2011年3月25日金曜日

今日は今年の初コンサート

1月に予定していたヴァイオリン.リサイタルは招待していただいたので、私の不調と妻の風邪を押して出かけたら何とチケットを忘れるという失態を演じて流れてしまいました。


その後は私の治療や入院手術でコンサートどころではなく、今日も果たして行けるか?でしたが、リハビリに通ったついでにこれから手術という主治医を捕まえて、痛み止めの注射やら処方をしてもらい、落ち着いたので出かける事ができました。


上原彩子さんのピアノリサイタルを聞いて来ました。


2,3年前にNHKBS放送でソリストとしての彼女の演奏を聴いて気に入りまして、昨年は地元長野県でロシアのオーケストラを従えての(従っての?)演奏を聴いて大満足。今日はリサイタルですから期待も高まります。


地元、茅野市の市民館コンサートホール。今はどの地方にもありますがここのホールは小規模で(多目的の大ホールも併設してます)殆どクラッシック専門と言える好感度のホールです。ウッドウイルが制作した大型ウッドホーンの開口部に居る様な扇形の一風変わった形状です。挨拶でこのホールが大変気に入って感動していると言っていただきましたので嬉しい。


演奏曲目はシューベルトの3つのドイツ舞曲の可愛い曲と、ショパンのワルツ第6,7番の華麗で哀愁を帯びたダンス曲の対比。ベートーベンのソナタ第3番の難曲。この3曲目に演奏した曲で完全に彼女の世界に浸ってしまいました。後半のショパンのノクターン第8番は期待しなかった(巨匠の名盤をいつも聴いている)のですがこれも良い意味で裏切られて大満足です。同じくショパンの12の練習曲はこれでもかと言う程に表現の世界が違う曲をエンドレスで聴かせてくれ、完全に参ってしまいました。


地元(田舎の)コンサートは土地柄か関係者のツテが多く、一見して音楽にあまり興味のなさそうな人が動員されていてビッグネームの演奏でも儀礼的な拍手が多かったりして興ざめする事が多いのですが、今日は違いました!。観衆の心は見事に打ち抜かれていました。小さなホールでの大喝采はすばらしい!おかげでアンコールを3曲も聞けました。


最近恒例になって来たサイン会が有る時にはCDを買ってサインしていただく。また来て下さいねと言ったら笑顔で事務所の方が呼んでいただけたら来ますと言っていました。ホール関係者に希望を伝えてみましょう。


そうそう、TVでみた時には妊娠中、昨年聞いた時には出産からそう遠くない頃、今は子育てに大変な筈、それでも演奏への集中力は凄いです。五嶋みどりなど知っている何人かの演奏家は音楽家と言うよりアーティストと感じさせるのですが、上原彩子さんもその一人に入るのかなと思います。子離れしてさらに円熟味を増した演奏を聴けるのを待ちながらチャンスが有ればその都度、聞きたいと思っています。


 



2011年1月4日火曜日

サイトウキネン

1992年から始まった長野県松本市を舞台に行われるクラッシックの音楽祭は、
指揮者の小澤征爾さんが総監督する”サイトウキネン”と呼ばれます。


私の所から松本迄は高速を飛ばすと1時間弱で行かれますが、
何故か今迄この音楽祭に出かけた事がありませんでした。
可能な限りの小規模の室内楽中心の演奏会を聞こうとしていた為でもあります。


昨年は小澤征爾氏が体調を崩して1曲しか指揮を出来なかったと言う
音楽ファンには大変残念な年でもありました。


今日のNHK総合で、その1曲の演奏と練習風景を放送していました。
曲はチャイコフスキー:弦楽セレナード 第1楽章
小澤征爾氏にとっては馴染みの曲ですが昨年ばかりは体力の関係で
その7分間の曲の指揮しかできなかったのです。


自身の心内では充分に時間を取る事が出来ていた。
この音楽祭から復帰を果たそうと決めていた。
療養中の音楽から離れていた情熱の高まり。
その気持ちをぶつけてリハーサルを行い、
気心知れた楽員達はそれに情熱を込めてそれに答えてくれている。


TVニュースでその曲の出だしを流していたのちらっと聞いて
これは凄いぞ!と思い、今日の放映を待っていました。
その演奏はすばらしいものでした、感動して熱くなってしまいました。
もう一度、素晴らしかったです。


録音も素晴らしく、各パートの一音一音が聞き取れていながらも
素晴らしいハーモニーが感じられました。
演奏が良ければ装置に無関係に音楽に感動出来るとは言いますが、
有るレベル以上のピュアオーディオで組まれたシアターシステムで
聞きますとリハーサル中に何度も弾き直すコントラバスの重低音の表現の違いも
聞き分ける事などが出来ますのでやはり感動の大きさは違うと思いました。


サイトウキネンの楽団員は全てが一流の人とは限りませんので、
うがった見方でいた事は正直有りました。
逆に一流のオケでも力の入らない演奏会ではつまらない思いをして
帰ってくる事も珍しくありません。
でもこのTVを見た方なら楽団員の生き生きとしたリハーサルの姿や
感情のこもった演奏に心を動かされた事と想像します。
感動が感動を生むのですね。
小澤征爾氏の入魂の指揮だった証であります。


音楽を専攻していない私などは指揮者と言う職業をよく分かりませんが、
小澤征爾氏の若き日を記した”ボクの音楽武者修行 (新潮文庫) ”を
読むと指揮者がどれ程の才能に恵まれながらも勉学と努力と己の道を開き進む苦労を重ねているかが垣間見えますので楽しみながら読み進む事が出来ます。
世界の人からマエストロとして尊敬を集める職業で有る事の理由が少し分かります。



2011年1月3日月曜日

おめでとうございます。

明けましておめでとうございます。


本年もよろしくお願いいたします。


 


各地大荒れの空模様で難儀されている方が多いので大変ですね。


若い頃は年末には帰省していましたので移動中の事故等のご苦労が良く分かります。


ありがたい事に、信州の中部地域は静かな年末年始となりました。


 


ウッドウイルは今春で開業12年目を迎えます。


お客様のおかげで何とかここまで来る事が出来ました、本当にありがとうございます。


 


今年は他には無いオリジナルの高機能キットの発表を計画しています。


このキットを発展させた完成品の製作も準備しようと思っています。


簡単、高性能のエンクロを容易に組み立てられ、完成品よりも割安で入手出来る作品です。


 


また、今迄の経験から得たノウハウを元に無駄を省いたり加えたりと細かな手直しを


設計や製作に盛り込み、受注製作の良さを更に進めてお客様に更に喜ばれる様な


工夫をして行こうと考えております。その都度HPにてご報告させていただきます。


 


昨年は大型作品が多く個人工房の限界も見えましたので、安定製作出来る体制を


作り上げる事も大きな課題として取り組みます。


あまり若くは無くなって来ましたので、中型程度の大きさでハイエンドを狙う様な作品で


一番力を出せるのですが、それは贅沢というか我が儘である事は承知しています。


 


このブログはホームページを訪れてくれる方の半数が見ていて下さる様なので敢えて


申し上げる事といたしますが、今年からはお問い合わせ時に氏名/住所/電話番号を


お知らせいただけない方には対応を行わない(返事をしない)事とさせていただきます。


過去に何度も試行錯誤し、お得意様に意見を聞いたりした経験から決めました。


今迄11年間の活動の中で、初めのお問い合わせ時に氏名/住所/電話番号をお知らせ


いただけなかった方からのご注文は一件も無いという事実がその最大の理由です。


敷居が高くなったり等で恐縮ではありますが、ビジネス視点で決めさせていただきました。


無駄に時間を費やす、ノウハウを知らない方に流出させる事を防ぎたいと思ったからです。


 


年初からかしこまった話ですみません。


今年のHPにはPCオーディオのコラムなどを加えてウッドウイルの作品を買った方、


検討されている方、興味を持って見て下さる方にも楽しんでいただける様な


情報提供をして行こうと計画していますので懲りずにHPを訪れて下さる様お願いします。


 


最後になりましたが、今年も皆様にとり良いお年となりますように。


ウッドウイル 柴田。



2010年12月25日土曜日

母校のイベント

”母校への一日日帰り”と言うイベントが行われているとの案内が大学便りに書いてありました。


今年は学生時代の思い出の品を各自が持参してお宝鑑定を受けたそうです。


ベスト7の中に入学時に購入した電卓が二つも出ていて懐かしくて今書いています。


電卓はカシオの関数電卓で10桁まで計算出来る機種が要求されました。


表示は未だ液晶が生まれていなくて緑色した蛍光表示管でした。


電池が直ぐ消耗する大飯ぐらいでした。


約35年前の価格で1万~1.5万円程したと記憶していますが、とにかく当時は貧乏で


その電卓が直ぐに買えずに苦労した!それが懐かしく哀れだったので覚えているのです。


工学部ですのであらゆる計算にはこの電卓が必須!。


お宝鑑定に出したお二方はどんな思いで出したのかは知りませんが、


私と同じ気持ちでいた方もいるのか?実験レポートに苦労した相棒に愛着を持っているのか?


いまだに大事に持っているのですから相応の思い出があるのでしょう。


私のは確か故障して修理不能で破棄したと記憶しています。


当時の電卓の写真が掲載されていますが懐かしいですね。


因みに今の関数電卓は遥かに高機能で2千円程度で買えます。


机の中と工房とリビングにと3,4台有りますがいつの間にか贅沢になったものですね。


 



2010年12月21日火曜日

PCオーディオ

何やら最近のオーディオの新しい風というのはPCオーディオらしい。
ウッドウイルでもJazz-Machineで混み入ったのを体験済みですが、
もう少しシンプルなシステムを研究してみようかと思っています。
その内にホームページに専用コーナーを設けようかとも計画しています。


つい最近、家電量販店と呼ばれる都内の本店を数店出かけてその動きを覗いて来ました。
結果はそれらしい機材などは置いてありますが、
初心者や一般の方が見ても気が付かない程度の物でした。


売り場担当に聞いて見ますとオーディオコーナーにはパソコンが無い
(家電量販店の本店なんですけど不思議?)のでシステムを設置出来ないとの事。
関連書籍や解説書は?と問いかけると売り場が違うのそちらに置いていますと。
今寄って来たけど有りませんでしたが?と言うとそうですか、そこへは行った事が無いので...
PCオーディオにはソフトウエアが必要なんですが、そんなソフトも売り場には無かった。
主流は無料ダウンロード出来るソフトを使っていますが。


どうも現状はどの店もこの程度らしいので驚きと安心(未だそんなに遅れを取っていない)。この新しい風は一部のオーディオ雑誌の特集の中だけの話なのか?
でも専門誌も発刊されているし??本当の所はどうなの。


LPからCDに代わってジャケットや説明書が無くなり悲しんだ経験が。
音楽を聴く時の大事な儀式である棚からCD(LP)を探し出して来て中身を取り出し
プレーヤーにセットして鳴り出すまでの僅かな緊張した厳かな時間。


PCオーディオはこの儀式や古のしきたりをほぼ全て消し去ってしまいます。
どんなに音が良くなってもこれに馴染めない方は居られる事でしょう。
音楽を聴くのにPC(パソコン)を使う事にもアレルギーを持つ方もいるでしょう。


ウッドウイルの店頭代わりとなるホームページはPCを使わないと見る事が出来無いのですが、
活字媒体や一部のTV放送などで初めて当工房を知ったと言う方が未だ多く居られます。
連絡も電話やFAXが活躍していますし、手紙でさえ活用されています。


そんな中でのPCオーディオの研究です。
パソコンが嫌いでも音楽CDも映像ソフトも今や全てPCで製作されています。
その中には録音時の生音情報が豊富にやり取りされている訳で、
一般が手にする事の出来る販売されているCD等はその情報が削り取られている訳です。
一般ユーザーもPCを介在する事によって遥かに上質の音楽情報を取り扱う事が可能なのです。


スピーカーを製作しているウッドウイルには直接関係なさそうですが、
音楽の情報量が増えて上質な入力ソースが得られるとスピーカー本来の持つ能力を
今以上に発揮してくれる事が確実に予想されるので、
良い音楽を楽しむ為の道具を少し調べてみよう、研究してみようと言う訳です。
パソコンマニアでも無く、がちがちのオーディオマニアでも無く、
良い音楽を楽しむと言う視点からです。



2010年12月6日月曜日

音が見える?

同じアーティストの演奏を何度も聴いているとその日の音色の違いに気が付いたり、


時間経過による違いに気が付いたりは既に体験済み。


最近はヴァイオリンなら弓と弦/表板/裏板のそれぞれの音を聞き分けられる様な気がして


いましたら、どうも演奏者にとっては当たり前の事の様でした。


スピーカーユニットは例えるなら弓と弦の音源です。


エンクロージャーは楽器のボディーと言う事でしょうか。


この仕事をしていますとユニットの音とエンクロージャーの音は聞き分ける事が出来る


様になりますが、流石に今迄は表板と裏板の違いまでは分かりませんでした。


チェロなどのボディーの鳴きの大きな(音量もサイズも)物は、低音弦側と高音弦側との


表板の響きが違う事も分かって来ました。


音階の違う領域で振動して鳴いているのを差し引いての響きの違いです。


それらの違いが再生音でも分かる事に気が付いていたのですが、


確信が持てずにいた所、ある録音エンジニアでオーディオにも造詣が深い方が


その違いが分かる装置があると言う事を言っていたのでなる程と納得している所です。


 


さて、スピーカーのチューニングに例えますと、どんなユニットでも、どの様なネットワークで


駆動させてもその音色の違いは弓と弦の領域から外れる事は有りません。


エンクロージャー構造や不要共振対策に吸音処理などによる音色の違いも、


やはり表板と裏板の領域から外れる事は無いのです。


 


この様に気が付かなかった事が分かって来るとチューニングが容易になるかと思えば、


そんな事は無くて、気になる共振を止めたら良かった響き迄が消えてしまったなどと


相反する問題が次々と見えて来て、その最適点を求める試行錯誤が以前よりも増えて来た。


幸か不幸なのか、その判断は依頼者に委ねるしか無いのでしょうね。


 



見える物はいいですね

ソナス.ファーベル。「音の工房」を意味する社名との事。


精緻な木工技術と音の純度へのアプローチが見事に融合。


イタリアン・デザインの極致とも言うべきオーディオ製品です。


そのデザインを意識して製作依頼を受けました。


果たしてその結果は??。


20101162-11 


20101162-12 20101169-11