2009年2月14日土曜日

若いオーディオファン

ウッドウイルのお客様の年代は50~60歳の方が殆どです。



そしてなぜか男性ばかりです。



最近、セール中の即納品をご購入いただいたお客様がいらっしゃいまして、メールのやり取りだけでは手作り品を手に入れるには作品の真髄に(ちょっと偉そうかな!)触れる事が出来ないので直接工房に行って作品を確認したいといいまして、中部地方から車で来られました。



当方は勝手に中年親父(失礼!)と思い込んでいましたが、何と20代の方が来られました。若い時に??買ったコンポのスピーカーがダメになりネットを探していてウッドウイルの作品のデザインが気に入って目が止まったとの事でしたが、実際に来てみて作品の設計ポリシーや工房を見ていただき試聴もしていただきました。



今まで聞いて来た楽曲に対する変化は無かったそうですが、奏者の微妙な奏法に音場感や再生音楽のリアルさに驚き、デザインに引きつけられた以上に音質にも満足したと言われてご注文をしていただき、来て良かったと喜んで帰って行かれました。



自分の感性から来る衝動に素直に反応して遠路はるばる来られた20代の若者、対応させていただいたこちらも熱くなる思いでした。







2009年2月13日金曜日

標準エンクロージャー完成

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ウッドウイルの標準エンクロージャーの仕様や組立工程や未塗装の発表を既にしていましたが、やっとピアノ鏡面塗装が完成しました。



応用例として直方体タイプC-30(内容積30L)には名機として名高い日立のLo-d HS-500の弟分であるHS-350のウーファーL201をL203に変更したレトロフィット(古い物を新しい技術で現代に通じる改良/改善を行う事)としました。



HS-500には内容積が50L必要で標準品では対応出来ませんが、年内には標準品の規格外特注として製作できそうです。ウッドウイル製HS-350も驚くような音を出しています。



応用例としてラウンドタイプR-20(内容積20L)には最近売り出し中の貴重な国産スピーカーユニットメーカーであるPARC-Audioの17cmケブラーウーファーと1インチ超軽量アルミドームツイーターを搭載した2Wayシステムに組んでみました。



こちらは最新型ユニットと100%バーチ合板を使用したウッドウイルの完全オリジナルラウンドエンクロージャーというやはり最新エンクロージャーとの組み合わせとなります。音質は素晴らしいとだけ言っておきましょう。機会が有ればお客様にコメントをいただく事といたします。



従来もバーチ合板製のエンクロージャーを注文製作していました。ラウンドタイプもオリジナル成型合板で製作していました。しかしどちらも完全注文製作で納期もコストも多く必要となり、多くのお客様に対応出来ずに苦慮していました。



この2年程の期間をかけて製造方法や工程を見直して従来よりコストで30~50%offを実現し。納期は常に3ヶ月以内納品(これでも遅いか!)を実現しました。



標準品と言ってもユニット穴径や位置などはお客様の仕様通りに加工してからの製作になりますので(ハーフ注文製作か!)他社の汎用エンクロージャーの様なバッフル板だけでの加工では有りません。他社とは基本性能の高さをまるで違うレベルで目指して製作していますので、この仕様にはハーフ注文製作は必須と考えます。



この標準エンクロージャー開発の過程で得たノウハウを基に標準作品の発表などを進めて生きたいと計画しています。







2009年1月2日金曜日

あけましておめでとうございます

皆様、あけましておめでとうございます。



昨年は大変お世話になりましてありがとうございました。



本年もどうかよろしくお願いいたします。



今年4月で開業9年目に入ります。



夢中で今まで突っ走ってきましたが、今年は少し振り返りながら



今迄に得たノウハウを基に色々な要求されるレベルについて品質、機能、コスト、納期などを



総合的に見直して作品作りを見直し、充実させて行きたいと思っています。



今年はその内容を少しずつではありますが発表、実行して行きたいと思います。



皆様の希望に添えるようにウッドウイルの基本姿勢であるMCH(Make customer happy)



を忠実に行う為にです。



本年の皆様のご健康をお祈りしながら新年の挨拶とさせていただきます。



2008年12月14日日曜日

ウッドウイルは敷居が高い

ウッドウイルは敷居が高いと最近言われる事があります。
今迄の経緯を考えてどうなのかを少し考えてみいたいと思います。



2000/4にウッドウイルをスタートさせました。
初めは数千円程のMDF材を使ったエンクロージャーキットの製作です。
来る日も来る日もMDF独特の埃っぽい木屑にまみれての作業が続きました。
実績も知名度も何も無い中からのスタートですから当然であり無理もありません。
それでも数千円のキットをオーダーメードで製作する様な無謀な業者は他に有りませんし、
その頃、脚光を浴びたMercuryspeakers社からのエンクロージャー製作指定もあり
何とか注文だけは切れずに続ける事が出来ました。



お客様からの仕様を聞いて図面を書き、内容に問題が有れば問い合わせて製作する、
それだけでもう赤字です。買った材料のカットを行うホームセンターなどは材料の売り上げが
主体で、カットからは利益を期待しないサービスです。
パネルソーと呼ばれる大型の機械に材料(合板を)載せて、機械の操作で行う物ですが、
切断誤差が0.5mm前後はどうしても発生してしまいます。



ウッドウイルでは材料1枚1枚を荒切りして基準面を作ってそこを基にして
全ての加工を行うという木工加工の基本に則って行います。
天板/底板/側板は同じ奥行きですから、その加工は定規を決して動かさずに
加工を行いますので絶対誤差は±0.2mm程は有るかも知れませんが、
相対誤差は生じません。加えてビスケット加工を行っていますので位置合わせ不要で
組立は正確無比に出来た筈です。
お客様は上記のカットサービスを体験されている方が多いので、比較してあまりにも
あっけなく組立上がり、修正も不要で驚いたとネット上で何件も述べています。



それは価格がいくら安くとも新参者は怖くて手を抜く事など出来ませんでした。
正確なカットで喜んだお客様は次回には組立迄のご注文をくれました。
その仕上がりに更に喜んだお客様は次回は塗装迄を任せていただけました。
その次には全て任せるから例えば室内楽用で予算幾らで作ってくれと。
その継続が現在のウッドウイルの姿です。お客様に育てられて今に至っている訳です。
後にお話を聞かせてくれたお客様が言うには、何処の馬の骨とも知れぬ奴に数万円以上の
注文など初めから怖くて出来ないとの弁でした。



この様なお客様の要望を聞きながら製作を続ける内に相当に高度な仕様の作品を
手がける事も多くなりました。納期が1~2年で価格が数百万円などと言う
ハイエンド機クラスも製作して来ています。
反面、個人工房ですから大作を2機種も抱えると直ぐに納期が半年や1年取られてしまい、
比較的簡易な作品でも相当の期間お待ちいただくジレンマに陥って来た事も事実です。
これは2年かけて問題解決の目処が付いてきましたので、来年度からあまり長納期で
ご迷惑をおかけする事は無くなって来るものと思います。



上記に詳しく述べたキットと拘りの完成作品の制作工程は何ら変わりは無く、
丁寧に制作していましたが、しかし単価が安いイコール相応の品物としか見ていただけない
お客様も相当数(実は殆どの方)いまして、見積りをさせていただいても高価と言われる
事が大変多くなりました。MDF材の汎用エンクロージャーは多数発売されていますから
それらとの比較で高価かと判断されるのかも知れませんが、
オーダーメードのキット製作へのご理解がだんだんとされなくなって来たのも悲しい現実でした。
HPを良くご覧になる方々へのキリ番カウンター踏み無料キット提供も辞退される方が
多くなって来てウッドウイルのキット制作の意味は無くなって来たのかもと思い初めていました。



多くのリピーターのお客様にキット制作を止めようと思うと相談しました。
お客様はキットから完成品までの品質をご存じですから、
理解出来ないお客の為に利益の上がらない仕事は止めた方が良い、
その時間でウッドウイルでしか出来ない作品に集中した方が良い、
その様な声を多くいただいたので今はキット制作を止めています。
これも敷居が高くなった一因かも知れません。



大変長い書き込みで恐縮ですが、まとめますと。
.安価なMDF材の汎用エンクロージャーは市販されている。
.オーダーメードではMDF材キットであっても相応の価格になる。
.お客様は他に頼む事の出来ない拘りの作品製作の依頼希望を持っている。
.制作側も高音質/高機能の作品製作はノウハウ蓄積や何より楽しい事。
.最近発表した標準エンクロージャーは他では市販されておらず、
 ウッドウイルのノウハウが凝縮されている。
.この標準エンクロージャーのノウハウを完全オーダーメード製作の作品に
 採用する事により大幅に納期/価格を改善する事が出来る様になって来ている。
.等々を総合的に考えますと他に有る物、他で出来る事をウッドウイルが
 行う事は意味は少ない。お客様に喜んでいただける事に特化して
 持てるノウハウ、マンパワーを発揮しようと言うのが現実である事。
.これらを総称して敷居が高いと言われるのは案外お褒めの言葉なのかとも思います。
 過去の作品の価値を認めて下さっているのでは。逆に敷居を低くして喜ぶお客様は
 殆どいないと思われ、その先には未来が見えて来ないと思うのです。



2008年12月12日金曜日

標準エンクロージャー発表しました

私がコントロールする事などまるで出来ないのではありますが、最近受注します作品は規模の大小に関わらずに高機能で高音質な作品が殆どを締めます。無垢材を乾燥させる為に1~2年も寝かせたり、正味の製作期間が半年以上必要な物など、制作側としては興味深くやりがいがあり大変に幸せな事でありますが、高価格で長納期が常態化しています。



反面、強い拘りは無いけれども市販システムや汎用エンクロージャーでは満足出来ない方も多くおられて、納期や価格で対応できないジレンマに陥ってしまい、長らく頭を悩ませていました。



グレードの差はあれ、高音質を目指して来たウッドウイルとしては安易な妥協は命取りにつながります。その考えがお客様に伝わるのでしょうか?現在はMDF材を使った作品は殆ど無くなりました。市販の汎用品は殆どMDFかもっと安価な合板などを使っていて、当工房が敢えて製作する必要性が薄れて来ているのかも知れません。多様な材料に構造、システム構成で音を聞いている私の耳にはMDFは最早ノイズに近い聞こえ方となって来ています。当工房の試聴室に来られるお客様方も、試作用エンクロージャーのMDFの音には感動を覚えない様です。



同じ大きさ、同じユニットでバーチ合板や無垢材、更にはラウンド構造の完成品を聞かれますとまるで違うシステムを聞く様に驚き、感動し、音楽に入り込めるのです。やはり素材選びは最重要な事の一つと思います。



大変前置きが長くなりましたが、上記の問題点の解決の一つの方法として100%バーチ合板を採用した直方体/ラウンドの2種類の標準型エンクロージャーを発表しました。高度な補強処理、完璧なピアノ塗装など従来の完全オーダーメードの作品と同等以上の高機能で低価格/短納期を実現させる事ができました。短納期と言っても受注製作ですので2~3ヶ月はお待ちいただきますが、最近では比較的簡単な作品でも半年や1年もお待ちいただく事が常態化していましたので大変な改善とご理解いただければ幸いです。



既に2年の間、製作のパートナーや協力者などを探して来た事。新たな仕入先の開発、加工方法の検討など時間はかかりましたが、標準品で間に合うお客様にとっては大変なメリットが有るだろうと想像します。特筆すべきはバーチ合板で曲面成型合板の製作に成功した事です。恐らく内外でバーチ合板の曲面成形合板製の製品は無いと思われ、ましてや注文製作で入手できるのは画期的な事と自画自賛しています(失礼)。この技術で完全オーダーメードのラウンドエンクロージャーのコストダウンと製作期間の短縮も大いに期待できます。



現在未だサンプル制作中ですので画像はもう少し後れますが、過去の制作例を見ていただければ当工房作品の品質はご理解いただける事と思います。初めての標準エンクロージャーですので不備もあるかも知れませんので、その時にはご指摘いただければ幸いに思います。



以上です。









2008年11月30日日曜日

フィギュアスケートとPA

皆さんはウインタースポーツに興味はありますか?。



私は北海道生まれで今は長野在住という程ですからかなり好きな部類です。



今日のNHK杯の女子フィギュアスケートは何と日本選手が表彰台独占です。



3位の中野友加里は持ち前の根性と表現力を磨いて常に上位に位置して



グランプリファイナル(世界で6人しか出場できません)出場決定です。



2位の鈴木明子は体調不全で6年間も脚光を浴びる事もなかったのですが



先シーズンから盛り返してきました。1位の浅田真央はご存じジュニアチャンピオンから



トップを走って来ましたが、その重責に苦しみながら克服してきました。



この3人の演技には涙を抑える事が出来ませんでした。



アスリートも突き詰めると人間性に突き当たります。



長く応援しているとその努力が見える様で感激してしまいます。



大勢の観客、TVの前で自分のパフォーマンスを見せなければならない、



失敗して涙し、成功して満面の笑顔を見せる、またはその努力を自身に



しまい込んで平成を保つ姿には若くても勉強させられます。







話は変わってリンク会場の音響について。



随分前ですが、ソルトレーク五輪のスケート会場はJBLサウンドが響き渡り素晴らしい



音響でした。トリノはパナソニックが平均的な音を出していて、北京はそれよりもかなり



良い音でした。グランプリシリーズのカナダ大会ではCDプレーヤーで有ろうと思いますが



素人が聞いても分かる程の回転ムラを起こしながらも2日間も世界に音を配信していました。



全くプロ意識が欠如した救いがたい失態でした。



今日のNHK杯の代々木会場の音はPAの音を拾っている様なレベルの音では



有りませんでした。会場独特の残響や帯域バランスを見事に調和させた音で



快適でした、サラウンド5.1ch放送もグットです。



各選手が用意する演奏楽曲は曲も演奏もかなり上質の物が多く



後でネットで調べたりする程に興味深い物があります。



以上の評価は自宅ホームシアターでの試聴感想です。



相応の装置で聞けば上記の評価が出来る程に高品位な音と



画質で自宅で堪能できるのは幸せな事ですね。



2008年11月18日火曜日

雪虫

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Yukimushi2



皆さんは雪虫と言う物をご存じですか?



北国(雪国)では雪が降り始める1,2週間前に辺りにふわふわと綿をお腹に付けた様な



雪虫が漂い始めます。子供達は(私もそうでした)喜んで追いかけ回します。



とても小さく、ゆっくりとしていて沢山居るので捕まえると言うより雪虫と一緒になって



遊び回るのでした。



今の私の住む地域では見かけないのですが、週末に行った山間部の村で舞っていたので



懐かしく思いました。今日の天気予報では明日にも北部で雪との事。



雪虫さんの予報は的中です。