2011年12月27日火曜日

クリスマス/アヴェ・マリア サンクトペテルブルグ室内合奏団

最近はクリスマスにちなんで盛んに行われるコンサートに出かける事が恒例になっています。今年は12月25日に東京オペラシティ コンサートホールで行われた掲題のコンサートに行きました。


演奏は世界屈指の芸術都市サンクトペテルブルグで結成されたサンクトペテルブルグ室内合奏団で、レニングラード音楽院を卒業したイーゴリ・ロマニュクをコンサート・マスターに、最優秀なメンバーで結成された合奏団です。


メンバーは、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスで基本的に構成されて、「クリスマス/アヴェ・マリア」では歌手とハープが加わって演奏されます。


クリスマスコンサートはいつもの様な仕事用のストイックな聴き方では無くて、ただただ演奏を聴いて心ゆくまで楽しむと言う趣向のコンサートです。ソプラノによる三大「アヴェ・マリア」がクリスマス気分を盛り上げてくれます。


中規模の東京オペラシティ コンサートホールはソプラノの声で驚く様な声量で満たされて、人間の能力の凄さを改めて思い知らされます。


他のホールや演奏家、クリスマスと年末を兼ねた第九などの大編成物も何度か聞きましたが、サンクトペテルブルグ室内合奏団は良いですね。演奏技量や習熟度などが素晴らしいのです。他は特別編成で行われたりで完成度が今一つだったりで演奏に没頭出来なかったりしました。


チケットはそんなに高くないので来年辺り、行ける方は情報を集めてみては如何でしょうか。


オーディオ的に少しだけ拘った見方をしますと...二十人弱の室内合奏団でも編成が的確であれば低音域から中高音行きまで充分な音量とバランスで聞かせる事が出来るのだなと実感します。それと中央に立ったソプラノの声は見ていれば真ん中に聞こえますが、目を閉じてじっくり聞きますと大体真ん中かな?高さはホールの響きの影響で身長より高く聞こえたりします。1階席中央で聞いた印象です。以前同じ演奏を聴いた時には前から3列目でしたが、ソプラノの声がホール中央に飛んで行ってしまって前の席では音が素通りすると言う経験から中央の席にしました。


オーディオ的な評価ではボーカルが中央にかっきり定位して各、楽器のパートの配置もハッキリ分かるなどと良く聞きますが(私も言ったりします)、そんなのはマイクで拾って調整した人工的で作為的な音であって、生演奏ではそんな事はあり得ないと思います。


全体として各楽器個別の音よりも全体のハーモニーと心地良いホールの響きを聞く。そして好きな楽曲、演奏家、そして指揮者とそれら全体から受ける感動で充足感を得る。そんな楽しみ方を一度体験するのも良いのではないかと思います。


 


 



2011年12月14日水曜日

五嶋みどりのヴァイオリンの行方

ヴァイオリン奏者として世界的な名手として名高い「五嶋みどり」さん使用のヴァイオリン、


「ガァルネリ.デル.ジェス-エクス.フーベルマン」はストラディバリウスと双璧を成す


名器で、それを彼女に終身貸与している岡山の会社が倒産、再建しましたが、


そのメセナ活動「芸術文化支援事業」に変化が起きるのが心配です。


 


世界的な名器ともなると個人で所有する事は殆ど不可能ですが、日本で所有するのは


資産家の高島さち子さんや、購入したその過程が本にまでなった千住真理子さん他


数人でしかありません。五嶋みどりさんや諏訪内晶子さんなどの多くは財団等から貸与


されていて、所有者と演奏者が別と言うのが多いのです。


 


五嶋みどりさんのガァルネリは恐らく10億円?、個人で所有するよりも適切な組織が人類の


財産とも言える名器を永く使用、保存出来る様に工夫するのがベストと言う考えが主流の


様です。


 


五嶋みどりさんのガァルネリは最悪、彼女の手を離れてオークションで処分!


世界的名手が現役で使用している楽器を引き離して処分という例は無いそうなのですが、


引き続き彼女の手元に有る事を願って止みません。


 


ウッドウイルのスピーカーの弦のリファレンスは彼女のガァルネリの音色です。


耳に焼き付ける為に数え切れない程にコンサートやリサイタル、支援活動での演奏会


などに出かけてきました。


リファレンスは簡単には変更出来ません!


 


名器は演奏者を育てると言います。


ストラディバリウスからガァルネリに換えて育って来た五嶋みどりさん。


まだまだ道を究めて、それを私たちに披露していただきたいと願います。


 



2011年12月4日日曜日

ボンベイ.ベリーウッド舞踏団

ボンベイ.ベリーウッド


http://www.timeout.jp/ja/tokyo/event/1334
http://www.youtube.com/watch?v=lhIIQ1gCscY



今日は大変興味深いお客様を迎えたので、その事を書き込もうと思いましたが、
その方とは続編がある様な気がしてまたの機会にここへ記載しようと思っていました。


そうしましたら面白いTVを見てしまい書き込むと言う事となってしまいました。


インドの古典舞踊と中近東のベリーダンスを西欧的な脚本で仕立てた踊り中心のショーを
今晩(昨晩?)NHK-BSで放映しているのを偶然見てしまいました。


興味を持ったのは下記の幾つかの理由があります。
1.インド出張を機にインドの音楽、舞踊に興味を持っていた。
2.古武道を通した体使いに興味を持っていた。
3.ベリーダンスは単純に興味を持っていた。
4.官能的な踊りは単に異性を挑発するだけの物では無い事に気が付いていた。


1.カルカッタのホテルで本場インド舞踊を見てしまった。
  神に奉納する踊りなのか時の為政者に捧げる踊りなのか分かりませんが、
  踊り子は鬼気として取り憑かれた様に踊ります。
  その体の動きが予測出来ません、気が付いたら違う体制で踊っています。
  意識より体が先に動いているようです。


2.ご存じの方も多いと思いますが古武道を通して人の体の動きを研究している
  甲野善紀氏、現代人が忘れてしまった動物としての体の動きを研究実践している方です。
  移動する時、利き足を踏ん張ってもう片方の脚を前に出して歩く!。
  命のやりとりをする時代の武道家(武士)はそれでは命を失う!。
  なぜならそれらの動きは相手に読まれるからで、それを防ぐ動きを昔
  (機械や教育が普及する前の時代の意)の人間は出来ていて、現代人は忘れている。
  そう、インド舞踊の踊り子はその動きを現代に伝えている事に驚くのです。
  因みに甲野氏の研究会で直に動きを組んで見させてもらった経験がありますが、
  動いた奇蹟を理解出来ません、予測出来ない動きをします。


3.腰を激しく振って妖艶な服装で踊る姿はどう見ても殿方を楽しませる余興の様に
  見えてしまいますが、その中には宗教的なものや、地域独特の文化表現があって、
  それを訪れた旅人に伝えると言う様な目的も有った様です。
  物事を表面的に見るだけではいかんのだ!戒めですね。


4.最初はハワイの観光施設でハワイアンダンスを見ました。
  半裸で腰を激しく振る動きは単純に歓楽的な芸能に見えました。
  でも踊りの中には男性の舞台もあって、それは勇猛な戦いを表現するもので、
  その体の動きは中途半端な動きでは無い事に気が付きました。
  その時の踊り子は州立の舞踊学校の学生が観光客に文化を周知させる目的で
  踊っていて、普段は文化の伝承と言う重責を担う指導者を養成する目的を
  持って勉強している事を知りました。
  文字を持たない文化では口承や体の動きで意志を伝える事も知りました。
  そうして踊りを見てみるとハワイアンダンスは何と神秘的で深い意味が
  込められている事が分かるのでした。


ボンベイ.ベリーウッドの団員の中に二人気になる人がいました。
一人はインド人で体の動きが他の人とはまるで違います。
他の人は教わって上達したと言う事が見て分かるのですが、
この人はインド人のDNAが体を動かしているのでは?と思わせます。


もう一人が東洋人と思われる(ひょっとして日本人?)人です。
体の柔らかさが他の人とレベルが違います、軟体動物の様です。
皆さんはマイケルジャクソンのビリージーンを見た事(聞いた事)有りますか?
そう!あのムーンウオークを初めてお披露目した曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=ogq8AAY0RKY
http://www.youtube.com/watch?v=_Bf6AST5Itw
このロボットの様なキビキビした動きと柔らかい動きを同時に
こなす踊り子さんで見ていて興奮しました。
マイケルを超える人を初めて見ました。
残念ながら冒頭のyoutubeの動画には二人とも出て来ません。



こんな事を何故書き込むかというと...
.素晴らしい演奏家の体の使い方が最高の武道家や舞踏家に勝るとも劣らない動きをしている。
.技術的に難しく重労働のスピーカー製作活動も体の使い方が重要である事。
.その様な一連の事を甲野善紀氏の書籍、研究会で実体験した。
.踊りも武道も製作活動も体使いという意味では共通する事大である。


そんな事を思っているからでした。