2018年2月7日水曜日
シェーカースピーカーのグレードアップ
使っていますが、エンクロージャーはバーチ合板を採用しています。
購入していただく商品ですので機能、音質と価格設定は悩ましく、
制作側の意思で高価になり過ぎない様にとの配慮でバーチ合板にしています。
でも、一般的にはバーチ合板採用は高級機かそれ以上です。
ハイエンドの数百万円もする製品で、もっと安価な材料を使っていますので。
エンクロージャーをバーチ合板から山桜無垢材にグレードアップしましたら、
.音色の硬さが取れてリラックスした音になりました。
.電気信号系統には全く触れていないのに、ダイナミックレンジが広がりました。
.ピアニッシモが綺麗で静か、フォルテも大らかに鳴り響きます。
写真内の左側が標準品のバーチ合板、写真内右側が山桜無垢材です。
これらの良くなった(改善された、元々はこうあるべきでは?)点を考えますと、
バーチ合板の音が良くない(少し恐れ多いですが)のかしら?。
バーチ材は樺と言う樹の仲間です。
樹その物はクリアーで綺麗、独特の華やかさを持つ良質な材料なのですが、
合板構造は数ミリmmの薄板を奇数枚重ねて接着して希望厚にした材料の事。
その接着剤が悪さをします。綺麗な響きを大幅に減衰させてしまいます。
そんな事で、シェーカースピーカーのバーチ合板を無垢材に変えて、
100%無垢材スピーカーにグレードアップした訳です。
http://www.lcv.ne.jp/~woodwill/Shaker-SP-2.html
http://www.lcv.ne.jp/~woodwill/Shaker-SP.html
何度かシェーカースピーカーの特徴を述べて来ましたが、
もう一度簡単に説明させて下さい。
マリンバと言う音板打楽器を例に説明します。
a.図の音板がバッフル板
b.々 共鳴パイプがエンクロージャー
c.々 音板つづり紐(音板の節、支点)がスタンド脚にバッフルを引っかける点。
d.ばち(マレット)ハンマーみたいに叩く棒でスピーカーユニット
シェーカースピーカーの音の響く仕組み
d.音楽信号により生じたユニットフレーム振動をマレットの代わりとして音だし。
a.バッフル板(音板)は長さ/幅/厚さ/材質/加工により基本波、偶数波、高調波を 生みます。音楽信号に応じた共振を設定します。
b.a.の共振を受け止めます。材質、内容積、支持構造で大きく変化します。
c.支点が正しくないと上記の効果は全て消えて無くなります。
有る時に工房内で板材を運んでいた。
耳の直ぐ近くに板が有り、支点を指で支えていた、肘が偶然にもマレットで
叩く点を叩いた、その時に発した共振音に心動かされました。
動作原理を探り試行錯誤で生み出されたのがシェーカースピーカーでした。
2015年1月26日月曜日
バーチ積層ラウンドエンクロ + FOSTEX
偶然にもFOSTEXの優れたユニットをバーチ合板積層ラウンドエンクロージャーに
納めた作品の掲載が続きました。
13cmフルレンジのFE138ES-R 2発 +T250D の変則2Way と
10cmウーファーのM100HR-W +T250D の2Wayです。
10cm2Wayは音質改善メカ「MGES」搭載1号機 となりました。
何れもユニットはオーナー様の指定、支給であるので、
こちらはその他の条件も含めてベストなシステムを提案すると言う形となりました。
FE138ES-R 2発 +T250D のシステムについて。
エンクロージャーの製作についてはもう馴れた物ですので問題は何もありません。
手こずったのはチューニングで形としてはデバイディングネットワークの設計と
言う事になりました。
自作やユニットを独自に選択、使用した方ならフルレンジを2発の2Way???
とお考えと思います。
そこはオーナー様の思いが込められた理由が有る筈ですので、
後はいかにしてベストな形にまとめるかです。
通常フルレンジ2発では中低域が勝ってしまい高域が負ける(足りなくなる)ので
ツイーターを足してバランスを取ります、フルレンジ同士が喧嘩をしなければ。
FE138ES-Rは大喧嘩です、なだめすかしても、言う事を聞いてくれません。
きっと同じ個性同士が同じ仕事をするのでライバル視してしまうのでしょう。
止む無く仕事の分担を別けます。
1発はフルレンジで、1発は低音補正でと納得して貰います。
その分担量も大筋合意で細部ではまたまた大喧嘩、。
好みも主張も激しいので 納得して貰うのに大いに手こずります。
秀才ですから下手な事は出来ません。
こんなケースではチューニングに数ヶ月かかります。
相手をしているこちらの音感をリセットしながらでないと務まりません。
そうかと言うと数日でピッタリまとまるシステムもあるのだから分からない物です。
クロスの低いシステムですと調整用に揃えるコイルやコンデンサで数十万円も必要です。
全く割の合わない仕事なので考え込む事もしばしば(笑う)。
ですから積極的にチャンネルデバイダーを使ったマルチアンプ方式を勧めています。
完璧に仕上がったデバイディングネットワークでもマルチアンプ方式に負けます。
コストはそんなに変わりませんので如何様にも調整可能なマルチアンプ方式が断然有利。
皆さん考えて見ましょう。
M100HR-W +T250D のシステムについて
HPに珍しく感想を書いているので参照して下さい。
チューニングは何時もの様にカットアンドトライ、何度も調整を繰り返しますが、
程なくベストポイントが見つかりました。
優秀なユニットです、解像度、反応、申し分有りません、音色は若干優等生気味ですが、
そんな事言うのは贅沢と言う物です。
この完成度に加えてラウンドエンクロージャーですから定位が良くて音場も広い。
吸音処理不要ですので、泣く泣くメカニカルリミッターをかけた様な躍動感を削る
辛い作業も有りません。
嬉しい事に更に加えて音質改善メカ「MGES」を搭載していただける事になりました。
受注時には未だMGESは実用化されていませんでした。
当初、MGESの効果についてはユニットの不要振動(作用反作用運動)を取り除くと
連動してエンクロージャーの不要振動が大幅に減衰して中域の解像度アップ。
低域の分解能アップ。システムのセッティングによる優劣の最小化などを考えていました。
これらの想像した効果は再生音のつまらなさ(誤解を恐れずに)を充分にカバーする
効果を生みました。
そして想像しなかったのが音場の拡大です。
広がった、深まった、音楽ソースによってはモノラルからステレオへと言う程です。
これはHPに載せている比較試聴ファイルでも確認出来ます。
MGESを搭載してもエンクロージャーの不要振動は残ります。
それは振動板の動きによってエンクロージャー内部の空気室の圧力が変化するからです。
振動板が前方に振れるとエンクロージャー内部圧力は低下します。
エンクロージャー全体が収縮する訳です。
振動板による音波の進行方向と逆行する訳ですから、
位相がエンクロージャー周りで乱れに乱れている。
MGESが無いとそれにユニット振動が加わって更に酷くなる。
音場が閉じてしまう様です。
今、ウッドウイルの 試聴室にはLO-D HS-500/JBL L101ランサー/
ウッドウイル代表作「ウイング」/そしてM100HR-W +T250D の2Way。
何れもMGES 搭載機です。Jazz Machineですら搭載準備中。
困った事になりました。
MGES搭載していないと音がのっぺり平らで濁って音場が狭くて...
こんな風に聞こえてしまいます。
M100HR-W +T250Dはお客様の好意でしばらく試聴室に有ります。
是非試聴されて効果を確認してみて下さい。
ブログに何度も書いてしまいましたが、
聞いていただいた方皆さんから「全然違う!」とのお言葉をいただいています。
2010年12月6日月曜日
見える物はいいですね
ソナス.ファーベル。「音の工房」を意味する社名との事。
精緻な木工技術と音の純度へのアプローチが見事に融合。
イタリアン・デザインの極致とも言うべきオーディオ製品です。
そのデザインを意識して製作依頼を受けました。
果たしてその結果は??。
2009年3月17日火曜日
超弩級JBL38cmウッドホーン3Wayのその後
昨年の6月頃に納品に立ち会って、暫定的なネットワークにつないだ音を聞いて以来、
オーナー様は3Wayマルチチャンネル方式に替えてセッティングを進めて来ました。
興味津々、一応の完成を見たので聞きに行って来ました。
個人が組んだシステムには大物量作戦で組んだ億単位システムや何々年代の味を表現した
ヴィンテージ物レトロシステム、などとオーディオには色々な音が有る事を承知しています。
オーディオファンが良い音を求めて求道する基準となるべきリファレンスが各メーカーの
フラッグシップ機であるとするのならば、その基準を変える必要が有ると思いました。
試聴した感想としてはそう言うしか言葉が無いのです。
JBL9800K2に搭載しているユニットに当工房製のウーファーエンクロージャー、
中域ウッドホーン、高域ウッドホーンにCDトランスポート、D/Aコンバーター、
DEQXと呼ばれる室内特性を補正しながら300dB/octカーブのデジタルチャンネルデバイダー、
セミオーダーのモノパワーアンプ4台、に専用電源や選りすぐりのアクセサリー類。
JBL9800には地球上で2番目に高いK2の名が付いています。
JBL66000には1番のエヴェレストの名が付いていますが、
残念ながら地球には1万メートル越える山が無いのでこのシステムに付ける山名が無い。
その道のうるさ方のオーディオファンやプロの方が既に多く聞きに来ているらしいのですが、
皆さんその様な印象を持たれている様です。
私もそんな思いを深くして帰って来ました。
製作者としてはこれを越える作品を作らなければと思いますが、
しばらくはこの耳に焼き付いた印象を払拭するのに時間がかかりそうです。
2009年2月13日金曜日
標準エンクロージャー完成
ウッドウイルの標準エンクロージャーの仕様や組立工程や未塗装の発表を既にしていましたが、やっとピアノ鏡面塗装が完成しました。
応用例として直方体タイプC-30(内容積30L)には名機として名高い日立のLo-d HS-500の弟分であるHS-350のウーファーL201をL203に変更したレトロフィット(古い物を新しい技術で現代に通じる改良/改善を行う事)としました。
HS-500には内容積が50L必要で標準品では対応出来ませんが、年内には標準品の規格外特注として製作できそうです。ウッドウイル製HS-350も驚くような音を出しています。
応用例としてラウンドタイプR-20(内容積20L)には最近売り出し中の貴重な国産スピーカーユニットメーカーであるPARC-Audioの17cmケブラーウーファーと1インチ超軽量アルミドームツイーターを搭載した2Wayシステムに組んでみました。
こちらは最新型ユニットと100%バーチ合板を使用したウッドウイルの完全オリジナルラウンドエンクロージャーというやはり最新エンクロージャーとの組み合わせとなります。音質は素晴らしいとだけ言っておきましょう。機会が有ればお客様にコメントをいただく事といたします。
従来もバーチ合板製のエンクロージャーを注文製作していました。ラウンドタイプもオリジナル成型合板で製作していました。しかしどちらも完全注文製作で納期もコストも多く必要となり、多くのお客様に対応出来ずに苦慮していました。
この2年程の期間をかけて製造方法や工程を見直して従来よりコストで30~50%offを実現し。納期は常に3ヶ月以内納品(これでも遅いか!)を実現しました。
標準品と言ってもユニット穴径や位置などはお客様の仕様通りに加工してからの製作になりますので(ハーフ注文製作か!)他社の汎用エンクロージャーの様なバッフル板だけでの加工では有りません。他社とは基本性能の高さをまるで違うレベルで目指して製作していますので、この仕様にはハーフ注文製作は必須と考えます。
この標準エンクロージャー開発の過程で得たノウハウを基に標準作品の発表などを進めて生きたいと計画しています。
2008年12月12日金曜日
標準エンクロージャー発表しました
私がコントロールする事などまるで出来ないのではありますが、最近受注します作品は規模の大小に関わらずに高機能で高音質な作品が殆どを締めます。無垢材を乾燥させる為に1~2年も寝かせたり、正味の製作期間が半年以上必要な物など、制作側としては興味深くやりがいがあり大変に幸せな事でありますが、高価格で長納期が常態化しています。
反面、強い拘りは無いけれども市販システムや汎用エンクロージャーでは満足出来ない方も多くおられて、納期や価格で対応できないジレンマに陥ってしまい、長らく頭を悩ませていました。
グレードの差はあれ、高音質を目指して来たウッドウイルとしては安易な妥協は命取りにつながります。その考えがお客様に伝わるのでしょうか?現在はMDF材を使った作品は殆ど無くなりました。市販の汎用品は殆どMDFかもっと安価な合板などを使っていて、当工房が敢えて製作する必要性が薄れて来ているのかも知れません。多様な材料に構造、システム構成で音を聞いている私の耳にはMDFは最早ノイズに近い聞こえ方となって来ています。当工房の試聴室に来られるお客様方も、試作用エンクロージャーのMDFの音には感動を覚えない様です。
同じ大きさ、同じユニットでバーチ合板や無垢材、更にはラウンド構造の完成品を聞かれますとまるで違うシステムを聞く様に驚き、感動し、音楽に入り込めるのです。やはり素材選びは最重要な事の一つと思います。
大変前置きが長くなりましたが、上記の問題点の解決の一つの方法として100%バーチ合板を採用した直方体/ラウンドの2種類の標準型エンクロージャーを発表しました。高度な補強処理、完璧なピアノ塗装など従来の完全オーダーメードの作品と同等以上の高機能で低価格/短納期を実現させる事ができました。短納期と言っても受注製作ですので2~3ヶ月はお待ちいただきますが、最近では比較的簡単な作品でも半年や1年もお待ちいただく事が常態化していましたので大変な改善とご理解いただければ幸いです。
既に2年の間、製作のパートナーや協力者などを探して来た事。新たな仕入先の開発、加工方法の検討など時間はかかりましたが、標準品で間に合うお客様にとっては大変なメリットが有るだろうと想像します。特筆すべきはバーチ合板で曲面成型合板の製作に成功した事です。恐らく内外でバーチ合板の曲面成形合板製の製品は無いと思われ、ましてや注文製作で入手できるのは画期的な事と自画自賛しています(失礼)。この技術で完全オーダーメードのラウンドエンクロージャーのコストダウンと製作期間の短縮も大いに期待できます。
現在未だサンプル制作中ですので画像はもう少し後れますが、過去の制作例を見ていただければ当工房作品の品質はご理解いただける事と思います。初めての標準エンクロージャーですので不備もあるかも知れませんので、その時にはご指摘いただければ幸いに思います。
以上です。
2008年5月20日火曜日
超弩級JBL38cmウッドホーン3Wayシステムの続編
stereo”誌2008年6月号 P212項 (2008年5月19発売中)の田中伊佐資の
オーディオ・ジコマン開陳の記事の中で見開き2ページで掲題タイトル作品の様子が掲載されています。
この作品製作に関わる記事は約1年半に渡って掲載させていただきましたが、
今月号で一応区切りとなります。
次回以降は田中氏のチューニングやセッテイングなどの話になろうかと思います。
そんな事で製作者の私はシェーンのラストシーンの様に背中を見せて八ヶ岳へ帰った事と記事は結んでいます。(何かとても寂しい...)。
でもこの作品には弟たちが5人もいるのです。
帰った私はこれらの作品作りに汗を流さねばなりません。
近い内にその辺の事でも書き込んでみようと思っています。
2008年5月1日木曜日
超弩級JBL38cmウッドホーン3Wayシステム
”stereo”誌2008年5月号 P212項 (2008年4月19発売中)の田中伊佐資の
オーディオ・ジコマン開陳の記事の中でタイトル作品納品時の様子が掲載されています。
初打ち合わせから納品までに2年7ヶ月(大汗!!)
初めはホーン製作は含まれていなかった、大きな小さな仕様変更が何度も繰り返された。
想像を超えた製作難易度であった。
不覚にもこの作品制作中に数度の手術を要した大怪我をしてしまった。
等々いろいろありましたがとにかく完成しました。
来月号では初音出しの様子が詳しく述べられると思います。
納品に私も立ち会いましたが、依頼者からの声が聞けるまで
私の感想は控える事としています。




