北アルプスの双六岳周辺を歩こうと計画していました。

体力は落ちているから山小屋泊まりと考えていたのですが、メインイベント登山に備えて

登った白馬大池での山小屋が超絶混みで完璧に不快で頭に来る/嫌気がさす等で

装備を再点検、殆ど総入れ替え、軽量化して夢の様なテント泊まり登山が実現しました。


先ずは地元の八ヶ岳、霧ヶ峰、足を伸ばして湯の丸高原の日帰り登山。

次に北アルプスの白馬大池~白馬岳~大雪渓の一泊登山。

メインイベントに双六岳周辺/鏡平/三俣蓮華等の三泊テント登山。

締めは秋の八ヶ岳の硫黄岳と根石岳。


どの登山も帰って来ると足の筋肉痛はありますが肩も腕も軽くなります。

きっと登山中に色々な動きをしているのが良いようです。

頭もスッキリして最高の気分転換です。


 


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湯ノ丸高原の湿原を遠望

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八ヶ岳の主峰を望む

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白馬岳山頂

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北アルプスの鏡平


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槍ヶ岳と穂高を奥地から遠望


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双六岳キャンプ場(右端手前が我が家)



2011年9月5日月曜日

チェロの再生

今年もN響次席チェリストの藤村さんの演奏を聴きました。


前回お会いした時に楽器自身のウオーミングアップに加えて演奏会場の床との


協調も重要だと言われていました。


チェロはエンドピンというピン状の先を床に刺しシャフトで繋ぎ楽器を支える構造ですので


床に振動が直接伝わる事は理解していました。


今年も例の如く正面(チェロが倒れると届く程の距離)で靴を脱いで裸足で聞いてみました。


驚く事に足裏には想像以上の振動が伝わります。


楽器の音に加えて床の振動音も聞いていたのだと明確に理解出来ました。


 


弓で擦った弦その物の音と駒で弦の水平振動を垂直振動に変換して表板を振動させ、


胴体内部の共鳴を誘い胴全体を振動させ、更に魂柱で裏板に直接振動を伝えて協調する。


そんな楽器全体の振動(響き)と床振動をも加えた音を我々は聞いている訳です。


壁や天井の振動も反射音も加わっている事は勿論です。


 


比べてスピーカーなのですが、当工房の無垢材スピーカーは積極的にエンクロージャーを


共振させて良好な響きの音色を引き出していますが楽器には遠く及びません。


エンクロージャーは振動してはならない、再生音はユニットからの振動板の音だけで


有るべき!と言う考え方が主流なのは承知していますが納得出来無い領域もあります。


チェロの振動量は微々たる物ですが振動面積が大変広いのに対して、


ユニット振動板はかなり狭く、それを補う為に振動量(ストローク)でカバーしています。


 


中域や高域の再生には広い振動板面積は原理的には不要ですが、


では何故ヴァイオリンなどはあの様に大きいのでしょう?


今回聞いていて思ったのは振動板のストロークは小さくて良いから良く響く


広い面積のユニット振動板とそれを納めるやはり心地良く響くエンクロージャーが


必要では無いのかと言う事です。


 


最近、広面積平面振動板スピーカーを聞き、その音質改善を検討する機会がありました。


アイディアは良いのですがそれを具体化する加工技術が拙く問題大でした。


 


つき板張り仕上げのエンクロージャーを製作する時には、本体が完成してからつき板を


張るのですが、ユニットの開口部を塞ぐ様に張り、アイロンで熱しますのでつき板は


障子紙の様にピーンと強く張っています。薄さは0.2~0.3mmです。


開口部穴の面積を持った振動板と言う事が出来ます。太鼓の皮とも言えるでしょう。


そのつき板をはじいた時の張りがあって反応の良い軽々とした音に何時も惚れ惚れします。


ユニットを取り付ける為にそのつき板をくり抜くのがもったいない様な気になります。


チェリーやメープル、ウオールナットにオーク、樺などの響きは素敵です。


薄板無垢材の素材のままの響きです。


 


その振動板を取り出してユニットの駆動回路と連結する構想で考えますと


エンクロージャー前面とほぼ同面積で響かせる事が出来る筈です。


エンクロージャー素材も構造もその響きを妨げ無いどころかより積極的に響かせる、


それこそが電気音響技術の可能性の秘めた所です。


未だ見ぬ(未だ聞かぬ)その世界を創造しつつ実現出来たらすばらしいだろうと


思いにふける今日この頃です。


 



制作活動中です。

前回書いた内容とたいして変わりませんが...。


 


生来、体は丈夫な方では無かったが学生時代に鍛えたので


体力、筋力には些かの自身が有った。


そういえば独立前に家具作家で手工具の仕込みを教わった先生の奥さんから


主人は体がきつそうよ...と言われた事があったが気に止めなかったし


事実、ほんの少し前までは忘れていた言葉であった。


 


面倒な事や辛い事、疲れる事を目ざとく察して手を出さない賢い人がいるが、


当方はそんな知恵は働かず馬鹿正直に始めてしまい、後から気が付いてしまったと


言う事が良くあるので困ったものだ。


 


体調万全だったから気にしていなかったが、今は少しは考える様になって来た。


最近の例では...ビスケットジョイントの穴開け加工を例に取ってみよう。


接着強度を高める連結材を埋め込む加工でウッドウイルの作品には欠かせない作業です。


20cm口径用のエンクロージャーペアではビスケットの数は約100箇所です。


穴開けは接合部両面に必要なので穴加工数は約200箇所です。


ビスケットジョイナーと言う穴開け加工する電動工具が約3.5Kgで、


材料を揃えてその機械を正確に構えて押し込んで穴開けしますが、


一列の加工が終わると材料の位置を変える為に機械を置き、再度持ち直して加工します。


姿勢の関係で片腕で持ちますが、その回数が置いて構えてで約100回です。


バーベル運動で3.5Kgを100回左右上下させながらの運動はどの様な負荷となるでしょう?。


 


昨年製作した46cmサブウーファーエンクロージャーでは穴数が約400個で持ち替え


回数は200回。未公開の76cmサブウーファーでは数えるのも恐ろしい...。


これは鉋削りや他の作業に比べればかなり楽な方の作業なのですから、


冷静に考えるとかなりハードな作業を無考慮で行っていた事となります。


この辺に賢さや知恵が足りない理由が有る訳ですね、気が付くのが実に遅い。


 


またパソコンのトラブルの話です。


思えば昨春にウインドウズ7proに変えてからトラブルが始まっています。


やっと手作業で回復させたホームページのデーターが治まっていたHDDのシステムは


MSから勝手に送信されてくるアップデートに答えたらウインドウズが立ち上がらなくなった。


調べたら被害者が相当いるみたいです。


泣きっ面に蜂でプリンターが「ガガガガッ」と叫んで壊れ、


ついでに携帯も壊れるという不思議な連鎖が生じています。


早くこの悪夢から覚めたいものです。


 


携帯の使い道は出先で作品の画像を見てもらう為になるべく高画質で大画面を。


Wi-Fi対応で無線LANでホームページも閲覧出来る事。


移動中は音楽再生する等々からメモリーカードは大容量の物を。


殆ど工房に居るから携帯での電話やメールはあまり必要有りませんけど


そうしたらスマートフォンしかないと窓口で相談したら通信費用が月に最低でも


7~8千円必要でアプリを入れたらどんどん高くなります。


NHKの受信料、有線TVの契約料、プロバイダーやホームページの契約料、固定電話に


新聞代等々考えたらスマートフォンとガラパゴスの中間みたいな機種が有って、


通信費は従来並でそれに決まり!、スマートフォン手に出来るのは何時になる事やら。


 



2011年7月16日土曜日

しばらく製作作業を休んでいました

ブログに入院生活の事(かなりの長編)を書き込んでいましたが、


昨年の大物製作の無理と日々の体へのメンテナンス不足で肩が動かなくなり


入院/手術/リハビリと製作をしばらく休んでいました。


皆様には大変ご迷惑をおかけしまして申し訳ありませんでした。


お陰様で現在はかなり回復しまして既に製作開始しております。


完成作品の紹介も随時掲載していきますのでお待ち下さい。


 


併せてホームページの更新が止まっていました。何故か昨年からパソコンの不調に悩まされております。メールの仕事用フォルダーだけが消えて無くなる、重要ファイルが半年も前の履歴に戻ってしまう、ハードディスクが壊れシステムが起動しなくなる...バックアップを取っていたはずのホームページのデーターが半年以上前の古いデーターに逆戻りしまして、ファイルを全て手作業で更新するという事態となっていました。既に回復させましたがその間、更新したくとも出来ない状態が続いていました。


皆さんもバックアップは考えておられるでしょうが、ウッドウイルの現在のバックアップ体制はシステム回復用内蔵ハードディスクを2台用意し、そのディスクには時間差を置いたデーターのバックアップもしています。RAID構成のハードディスクによるバックアップはハードの故障時には有効ですが、誤操作でデーターを削除したり変更した様な場合にはそのままバックアップされますので危険です、時間差を置いたバックアップが別途必要です。更に外付ハードディスクに日々データーのバックアップを取っています。専用ソフトを使ってバックアップするフォルダー等を設定していますのでいとも簡単に必要なバックアップが可能となっています。


痛い思いをしたので慎重な対応となりました。皆さんもどうか気をつけて下さい。


 


 


 


 


 



高齢化による難聴

ウッドウイルのお客様の中心は50代から60代です。


専門書によれば高音が聞こえにくくなり始める年齢との事ですので、スピーカー作りも何か対策を考えなければならないのか??と常々考えてはいました。


物理特性だけを考えれば高域をブーストしたレコードのRIAAカーブみたいなプリエンファシスを加えれば、高域特製が減衰した高齢者の聴覚と併せるとフラットには出来そうです。


知り合いの業界の方は自身の可聴帯域は20Hz~20KHzだと固く信じています。たまたま私は高校生の時に物理の実験で自身の可聴帯域を測定する機会がありました。結果は18KHzでしたが、同級生の中では16KHzまで聞く事が出来るのが大半で18KHz迄は少数でした。担当教官によると人の持つ能力の限界が20Hz~20KHzであって誰もが聞こえる訳では無いとの事でした。そんな事から気楽に考えていたのですがその業界の方は勧めても測定に応じようとはしませんでした。気持ちは分かる様な気がします。人間には100mを10秒切る走力を持ち合わせている人がいるからと言って誰もがそんな事は出来ないのと似ている様な気がします。


仕事で日常的にスピーカーの再生周波数特性を測定していますので分かるのですが、10KHzを超えるとその上はかなり微妙になって来ます。20KHz超を超える測定結果と測定中に実際に聞いている聴感上の感覚はなかなか一致しません。


クラッシックのコンサートに良く出かけますが聴衆は殆ど中高年者ですし、演奏家の年齢層もかなり高いオーケストラもあります。指揮者に至っては高齢者が幅を効かせています。そうすると高域特製が減衰した者同士が演奏して聞いて楽しんでいるのだからそれでいいのか!とも思ってしまいます。


そんな折、有る業界で高齢者(年齢による、又は病気による)に聞こえやすいスピーカーの開発をしているとの事です。直ぐに思いつくのは可聴帯域の事でしたが事はそんなに単純ではなさそうです。小さな音が聞こえなくなりTV等の音を大きくして周りの健常者との調和が乱れるのは実家でも起きているので理解出来ます。しかしよく調べると音が小さいから聞こえないのでは無くて、ノイズの様に聞こえてはいるが明瞭度が無いので識別出来ずに聞こえないという問題も多いのだそうです。


老人ホームでは広間のTVの前にいる方達が大音量で聞いているので、他にいる方達が会話が出来ない、医師の説明が患者に伝わらず等々のこの種の問題が表には出ていませんが深刻になる様相を呈しているそうです。


HiFi再生の前に明瞭度の優れた再生装置の開発が望まれ、その先に音質も付加されるというイメージになるのでしょうか?。ウッドウイルでも既に関わりを持って来ているので更に詳しい説明が出来る事もあろうかと思います。


 


 


 


 


 


 



2011年7月15日金曜日

サントリーホールの二日間

サントリーホールでホールのイベントの一つである6月のコンサートと五嶋みどりのリサイタルを聞いて来ました。


イベントコンサートは


.チェロに堤鋼でサントリーホールの支配人でもあり、ソリストとして何度か聞いている。


.ヴァイオリンに竹澤恭子、ブラームスの演奏に生涯を捧げている様です。


.ヴィオラに豊嶋泰嗣、国内オケでは主席で演奏しているのを何度か聞いている。斉藤記念にも参加されている。


.ピアノにメナヘム.プレスラー、高齢だがかなりの実力者だそうであり初めて聞きました。


演奏曲目はシューマン:ピアノ四重奏/ドホナーニ:弦楽三重奏の為のセレナード/


ドヴォルザーク:ピアノ四重奏曲でした。


感想としては個人の力量は素晴らしいのに今回の四重奏では感動は無かった。無味無臭の素っ気ないイベントの最終日を飾るコンサートとしては如何な物かと静かに帰りました。


 


この日のコンサートに対して次の日の五嶋みどりは圧巻です。伴奏のピアニストを変えた様ですが息も表現もピッタリです。演奏曲目はモーツァルト/ヤナーチェク/ラベル/ベートベンそれぞれのピアノとヴァイオリンのためのソナタでした。美しいメロディーラインの曲とは違って取っつきにくそうな難しい曲の連続でした。


一曲目が終わって周りの観衆が囁くには音楽会ではなくて演劇でも観ているみたい!。それ程に音楽表現が豊かで私も全く同じ感想を持ちました。毎回進化しています。素晴らしい。きっと他の方が演奏したら難解で難しいだけの演奏となっていた筈ずと思いました。


今回は先行予約のS席でしたが一番外れの席で音質を判断する事は諦めて音楽を楽しみました。座席指定の出来ない先行予約は次回からはしない事に決めました。あと、室内楽ではサントリーホールは大き過ぎて音響が良くない。東京オペラシティーホールや浜離宮朝日ホールなどの中型ホールが良いのですが、そうそう希望通りの環境には巡り会いませんね。



2011年4月22日金曜日

視覚と聴覚と痛覚の戦いBy入院生活-1

昨年続いた大物製作で肩を痛めて手術、入院生活を余儀なくされた。


ここでは入院生活をどの様に過ごしたかについて触れてみようと思います。


痛みで眠れぬ夜を過ごした方法を思い出しながら書き連ねてみようと言う訳です。


 


1ヶ月以上の入院予想だったので事前に小説、技術書等の書籍と新しいアプリケーション


他多数。各種ジャンルの音楽CDやBS、ハイビジョン放送で録画したブルーレイの音楽番組や


映画の類に購入したままの映画ソフト等々を大量に準備しました。


特に日常的に試聴に使う楽曲は大体決まっており、それもさびの部分だけを聞く事が多いの


で、この機会に交響曲などはじっくり聞いてやろうと意気込んでいました。


 


入院前日にギリギリ届いたブルーレイ搭載ノートパソコンは何とJBLのAV仕様。


とにかく慌ただしくインストールして病院に持ち込んだ。


メールだけは送受信出来るように準備したが、病院ではLANにつなげられないのでUSBに


保存した受信メールを自宅から運んで来てもらい、翌日返事をUSBで渡して自宅から返信


すると言う、ハイテクだかローテクだか分からない手段で何とか業務に支障の無い様に


努めた。


 


さて入院中の時間の使い方の算段です。


手術が終わって後の入院生活は、起床(寝てないが)/検温/朝食/病室の掃除/


自主リハビリ+アイシング数回/昼食/リハビリ+拷問牽引(重りを付けて腕を吊る!)+


アイシング(数回)/検温/回診/夕食と続き、加えて数日おきに体拭きや洗髪などが


あって、暇かと思いきや2時間以上空く様な時間が案外に無くて、先ずは昼間に3時間以上


ある様な映画を鑑賞する事は諦める事としました。


更に、手術後には脇下に大きなパットを取り付けられて腕と肩を24時間固定させられました。


腕を動かせないのでマウス操作ができない、3DCGのアプリケーションの勉強も諦めざるを


得ませんでした。


 


大きな思い違いが有りました。手術する迄苦しんだ肩や腕の痛みは手術と共に消えるものか


と思っていました。リハビリの時だけ痛い思いを我慢すれば良いのかと考えていた訳です。


現実は違っていて24時間痛みが続きます。強い鎮痛剤を限度まで服用し、病院の早い消灯


で床についても、毎晩11時から1時には痛みで起きてしまう。


しばらく悶々としてから諦めて座薬を頼んで用いるのですがそれでも寝る事は叶わない。


これが毎日続くと言う状況でした。


 


24時間痛いので1日3回食後服用の鎮痛剤を何時飲むかが重要ポイントとなり思考は全て


そこに集中します。起床時が一番痛いので朝食後に直ぐ服用したい所ですがよく考えます。


なにしろ15分で効果が現れ3~4時間で効かなくなりますので、拷問牽引やリハビリの時に


薬が効いている事を優先します。任意の時間に服用出来る様にバナナなどの服用時に


胃に入れる食品を確保しておき、食事後の服用時間に拘束されない様に考えます。


メタボ腹になっているのでこれも良い機会と思い、上記以外の病院食以外は何も


食べませんでした。


1日1900Kcalきっちりの食生活です、退院時には2.5Kg減量となっていました。


見舞いからいただく菓子、果物類はもったいないとは思いましたが口にしませんでした、


ごめんなさい。


 


 


『読書による時間の使い方』


痛さを我慢している為か七面倒くさい技術書は読んでいると怒りぽっくなり殆ど読めません。


同じく翻訳本に良く有る形容詞を羅列した類の本も読みづらく読めませんでした。


難解な物、理屈ぽっくて展開の遅い類の本は受け入れられませんでした。


理屈抜きに展開の早い内容の小説で警察物や司法物のサスペンス、私の好きな潜水艦


物や大航海時代の戦力艦の戦記などは楽しかったですし、気持ちをほのぼのとさせてくれる


類の本も楽しめました。


●脳を理論立てて使う事を要求する類の本は痛みに耐えている状態では受け入れ不可。


 脳が勝手に想像を膨らませて別の世界に導いてくれる類の本は合格です。


 痛みを一時でも忘れさせてくれます。


 


 


 


『音楽による時間の使い方1.』


先ずは音楽/映画鑑賞ツールの説明。


ノートパソコンにはJBLの2.1chスピーカーと専用再生ソフトが入っているAV対応ノートの


DEL-XPS15。底面にサブウーファー付で4W×2+12Wの計20Wで凄い!効果有るのか?。


イヤフォンで聞きますから今回は2.1chには眠ってもらいます。画面は15.6インチ/WXGA/


1366×768/高性能グラフィックスボード/ブルーレイドライブ内蔵/CPU-Corei5等で


ハイビジョンソフトが鑑賞出来る環境です。


http://www1.jp.dell.com/jp/ja/home/notebooks/xps-15/pd.aspx?refid=xps-15&s=dhs&cs=jpdhs1&~ck=mn


妻のノートは壊れかけていて気が引けるのでXPS17のフルスペックを導入しました。


XPS15は仕事用だから余計なオプションは付けていないがXPS17はフルスペックです。


こちらにしておけば良かったと反省。


 


イヤフォンはカナル型インナーイヤホンのエティモテックリサーチのER-4Bを使います。


http://www.etymotic.com/ephp/er4-wrfy.aspx


http://www.etymotic.com/ephp/er4.aspx


音質はバランス良く質実剛健で余計な色づけをしていないので好感が持てます。


長時間の試聴でも疲労が少ないのは大いに助かりました。EQ等で詳細な音質調整が


出来るのも役立ちました。でも最大の特徴は遮音性です。場所柄、音が漏れては困るので


その点では満点です。-42dBの遮音特製です。計算上は外の音の聞こえ方が1/126になる


訳です。音楽を聞いていてナースに何度も叩かれました(そっとですが)。それ程に遮音性の


高いイヤフォンを装着している事が分からずに無視されていると思い、怒ったナースもいたの


ではなどと心配になったくらいです。でも音楽プレーヤーが2台買える価格は辛い。


 


このイヤフォンは携帯電話での音楽再生やワンセグにも使っていましたが、携帯での音楽


再生は音質が良くない。これはドコモの指示によるWindows Media PlayerでCDをリッピング


(読み込み)して専用ソフトで携帯に転送する手順によるもので、携帯とソフトの機能不足から


来る総合的な音質不良と考えられます。数年前にキムタクが派手に宣伝していた機種なので


すがね。ホームページに載せている試聴用のCD殆どが携帯の中に入っていましたが音が


悪くあまり聞きませんでした。


 


ドコモの最新XperiaではPCオーディオで扱う高音質ソフトが使えそうなので機種変更を検討


中です。綺麗な4.2インチの画面も作品を紹介するには充分で無線LANで料金を気にせず


ネットを見られるのも良い。とにかくJBLのAVパソコンの音が良かったので助けられました。


この文章を書きながらこのノートパソコンのスピーカーでブルーレイを視聴していますが、


スピーカーで聞いてもなかなかです。弦が綺麗でパソコン用外部スピーカーセットより中高音


は綺麗で、ハードメープル無垢の机に載せていますので低音も天板が助けてくれて


まずまずでした。


 


 


『音楽による時間の使い方2.』


読書や映像付き音源の視聴で目が疲れてくると次は音楽鑑賞です。同じ痛さでも日中と夜中


はでは気が紛れる為か痛さの感じ方が違いう様です。日中はそこそこ聞いて楽しむ事が


出来ました。現在継続購入中の「ウイーンフィル魅惑の名曲」全50巻の内25巻程を読破?の


目標はあえなく6巻で終わりってしまいました。


http://www.shogakukan.co.jp/wien-cd/about.html


ジャズから音楽好きになったのに近頃は遠ざかっていますが、DAVE BRUBECKの


テイクファイブやhttp://www.youtube.com/watch?v=BwNrmYRiX_o


キューバ音楽のCACHAITOのベースなどは大変気晴らしになり楽しみました。


http://www.youtube.com/watch?v=FggyNIsPJmU


 


**ちょっと話はかなり脱線しますが**


25年程前、国内外を出張で飛び回っていた頃、インドに2ヶ月程の出張に行きました。


カルカッタ到着の筈が嵐で国の反対側のニューデリーに深夜下ろされました。ジャンボ1機に


税関職員が二人、ボスが事務所にいてそのまたボスが更に奥にいてただ見ています。


数百人が夜中を通しての通関苦行の始まりです。私の前の婦人達はアクセサリー類を没収


されます、嫌なら賄賂です。一人一人にひと悶着が起こります。私は気が重くなります、


何しろ特大スーツケースを3個持っています。億単位のパーツを数万円と申告した物や、


特殊な工具類や当時で言うラップトップパソコン、私物の最新パーソナルオーディオ機器など


を持っているので係員との悶着は避けられないだろうと。特殊な機械や工具は通関ならん!


ここに置いて行け!。そこで、こんな時の為に準備してあった書類を見せます。


お国の国営企業の依頼で来ました。この荷物を私が期日迄に届けて工事しないと大変な事


になりますと書いてあります、職員はボスの所へ相談に。その間は通関停止、戻って来て駄


目と言うので次の作戦へ、ここの税関の責任者の名前を教えろ、後で国営企業から連絡が


来て相応の処置を行うだろうと、職員はボスの所へ、更に奥のボスの所へ、その間またまた


通関停止。私の後ろの人の冷たい視線に凍りつきそうです。


カースト制度のため上の位の者は下の位の者の仕事を手伝ったりしないらしいです。


 


戻って来て仕事道具は了解したとの事、やれやれお役人は疲れる。次は私物です。当時


発売されたばかりの最新のCDウオークマンとアンプ内蔵スピーカーとその付属品に音楽


CD数十枚が出て来て職員は???。これは何だと!、無理も無いのです、この製品は日本


以外には発売されていない、小型で高性能で高価な品でした。音楽を聴く装置で普通の市販


品で特別な物では無いと強調します。職員はここで開いて動かせと言い張ります。


かまはないが電源が要るし、時間がかかる等々要求すると、いいからここに置いて行けと言


われます。仕事場に持って行くからここには置いて行けない!。当然です、ニューヨークに行


くつもりがサンフランシスコに下ろされて帰りに取りに来いなんてね。又職員はボスの所へ、


職員も疲れたのか行列が進まないので根負けしてOKを出してくれて無事通関終了。


私だけで1時間は費やし申し訳なさと怒りの視線を浴びてさっさと逃げ出します。


 


そうやって苦労して持ち込んだ最新オーディオシステムをホテルのゲストルームに設置しまし


た。ここ迄は良かったのですが、当時出張に馴れた私でも初めて気が付いた事がありまし


た。出張先は後進国の中の更に最奥地にある国営工場なので、工場以外には自然以外に


何もない。お金を使う所も無い程です。仕事を終えて部屋に戻るとTVでインドの番組が砂漠


の中に見え隠れしますが、あとはレストランのウエイターに注文する以外人と会わない、話さ


ない、孤独なのです。


 


それが2ヶ月です。いつのまにか持参した各ジャンルのCDの中で女性ボーカル、それも日本


人以外は聞かなくなっていました。大好きな当時のナベサダも賑やかで楽しそうなのですが


一人では空しい。当時流行のアールクルーなんか聞こう物なら心まで凍り付いてしまいそうで


す。森山良子/高橋真梨子/竹内まりや/山本潤子/そしてユーミン。彼女達には本当に


お世話になりました。癒されました。


●この孤独という感情はある意味、心の痛さでは無いかと思うに至りました。楽しい曲、クール


な曲、ストイックな曲など日常と違う環境では聞く事に耐えられない種類の曲が有る事に気づ


きました。


 


『音楽による時間の使い方3.』


問題は眠れない夜の過ごし方です。


夜中ですからノートパソコンの画面の照明しか有りません、自然に目を閉じて聞く事となりま


す。コンサートではどんなに特等席でも私は殆ど目を閉じて聞いています。時々もったいない


ので演奏する姿(姿勢もチェック!)を目に焼き付ける程度に目を開けます。


目を閉じる事により曲に集中出来ます。音の細部が見えて来て、音の形や色彩までが見えて


来る事も珍しくありません。ヴァイオリンの弦と表板/底板の響きが聞き分けられ、音の伝わ


り方が形を持って見えて来ます。曲の世界に没頭出来る。脳の中は音の、音楽の世界で満


たされるのです。


 


深夜の音楽鑑賞では脳の中で音の世界を築き上げる感性と眠れぬ程の痛さの痛覚が脳の


中で戦います。感性が勝利すれば心穏やかに深夜の音楽鑑賞となるのですが、現実には痛


覚が完勝しました。痛覚は若いナースが用いてくれた座薬の薬効にも負けずに風林火山よろ


しく微動だにしませんでした。感性の力は音楽の様にピアニッシモからフォルテシモの様に連


続的に変化します。美しいメロディラインが流れていればその瞬間はフォルテシモの様に感


性が強まり脳を支配します。曲が単調になったり馴染めない楽曲では感性はピアニッシモと


なり脳は痛覚に支配されてしまいます。


●連続して変化する楽曲の全てを感性がフォルテシモの様に継続出来ない以上、


 連続している痛覚に隙を突かれて断続的に脳を支配されてしまう。


結果として音楽に没頭する事が出来ないので鑑賞を継続する事が出来ない。


 うーん残念!!、音楽情報だけではこの痛覚に勝てないと言う結果となってしまいました。