2016年8月6日土曜日

法人様エンクロージャーのチューニング

法人様エンクロージャーのチューニング。


ここで言うチューニングとは内容積やバスレフポートのfob(共振周波数)などの
ユニット性能によりある程度決まってしまう仕様の事では有りません。


よく言われるエンクロージャーを鳴かせる、鳴きを押さえると言った
観念的、官能的な感覚に依存する内容です。


以前に専門家(スピーカーシステムの開発設計者)から言われた事が有ります。
ウッドウイルさんはエンクロージャーの鳴き(響き)を随分と押さえ込むのですねと。
ジャズやポップス系の明快、歯切れの良い音では鳴きを抑え気味に、
クラッシックやアコースティック系なら音色を考慮した響かせ方などなど、
私なりに注文主様の志向に合う様にスピーカーシステムをチューニングしているだけで、
作品により、鳴きが多かったり少なかったりと多種多様なので、
断定的に言われた事にかなり違和感を覚えた事が有りました。
専門でもエンクロージャーの事はよく知らないのだなと。


志向が明確で拘りの強い方とは、「立ち会いチューニング」などを行い、
一日かけてチューニングを行います。
その様な経験をこの十数年繰り返して来ました。


そのノウハウを知ってか知らずか、
法人様や研究施設様から、開発用や研究用の用途でご依頼が有ります。


先程、「観念的、官能的な感覚に依存する」と書きましたが、
個人用途とは別の用途で使われる機材装置に個人的趣向が含まれてはなりません。

開発、用途が明確で、主に比較試聴でチューニングが行われる事から、
カットアンドトライ的なチューニングにも明確な目的の項目が存在します。
a.と言う項目を満たすチューニングを行い、その得点を与えます。
b.と言う項目での得点は?それによるa項目の変化の傾向は?。
c.と言う項目での得点は?それによるa.b項目の変化の傾向は?。
d.と言う.....
e.延々と続きます.....

延々と続いている間、私はウッドウイル試聴室で控えながら聞いています。
要求される項目を満さない時には解決の為のチューニング手法を
アドバイスし、その場で瞬時に実施します。


集中して試聴するには体力が要ります。
自己満足するだけで聞いているの時とは違い、
問題解決と言う工事を伴いながらのチューニングを行うので集中します。


以前にレコーディングエンジニアの為の「My Speaker」を作らせていただいた時、
検収に半日の間、大音量で聞かされ続けた時の疲労は、
八ヶ岳の赤岳日帰り登山以上かと思いました。
次の日は半日仕事が出来なかった...


延々と書きました。
お話ししたかった事は、
これ程にエンクロージャーのチューニングで
大きく音質が変わると言う事を専門家は承知で対応をしている事。
この種の受注で、今迄のエンクロージャー製作のノウハウが
有効であって、具体策に於いて活かす事が出来ていると言う事でした。


ブログは勿論の事、
HPの更新はまるで無し、
上記の種類はHPには書けません。
心身共に忙し過ぎる事も有りますが、
更新、もう少し待っていて下さい。