2012年12月28日金曜日

ラトビア産ホワイトバーチ合板採用の積層ラウンドスピーカー



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ラトビア産ホワイトバーチ合板を使って13cm2Way積層ラウンドスピーカーシステムを製作しました。http://www.lcv.ne.jp/~woodwill/Latovian-Birch-Round-13cm2Way.html


 


国内では既にフィンランド産、ロシア産のバーチ合板が流通しており、ウッドウイルでは相当数のスピーカーを製作して来ました。ラトビア産を使った理由は建築材や家具、等々のへの使用目的で国内に流通して実績が有る会社より依頼された為です。念の為にラトビアとは国名です、ラトビア産ホワイトバーチ合板については上記のURLを覗いて下さい。関連するリンクも有ります。


 


製品への応用例として他者が製作した物を製作例として紹介するのでは無く、実際に製作してその製品をデモ機として拡販に利用しようと言う事です。大変積極的ですね。


木材としての応用例として完成度を高める事、スピーカーとしての機能も優れていなければなりません。製作依頼先を当工房に指定していただいたからには責任重大です。来年には業界紙にも紹介されるそうです。


 


さて初めてのラトビア産なので承諾前にサンプル材を提供していただき、既存の物と響きや音色を比較してみました。その良否は今後、ウッドウイルで何産のバーチ材が多く使われるかで自然に分かって来る事と思いますが、今回の作品は大変気に入っていると言う事だけを今はお話ししておきます。


 


スピーカー製作の記事なのに木材の事ばかり?と不満に思われている方も多いでしょう。スピーカーエンクロージャーをただの箱と軽視されている方は恐らくこのブログも、ウッドウイルのホームページにも来ていただけないでしょうから安心して申し上げます。


スピーカーシステムの音質を決める50%かそれ以上をエンクロージャーが占めていると信じて当工房は活動しています。開設前は多くて40%程度かと考えていましたが、多くの経験を積んだ今は違って来ています。そうでなければ日夜、手間暇のかかる作品を製作し続けている訳はありませんね。


 


特にウッドウイルの独自基準「総合グレード3~5」を試聴室で聞かれたお客様は一瞬信じられない様な様子で、本当にこれが鳴っているの?とスピーカーに耳を当てています。総合グレード1に入れた音では、他でも聞ける音だね!と仰います。http://www.lcv.ne.jp/~woodwill/enkuro-menu.html


 


勿論スピーカーシステムはユニット、ユニット構成、デバイディングネットワーク、エンクロージャー構造、その材質、チューニングなどが総合的に最適に働かなければ最良の音質を得られない事は承知の上でお話しをしています。


ギター好きの友人が話すその自慢話は、そのギターに使っている木材が何々でと延々と話し続けます。スピーカーエンクロージャーにも同様の要素が多分に含まれています。


このスピーカーにはウッドコーンユニットを採用しています。エンクロージャー素材に拘っているのですから、ユニットの振動板に拘らない筈がありませんね。使用目的から最適と判断した訳ですが、ウッドコーンは日本だけの様です。やはり花鳥風月、自然を尊ぶ心と技術国、日本人ならではの感性なのでしょうか、とても良い音を聞かせてくれます。自分用に置いておきたいと思いますので、ユニットだけは確保して置きました。


 


もう一つ大事な事が!今回の製作は個人では無くて法人様です。ウッドウイルではユニットメーカー、AV機器メーカー、研究所、大学などの試作や研究用に製作依頼されており大変光栄な事と喜んでいますが、残念な事が有ります。個人様ですと多数の方がホームページへの掲載を承諾していただけるので、制作側の思いを皆さんに紹介する事が出来ます。


法人様は当然ながら守秘義務(商習慣です)が働きますからそうは行きません。どんなに苦労しても、素晴らしいアイディアの作品でも沈黙です。


それが今回の作品は、紹介する事が目的ですので元気一杯に掲載できます。是非この作品の解説を読んでみて下さい。


 


 



2012年12月24日月曜日

由紀さおりスペシャル

少し前の「由紀さおりスペシャル...」と言う録画を今夜(今日?)やっと見た。夕方に終わった塗装を乾かす為に塗装部屋のストーブの番をしながらの夜更かしです。今夜はやさしくも外は-3度で暖かい、月が東の空で輝いています。


 


音楽ジャンルで書き込みするからと言ってクラッシックでもジャズでも無く歌謡曲と唱歌。前にも書きましたが由紀さおりの夜明けのスキャットを深夜放送で聞いてから44、5年になるが、彼女は未だ現役バリバリで歌っている!凄い、本当に凄いと思います。


 


汚れを知らない透き通った気高きスキャットに憧れて聞いていたが、当時はデビューして売れずに辛酸を舐めた後に回って来た深夜番組での採用歌だったのです。歌詞も歌手名も出ないが歌い続けたくて...予期せずに回って来たヒットだったそうです。人生の悲哀、重みを感じさせられずにいられません。


 


思った事を続ける事の難しさ。それを克服しても人から評価される事などましてや奇蹟に近い。でもそれを実現している人がいます。感じ入りますね、嬉しいありがたい刺激です。


 


昨年、今年とブレークして世界ツアーも実現して脚光を浴びても動せず、落ち着き払っているのは、築き上げた自信がある為でしょうか。少女時代から合唱団で練習し始めてから60年です。そのキャリアがあっての今回のブレーク。やはり凄いの一言です。


 


番組の中で 懐かしい歌手「西田佐知子」さんが出ていましたが、彼女が持って歌っていたのがワイヤレスマイクです。私が社会人になって勤めた会社の製品でしたので懐かしい。ワイヤードマイクは固定なのでミキサーが該当するマイクのボリュームレベルツマミを把握出来ますが、当時出始めたワイヤレスマイクは複数で動いて歌いますので、ミキサーが把握出来ません。そこで考えたのがマイクに色を付ける事でした。今晩のTVでは黄色、6色ぐらい有ったと思いますが懐かしい。


 


私は工具や測定器の入った鞄を持って先輩について回ってTV局やホールや劇場に良く出かけたものでした。音が悪いとその場で調整して音声担当の許しが出るまで頑張ったものでした。その様にしてワイヤレスマイクがプロの歌番組で初めて採用された場面に立ち会ったのでした。


 


音楽とは関係有りませんが、池袋に北朝鮮系の大学がありまして、大物が来るイベントがあるのでワイヤレスマイクを使いたいと、出かけてセッティングしたのですが、使うのは素人ですからマイクの電波の届かない範囲に動いてしまい、その瞬間にパッ-ンと言うノイズが出ました。それが銃声と間違われてSPが大慌てで、進行が停止、冷や汗をかいた事を思い出しました。


 


フジTVの長寿歌番組ミュージックフェアの現場は良く出かけました。必死に調整している直ぐ隣で山口百恵が歌っていたり、越路吹雪のラストダンスやシナトラや若き日のマイケルジャクソンなどもスタジオや舞台、ミキサー室で聞いていましたね。そんな時代と由紀さおりの時代が重なって見ていると感激もひとしおです。


 


何時の頃からか母親が大好きだった美空ひばりのリンゴ追分を聞いて涙する様になりました。日本人のDNAなのでしょうか?。人生の全てをかけたクラッシック音楽の完成された演奏(昨日のアベマリア、サンクトベテルブルグの弦もソプラノも素晴らしかった)、類い希な才能を持ち合わせた各ジャンルのミュージシャンによる音楽も、中には背伸びして聴いていた音楽も有る様な?その中にも理屈抜きに慣れ親しんだ歌、音楽がある事に今は素直に感動出来ます。


 


感動出来る感性を持ち続ける事もそれはすばらしい事だと思っています。


 



2012年12月17日月曜日

E.J.JORDAN 「JX r 6HD」 8cmフルレンジユニット

 



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E.J.JORDAN JX r 6HD 8cmフルレンジユニット。


画像の様に未使用新品です。


今迄お宝の様に所持していました。


しかし持ち腐れはユニットに対して失礼と思い直しまして、使い道を考えました。


 


バーチ合板積層ラウンドエンクロージャーから派生する部材が有ります。


http://www.lcv.ne.jp/~woodwill/housyutuhin.html


新規製作よりはお安く製作出来る在庫の部材です。


この高性能のエンクロージャーに搭載すればE.J.JORDAN 「JX r 6HD」もきっと満足してくれるだろう!


そう思いまして限定1ペアで製作予定を発表させていただきます。


 


E.J.JORDANはメタルコーン振動板ユニットの開発者として、メタルコーン+小口径ユニットの開発にも傾注された著名な技術者です。


ウッドウイルのお客様でもファンの多い「グッドマンAXIOM80」やジョーダン・ワッツ・スピーカーでも知られた方です。


当時はこの様な小口径ユニットでHiFi再生を狙ったユニットは殆ど無かった事、


当時の他社の主にペーパーコーンは紙臭くて聞けなかった事もあり、


私もE.J.JORDANの大ファンになりました。


 


現在はビジネス上の問題なのか氏は他の会社へ?未だ存命?


共同開発者?が新たな会社をと


その辺は私には知るよしも無し、興味も無いのですが、


分かっている事は


「JX r 6HD」は素晴らしいユニットでもう入手出来ない事です。


 


その意味で本当に限定1ペアでの製作です。


良かったら注文されて手元で長くお聞き下されば幸いです。


 


 


 



2012年12月3日月曜日

危なかった中央道、笹子トンネル事故

12/2の08:00頃に中央道笹子トンネルで天井壁が剥がれ落ちて死傷者が出る事故がありました。


用事で東京に向かっていた私はトンネルに向かう少し手前で覆面パトカーがけたたましく走り出したので、


誰か捕まったかな?と思っていたらこの事故に向かって行った様でした。


数分手前だったので無事にインターから降りられたけれど危なかった!。


以前の東名高速日本坂トンネル事故の惨状が頭に焼き付いているので、


トンネル通過はやはり緊張します。


事故の全容は未だ把握出来ていない様ですが、


被害が少ない事を祈ります。


 



2012年12月2日日曜日

世界最大のスピーカーユニット

私の知る限りで世界最大口径のスピーカーユニットはF社の80cm口径スーパーウーファーユニットです。


そのあまりの大きさからエンクロージャーを用意する事は殆ど不可能です。


それでもこのユニットを用いる事を許されたごく一部の幸運な方達の現実的に採る方法としては。


押し入れをエンクロージャーとするか、リスニングルームと隣接する部屋全体をエンクロージャーとするしかありません。


何れもドアを改造するのは言うまでもありません。


 


押し入れと隣接する部屋の身になってみれば突然湧いた災難に他なりません。


いきなり、やれ共振するは、音が濁るは、大きな音を出すと建物が暴れ出すは等々で迷惑千万です。


きっと今迄の平和な暮らしが愛おしく思う事でしょう、お察しします。


 


最近はウッドウイルのホームページを殆ど更新していません。埋め合わせに下手なブログでお茶を濁しています(^_^;)。


 


そうなんです、その80cm口径用のエンクロージャーを只今製作しています。


製作期間が長いのでその間はHPを更新するネタがありません(^_^;)。


どうか懲りずに時々HPを訪れて下さい。


 


そのあまりの製作期間の長さでオーナー様は待ちくたびれています。


こちらも本当にごめんなさいです。でももう少しで完成いたします。


 


数年前に製作したJazz-Machine用の46cmサブウーファーが赤ちゃんの様に見えてしまいます。


個人的には80cmユニットを使う機会は訪れそうもありませんが、


大変ありがたい事に製作するチャンスは与えていただきました。


それもお茶を濁す様な前述の暫定的な使い方ではありません。


正面から品質を求めた作品です。


更にはその存在感に負けない様に外観デザインにも妥協がありません。


 


皆さんが最大規模のスピーカーを想像されるのはどんなでしょう?(勿論プロ用は除いたコンシュマー用機材ですが)


アルテックA5?/タンノイオートグラフ?/WestlakeAudioの38cm×2発+25cm?/


VITABOX?/それともJBL4350?


 


このスピーカーはそれらよりも大きいのです。実寸よりその存在感が更に大きく見せるかも知れません。


極最重低音の世界を垣間見せてくれるであろうこのスピーカーシステム。


もう直ぐご紹介出来ると事と思います。


 








 

 



2012年11月16日金曜日

総合グレード3を4への改良で音質向上

ウッドウイルのスピーカーには自ら「総合グレード」としてランク分けしています。http://www.lcv.ne.jp/~woodwill/enkuro-menu.html


お客様がどの構造方式がどの様な機能や音質を備えているかを容易に理解出来る為です。


 


バーチ合板積層曲げ合板使用ラウンドエンクロージャー(側板のみラウンド)は総合グレード3の作品です。側板がラウンドしていますが、バッフルと背板が平面で向き合う為に定在波が生じるので上位のグレードに及ばないのが理由です。天板と底板も平面で向き合いますが、オプションで対策が可能です。


総合グレード4はバーチ合板積層ラウンドエンクロージャー(側板/背板に加えてバッフル内面もラウンド)で、オプションを加えると対面する平行面無し→定在波極小→吸音材使用量極小→音質劣化せず→合板使用エンクロージャーの最高峰で最良の音質となります。


 


しかし、この総合グレード4のエンクロージャーの外観は個性的です。バーチ合板の断面は大変綺麗で積極的に利用する例が多いのですが、従来の木目を活かした外観とは違う為に馴染めない方も居られます。


その点では総合グレード3の構造では任意のつき板が張れますので従来方式の外観を活かす事が出来ます。


しかし音質がグレード3では悔しいですね。製作側もお客様も消化不良です。何故、背板もラウンドにしないのか??、曲面と曲面を接合するという構造上の問題です。加工や組立も難易度が高いのです。このシリーズを発表した時にはとても製作は無理だろうと断念していました。


 


不思議なもので難易度70%程度を幾ら繰り返しても変化は無いのですが、100%を繰り返すと、それ自体は100%から80%程度へと感じられる様に習熟する内にその難易度が下がって来ます。また、経験する内に新たな技法を見いだす事が出来ます。そんな訳で今迄は130%の難易度で手が出なかった物が、100%へと実現可能な領域へと下がって来た訳です。


これで総合グレード3の音を4に向上させ、外観も従来の木目を活かした物で対応できる事となりました。


 


では何故そこまでラウンドに拘るのか?再生音楽の最大の弱点は鮮度と考えています。装置の規模によっては低い領域への再生も可能でしょうし、その他いわゆる帯域をカバーしたり、低歪みや、音場補正したり、高品質音源を使ったりと今ではかなり進んだ機材を使う事が出来ます。


料理に例えてみます。素晴らしい調理法やソースに、素敵なレストランに豪華な食器、美味しい食前酒、ましてや美人と同席などでは夢心地!でも食材の鮮度が悪ければ全て台無しです。料理が美味しい訳がありません。


 


エンクロージャーを必要とする帯域のユニットで平行する平面が有れば定在波が発生します、これを無くす(消す)為に吸音材を入れます。定在波を含んだ音は吸音材内部に浸透して振動させ、音響エネルギーを熱エネルギーに変換して定在波を無くそうとします。しかし都合良く無くなるのは定在波だけでは有りません。エンクロージャー内部の全帯域の音(厳密には吸音材の持つ特性に影響されます)が無くなる(消される)のです。スピーカーユニットから出るエネルギーを吸収してしまって果たして良いのでしょうか?。


この様に吸音材を充填したその音は抑揚の無い抑圧されたまるでコンプレッサーでダイナミックレンジを狭められた様な音となります。どの様な素晴らしい装置を持ってしても最終段階の音の出口でそうなってしまったらリカバーする事は出来ません。これをウッドウイルでは鮮度の低い音と呼んでいます。


 


昨晩のアコーステック(PA無し)のjazz演奏でサックスの音に惚れ惚れし、バスドラムの低音に快感を得るのはその鮮度が高いに他なりません。


 


定在波対策を行うと上手い事に回析効果減少などの効果を上げる事も出来ます。点音源再生を目指し、定位や音場感を大事にされる方にもベストの方式です。ラウンドエンクロージャーに早くから取り組み、それもオーダーメードで一品製作している拘りが此処に有ります。


総合グレード4のエンクロージャーで生じた効果を2012年10月25日の「スピーカーの間に置いた物の素材を感じる」で書き込みましたが、どうやら音楽ソースの中には想像以上の要素が含まれていて、再生装置の品質が向上してくると見えてくる物が有る様です。その一部を体験したものでした。


 



2012年11月15日木曜日

ヨーロッパJAZZの頂点/メドウを聞く


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小さな田舎町でjazzのコンサートが開かれるので聴いて来ました。


このメンバーの予備知識は全く無し、北欧には優れたJAZZプレーヤーが多いので外れはないだろうと出かけた。パンフレットのヨーロッパJAZZの頂点medawが何故我が町に、ある日本のアーチストが召致したそうですが良く分からない。


jazzが好きでオーディオにのめり込んだ筈なのに最近は殆どコンサートに行かない。最近聞いたのはお客様でもあるjazzピアニストのお店でのライブも5,6年前の事、その前はドイツ出張の帰りに旅した北欧のコペンハーゲンやベルゲンでのjazzバーで聞いた程度と、些か情けない。


今日のコンサートは我が町自慢のコンサートホールを使っての演奏ですので、PA無しのアコーステックと言うのが嬉しい。演奏者から5mほど離れ、ステージ高さは胸より下のすり鉢状なので良く見えて良く聞こえます。


さて演奏の方ですが、ピアノ/ドラムス/サックスのトリオの構成です。ピアノは年配の一見気難しそうな紳士風ですが興に乗ると人柄でしょうか優しそうな音楽好きに変身です。ドラマーは若くやせ形で片言の日本語で賢明に説明してくれる気さくな人ですが、演奏中は求道者の様な風情。サックスは遠慮がちな静かな人でやはり人が良さそうです。


三人共にさりげない、飾らない、ごく普通の人達です。如何にもミュージシャン風とは違って違和感の無さがこれからの演奏の良さを期待させてくれます。


演奏は都会的な洗練されたものです。淡々とした演奏を聞いているうちにその世界に入りきっていて心地良く、静かに熱くなっている事に気が付きます。聞いているうちに思考停止状態になっている事が音楽に浸かりきっている、楽しんでいる事と思うので、そうさせてくれているこのメンバーの静かな力が、曲が進む程に浸透してきます。


ピアノは繊細でストイックなものからMJQのジョンルイスみたいに脇で淡々とリズムを刻んだり、ピータソンの様な存在感を出したり変幻自在です。


ドラマーはやはり繊細で出張った所が無いのにメンバーの中心にいて、曲によってはメロディーをリードしているのでは?と思う程です。とにかくアコースティックですので音が良い。コンサートホールの響きの良さをjazz演奏で再認識するとは以外でした。


シンバルのステックの使い分けた音色や各種の鐘の音色も綺麗鮮明。小さめのドラムスセットのバスドラの重低音?は何と心地良いか!、大太鼓を神社仏閣の境内で鳴らした時の様な低さと伸びがたまらないです。PAを通すとこんな音は絶対に出ないですから、これだけでも聞いた価値がありました。


サックスはと言うと、演奏技法が特殊なのか?と思う様な所が随所に。フルートの循環呼吸法の様な、直前に吐いた息でピストンを駆使した音を出して、次の息で別の音を出して重ねて続けて音を出す?専門的な事は知りませんが音がよどみ無く出て来て不思議で快適。そして音色が綺麗、解像度が高い?唇の動きがアンプの残留ノイズの様な、弦の演奏ノイズの様な感じでとして聞こえて来ます。こんな音は聞いた事が無い!演奏者の技、楽器の能力が高いのか、今迄は管楽器の音色の優劣には気が回りませんでしたが、影響が大きそうで、これも初めて実感です。コンサートホールの響きの良さ、アコースティック環境での新たな発見です。演奏は不快な所や気張った所が無くてとても心地良く熱くさせてくれる高度なものです。


曲についてはここでhttp://www.youtube.com/watch?v=enrMznIRCZE


2枚目の画像は昨年英国で大変評価の高かったと言うアルバムです「HECREC105」


解説記事は此処でhttp://makigami.com/makigaminews/2012/09/ecm.html


 


 


 


 


 


 



2012年11月14日水曜日

雪だ!


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今、雪が降り出した。


今年も季節にフェイントされてうろたえています。


こんなに早く雪が降ってもホワイトクリスマスにならない事が最近多いのです。


2012年11月14日 標高1078mの信州の高原にある我が家にて。



2012年11月12日月曜日

レコード芸術11月号に掲載される

2012年11月1日発売の音楽乃友社「レコード芸術」にウッドウイル製作の


スピーカーが出て来る記事が掲載されています。


説明するまでも無いとは思いますが、月刊誌であるレコード芸術はクラッシック音楽の新譜や関連情報を紹介する月刊誌です。姉妹誌でクラッシック音楽のコンサート情報を紹介する「音楽の友」があります。音楽の事は素人ですので両誌には大変お世話になっています。


紹介記事はウッドウイルの製作した質、量、共に過去最高峰の作品で、オーディオ.ライターの田中伊佐資さんに納めた「超弩級JBL38cmウッドホーン3Wayシステム」に関する氏が書いた記事です。


納品して4年以上が経過し、当時とは機材や室内環境も高度に進化した様子が分かります。


制作者としては定期的にお邪魔してその進化による音の違いを確認せねばなりません。


お客様に教わるのが一番の勉強になり、刺激を受けます。


レコード芸術:http://www.ongakunotomo.co.jp/magazine/recordgeijutsu/


超弩級JBL38cmウッドホーン3Wayシステム:http://www.lcv.ne.jp/~woodwill/JBL-Isashi-main.html


 



2012年11月11日日曜日

フィギュアスケートTV観戦記

フィギュアスケートTV観戦記


何度か書いたこの種の内容。
雪国生まれ、ウインタースポーツ好きなのでフィギュアスケート大会の
TV放送を良く見て楽しんでいます。


今シーズンのグランプリシリーズ(サッカーのワールドカップみたいなもの)は既に
中盤にかかっていて日本勢は大活躍中です。


此処では選手、成績、演技などの競技内容については触れません。
放送技術についての記載です。


先ずは、長野五輪の次の冬季五輪だった2002年米国ソルトレークシティー大会!
アイスリンク会場にはJBLのPAが設置されていて、
会場の音を拾ってTVで放映なのですが、それでも聞いているだけで素晴らしい音質で
大感激したのを覚えています。見ていると熱くなりました。
その頃には少しはまっとうな音の出る5.1chホームシアターを備えていたので
尚更だったと思います。
因みに長野五輪はパナソニックのPAで過不足無く普通に音が出ていました。


その後の2010年カナダバンクーバー大会は酷かった!
音質以前の問題で、演技用に会場に流す曲のピッチが不安定!
世紀の祭典でこんな事が有るのかと思っていたら、
次の日も同じ症状が出ていた!


2006年イタリアトリノ大会はこれと言って感じる事は無かった。
荒川静香が日本人初のこの競技の金メダルを取った事で浮かれていた。
開会式のルチアーノ・パヴァロッティが歌う
「トゥーランドット」の中のアリア「誰も寝てはならぬ」は圧巻だったが、
何と荒川の演技曲も同じだったというのが運命的です。


さてと今シーズンの音と映像の放送技術はどうでしょう?


.アメリカ大会: 音は普通、画はカメラが選手の動きを知らないので途中で選手が消える?
.カナダ大会 : 何か怪しい、全てに平均以下。
.中国大会  : 画も音も案外に良かったのだが、カメラアングルが固定化していて
           選手の動きに同調していない。
           画面に時々映る関係者の不愉快そうな表情で気分が盛り下がる。
.ロシア大会 : 映像はハイビジョン放送だが会場は暗くは無いのにシャッター速度を
           遅く設定しているのか?速い動きでは連続画像にならずにコマ送りとなる。
           深黒の洋服のディテールが表現出来ていたのには感心する。
           音声は酷いなぁ~、日本なら幼稚園の運動会でもあんな音にはならない。
           音が歪んでクラッシックの曲ではオケの構成が分からない程です。
           スケートのエッジの音(氷を削る音)では拾え無い選手が居る。 
           その音も動きについて行けないのでノイズなのか氷の音なのか不鮮明。


あら探しばかりしている様で気が引けるのですが、
例年の日本大会(今シーズンは未だ)での音は標準的で感動的でないが良く分かる、
(音の表情を的確に捉えていて曲の雰囲気を活かしている)。
映像品質は放送技術の最先端を走っているので文句の付けようが無い。
更に参加選手の演技内容をカメラ、音声スタッフが熟知しているので
その見せ場を的確に表現していて、その点でも最先端の表現力と思います。


でも初めからそうでは無かった。
変わってスキーのアルペン競技のダウンヒル大会、
(学生時代にかじっていたので大変興味がありました)
数十年前の日本で実施された大会の実況放送での事。
高速で遠くから近づいて来て遠ざかって行く選手を全長4Kmにわたって
数台のカメラで途切れなく追い続けます。
この準備だけでも確かに大変な作業でしょう!
でも観る側にとっては最初から最後まで小さくて平均的な姿で見せつけられると、
動きが分からず臨場感がまるで無い!数人の選手を観ただけで眠くなります。
競技その物は命をも賭けた危険でスリリングなものなのですが。
そのライブ感は全く感じられませんでした。
競技発祥の地の放映では見せ場に専用カメラを設置して
そのスピードやスリルを最大限に表現していて、
見る側も手に汗を握る様な最高に熱くなる放送です。
技術だけでは上手く表現出来ない事をスケートでも学んだのだろうと思います。


150秒~270秒の一人の演技をTVで独占してアップで映し出される競技を他に知りません。
シーズン中は同じ演技を繰り返し行うので、選手の出来は勿論の事、
会場毎の運営の優劣までも嫌でも分ってしまいます。


結局、何が言いたいのかと言いますと
.スタッフのモチベーションが最重要
.彼らをベストで働かせる様な組織運営が成されているか。
.ハードが劣っていては始まらないが、良くても使い手の技量の問題がある。


選手の技量を観る大会なのですが、運営の質をも見られる大会でも有るのです。
そんな事まで見えて来るのでとても面白いです。


ロシア大会の続きです。信じがたい事ですが、数人の選手を除いた他の選手の演技曲は歪んで霞み、観客の声援もエッジの音も殆ど拾っていない様です、嫌な現象を見てしまいました。


 



2012年11月5日月曜日

CO2削減活動を支援しています

ウッドウイルはCO2削減活動を支援しています。


小さな個人工房でも支援出来る仕組みがありますので協力させていただいています。


スピーカー作りには木材が必要ですが、支援している活動は製品となる樹木を入手出来る仕組みが目的なのでは無くて、樹木を保全する事によるCO2削減が目的です。


よく使うバーチ合板では売上の一部が植林に、又は伐採と植林が完全持続性を持たせた企業などの製品を使っていますので安心です。


無垢材では輸入出来る様な大規模の企業では植林等の環境配慮が義務づけられていますのでこれも安心できます。


国内産の桜や楢などの無垢材を切り出す企業規模は小さいのですが、所属する組合等で環境対策を実施しています。


気になるのは商品価値の高くない樹木が安易に大量に伐採され、その後の環境保全が不十分な部分です。


この支援では海外への植林です。地球規模で問題意識を持って取り組んでいると言えましょうか。何だか話が大きいですが、やる事はとても小さいのです。


木工の先生がよく言っていました。私達は木材を消費する最前線にいるのだから、資源を大事にせねばならないと。


無垢材で製品とする為には、使えない根元と樹冠を捨てて伐採し、枝を払い、皮を剥ぎ、製材する時に大量の大鋸屑を出し、割れや節、傷に汚れを避けて選別します。製品に使える部分は5割も無いのです。この様に作り、この様に使っているのです。肝に銘じなければなりません。


大鋸屑を畑に埋めて大量のカブトムシの幼虫が育ちます。木っ端は友人の薪ストーブで暖をとってもらいます。資源とエネルギーを大量消費する身ですから、もったいないの気持ちと地球に優しいを忘れない様にしたいと思います。


 


 



2012年10月30日火曜日

長野技能五輪結果

今日、長野技能五輪の成績が発表されました。


家具競技では昨日ブログに掲載した写真の二人が銀と銅。もう一人の長野県参加者が敢闘賞に輝きました。おめでとうございます。


地元の技術専門校の学生二人と卒業生一人が受賞ですから、私としては地元、学校に関連する者としては嬉しいですね。


 


10月27日の朝日新聞の記事


長野県から工業高校2年生が電子機器組立の種目に出場すると。中学で作った無線機が動いて夢中になり、日本の大企業が全面バックアップした社員に混じり、知識やノウハウどころか、部品の調達さえ困難な高校生が教師や地元企業に教えを請いながらMP3プレーヤーの電子回路基板の設計と製作に挑戦していると。


嬉しいですね、10月19日のブログに書いた私の体験談にも近い話です。この週末のNHKスペシャルではこの10年~20年でサービス業に携わる者が製造業の倍になっているそうです。しかしながら一人当たりのGNP比較では製造業がサービス業の倍ですから付加価値は高いのです。


音楽を愛好して、関連する業種に携わる者としては問題発言かも知れませんが、ある音楽家の集まる酒宴での話題に職業の話が出ました。音楽家ですから幼少の時から想像を絶する犠牲を払って今日が有る事は承知しているのですが、その時には製造業と言う職業はにべも無く切り捨てられていました。彼らが使う楽器は誰が作っているのか、その素材を作ったり育てたり守っている大勢の人の存在は?。


都会での会合です、彼らが今眼に入る物全て、衣服や持ち物、飲食物や食器に部屋に建物に、ここから家に帰るまでに眼に付く物全てが人によって作られている物なのです。それを一言で製造業に関わる人達と呼びます。違うのは空と空気だけでは無いでしょうか。


あまりに身近に有る物なのでその存在が忘れられている。


もう一度考え直す機会がないものでしょうか?。


そんな事を何時も頭の隅に入れての技能五輪への3回の書き込みでした。


 


 



2012年10月29日月曜日

長野技能五輪観戦記

 


 



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お知らせしました様に長野技能五輪観戦してきました。10月19日のブログにも書き込んでありますのでそちらを先にご覧下さい。


順位を争う競技会なのでここでは観戦記としました。私の関心が有るのは家具製作です。スピーカー作りはこの技術が基礎になっているからです。同じ会場では建具/左官/美容/理容がありました。


会場近くには駐車出来ずに離れた所に車を駐めてシャトルバスで向かいます。やはり技能五輪ともなると規模が違うなと想像が膨らみます。


技能職には国家試験として技能検定が有り、私が通っていた技術専門校の担当教官が検定員になり、学校がその会場となりますので何度か検定の場面は見た事があります。因みに10月19日のブログのたたき上げの教官は、国家検定員を選定する立場の教官でありました。


技能五輪はその上のレベルの全国区の選手が選ばれているので会場の盛り上がりと緊張感が有りました。


開催県である長野県からは3名のエントリーです。私が講師を務めた事もある上松技術専門校の現役学生2名、今春卒業生1名、前年度卒業生も他県からのエントリーで、関係者は4名で全て同じ学校の学生です。そうなんです、家具を勉強する学校としては全国でも有名校なのです。


その学校の教官(技能五輪検定員)と会場で話をする機会がありました。現役学生は技能五輪を狙って入学した学生では無いから、学業と技能五輪の掛け持ちでかなりの苦労があっただろうと。社会人での参加者は職場から支援され準備も出来るので差が出るかもとの事でした。


私の地元の諏訪地区の会場では機械加工の競技があり、その競技者はセイコーエプソンが全面的に支援しています。


参加者は事前に公開される図面に従って数回~数十回となく製作を重ねて本番に臨みます。本番当日に初めて一部変更になる図面を渡されてその課題の家具を製作します。


家具は二日間で小型のキャビネットを合計11時間で完成させなければならないので、運営上は事前に図面公開という方法を取ります。製作する内容で用意する道具類は大きく変わるので、限られた時間、スペースで行うには必要不可欠な競技進行方法と思います。


添付の図面で皆さんは内容が理解出来ますか?図面には全ての情報は含まれていません。競技者が独自の解釈で製作する事も求められており、最終的に合理的に正確に安定して時間内に製作出来ているか、更には製作姿勢(態度)、作業場の使い方(整頓)なども評価対象ですので二日間の内には付け焼き刃の技、態度は剥がれて見えてしまいますので厳しいです。


この課題を製作するには家具製作のあらゆる技の要素が含まれており、小さくとも侮る事は出来ません。この課題のキャビネットを代表する様なテーブルやタンス類は基本は直線加工の二次元的な物です。同じ家具でも椅子の様に曲線主体で3次元的な造形物は設計も製作も大きく異なります。私は技術専門校の短い1年間でその両方をがむしゃらに勉強したものでした。


観戦者はあまり近くには寄れないので製作物の出来具合は分かりませんが、進捗状況や遠目でも分かる道具の使い方などは分かります。鉋も鋸も鑿も正確に研げていて使い方が正しいと心地良い音を響かせるものです。遠くからでも切れない鋸で不連続な音を出しているのは経験者ばかりの観戦者にはバレバレですから怖い怖い。


競技者が途中トイレに立ちました、検定員がトイレまで確認に同行しています。不正を防ぐのでしょう、厳格ですね。


競技者は各々の可能な範囲で準備をして来てはいても、いざ本番で力を出し切れるか、大勢の観戦者が見守っています。暖かい仲間も居れば、競争相手の関係者の険しい眼もあります。その中での二日間、11時間の戦いです。その集中力には思わず熱くなり応援したくなります。


写真撮影はフラッシュ厳禁、競技者への声かけ厳禁、関連物へ触れてはいけません。女子の参加者が3割いました。私の技専の時にも同級生に4名程いました。男子は力業でこなす所も、女子は技でこなしますので侮れません。


写真は製作図面/長野県参加者2名/家具科目の全体像を写してみました。結果発表は29日です。どんな成績でも参加した事は自身の今後に多いに役立つ事と思います。ご苦労様でした。


教官とも話しましたが、この様な会場で頑張っている若者の姿を見るのは清々しい、自身への戒めにもなりますねと話をして来ました。


 


 



2012年10月26日金曜日

スピーカーの間に置いた物の素材を感じる





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少し前のブログでも書いた事ですが、
ウッドウイル製スピーカーの「総合グレード4」にランクされる
バーチ合板積層ラウンド型(曲面)エンクロージャーに
フルレンジユニットを搭載して試聴した時の事です。


最初は10cmフルレンジの依頼主様(Sさん)が受け取りに来た時の事です。
一通りの試聴用の曲を聴いたSさんが言いました。
左右のスピーカーの間がざわめいていて賑やかだと。
私は聞き慣れたセッティングで有る為か耳が慣れてしまっていて直ぐに気が付かない。


その時は試聴している10cmフルレンジの間に他の2セットのスピーカーや
スタンド等が並んでいて、それらが音を反射させて悪戯をしている様です。
それらの並んでいるラインから10cmフルレンジを少し前に引き出して聞きます。
音の景色が変わりました。
 .全体に静かになりました。
 .そして歪みが減りました。
更に引き出してみます。
 .音の色づけが取れてスッキリしました。
 .試聴している10cmフルレンジの音が聞けます??
  (当然ですよね)


この時はセッティングで音の品質を変えてしまうので
今後は注意が必要だとの認識で終わりました。
その後に「総合グレード3」の2Wayで試聴した時には
前回程顕著な差は生じませんでしたので特に意識もしませんでした。


しかし、その後の「総合グレード4」で20cmフルレンジを聞いた時には
前回の10cmフルレンジ以上の新しい発見がありました。
それはスピーカー間に並んでいる物の素材の違いを聞いて分別出来るのでした。
.ユニットの搭載されていない穴の空いた状態の
 エンクロージャーの共振音(これは分かり易いですね)
.エンクロージャーの素材の違い
.搭載されているユニットの振動板の違い
.試聴しているスピーカーの外側に置いてある物の位置関係


これはどう言う事だろう。
スピーカーの音を聞いてはいますが、
実はスピーカーからの直接音は約40%程で残りは部屋の反射音を
聞いていると言う事は皆さんご存じと思います。
そうであるから、音質に占める部屋の影響が大きいと言える訳です。
その様にして日常的に音を聞いている訳です。
その曖昧に聞こえていた筈の有る部分の音を認識出来てしまったと言う
現象に出くわしてしまった、そんな事だろうと思います。
前述のSさんは並んでいるスピーカーのユニット中心のセンターキャップ、
約Φ20mm程のアルミの金属音が聞こえて認識出来ると言っていたのは
実は本当なのかも知れません(私には認識出来なかった)。


 


ある物をある物で叩けば音が出る、
その素材の音が出る訳で、撥と皮の太鼓などが一番分かり易いですね。
日常の物なら経験的にその音の種類を案外に認識している物です。
ではスピーカーの音は。
音は空気の疎密で伝わります。
音はそのスピーカーの固有の音であり、
空気雰囲気の中で疎密を生じさせるのだから何らかの物理的な質量を
持つと考えて良いと考えられます。
最近では光や電波にも質量があると考えられていますので。


その物理的な質量を持った固有の音が撥で有り、
皮に相当する物が試聴するスピーカーの間に有る他のスピーカーや
スタンド等に相当するのでしょう。
ですからそこには音が発生します。
当たった皮に相当する様な各種の素材の固有の音がする訳です。


 


この様に考えると、どの様なスピーカーで有れ、
どの様な環境で有れ、その音は出ている訳です。
ただ、それを認識出来るか、出来ないかの差が有るだけです。


この認識が出来る事がどんな意味を持つのか?
 .音の色づけが取れてスッキリする。
 .試聴しているスピーカーの音が聞こえる。
 .セッティングを邪魔する物が聞いて分かる。
大変シンプルですね、だからこそこの意味は大きいと思います。


そこで、「総合グレード3」の2Wayでは
認識が少なく、「総合グレード4」のフルレンジでは
ハッキリと認識出来た訳ですので、この差を考えて見ます。
ウッドウイルのHPをよくご覧になられる方達はこの時点で
既にある程度予測が出来ているのではと想像しますが如何でしょう。


フルレンジは大きさは別にしても点音源(一箇所から音が出る)です。
同軸形と違うのは駆動回路も同一でデバイディングネットワークも無い。
物理的にも電気的にも単独で有る事で、
2wayや3wayなどのマルチwayよりシンプルで特性を乱す要素が少ない。
この点は解説が長くなるので今日はここまでとし、次回に譲ります。


次にエンクロージャーです。
総合グレード3と4の違いは?
 .総合グレード3はバッフルと背面板が平面で平行である。
  平行面を持つから定在波が発生している。
 .総合グレード3のバッフル両端の曲率半径が小さい。
  回析効果削減が少ないと考えられる(理想は球体)。
 .使用材料は同じ
 .3も4も天板と底板間は平行面で有るから定在波が発生している。
  (対策は有るが、今回の試聴した物は全て未対策)
定在波はスピーカーの音色の差を生じるが、
今回の問題では原因要素とは考えにくい。
今時点の予測ではバッフル両端の曲率で有ろうと考えます。


結果的には
.スピーカーユニットはフルレンジを使う。
.マルチwayではユニット間の干渉の少ない工夫。
.マルチwayではデバイディングネットワークの
 厳密な設計、又はマルチアンプ駆動。
.エンクロージャーは総合グレード4クラスの機能を。
.総合グレード3のグレードアップバージョンとして下記を新たに設計製作する。
 .バッフルと背面板を非平行面とする
 .バッフル両端の曲率を大きく取る


この対策を採れば総合グレード4の高機能と
つき板張りの自由な外観デザインを採用する事が出来ます。
セッティング環境を良好にした上でのスピーカーから出る高音質!


この試作品を早く完成させて今迄以上の音を聞いてみたいと思います。


 


 



2012年10月23日火曜日

大人のけんかゴマ


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何かの部品をネットで探していた時に偶然に見つけたコマ?


何やら精密金属加工の会社が本気で作っているおもちゃみたいなので


気になり少し前に購入しました。いつもパソコンのモニターの下に転がっています。


http://store.branchproducts.com/


上手く回せたらまるで止まっている様に何時までも回転しています。


 


そうしたらメッセナゴヤ2012(トヨタの会長も来る大イベント)のイベントの中でこの種のコマを使って


http://www.messenagoya.jp/


「全日本製造業コマ大戦名古屋場所」が有るそうです。


コマはΦ20mm以下で重量材質問わず、片手の指で回す事。


土俵はΦ250mm凹R700mmで行う。


http://k-rt.sakura.ne.jp/koma/


 


本当に真剣に本気でコマを作って回して戦うみたいです。


楽しそうですね。こういうのは大好きです。元気が出ます。


http://www.youtube.com/watch?v=QOlX7oKP6go&feature=endscreen&NR=1


 


 


 


 


 



2012年10月22日月曜日

オーディオ.ホームシアター展


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先日のこのブログにも紹介しましたが、今日は秋葉原のオーディオ.ホームシアター展に行って来ました。


目的は生録会(ライブレコーディング体験会)とウッドウイルがお手伝いしたメーカーの発表会の様子を見てくる事でした。


生録、今日本語変換すると一発で出来ませんでした、それ程一般的では無い趣味になっているのでしょう。私も数十年ぶりですからいかしかたないですね。


会場受付ではウッドウイルのお客さんに声をかけられました、先日のブログを見て直ぐに予約をして来たそうです。その方は以前にブラスバンドに入っていたというので生録もそうですが、演奏に大変満足したと仰っていました。


とにかくブラスバンド(木管も含む)で総勢44名で、今回のイベントの為に苦労して編成したバンドだそうです。オーケストラでは低音楽器のステージから地鳴りの様な空気を振動させる様な響きがありますが、44名編成ではテナー、バス、コントラバスの各チューバが勢揃い、加えてテナーやアルトサックスも並んでいますのでその低音の迫力に浸かってしまいました。


フルオーケストラの重畳たるハーモーニーの響きの良さと同様な音に加えて躍動感などが加わるのですから素晴らしい演奏す。20代の頃は原信夫とシャープアンドフラッツを良く聞きに行き、自宅38cm平面バッフルにコンプレッションドライバーの2Way(ウッドウイルのJazz Machinの前身)でネットワークのコイルから煙が出る程に聴いていましたし、ベニーグットマンなども来日すると聞きに行ったものです。それでも彼らの編成は20人止まりですから、44名の編成は弩級と言えます。


録音は携帯出来る小型のPCMレコーダー(貸してくれる)に小型の三脚を付けてホール内の各自の机に於いて行います。貸し出し機で有る事情などで1時間の演奏を2GBのメモリーで持ち帰る事から録音フォーマットは16bit/44.1KHzのCD品質で行いました。


帰ってから取り敢えずはパソコンのスピーカーで聴きましたが、ライブ感は最高(自身が聴いたのですから当たり前)、残響音が生々しくてリアル、曲毎に録音on/offを繰り返したので曲毎にファイルが出来上がり、選曲が楽です。試聴室機材で聴くのが楽しみです。


機材を持ち込みも出来る為に、マニアは自慢のマイクなどでセットし、フォーマットも大容量メモリーを使えば、24bit/96KHzの高品質で録音する事も出来た筈です。私などは素人丸出しで、モニター用のヘッドフォンも持たないで行きましたから、録音状態の確認も出来ません。そう言えば携帯で音楽を聴く時のカナル型のイヤフォンを何時も持ち歩いている事を思い出して耳に入れてましたが、オープン型ではないので今度は演奏が聞こえない、モニターは直ぐに止めて機械を信じ、後は演奏をしっかり楽しみました。


レコーディングの講師にはオーディオ評論家でもある石田善之氏が担当。生録の3箇条とは1.機材選択/2.録音フォーマット/3.マイクのセッティング だそうです。注意事項は録音レベル調整でオーバーレベルは禁物/リミッターを効果的に使うべし等のアドバイスをいただきました。


なんて事は無い、借りた機材でマイクは机の上しか無く、録音レベルはオート。後は録音ボタンを押すタイミングだけが求められると言う簡単な体験会でした。でもこんな素晴らしいバンドの音楽を楽しめて自分で録音してデーターを持ち帰れると言うのは最高に贅沢な機会でした。


 


さて後の目的はと言いますと。


お手伝いした新製品は時期を見てお話しさせていただきますのでお楽しみに。


それ以外では実はたいした眼を引く物は無かった様に思います。小型のDACやデジタル式パワーアンプにヘッドフォンが目立ち、携帯音楽プレーヤーを自宅で聴く小型オーディオシステムが眼に付いた程度ですので、殆どが素通りです。ウッドウイルのブログやHPを訪れて下さる方達には少し消化不良気味になるかも知れませんので、インターナショナルショーなどの真に良質の音を聞く、聴ける様なイベントが合うかも知れません。


 


個人的に今はアナログプレーヤーを改造していまして、その一つにケーブルの交換が有ります。フォノケーブルやヘッドシェル用の専用線は市販されていますが、気になるのがトーンアームに内蔵されているケーブルです。ジャンクアームを何本も入手して分解方法などを確認しました。なぜならお宝のグレースのアームを壊したくないからです。


出品企業の中に「オヤイデ電気」が有ったので聞いてみました。トーンアームの中に使う音の良いケーブルは有りますか??流石にプロショップです!有りますと数種類を即座に答えてくれました。最近はアナログファンが増えて来て、問合せが増えていますとの事。今日はイベントも有るので日曜もガード下の店が開いていて更に10%offと言うので紹介状を書いてもらってお店で3種類購入して来ました。


ヘッドシェル用ケーブル専門の方を知っていますが、シェルのケーブルやフォノケーブルを替えたって、要のアームの中のケーブルが悪ければ駄目でしょうと質問しましたが、アームの中は怖くて手が出せないと言っていました、自己責任でやってみましょう。水道ホースで庭の芝に水撒き、蛇口栓とシャワー口に水通りの良い物を使っても途中のホースが細ければ水が勢い良く出る訳がありません、そう思っているのです。


出来上がったら紹介させていただきます。


 


そんな事で今年秋のオーディイベント体験でした。早朝家を出る時は5度、都内の昼は25度。どちらも気持ちの良い秋晴れの良い日でした。


 


 



2012年10月20日土曜日

長野技能五輪

技能五輪全国大会(青年技能者技能競技大会)が10/23から長野県で開催されます。


日本が技術立国であるのは自然科学の学問的な先進性と製造現場での技能の両輪で


高度な技術を有するからに他ありません。


 


その技能の技術レベルの向上と維持を若者(22歳以下)に競わせるのがこの大会の趣旨です。詳細は下記で。


http://www.waza-can.com/nagano-skills/outline/index.php


 


私は物心ついた時から物作りに熱中していました。


それが昂じて電子工学の道に進んでメーカー勤務等で設計開発などを行って来ました。


製品作りには試作が必要で、そんな場では子供の頃からの経験が多いに役立ちました。


初めてのメーカー勤務の時には設計は分からないにしても試作や一品物の製造には即戦力として加えていただきました。


そんな事から物作りの重要性は身に染みています。


ウッドウイル独立前のメーカー勤務の時には、物作りの経験が無い若者が多くて、


経験から覚えた体使いですから教えるのに苦労した物です。


 


ウッドウイル開業前の準備期間には趣味で身についた経験では無く、


プロとして役立つ様にと丸1年間木工を勉強する為に「技術専門校」に入学して勉強しました。


その時の先生の一人が技能五輪に出場する選手を何人も育てた方でした。


昔ながらのたたき上げの教え方に大いに戸惑いました。口癖はA級になるつもりは有るか!、


無い奴は何処かへ消えろ...こんな現代の学校にあるまじきスタイルだったからです。


それでも、その妥協の無い教え方が有ったからこそ今の私が有ると思っています。


そんな事も有り、技能五輪には関心が有ります。


 


工学理論を勉強してそれを役立てる様に実践するのも大変なのですが、


技能を習得するのもそれはそれは大変なのです。


参加者はその業界の国内トップを(上位の者は世界大会へと参加出来る)目指す訳です。


その先生との関連からその教え子(技術専門校の先輩でも有ります)達と出会い、


一流技能者の考え方や技能、仕事に向ける姿勢などを知る事が出来ましたので


とても関心が有ります。


 


この大会には見学に行くつもりでいます。


きっと新たな感動を得るものと期待しますので、後ほど報告をしたいと思います。


 


 



2012年10月7日日曜日

ライブに賭ける音の職人

ライブに賭ける音の職人


10/6朝日新聞「be」での特集タイトルです。
山下達郎さんが昨今の音楽事情と自身の活動を語っています。


私と一歳違いの年代ですが、四十代までの活動には殆ど気を止めていませんでした。
独立して一年中工房に詰めてからは「TOKYO FM」のサンデー.ソングブックを聞き出して
十数年経ちました、強いポリシーを持った音楽家だと、
また純粋に良い音を求めていると言う事で注目をしていました。


プロなので飯を食っていかなければならない。
その為にはドラマやCMなどとタイアップして稼ぐと。
相手側の都合で音楽を作っていく事がそれにあたります。
それは心は売っても魂は売らないと言う
譲れない一線を守ってと言う事らしいです。


クラッシック音楽に例えれば宮廷楽士が王様の為に演奏していたのが
心を売る事だとしたら、魂の部分では自らに正直に作曲を
していた事が比較されるのだろうか。


この考え方プロとして正しいと思いますね、
音楽は芸術を追求するばかりでは無いのだから。


演奏家の中には驚異的な演奏会をこなしている方がいます。
練習は演奏会で行っていると酷い事を言う方がいます。
木工作家で年中、個展やら展示会に出品していて
創作活動の時間が取れていないのに売る作品が尽きないのは
何故と不思議がる人もいます。
これもプロと言えばプロなのでしょう。


 


この10年間の国内音楽ソフトのCD等の売上が4800億円から2800億円に減少、
ライブ.エンターテイメント800億円から1600億円に増加。
CDが音楽文化の中心でライブはその販促活動だったが、
今後はこの立場が逆転するそうです。
音楽配信でパッケージのCDは殲滅される、
ユーチューブやニコニコ動画でただで聞けるから
CDは買わないでしょうと。


私などは注目している演奏会に出かけて行き、気に入ったらCDを買うから、
この様な行動指向の方は時代に影響されずにCDを買います。
演奏会場でのCDは結構売れているし、サイン会などには
長い行列が出来ます(ハイ、私も時々並んでいます)。
クラッシック音楽で年配の方の行動パターンですが、
小子高齢化でしょう?無視出来ないのでは。


山下達郎がサンデー.ソングブックで毎回言う、最高の音で放送していると。
私の工房ではチューナーアンプにボーズのBGM用SP(埃に強い)
だから最高と言うその音質チェックは出来ない。
その言葉の真意を掴みかねているのだが、彼にはヘビーユーザー(ヘビーファン)が
ついているのですが(番組中で達郎にその様に名指しされるのを誇りに思っている
ファンが多くいる)、彼らはどの様にその言を確認しているのだろう。
ハイエンドクラスのチューナーでハイエンドの装置で生聞きしているのか?
是非ファンの立場の意見を聞いてみたい物です。


山下達郎のCDを持っていますが楽曲は別にして演奏や各種調整やら
エンジニアがシステムを総動員して御輿のてっぺんに登った様な音で、
何が何だか分かりません、気が変になります。
BOSEやラジカセでBGMで聴いて丁度良いのです。


新聞記事に東北の震災では小型のラジオで聴く方が大勢いるので、
サンデー.ソングブックはそのラジオで聴きやすい音で放送したとか。
私があるプロ用音響機器メーカー勤務時代での事。
納品先にフジTVの優秀な音声担当者がいまして、
ミュージック.フェアという番組で、視聴者は小さなTVの
スピーカーから出る音を聞いているので、そこから良い音が出る様な
音を届ける、それを初めて実現された技術者なのですが、
何時も納品試験が厳しく苦労した事を思い出します。
ひょっとしたら最高の音とは大衆が気が付かずにさりげなく聴いている
日常の中に隠れているのかも知れません。
レコードの低域の振幅を小さく高域を誇張して録音して、
再生時に逆特製のイコライザーを通すというあのやり方です。
TVやラジカセ等はそれ自身が図らずも逆特製を持っていると言う事です。
まともな装置ではやはり気が変になります。
果たして最高の音での放送という真意は。


偏った嗜好で有る事は分かっていますが、それこそ魂を入れ込んで
構築して来たオーディオ装置でポップス音楽を聴く習慣は私には
無かったのですが、それでも今は仕事柄、
Jポップスを試聴用として聴く事も有ります。
ボーカルのリファレンスとして聴く森山良子、
甘さやハスキーさの加減が分かります。
白鳥英美子の声の通り方など。
素材に拘ってスパイスやソースの少ないCDも中には有ります。
えっこの方達はJポップスとは言わない??


 



2012年9月25日火曜日

オーディオ.ホームシアター展

東京秋葉原で開催されるオーディオ.ホームシアター展(10/19~21)に行って来ます。


http://www.oto10.jp/eventin/recording/


日本オーディオ教会が主催する展で形式は過去から色々と変わって来ていますね。


この形になって初めて行くのですが、有るメーカーのエンクロージャーのプロトタイプを製作してそれが発表されるとの事と、イベントの中で生録会があるので出かける事としました。詳細は上記URLで。


大編成吹奏楽団の演奏を楽しみながらPCM録音を体験できるのです。


機材は貸し出してくれるので手ぶらで行けますし、録音したメモリーを持ち帰る事も出来るので生録初心者には良い機会です。


体験されたい方は直ぐに手配すれば未だ間に合うかも知れません、早めに予約を!。


生録経験は高校生の時にソニーのポータブル型モノラルオープンデッキでSLを録音、地元ではまだ貨車をSLが曳いていました。首都圏では奥多摩でソニーのカセットデンスケで渓流の音を録ったくらいで殆ど生録は素人です。


考えて見ればメーカー勤務の頃は同じ課でマイクや関連アンプを開発していたので、チャンスはいくらでも有ったとは思うのです。


今回はプロの演奏を聴かせていただいた上に録音までさせていただけると言う貴重な機会ですが、通常は何かのクラブにでも所属しなければそんな機会は無い、つまり録音すべき音源が無いので生録も何も成立しない訳ですね。


知人にサンパチ.ツートラ(38cm/2トラック/10インチオープンリール)を持っている方が何人もいましたが、生録する方はカセットデンスケで、それをサンパチ.ツートラにダビングして聴いていると言う??な方が当時には多くいたみたいです。私はカセットをHiFi目的で使う気がしなかったので不思議な思い出見ていました。


当日の貸し出し機材は不明ですが、TVで記者が使っている物でもかなり音が良さそうなので、HiFi用の機材なら(期待してますけど)更に良いか?。価格は驚く程易いですね、当時のカセットデンスケは20数万円はしましたが、今のPCM録音機は5万円も出せば良い物が買えそうです。とにかく耳で聞いた音と生録した音との比較は面白そうですね。


 


ところで秋葉原(最近ではアキバですね)へは時々の興味で行く目的が違います。


.最初はやはりオーディオショップ巡り(アマで)


.電子パーツ集め(アマで)


.登山盛んな時にはアマチュア無線関連(殆ど消えそう)


.パソコン関連(オウムの怪しいショップへも行ったな~)


.模型関連で(フィギュアでは有りません!)


.電子パーツ集め(プロで)


.今はまたまたオーディオで(プロで)


.実はメイド喫茶に行ってみたかった(まだ有るの?)


また新しい目的が生まれるのでしょうか?奥の深い街ですね。


生録体験は後で報告させていただきます。



2012年9月21日金曜日

MDFの音質











































ウッドウイルの活動初期の頃はMDF材のキットや低予算でのエンクロージャー製作には
MDFを多用していました。

そんな経験の中からMDF材の音質について疑問を持ち初めたので、
最近では試作用(構造やデザイン確認、データ取得用)など
音楽を聴く為の用途以外の限定で使って来ました。

今ではエンクロージャー材についての情報が豊富になった事や
ユーザーの目(耳)も肥えて来て、
最近ではMDF材で製作依頼される事は殆ど無くなって来ています。

そんな背景の中でのある進行中の作品製作での感想です。

ヴィンテージ物の20cm口径フルレンジの製作を依頼され(上記、下の画像)、
先ずは適当な試作用のエンクロージャーに入れて測定、データー収集を行います。

その試作用エンクロとは名の知れた名器と言われたスピーカーシステムの
ユニットやネットワークを外したエンクロージャーです(上記、上の画像)。

このエンクロージャー材は当時は未だ存在しなかったMDF材では無く、
今で言うパーチクルボード(木質小片と合成樹脂接着剤を混ぜ熱圧したもの)を使った物です。
感覚的には木材と言うより樹脂材と言うイメージで、
例では包丁の柄が木材なのに堅く丈夫で水に強いのは樹脂を含浸させているからです。
硬いのは接着剤の成分です。

堅くてある程度強度が有りますが内部損出は少ない物です。
損出が少ない=良い。
そうではありません、内部の音響エネルギーが適度に減衰させる為には
損出が大きく有らねばなりません。

そのエンクロージャーのバッフルをMDF材で二重に補強して本体側全体を32mmにしています。
多種のユニット取り付けの為に更にサブバッフル18mmを加えています。
オリジナルには補強材は全く有りませんので適度な補強も加えてあります。
音質/音色は考慮せずに単に不要振動等のノイズ発生を防いでいます。

この様に改造したエンクロージャーで測定等を行う訳ですが、
その過程では音楽を流したりも当然します。
この試作エンクロージャーに入れたヴィンテージ物のユニットからはどんな音が?
やはり少しは期待が膨らみます。
果たして出て来る音は?先ずは当初目的の測定を続ける事にします。



作品が完成してユニットを載せ替える前にもう一度、試作機で音を出してみます。
音の広がりが無い、全帯域で音が曖昧なので締まりの無い低音に透明さが欠ける中高音。
高域も伸びていない、試しにツイーターを追加するが高音が鋭くなるだけで逆効果。

そんな時には来客が有る物で、断りを入れながら聴いていただくが、皆さん沈黙します。
評価出来るレベルに達していない。
何故こんなシステムが此処に有るの??と目が言っています。

さて完成作品に載せ替えて聴いて見ます。
補強(強度では無く不要振動対策です)と若干の吸音処理(定在波対策では無く共鳴対策です)。
1,2週間かけて基本的な音の絞り込みが出来て来たら、
今度は音楽鑑賞モードに切り換えて(思考回路も)聞き始めます。

音場の広がりが明確でコーラス隊が勢揃いしています。
低音の明瞭度も出て来ました。
女性ボーカルでは中には音像が大きい物が有りますが(20cm口径ですので)
ほぼ等身大で聞こえます。
高音不足は解消しています、流石にヴィンテージ物と感じさせる音色にうっとりします。

どうも人間の音の捉え方は、
低音が豊かに出ていても、そうでは無く高音が足りないと感じる様です。
もし高音が足りないと感じたら低音が強すぎるのではと疑問を持ってみたら如何でしょうか。
逆に高音が強いのなら低音が弱いのかも知れません。

足りないのか多過ぎるのかの判断が最重要です。

もしその豊かすぎる成分の品質が悪かったりすると対策は経験からかなり難しくなります。
試作エンクロでツイーターを足しても逆効果になったのがその一例です。

子供の頃に見た「ひょっこりひょうたん島」での思い出ですが、
ドンガバチョが水不足を解消しようと海水から水を作ろうとするのです。
塩辛いので砂糖を入れます、入れ過ぎて甘くなり塩を追加します、
それを延々と続けてお腹を壊して倒れると言う話ですが、
先程の音質に対しても同じ事が言えるのではと常々自分を戒めていています。

足すのでは無くて不要な物を引いてみる。
そうなんです、MDF材や粗悪な材料でエンクロージャーを製作すると、
エンクロージャーその物から不要な物がいっぱい音に付加されてしまうのです。
この不要な物は取り除く(引く)事は出来ないのです。


この新作は近々紹介予定でいます。








2012年9月20日木曜日

ガラパゴスとシャープ

BS8chの20時からのプライムニュースは人的情報の少ない地方の自営業者には貴重な世情を知る情報源として良く見ています。


じっくり話を聞きますとニュース関連番組でよく言う言葉ですが殆どが嘘、でもこのプライムニュースは2時間をかけて限定した話題を論ずるので本当にじっくりと見応えある番組となっています。


今晩は今話題のシャープを代表とする日本の家電関連製造業の不振について論じていました。


シャープ(固有名詞で済みません)は台湾の受託製造業の世界最大手の会社との合併を進めているが話がまとまらないとか。


シャープには独自の次世代液晶技術が有り、合併によりそのノウハウを出す出さないでもめていてトップ会談までに至っていないとの憶測です。


此処までは普通の話でしたが、次の言葉には驚き考えてしまいました。


その新技術を使ってくれそうな世界のトップシェア持っている企業はそんな技術は不要だと、


製品設計は独自に行うが製造に関しては仕様性能価格を確保する為に世界から吟味して最適な技術や部品を調達して製造してくれる委託先を決める。


そこには革新的な技術は必ずしも必要無い、何より独自の技術や部品を持った会社では選択主旨出来ないので供給や価格をコントロール出来ずに不安が在るとの事。


そうなると苦労して研究開発した優れた技術は世界では使ってもらえない事になります。


技術開発は出来ても商売が出来ない、勢い国内マーケットだけを考えて不必要な機能盛り沢山のガラパゴス製品が出来上がると言う訳です。


中小の会社ならそれでも良いのでしょうが、巨額の研究開発費や設備を持つ企業なら成り立たなくなります、シャープの苦しみはそんな事が有るようです。


番組では新技術の出し惜しみをせずに敢えてオープンにする事だと。


オープンしてその受託製造企業を通してこそ世界的な多くの企業に新技術を売り込むチャンスが生まれるのだと言っています。


技術立国である日本の研究開発は必須でありそれをやり遂げて来て今が有る訳ですが、今の製造業の窮地は商売方法や企業風土にも研究開発が必要なのだと言う事を明らかにしているのでは?


もう一つ気になった事は、産業の空洞化は世界では当たり前で、日本で殊更に論ずるのはビジネス論では無くて最早精神論に近く、余った人材の雇用は別の工夫(政策)をして産業を興す必要が有るのだと、コメンテーター達の中では共通認識の様でした。


さてさて個人工房のウッドウイルはと言うと、かなり世界の潮流から離れ、それこそガラパゴス辺りに流れ着いて住み着いてしまったのかと。


まあ業種は星の数程もあるので世間様に認められる様に努力を惜しまず頑張ろうと思います。


 



2012年9月10日月曜日

おねえちゃん頑張って!

久々に閲覧がありましたので更新しました。
ブログを引っ越した時に画像が見られなくなっていました。

タイトルのおねえちゃんは有名人だとマラソンファンの友人から聞きました。















































 


 







 












久々に来た友人とゆっくりしていたら公報で道路規制の放送。

そうか、今日は縄文の里ハーフマラソン大会の日だった。

椅子と帽子と水を持って歩いて数分のコース脇に応援に出かけました。

トップランナーは早い、お洒落した女子は可愛い、何かを訴えて幟を持って走る。

遠くからヒラヒラ、目立つのが来る、コスプレのお兄ちゃんが力走して来て、給水ボランティアのおばちゃん達が「おねえちゃん頑張って!」と大盛り上がり。

その給水スタッフの手際の悪さに業を煮やした友人が急遽ボランティアに参加します。

標高1000mの高原でも日差しがきつく暑そうですが、ランナー達はきらきら輝いています。

後部のランナーは今にも死にそうで倒れるのではと心配になるのと、これなら私も...。

例年この大会の観戦後の数日間だけは、先ずは歩いて完走し、少しだけ走って、そしたらエントリー出来るかもなどと考えてはみるのでした。

そんな平和な日曜の午前でありました。


2012年8月23日木曜日

岡谷市カノラホール レコード鑑賞会


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6月に地元岡谷市のカノラホールにて前橋汀子さんのリサイタルを聴いた時に入手したパンフレットの中にレコード鑑賞会が8月にあり、演奏するレコードの提供を呼びかけていました。


少し考えてから申し込みをする事にしました。今年の演奏会の選曲は60年代ポップスです。選考基準から考えて丁度良いお気に入りのLPがあったので申し込みましたら選ばれたので(結局全員選ばれた)、今晩、妻と一緒に出かけて来ました。


どんな様子なんだろうと興味津々です。レコードコンサートなどは田舎にいた10代の時以来です。また、地元では一番の権威あるコンサートホールが企画するレコード鑑賞会とは言え、あまり多くは期待していませんでした。


ところが、事前にレコードを集めて、そのアーティストや曲の事前調査を充分に行い、60年代の時代背景を元に綿密に準備していました。レコード提供者(私も)は早めに集まり、当日の進行内容の説明を行ってくれます。曲毎に司会(ホールの館長)と各人が対談方式でそのレコードの思いを述べ、司会が調べた内容に基づき背景説明を行い、プロジェクターで映します。


レコード提供者も一般参加者も良く知っている曲やアーティストとは言え、改めて説明を聴きますと知識が更に増えたり、再確認が出来ますので否が応でも早く演奏を聴きたくなります。


全部で11曲の演奏でしたが、全て知っている曲です。アナログの音色の柔らかさ、優しさがあり、疲れません。懐かしい曲をじっくり聞けて大変楽しかった、妻も喜んでいました。退屈など全く感じなかったそうです。


プロコルハルムの青い影/ブラザーズ.フォアのグリーンフィールズ/ザ.ロネッツのBe My Baby/懐かしいですね、私が選んだのは「ジャネット.リノ」の「風のささやき」です。誰も知らないアーティストだろうと狙って選びましたが当たりでした!、スティーブ.マッキーンとフェイ.ダナウエイ主演の映画、「華麗なる賭け」の主題歌です。


子供の時にはTVは無くともステレオが有り、シナトラやディーンマーチンを聴いていて、アメリカン.スタンダードのジャズやバラードを聴いて育った(大げさ)影響か、「ジャネット.リノ」の歌唱力にはまり、アメリカの豊かさを代表する家庭版「奥様は魔女」と同様に超セレブの姿を描いたこの映画は、田舎の青年の想像力を遥かに超えていて、夢の又夢の世界に運んでくれる世界を描いた映画と曲で大好きな曲です。


予想参加者は50人?でも途中から椅子を足して100人くらい集まったのでは無いでしょうか。画像は機材を見てウンチクを語る方、途中休憩中の様子です。ホールのロビーで行いましたが、音響的には?と思っていましたが何しろ天井が飛び抜けて高い、A7もどきのスピーカーも抑制を効かせて聞きやすく良かった。


但し職業病からか、サイモン&ガーファンクルの「サウンドオブサイレンス」でベースとドラムスによる低音域のリズムはこの曲の重要な部分ですがA7もどきからはすっぱり切り落とされていてあれれ??と気になります。A7もどきには荷が重いのでサブウーファーがあれば再現出来るだろうと技術担当に聴きましたら、流石にその現象は承知している様子。でも60年代にはサブウーファーは無かったので敢えて使う事は無いだろうとの見解でした。そりゃ確かにそうだ、一理ある。


そこで直ぐに納得行かないのがオーディファンの悪い所、「サウンドオブサイレンス」は家庭用オーディオ装置で聴く様にレコードが製作されていて、高校生の時の私の装置でもその低音は聴けていたのでした。考えて見ればオーディオファンとは、言ってみれば音楽情報を根こそぎ聴いてしまおうと言う趣味なのだから質が悪い!。


とにかくホールのスタッフの皆さん、楽しい企画をありがとうございました。本当に楽しい一時でした、次回も該当するレコードを所持していれば参加させて下さい。


コアなジャズは無理でしょうから、イージーリスニング(ポールモーリアとか)シリーズなんてのは如何でしょうか。


 


 



2012年8月20日月曜日

ご近所でのライブ

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昼からの打合せを終えてご近所の珈琲屋さんで行われるジャズとボサノバのライブに行って来ました。


森の中にあるログハウス風の自然に溶け込んだお店。


自然と言うより土に溶け込んだ様な風情です。


マスターは頑固そうで珈琲を入れている時には声をかけるのも気が引けます。


店にはピアノが置いてあり年に数回、ピアノと弦の三重奏を行っているそうです。


出前の珈琲を何回か飲んだ事があり、一度訪れようと思っていたら今晩のコンサートがあるというので出かけました。


客は20人、ギターと女性ボーカルの二人のライブです。


スタンダード曲が心地良く流れていきます。珈琲屋さんでは無くバーだったら最高、などと思って聴いていたら、次回はアルコール付きでやろうという事になったので又来なくては。


飲酒で運転出来ない人の為のロフトに寝るスペースがあるとの事。これで喫茶店??。


演奏は楽しかった。休憩時間にはボーカルの女性とお話しをしたり、合間に客がギター演奏をしたり、他の客が飛び入りで歌ったりと何とも気軽な雰囲気です。


ボサノバを聴き始めて40数年で、ゲッツ.ジルベルトの頃からと言うとギタリストは分かったが、若いボーカルは?と言う顔をしていたのが少し意外。


ライブが終了して外に出ると人工光は無し、真っ暗です。林の上に広がる空は星が一杯。


何時もの星見の場所に行くとカシオペアが霞む程に天の川が空を覆っています。


寒くなり直ぐに戻りましたが、この夏一番の星空に満足満足でした。


写真は携帯カメラ、こんな暗くても写るんだ!



2012年8月15日水曜日

夜明けのスキャット

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昨年からブレークしている由紀さおりさんと米国のバンド「ピンク・マルティーニ」の日本公演があり、その放送を録画していましたが、やっと見る事が出来ました。


私が中学校の2,3年生の頃に聴いていたAM放送の深夜番組(詩を朗読する様な内容)で流されていた曲で、スキャットと言う歌唱方法が心地良くて毎晩(毎週?)その曲聞きたさに眠気を押さえて聴いていた事を思い出します。もう44,5年前の話です。


数年してから発表された曲が「夜明けのスキャット」で、歌手は由紀さおりと言う人。この曲があの時の番組に流れていた曲でした。今度は自作ラジオ(五球スーパー)ではなくて自作ステレオ、と言ってもLPプレーヤー(アンプ/チューナー内蔵)とL/Rの小型スピーカーがセットになった物で初めて自作したコーラルHiFi用6A7を使ったスピーカーに取り替えた物で聴く事になりました。因みにシングルレコードを買った2枚目だったと思います。1枚目はポールモーリアのエーゲ海の真珠です。


「夜明けのスキャット」は、こぶしを使わない透明感のある清潔、爽やかな声で一時は虜になった様に聴いていました。今回聴いたものは由紀さおりさんも恐らく60代半ばだからしょうがない、声は太くなっていて少し声も震えている様に感じましたが未だ未だ女性としての魅力に溢れているので曲も充分に堪能させてくれました。


歌謡曲路線とは早々と縁を切ったのか、お姉さんとの唱歌などを通して日本語を綺麗に歌う事を続けて来た現役バリバリの実力の持ち主です。歌っている姿には落ち着きや余裕があり、歌以外にも活躍してきたエンターティメントなどもちりばめて、私もコンサートに行きたくなるようでした。


「ピンク・マルティーニ」はジャズやボサノバ、サンバにラテンと多用な曲を演奏するバンドでボーカルも加わっていて、やはり円熟し、華麗で余裕のあるスタイルから醸し出す何とも言えない心地よさも由紀さおりさんが加わって更に心地良さが増し素敵なバンドです。


見ていると何となくブエナビスタ.ソシアルクラブみたいに、長く活動して来た人の自信と余裕と幸福感が伝わって来て音楽の良さを堪能出来る!そんな公演の様子でした。継続は力なりですか、カバー元の歌い手達は今は何処へ?地道に活動して来てやがて輝く時が!ブルーライトヨコハマが日本語でフランスや米国で大絶賛されるなんて以前なら想像もつきませんでした。


 



2012年7月30日月曜日

オーディオ的な音とは?

今年の夏も暑いですね!信州の高原に住んでいる私が言うのも何ですが、都会に暮らしている皆様のご苦労が分かります。東京に20数年暮らしていましたがもう戻れないですね。


そんな訳で暑さで音楽どころでは無いのが人情で、HPもブログも訪れるてくれる方が激減するのもこの季節の特徴です。


 


さて本日発表したスピーカーの音についてです。


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搭載したユニットは、販売店の評価では「Hi-Endスピーカーシステムに最適なユニット」とあります。デンマークの技術を伝承する音質と言う事です。因みにデンマークには電磁気学に優れた物理学者がいまして、電磁気=スピーカーの駆動回路を良く研究されていたそうです。


完成したスピーカーの音を聞きますと、先ずは大きな癖が無い事、解像度が高い事、音が滑らかな事、音が緻密な事、オールジャンルにバランス良く鳴ってくれる事。良い事ばかりですね、聞いていて特に不都合な所は無いのです。


私が聞き知ったいわゆるハイエンドスピーカーの特徴を良く持っていると思います。特に特徴的なのは音に張りがある、管楽器の空気が充ち満ちた状態で空間に吐き出されるあの音、、ピアノの艶やかな弦と響板の響き、ボーカルの明瞭度の高さ、充分な低音の分解能と、この発表したスピーカーの音を聞いて??と言う方は少ないのではと思います。


私もかなり気に入りまして、近い内に自宅シアターの7.1chスピーカーを更新しますが、そのユニットに同シリーズを採用しようと思っています。シアターサウンドにはピッタリです。


ここまで書いて来て??と思った何時も訪れてくれるコアな方は思っているかも知れません。実はその通りで、一般的というか普通ならこのスピーカーの音はオーディオの王道の真ん中を歩く音質を持ち合わせたスピーカーと言う事が出来るのですがが...


録音スタジオ等の音の工場(敢えてそう呼びます)で生まれた音を再生するには間違いなく優れていると思います。と言う事は普通にスタジオ録音されたCDを再生するにはベストな音質ではあるのですが...


私がオーディオの音を聞き比べる事をあまりせずに音楽会に脚を運ぶのはこの辺の評価をどの様にするべきかと考えているからです。


プロ用音響機器を設計開発している時に強烈に経験させられた納品先での自信の音質評価の無力さ、趣味のオーディオを中断してその予算を全て生演奏に投じて10数年、再びオーディオに戻った時に感じたHi-Endオーディオという名の再生音に感じた違和感。


理由は簡単で、音楽会では感じられない音が出ているからなのです。


その溝は今も埋まっておらずに今迄来ています。音の話なので文章では理解が得られないのが残念なので、試聴室に私がベストとするスピーカーと、王道を行くスピーカーを比較できるようにせねばならないかと思っています。


私の限られた知識や経験では分からない事が多々ありますが、音の評価をせねばならない時に、その評価の基準を何処に置くか!その置き方が難しいのです。


嬉しい、不思議な事にマスプロダクトでは無い手作りに近い拘りの音響機器を製作している中の音には違和感を感じる事が少ないのです。何故でしょうね。


 


 



2012年7月15日日曜日

森麻季ソプラノ.リサイタル

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地元茅野市のコンサートホールで森麻季(ソプラノ)さんのリサイタルを聴いて来ました。伴奏のピアノは(山岸茂人)さん。

今年4月に長野市でも聞いて今年2回目の鑑賞ですが、長野会場は以前から良くある多目的ホールで、それも2階席から聞いたので音が届かずに良く分かりませんでした、しかしもう一度聞きたいと強く思わせる魅力がありました。

今日はクラッシック専門と言って良い程の300人定員の小規模ホールで、中央真ん中やや後ろでの最上の席(ステージから10m程)からの鑑賞でしたので森麻季さんを堪能できました。

器楽曲でのコンサート等ではホール音響を無視して生音に近付く為に最前列に位置取りますが、声楽では声の射程距離を考えて席を選びます。

今日の伴奏のピアノはホールピアノであるフルコンサートピアノのベーゼンドルファーではなくて河合のグランドピアノでした。流石に低音やスケール感は出ませんでしたが中高音が綺麗で声楽の伴奏には合っているのかなと感じましたので、その為に入れ替えたのか?。

世界の数多の華やかな舞台を踏んでいる方が人口5万人の小さなホールの目前で歌っている。その事に感謝しながら聞き入りました。

人間が英知を注いで楽器を作り、それを人生を賭した演奏家が奏でる楽曲を聞いて我々は感動して音楽を聴く訳ですが、その英知を自信の体を使って直接に聴衆に伝える声楽家が人を感動させない訳がありません、良く考えれば分かる事なのですが、それを体験する機会はあまり多くはありませんね。

楽曲の中での声楽を担う場や、オペラで演劇を交えながら歌い踊る場をも担う声楽家とは何と多彩な事か。声は透き通り良く伸びて、深みも表現も多彩で深遠です。勿論の事、技量も最高峰なのでしょう。内外の好きな声楽家が何人かいますが、その方達が平凡に聞こえてしまいす。

声の綺麗さにうっとりし、その表現の多彩さに驚き、いつの間にか観客は一体になって聞き入って(魅入って)しまいます。歌は外国語(ドイツ語やその他)なので演奏前に日本語の歌詞を読んで下さるのですが、その地声も綺麗で優しく、まるで朗読会に来ている様な、この朗読だけでも来た価値がある程の語り具合です。

とても秀麗な方なのに気さくで、優しさが感じられます。単に声楽家と言うよりは総合的なエンターティナーの資質を自然に持ち備えているのでしょうか、観衆は満足感で一杯です。CDは未だ持っていないので聞いた曲を中心に何枚か選んでみようと思っていますので、近い内に試聴用CDのコーナーに掲載しようと思います。

後、これはつまらない事かも知れませんが、ピアノと声楽が目前の中央に位置して演奏しているので、オーディオ的には左右の中心にピタッと定位して聞こえると思っている方がいると思いますが、そんな事はありません。ピアノも声も周りに溶け込んでホールの響きも加わり、中心にいる事は間違い無い事は分かりますが、真ん中にピタッと言うのは再生時の聞こえ方を意識した操作によりそう聞こえていると言う事です。そんな確認をする上でも(そんな人は私だけ?)コンサートへ脚を運びましょう。


2012年7月8日日曜日

CDとLP

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スピーカーの注文を受けた時にオーディオ機器全てを入れ替えるので機種選定からセッティング等の一式を担いました。


そんな事でLPプレーヤー(アナログ)の比較試聴という試みをしてみました。お客さんの機種はDENON-DP500M、当方のはターンテーブルVICTOR-TT81、アームがGRACE-G565+G840、で共通カートリッジはDL-103にイコライザーが東京サウンドPE100SEです。ケーブルはDP500MにはオヤイデPA-2075RR、GRACEは付属ケーブルでカートリッジシェル内のケーブルに柄沢シェルリードVWS3024Bを使っています。


比較結果は価格と汗をかいた分で圧勝となりました。音の透明度や分解能に質感の豊富さなど、違うカートリッジ?と思わせる程でした。


今回はそんな事よりも懐かしいLPを引っ張り出して来て数十年ぶりに聞いた曲に涙した事です。60年代のポップスやR&Bを代表する大型ロソシンガーの曲がありました、随分背伸びして聞いたのが懐かしく思い出されます。聞いていてむずむずします、ハードな運動後の就寝の時に疲れた体の置き所が無くて寝返りばかり打つ、そんな感覚を持って聞いていました。


地元のコンサートホールでアナログ.レコード鑑賞会なるイベントがあるので、自慢のLPを申請して聞いて来ようかと思っています。


画像に有る様に60年代のLPと同じマスターテープから起こしたCDを所持しているのでついでにまたまた比較してみました。音的にはCDが優れているのでしょう、ノイズも有りませんし、隠れた音も聞こえて来ます。しかし曲やその場の雰囲気、音楽の楽しさはLPにかないませんね。柔らかく優しくリラックスして聞けるCDはあまり体験した事がありません。


久々の針を落とす緊張感に忘れていたオーディオの厳かな儀式を思い出しました。


そうそう、LPはかなり汚れていたのでクリーナーに「レイカ33BWエクササイズ セット」を使っていますが効果あります、disk Unionで教えてもらいました。


 


 



2012年7月1日日曜日

10cm小口径フルレンジスピーカー

最近どうした訳か10cm口径や8cm口径のフルレンジユニットを使った作品が増えています。


ウッドウイル立ち上げ時には零からのスタートでしたので、自然と価格優先の小口径フルレンジスピーカーを製作していましたが、10数年を経て再び小口径スピーカーの製作が続くのはとても興味深い事と感じています。


HPに掲載している製作例の他にも現在進行中の物で10cmと8cmが有りますが、それら全てに共通しているのが、「小口径=安価な入門用」と言われる様な範疇の作品では無い事なのです。


小口径サイズのユニットでは最高音質の物(一部普及品も有り)を搭載し、中には10cm口径ながら励磁型ユニットも有ります、価格的には電源を含めるとユニットだけで市販の中高級機と並びます。エンクロージャは例外無く品質の高い物を採用し、ユニットの特徴を最大限生かす事、そして積極的に音色や音場感などを向上させる事を狙っているのです。これらのユニットやエンクロージャーの仕様などは殆どのお客様が仕様を指定されている事が更に興味深いのです。


ウッドウイルのお客様には経験豊富な方が多くて、小口径フルレンジユニットの長所、短所を良くご承知です。癖の無い自然な音色を楽しみたいと願いつつもスケール感などでは大型システムに負けてしまいますし、電気信号対音響信号の最高度の変換特性を持つコンプレッションドライバーなどにも負けます。それでも尚、小口径フルレンジの良さを愛して止まないのです。


ウッドウイルとしてはそんな方達に少しでも良質な作品を提供しようと製作に取り組む訳です。小口径フルレンジではある意味で前述の様なストイックな聴き方を強いられる訳ですが、そんな気持ちにさせない様に長所を伸ばす工夫をします。お客様はサブ機として聞くつもりは無いのです、独自のジャンルとして独立した個性を主張できる性能を求めています。


私もそうでしたので分かるのですが、予算が無かったり自作が好きな方はやはり小口径フルレンジから始めます、しかし直ぐに飽きて中/大口径フルレンジや2Way、3Wayへと進化?させて行きます。その長い過程の中でそれぞれどの様なシステムが自分に合っているのかを見極めて行きます。それで分かったつもりでいても時間が過ぎると変化したり、環境が変わるとまた好みも変化して行きます。そんな経験を積んで来た方が本当の小口径フルレンジの良さを理解されているのではないかと考えたりします。


20~30代の私は38cm平面バッフルに中高音にホーン型の3Wayでネットワークのコイルが焼ける程にビッグバンドジャズを聴いていた時の事、銀座山野楽器の前を通り抜けた時に何とも良い音が聞こえて来ました、つられて中に入って調べるとONKYO-FR16Aのフルレンジ16cmでした、高校生の時に自作エンクロージャーに入れて聞いていたユニットです。その時に今迄いったい何をやっていたのだろうと考え込んだものでした。


何の事は無い、今でも38cmダブルで同じく中高音にホーン型の5Way(JazzーMachine)を聞いていますが、ONKYO-FR12A/16A/20Aを大事に所持しています。何時か自分用の最高のフルレンジシステムを作ろうと思い描いているのです。


あと、別の機会に詳しく書こうと思っていますが、スピーカーをセッティングする時、中央に定位する場所に置かれた物の素材が聞いて分かる?高性能フルレンジスピーカーではそんな現象が起きます。


 



台風4号の爪痕

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先日の台風4号が関東甲信越を配下に納めた時に田舎で不幸が、暴風の中、東京へ移動して翌日は4号を追う様に北海道へ、帰りは5号を迎える様になり、揺れたフライトやらで疲れ気味。


6月29日は快晴の青空、30(土)も終日晴れの予想です。気分転換に八ヶ岳登山に出かけて来ました。ジムニーで何時もの林道をかっ飛ばし、最短で登る何時ものルートです。


一般車が走れる林道を過ぎるとゲートが有り、そこから先は山小屋用の資材運搬林道が続き、登山者はその道をしばらく歩きます。こちらに来て約20年歩き馴れた林道がメチャクチャになっています。


簡易舗装した難所の道のコンクリートはおろか地盤になる土砂も流されています。登山者ルートも変更になっていました。何度か台風を経験して来ていますが、こんなのは初めて。山小屋の従業員に聞くと四号でやられたと、未だ復旧が終わっていません。終点の山小屋のリンゴほっぺをしたバイトの娘がニコニコとボッカ(荷担ぎ)をしていたのが印象的でした。


さて登山ですが、随分大昔からピークハントには興味無し(百名山登頂を目指す方もいますが)で、気持ちの良い場所を見つけ、そこまでたどり着けば3千メートル級の山々と森林限界を超えた所にある青々としたハイマツ、黄花スミレに野いちご、イワカガミにミツバオウレンと高山植物たちが迎えてくれます。


そこにしばしたたずんで、お茶して弁当食べて朝四時半起床で昼過ぎには帰って来ます。体の調子を確かめつつ、自然の中でリフレッシュ(自宅でも自然の中ではありますが)。静かな道でしたが山ガールが進出して来ています。穴場の静けさも風前の灯火です。


 



2012年6月27日水曜日

忘れられる権利

今、EU圏では自分に不都合な情報をネットから削除する法整備を準備しているらしい。


ほんの些細な事柄から悪意に満ちた人達のがんばりで??個人情報を調べ上げられてそれをネットに掲載される。


その情報は無限に広がって行き、個人は丸裸にされた様に社会から葬り去れる、こんな事がネットの世界では起きているらしいのです。


先日、親戚からフェイスブックに入会したらとのお誘いのメールが2通も来ましたので、入会検討中と話しますと、そんな連絡をした覚えは無いと!。


どうやらパソコンの中にあるメールアドレスをフェイスブックが勝手に探し出して送りつけているみたいです。


怖いですね、恐ろしいですね、こんな事が許されるのでしょうか?。


私の仕事はネットに大きく依存して恩恵を受けてはいますが、情報の管理は自信で管理できる範囲で行いたいと思います。


私は守るべき業務上の情報を持っているのでその保護に勤めてはいますが、今や誰でも守るべき個人情報をネット上に広がりかねない形で持っていると言う事が分かって来たので、不特定多数の方が出入りするSNS等の会員は全て止めようかと思っています。


ただ単に興味本位で入会しましたが、実利は今の所は無いのですから、リスクを冒してまで参加する必要は無いのでは。


法整備がされ、セキュリティーが完備されたら又楽しもうかなと思います。



2012年6月25日月曜日

ケーブルTVのサービス

私の住む長野県諏訪地方は周辺が山に囲まれている為に早くからケーブルTVが普及して、今は全世帯の9割程が加入しています。


しかしアナログ放送の時には大変便利な放送を受信する形態でしたが、現在では満足すべき状態ではありません。


ケーブルTVには地デジ/BSの他に無料、有料を加えると60chを越える番組がありますので、当然見たい番組が重なる事もあります。


ケーブルTVは各家庭まで光ケーブルが施設されていて、端末から専用チューナーを経由してTVやレコーダーに接続します。


その専用チューナーにはBSの1ch分のチューナーしか内蔵されていません。地デジはスルーパスでTV等に接続します。BS番組を録画しながら他のBSチャンネルを同時に見る事が出来ないのです。


ごく最近になってBSを2ch内蔵し、HDも内蔵した専用チューナーが提供され始めましたが、そのHDのデーターは外部に取り出す事が出来ないのでブルーレイの様な媒体に保存する事が出来ません。


今や時代は3chや4ch同時録画で出来てデータは外部HDに移したり、ブルーレイに録画するのが普通に行われているのです。LANと接続してHDDのデーターを共用する事も始まっていますが、ケーブルTVの世界は数世代古いサービスしか実施していません。


今の時代でこんな事があり得るのかと?、視聴者に不都合を強いるのは何故と不思議です。


これはハードの制約ではありません。HDのデーターを外部に取り出す機能を持たせると、地域のある種の機器が売れなくなるので自主規制しているとか、担当者は訳の分からない弁明をしています。


止む無く、BSアンテナを設置してBSチャンネルを2ch同時録画出来る様にしました。後で4ch同時録画機能を持ったブルーレイレコーダーを導入しようと思います。


BSアンテナとケーブルTVとで比較視聴しますと、BSアンテナの方は暗い背景のノイズが少なく人の肌が柔らかく綺麗に写ります。ケーブルTVではまるでPhotoshopでピンぼけの画像を際立たせる為に強制的に「シャープ」を強調した様な肌に見えます。


音質はケーブルTVの方はコンプレッサーを効かせた様な抑揚の少ないレンジの狭い音で、重要な音声も明瞭度が少なく奥に引きこもって聞こえます。


結局は画質も音質も気にならない程度の番組しかケーブルTVで見る事になりそうです。チャンネルだけは豊富にありますので。これらは私の環境でのケースと言う事を一応お断りしておきます。


このブログを読んでいる方でケーブルTVの方がいましたら、是非そのサービス内容をお知らせ願いたいと思います。不便なのは地方のケーブルTVで都会では違う事もありそうです。



2012年6月16日土曜日

前橋 汀子 ヴァイオリン.リサイタル

前橋汀子チラシ


地元岡谷市のカノラホールにて前橋汀子さんのリサイタルを聴いて来ました。


仕事を終えて駆けつけて聞けるというのは嬉しいものですね。都内や大都市在住の方の利便性をこんな時には強く感じます。


前橋汀子さんの事は知ってはいましたがコンサートに行かずCDも持っていませんでした。たまたま地元なのでチケット販売日に窓口で特等席を購入して聴いて来た訳です。


もう大ベテランで円熟されいる日本の代表みたいな方です。一流のソリストが経験するであろう事は全て経験済み、今は大学教授であり何と2011年に紫綬褒章を受章されています。


どんな素晴らしいアーティストでも私が感心を持てる期間と上手く同時代を生きた方は自然と馴染みが深くなりますが、前橋汀子さんなどがキャリアを積み始めた時に私は、夜な夜なジャズクラブに通っていましたのでかみ合わなかった訳です。


そんな事で聞く機会に恵まれなかったのですが、聞いてみましたら感動の連続でした!!。


素晴らしいですね。今回のリサイタルはデビュー50周年を記念して小品を中心とした親しみやすい曲を厳選して演奏されています。ですから馴染みの曲が多くありました。


1曲目の演奏でエルガー「愛のあいさつ」、皆さんよくご存じと思いますが、私も気楽に聞くつもりでいたのですが、こんな聞き慣れた曲がこんなにも表現豊かで情緒的だったのかと!


続くヴィターリ「シャコンヌ短調」です、聞き惚れてしまい、これはこれは大変な誤算だぞと興奮しながら気を引き締めて聞き始めます、会場の皆さんもどうも同じ様です。


昨年聞いた庄司紗矢香のベートーベン「クロイツェル」は華麗で軽やかな印象が強かったのに比べて、重厚で深みが有り、同じ曲かと思う程です。


最後のサラサーテ「ツィゴイネルワイゼン」は圧巻です。技量に、経験に、人生に、それらが積み重なった響きはただただ唸って聞くだけです。今迄、若手や中堅を良く聞いていたおかげでその表現の差が嫌と言う程に分かってしまいます。まるでフラメンコの嘆きや悲劇の舞台を見ているようです。


ですから今の前橋汀子さんはとても個性的です。欧州などには高慢で気位の高い鼻につく感じの個性的な演奏者が多く見受けられますので、その点は全く嫌みの無い個性です。聞いた後の感動、共感の支配する心地良い疲労感を覚え、こんな体験が出来るうれしさに酔いしれます。


そのつもりは無かったのですが、演奏終了後にCDを購入し、勲章まで受章した方なので緊張しましたがサインまでしていただきました。


尚、彼女の使用楽器は1736年デル.ジェス.グァルネリウスです。華麗な音、力強い音と千変万化する音色にも圧倒されますし、演奏中にはまるで楽器と会話している様な仕草も印象的でした。


 



2012年6月14日木曜日

FOSTEX FF85WK

最近は小口径のフルレンジユニットを搭載したシステムを製作する事が何故か多く、その中で日本を代表するユニットメーカーの音を久々に聞きましたので敬意を払ってその試聴記を書かせていただきます。

フルレンジを使うシステムはお客様の拘りが強く有りますのでユニットはほぼ支給です、後はそのベストなエンクロージャーを設計製作する事となります。

国内ユニットメーカーは一部の強烈な拘りのハンドメイドのメーカー以外は数社しか存在しませんが、海外には少なからず存在していてそのグレードも高く、ネットの発達でそれらを入手する事も可能となっています。

ウッドウイルにユニット選択を任されますと、どうしても音質優先で妥協を廃した製品を選ぶ為に勢い高価になる事が有りますが、それはお客様も承知しておられる様です。

そんな事情なのでしばらく離れていましたが掲題のFOSTEX社のフルレンジユニットを聞く事となりました(大型ウーファーや中域/高域ドライバー類は使っていますが)。

ウッドウイルのお客様は圧倒的にクラッシックファンが多く、その次が全ジャンル、ジャズ専門の方は少なく、ましてやポップス専門やロックなどは皆無に近い状態です。こんなお客様がウッドウイルに関心を持って下さると言う事です。

ご存じの方も多いで有ろう(と言うよりも皆さん常識の様に知っていますかね?)と思いますが、FOSTEX社のフルレンジユニットのFEシリーズは西海岸的な明るく快活な音質ですので、クラッシックには向かないと考える方が多く、私もその様に思っています。

私がもう一つ大きな理由として上げるのは、最近のハイグレードな海外製ユニットは別として、フルレンジは音が平面的になり、例えばオーケストラの重厚で重奏的な再現では力不足で直ぐに物足りなさを感じてしまうのです。勿論、フルレンジの良さがある事は百も承知で話しています。

但し、音が前面に元気に出て来るので、その要素と合致する楽器によっては胸の空く音楽を堪能する事も出来、その限定的な使い方で満足されている方も少数ですがいらっしゃいます。

そこで新シリーズ(もう数年経ちますが)FFシリーズのFF85WKでシステムを組んだ訳です。FEシリーズと同じ音色だったらどうしよう??と思いながらの試聴一発目!。

20時間程のエージングなので正確な所は未だ不明ですがその第一印象は、FFシリーズは良くも悪くもワァーと音が前に出て来ますが、そこは少し抑えめか、そしてそのワァーと出る音はユニット(振動板の)の癖そのままに出るのに対して何か音のカラーが被さった様な印象を受けます。長く聞いていますと慣れて分からなくなりますが、リセットして再度聞きますとやはり今迄のFEシリーズとは違うカラーを感じます。

FEシリーズの振動板の乱れた生々しい音が(失礼)そのカラーにより整えられていると言う印象です。私の感覚ではFFシリーズの素材が持っている音と言うよりもやはり何らかの音作りをした結果の音色?と感じてしまいます。

試聴には何時も聞く殆どのジャンルの曲を聞きました、FEシリーズでは避けていた曲も聴きました。オールジャンルで良好に聞ける事が分かりました。その意味で安心して使えるユニットになったと思います。

一番良かったのがピアノ!チャイコフスキーのピアノ協奏曲もスケール感もピアノの艶もそこそこ出ていて良好、ボーカルもメゾソプラノ程でしたら音像もベストサイズ。アタック音の鋭い曲も従来通り楽しめます。

新しいスピーカーやユニットを聞いて嬉しく思うのは、ほんの一瞬であってもその時の音色に心がハットする様な驚きを覚える時です。そんな体験をこのユニットから幾つか受けました。

予算が無いシステムを組む時にはオールラウンドで使えそうですので、他の口径の音も聞いてみようかと思っている所です。

ウッドウイルで使うには大歓迎のFFシリーズと言う事が言えます。


2012年6月12日火曜日

ローデンギター

ギター好きの友人がいて、離れた仲間達で各パートを単独で録音しては集まってまとめて楽しんでいるようです。


その友人が所有しているギターの一つが「ローデンギター」なのですが、私の知っているのはギブソンとかマーチンぐらいでローデンは知りませんでした。


学生時代にある国家試験に合格して自分へのご褒美として高価だったギターを1980年代に購入したそうで、良くこのギターの表材は何々で横材は何々なんだと自慢していました。


最近ですが、そのローデンギターのジョジ.ローデン氏が来日して、自社のギターの点検と調整を行うと言うイベントに抽選で選ばれて出かけて行きました。


1日4名で3日間の限定だそうで超ラッキーな友人です。ローデン氏が友人のギターを見るなり弦高があり過ぎると言って素早く何かの部品を削って調整してくれ、他の分も点検してくれたそうです。


その調整と同じ事をクラプトンのライブ会場に呼ばれて行って削り過ぎて折ってしまったと言う失敗談を仕事をしながら話してくれたそうです。


他には女性のプロプレーヤーが居て調整後に音が良くなり喜んで即興で演奏したりと終始ハイテンション状態で楽しんだそうです。


ローデン氏が調整した事、ギターの状態等を証明する書類を作成してサインしてくれ、記念撮影もしてもらったと感激の様子でした。


遠いアイスランドから来て、日本で愛用する人達がギターを持ち込んでメンテナンスして親交を深める!なんて素晴らしい仕事をしているのだろうと、聞いている私も熱くなりました。


友人はローデン氏に状態のとても良い「オールドギター」だねと言われたそうで、なにやら意味のある言葉だそうです。



2012年6月7日木曜日

本物

気になlっている二人の言葉。


一人は長野県の田舎道、夜遅くに県道と脇道の交差点にかかる信号機。車が居ようが居まいが、昼夜関係無く一定間隔で赤青黄色!


木工のたたき上げの師匠はあいつはバカだ、偽物だ!と言い続けます。きっと夜な夜な迷惑を被っているのでしょう。


この信号機はバカで偽物でしょうか??


私にはどんな事情があったにせよ設計者の仕様によって、正確に故障もせずに役目を果たす機械装置なので優秀だと思うのです。


バカで偽物はその仕様を考えた設計者か、事情を考慮せずに発注した官庁か、思考回路を装備させる予算が無い国か、それらの全体像を描けない師匠なのでしょうか、果たしてそれらの人達は本物では無いのでしょうか?。


 


もう一つ、マスコミ関係の方でスピーカーの展示会での言葉、本物でしょうか?との質問!


??生演奏が本物なら再生音楽は偽物?、では音響や関係の工学技術者はみなさん偽物なんでしょうか?


技術と予算を詰め込めるだけ詰め込んだハイエンド製品は本物?


予算も人員もぎりぎり、でも一定のニーズを満たす製品は偽物?


世間では本物と言う言葉は良く耳にしますが言っている人は深く考えているのでしょうか?何も考えずにありきたりの言葉を口にした人は偽物?


但し製品の品質(故障や不良の意)を満たす事は最低条件ではありますがね。


簡単に分かりそうで、分からない課題です。



2012年6月3日日曜日

HPのメニューを変更しました

少し前のブログにも書きましたが、ホームページ左側にあるメニューの内容を少し変更しました。


ウッドウイルではスピーカーシステム(完成品)やエンクロージャーを試行錯誤しながら各種の特徴や性能を持つ作品を発表して来ました。


それぞれに特徴が有るのですが種類が多くなった分、その特徴やその違いなどが分かりにくくなって来たのを気にかけていました。


今回はメニューの内容を整理すると共に、「製作出来る作品の種類と解説」と言うメニューを追加しましたので、最初にこのメニューを見ていただければ受注出来る作品、過去に製作した作品などが、どの様な位置づけで構成、差別化されているかが分かり易く理解いただけると思います。


今回は初めてウッドウイルの中だけの限定ではありますが、作品にグレードを付加してみました。自分が試行錯誤して考案/設計/製作した作品にグレードを付けると言うのも誤解を招きそうですが、これは機能/性能などの差別化であって、どのレベルの作品でも品質は確保していますのでご安心下さい。


例えばグレード1のシンプルで小型の合板製直方体のエンクロージャーの構造体の材料を切り出す加工は1日有れば出来てしまいますが、グレード4の数十枚積層する1枚の加工だけでも1日では終わりません。たったそれだけを比べても製造時間やその加工の難易度は圧倒的な差が生じます。そこまで敢えて取り組むのは音質や機能の差となって現れるからで、その差をグレードの違いとして表現しても差し支えないと判断してみました。


グレードは機能/音質/音色と分けて細分化しています。これは基本性能として機能が確立し、それをベースとして音質と言う評価が出来ます。音色はさらにその上に付加される成分で、機能/音質が不十分では音色の判断まで至らないと言う基本姿勢で全体を考えて見ました。


それらのグレードの内容をまとめて説明出来れば更に分かり易いのでしょうが、それは次の機会を待つとして、今の時点では差別化された各々の作品の詳細をご覧になって全体像を掴んでいただきたいと願います。


HP自体の構造は貧弱ですが(私が製作管理しているので)、各作品に対する情報だけは豊富に掲載しているつもりですので、お時間の許す範囲で見ていただければ幸いです。



2012年5月30日水曜日

作品製作の意図は?-1

掲題のタイトルで少し考えてみたいと思います。
今後も思いついた時にランダムにここに書き続けてみようと思います。



先ずはこのブログを見て下さる方達はどんな記事を期待しているのだろうか?
自作オーディオの方達は設計や製作のこつなどだろうか?
他の方は機材選びのヒントだろうか、深読みすれば作者はどんな奴だろうかなどでしょうか?。



ウッドウイルに関心を持つ方達にはある特徴があります。
まずは一般の方達とは一線を隔てた拘りを強く持っている方達が圧倒的に多い事が言えます。
又、オーディオ機器(スピーカ)を使っている方は二つに分類する事が出来ると考えていて、
一つは評価の高い機材の所持や機材そのものへの拘りを持ついわゆるオーディオ愛好家。
もう一つは良質の音楽を聴く為には機材が必要で止む無く拘りを持たざるを得ないと考える音楽愛好家。



オーディオ愛好家は専門誌、評論家先生などの評価等を参考にしてブランドへの拘り、
所有欲を刺激させされる様な機材を選び、オーディオの可能性を日夜探し求める求道者とも言える方達。
でも悲しいかなそんな方達には無名のウッドウイルの作品などには目を止めて下さる方はいないので、
この種の方達からの問合せは極端に少なく、過去に来ていただいた方も少なからずいますが、
殆どの場合は会話が組み合わずに気まずい思いで終わる事が多かった様に思います。
目の前の作品(スピーカ)に目もくれずに掲載された専門誌を食い入る様に読んでいる方が多い様でした。



音楽愛好家の方達は演奏会での感動や心に残る感動を覚えた楽曲を室内音楽再生で蘇らせたい等の
目的意識が明快であり、その方達は目的達成の為の機材選びには自身の五感使って選びますので、
他の情報に左右されずにウッドウイルの作品にも選択肢に入れて下さります。



HPに掲載している作品には何故その作品が生まれたかに至った過程やその製作記事を可能な限り詳細に述べています。
お客様がどの様な思いを込めているのか、色々な制約をどの様にクリアーしたかなどを分かってもらえたらとの思いです。



ブログでは演奏会の記事が多いと皆様は感じている事と思いますが、その理由は?
全ての物作りに於いて、何も無い所から作品(音楽や詩など形態は様々)を生み出すには
その原動力になる何かが有る筈です。私の場合は演奏会での感動体験の占める割合が多い様です。
その感動を室内再生するにはどうしたらいいのか?と言う事が大きな作品製作の原動力になっています。
同時に作品を評価するのに再生音では無くて生音を聞いて自身の判断基準としている事もあります。



その具体的な形と言う事で製作記事も詳細に掲載しています。
そんなに製作過程を見せてしまってノウハウが漏れないの?と心配もされますが多分大丈夫でしょう。
記事を見て実際に製作される方は殆どいなく、手を付けてみて初めて気が付く(此処はどうやって加工等々)点が
多くありましてそれは記事には載せていません。
実際の製作よりその製作手法を確立するのに時間を多く割いているのです。


具体的な製作例は多くあっても、お客様の希望が何故その様な形になったのか?
と言う様な掲載は少ないと思います。それは、それこそがノウハウと言える物でも有ります。
自身の経験や感覚が重要であり、一般的な設計手法からは導き出せない事が多いのです。
物理的な設計でしたらネットからツールは容易に入手出来、設計に必要なデーターも簡単に
入手出来るので、言ってみれば誰にでも設計が出来る訳です。
でも専門家(専業メーカー)がいると言う現実はそれ程簡単な物では無いのでしょう。



さて、やはり内容はランダムなとりとめもないものになりました。
又思いつきましたら書かせていただきます。


 


 



2012年5月28日月曜日

チェロ四重奏コンサート

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何時も聞いているN響次席チェリストの藤村俊介さん他四人で演奏するコンサートを聞いて来ました。この四重奏にはラ.クアルティ-ナという名があります。


1週間前に藤村俊介さんのソロコンサートを聴いたばかりで、躊躇していたのですが本人にどの様なメンバーでコンサートの様子はなどと直接話しを伺ったら、チェリストとして気心知れて互いに演奏表現を出し切れる場で有るとの話を聞き、面白そうなので出かける事となりました。


会場は長野県の白馬地方です。学生の頃はスキーでロッジにアルバイトで2シーズン滞在し、近辺では目標とするアルペンのスキー競技会に参加した思い出深い場所です。今はもっぱら登山に出かけている場所でもあります。


東京からツアーバスが出て昼間は観光、宿泊と夜はコンサートと今風のイベントなのでしょうが、こちらは地元なのでコンサートだけの参加です。


さてチェロの四重奏の感想は!、このラ.クアルティ-ナは毎年CDを出していて私も1枚持っていますが、あまり集中して聞いていなかったのでほぼ初体験の四重奏となりました。


同じ楽器ですから受け持ちパートは限られており主にハーモニーを聞かせる趣旨かなと創造しましたが、その様に感じたのは数曲でした。チェロの四重奏用に編曲してメインのメロディーを回して演奏したり、曲に変化を持たせたりと、少なくとも曲を掘り下げたストイックな目的での演奏では無いとこの日のコンサートでは感じました。


イベントの一部と言う事で分かる様な気もしますが、都内での有名ホールでのコンサートでは平日昼間でも毎回満席になるとの事ですので、全容を知るにはそちらへ脚を運ぶ必要が有りそうです。


ただ、大変興味深かったのは四人が(4個の楽器が)交代でメロディーを演奏する事で、演奏手法や特に楽器の音色の違いが分かったのは面白かったです。


メリハリの効いた歯切れ良く音が前に出る/響きは少なく堅めの音だが粘りが強く個性的/ヴァイオリンの様に良く鳴きバランスのとれたもの/弦と胴の響きが一体化した熟成されたもの/等々の特徴を感じながら聞くのは普段はあまり出来ない貴重な体験でした。


何時も聞いていて私の製作するスピーカーの弦楽器(チェロ)のリファレンスにしている事も有り、藤村俊介さんの演奏手法や上記の内の熟成され音色は目を閉じても直ぐに分かりましたが、今更ながら氏の表現する音楽に魅入ってしまいました。


オーケストラ員も会社組織での社員の様なのでしょう、年功序列などの保守的な部分が色濃く残っているのでは??と思ってしまいますが、実力本位でポジション(役職)が決められるのなら氏はとうに首席チェリストになっていた事と創造します。


 



2012年5月21日月曜日

金環日食見ました

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2012/5/21 07:32 頃でしたか、太陽が金環になりました。


私の所の長野県茅野市はほぼ快晴で超ラッキーです。


2階ベランダからゆっくり、でも寒くて(12度)お茶を飲みながらの観察。


せっかくだからと思いついてデジカメにも観察眼鏡を被せて撮った写真を載せます。


光学ズームとデジタルズームをめいっぱいで三脚に固定しても酷い画質ですが、様子は分かります。


金環の時には流石に暗くなりますが、その暗さは朝夕の暗さでも無く、曇りの暗さでも無いです、北欧で感じた晴れた冬の日中でもほの暗いあの感じに似ています。


もう自宅から金環日食を見るチャンスはありませんね。


 



藤村俊介さんのチェロコンサート

恒例となった地元小ホールでの藤村俊介さんのチェロコンサートを聴いてきました。


例の様にチェロの全長よりも短い距離で聞く極上の特等席での演奏会です。


7,8回続く演奏会ですのでエンドピンを指す位置が決まっていて、その小さな凹みが聞いている私にも見えます。


伴奏のピアノは奥様なので息ががピッタリ合うのは流石です。今回は去年に続いて9才の息子さんとの共演や、ヴァイオリンを練習している娘さんがピアノの譜めくりを担当するなど家族総出演の演奏会でした。全員での演奏もそう遠くない事ではと思いました。


何時も演奏会では殆ど目を閉じて演奏に/音に注目するのですが今回は違いました。


最近始めたチェロの為に指使いを見ながらの鑑賞です。知らないのですから当然なのでしょうが、柔らかく自然に持っている弓の手首や指、練習し初めはそれだけで手が痙攣しそうな緊張を強いられます。


まるで意志があるかの様に動く左手の弦を押さえる指の動き、力強く縦横無尽にネックを動き回りますが、五本の指をバラバラに動かそうとするだけでパニックになります。この練習を数分するだけで喉がからからになります。


幼少の頃ら特訓を重ねている技ですから直ぐにまねが出来る訳もありません。聞きますとあぁそうですね、中指と薬指はどうしてもくっついて動くので最初は難しいかも知れませんねと、今は何でも無いような様子でした。


バッハ無伴奏全曲演奏会が1日では無くて二日間かけて演奏する理由が少し分かりました。プロにとってもとんでもない負担が体にかかるのだろうと思います。素人の私は30分の途切れ途切れの練習でも陸上のインターバルトレーニングを3分間全力で走った様な疲労感と体中が筋肉痛で帰りの車の運転が辛い様な有様です。


今日の演奏曲目は、ヴィヴァルディのソナタ第一番/リヒャルトシュトラウスのアンダンテ/ウエーバーのアダージオとロンド他に小曲が数曲でした。高原の小ホールにふさわしい選曲をしたとの事でした。


演奏会後の小パーティーでは少しだけ会話を、数年前に初めて話をした時にはこの地で仕事をされているのですか?何処にも出かけないで?と言われましたが、今日もそんな話をしていました。満員電車は嫌ですよねとか言っていましたが、それは彼のカラヤンがオーケストラを引き連れて国内外を演奏旅行する自身をサーカスに例えていましたので、演奏家もひょっとしたら何処かに腰を据えて仕事をしたいのかな??と思ってしまいました。



2012年5月19日土曜日

HV車初乗り

北海道の田舎へ帰省して来ました。


その間、レンタカーを借りて脚にしていましたが運良くHV車を借りられました。本田の「フリード」で、大人3人乗車+数泊分の荷物では充分過ぎる大きさです。


その運転した感想は。信号で止まるとエンジンストップしてアクセルを踏んでほんの少しのタイムラグをおいて発進するのが特徴。終始エコモードで運転して高速/市街地半々で燃費が約18Kmですから確かにエコです。


1.5Lエンジンで急加速を望まない方には充分な力があり、補助席を使うと大人5人、子供2人の乗員数は凄い、スライドドアは子供で無くとも年老いた母にも優しい装備です。


まるで車の宣伝みたいですが、違ったタイプの車の運転はやはり興味が湧きます。私はローターリの加速に酔った20代からはジープタイプや今はワゴン専門なので温和しい普通のセダンは逆に新鮮でした。


北海道の高速道路を走るのは初めてでしたが、新緑とのどかな丘陵地帯を貫く道はあぁ北海道だな~と思わせられます。一般道も前にも後ろにも車がいない!ただの観光客なら大喜びですが...


札幌と北海道の中心や道東/道北を結ぶ基幹道路なのに平日の昼間にこんな交通量でこの地方の経済や流通はどうなっているんだろうと心配になる程の空いた道路。私の長野県茅野市と山梨を結ぶ中央高速の平日深夜の交通量の半分にも遠く及ばない交通量です。


HV車への興味と地方経済への心配と複雑な帰省でした。但し格安運賃の為か、飛行機は平日ながら往復共に満員近い状態でした。



2012年4月22日日曜日

必聞!五嶋みどり

何度も書きましたがウッドウイルのヴァイオリンのチューニングは五嶋みどりさんです。


大好きな演奏家です。今迄で一番コンサートにも足を運んでいます。みどりのさんのCDは全て(多分)手元に有ります。


その五嶋みどりさんがデビュー30周年記念に全国ツアーを開始します。


詳細は4月25日発表と言う事ですからチケット等はこれからの手配です。


全国の皆さん!お近くで演奏会が有る様でしたら是非、足を運んでみて下さい。


例年は国内には1ヶ月も居ません、大変貴重な機会です。


ブログ等では彼女の演奏を聴いて身が震える、腰が抜けそうだ、度肝を抜かれるなどと、凡そ音楽会の印象では無い様な声を聞きますが、別に突拍子の無いおかしな演奏をする訳ではありません。ただただストイックに音楽に全身全霊を傾けた姿がステージに現れるだけです。


11才でニューヨーク.フィルと共演して以来、それこそ世界の最高峰のオーケストラや指揮者と共に歩んだ五嶋みどりさん、社会貢献活動にも励み今や国連平和メッセンジャーの活動もされている日本を代表する人です。


ウッドウイルの試聴室で来られた方はほぼ間違いなくみどりのヴァイオリンを聞かれた事と思います。その時の演奏曲目が「J.S.バッハ:『無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ』よりソナタ第2番イ短調」です。今回の全国ツアーではその曲を披露してくれるのですから最高です。私もこの曲は未だ生では聞いていません。他の演奏家でも殆どCDを出していない難曲なのでしょう、曲も演奏も最高なのです。


彼女の演奏(CD)を聴いて感動され、注文された方が多くいらっしゃいます。その演奏を今度は是非、生の演奏会で体験してみて下さい。私は長野公演の二日間で800名の制限の中、抽選に当たる事を願って申し込んでみます。下記URLをご参考に。


http://www.gotomidori.com/japan/tour2012.html



森麻季&仲道郁代

森麻季-仲道郁代 001


長野市で行われた森麻季(ソプラノ)&仲道郁代(ピアノ)のデュオ.リサイタルを聞いて来ました。


両者共に日本を代表する様な音楽家であります(その様に紹介されています)。今迄にたっぷりと弦を中心に演奏会に脚を運んだので次には、声楽とピアノのを中心に聞こうと考えていましたのでピッタリの演奏会でした。


森麻季は音楽雑誌やコンサート情報誌にはひっきりなしに登場する人気も美貌も高い方ですが、そこはあまのじゃくの私としては敢えて避けて他の方を見つけようとしていました。きっかけが有って少しCDを聞く機会が有って驚きました、凄い!。


聞いて来た感想としてはソプラノとしては少し骨があるしっかりした声で、柔らかくおもねく様な声質に留まらずに何か音楽の本質を歌い上げる様な気がします。ですから歌い出すと彼女の声質やその通る声などは素晴らしいのですが、それ以上にそこに歌の世界が、ドラマが生まれる様です。聞き入ってしまいます。こんな事なら早めに聞けば良かった!。


方や仲道郁代さん、ソプラノの伴奏の他にもソロ演奏を何曲も演奏してくれました。ショパンのノクターンも個性的ですが嫌みが有りません。ベートベンの月光も軽やかで激しく堪能出来ました。ソロ演奏会に再度行きたいと思いました。


お二人は妙齢の美人?中央の席位置では未確認!女性は良いですね前半と後半とでは豪華なドレスもお色直しでその方面でも楽しませてくれました。


そうそう、仲道郁代さんは曲事にその曲の背景や曲の解釈などをユーモアを含ませながら説明してくれたのでともすると硬苦しい印象の演奏会が和らいだものとなり好印象でした。


大好きだったNHKの「坂の上の雲」第2部のメインテーマを聞いた時にはドラマの情景が思い出されて感動が蘇りました。


 



2012年4月21日土曜日

フィギュアスケート世界国別対抗戦

この週末に行われている代々木体育館でのフィギュアスケート世界国別対抗戦。雪国育ちで今は望んで信州で生活する私にとっては馴染み深いスポーツですが、皆さんは如何でしょうか。


フィギュアスケートの世界は大きく変わりました。以前までのジャンプやスピンなどの技術要素を争う内容を重視しながらも芸術性の表現も重視していますので見応えがあります。


今晩行われた男子シングル競技では高橋大介が1位になりました。4回転ジャンプなどの得意な海外勢の選手や最近負け知らずのカナダの選手など強豪がひしめきますが、芸術的な表現では世界でも彼の右に出る選手はいません。


競技は採用した音楽に合わせて技術と芸術性を盛り込んで競うので、音楽の選曲はとても重要な要素となります。高橋大介が選曲した曲は「Blues for Klook」。http://www.youtube.com/watch?v=pOKPrD_Mquo


PCのチープな音でなくてオーディオ装置に接続して聞いて欲しいです。代々木体育館でのPAから流れる音もかなり良い音で鳴っていて演技を盛り上げていてくれます。


「Blues for Klook」の感情を抑制しながらも徐々に感覚を開放して行く独特の曲世界と、高橋大介の演技が完全に一体化して観る者を感動させます。まるで感動巨編の映画を見終わった時の様な余韻と充実感。今のフィギュアスケートではそんな選手が出て来ています。


観る者を感動させる、物作りの原点か!、参考になりますね。


 



2012年4月20日金曜日

各種エンクロージャー

ウッドウイルの活動を初めて13年目になりますがその間に
各種のエンクロージャー(以下エンクロ)を発表して来ました。


密閉型やホーン型等の方式の違いは別にしまして、
エンクロジャーを構成する基本的な部分を創意工夫し、
実験/試聴測定/具体的な製作例からのユーザー評価
などを経て生み出された製品たちですが少し分かり易い様に
下記の様に整理してみました。


 


これを見た皆さんは自分が愛用されているスピーカーが
どの分類に当てはまるのかお判りでしょうか。


1.標準的な平行面を持つ直方体
2.直方体の角に大きな面取り(45度や曲面)
3.天板等の一部を傾斜させる
4.側板を湾曲させたラウンド(多数の溝に沿わせて曲げる)
5.側板を湾曲させたラウンド(積層曲げ合板を用いる)
6.側/前/後を湾曲させたラウンド(くり抜き積層方式)
7.天/底の内部と側/前/後を湾曲させたラウンド(くり抜き積層方式)
8.項目7に天板を傾斜させたラウンド
9.項目8に球体を付加させたラウンド


品質の良くなる順に並べて見ました。
これらの基本構造を基にしまして密閉型やバスレフ型、
共鳴管等々へと応用して行く訳です。


1と9の作品例として画像をご覧下さい。


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何故に1.~9.迄の種類が存在するのか!
理由は案外にシンプルなのです。
 1.定在波発生による音質の劣化を防ぐ
 2.定在波減衰の為の吸音材の使用量を抑える
 3.音の自然な伝搬を妨げる回析効果を減少させる
 4.以上の効果により伸びやかな新鮮な音質と、
   音楽ソースに含まれる音場感を再現する。


 


さらに使用する材料(ウッドウイルでは木材だけですが)
によっても品質/音質が大きく変わります。
木材の種類としては、これも音質の良くなる順から並べると
 1.MDF合板
 2.シナアピトン合板
 3.バーチ合板
 4.各種無垢材による集成材
 5.無垢材(桜/楓/楢/その他)


構造による基本的な音の出方の優劣に加えて
材料の違いは音色の違いで出ます。
柔らかい/クリアーだ/引き締まっている/等々
但しMDFのレベルですとノイズが多く音が曇ります。


 


ホームページには数多くの作品を紹介する内に、
上記の種類や違いを分かり易くご理解いただくのが
難しくなって来ている様に思いますので、
メニュー構造を変更しようと考えています。


最後にエンクロージャーの事をボックス(箱)と
呼ばれる事が多いのですが、それでは平面バッフルや
各種ホーン型は説明出来ません。
これからはエンクロージャーと呼びましょう!


語源は”エンクローズ”
欧州の戦国時代を形作った貴族単位の”国”
その国の中で自給自足していました。
その囲いの中を総称してエンクローズ。
スピーカーユニットから出る音を何らかの形で
エンクローズする物が”エンクロージャー”です。


エンクロージャーはスピーカーシステム全体の音質の
50%以上の影響力を持つと経験から分かって来ました。
優秀なユニットの持つパフォーマンスを100%
発揮させてあげる事が出来れば嬉しいですね。



2012年4月15日日曜日

我が家のミステリー

終了した筈の番組が、


予約済みの印は番組表には無いのに、


なのに毎週我が家のブルーレイは、


毎週同じ時間に録画を始めます!


誰か!止めてくれー!



2012年4月12日木曜日

勇み足

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聞き流していたTVで山梨県にある実相寺境内の山高神代桜が満開との事。


20年は見ていないので久しぶりの好天気なのでちょっと出かけて見た。


 


道がやけに空いているので早く出かけて良かったと思い有料駐車場へ、


すると係の方が桜は未だつぼみです!、引き返すなら料金は要りませんと!。


おかしいな?確かTVで.....


 


せっかくだから満開の水仙と南アルプスの雄大な甲斐駒ヶ岳を堪能して、


桜まんじゅうを土産に帰って来た。


画像の左側奥にその桜の老木が見えますが、樹齢2000年で日本5大桜樹に指定されている


天然記念物です。


 


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帰り道のついでに寄り道して清里の清泉寮に行き有名なアイスクリームを少し震えながら


美味しくいただきました。


行く途中に山梨県北杜市 花の森公園、道の駅「南きよさと」の鯉のぼりを見ました。


こちらは満開?で約500匹の鯉が元気に谷間を泳いでいました。


 


気まぐれな半日のお休みでした。



2012年4月8日日曜日

独立開業13年目

2000年4月に開業。


最初の数年は受注の度に新規に工具道具類を購入するので利益出ず!


最初の数年は朝から晩まで数千円のMDF材キットの加工ばかりでやはり利益出ず!


最初の数年は(いやその後の数年も)休みは盆暮れじゃなくて暮れだけだった!


手術入院する怪我を2度も経験!


そんな前後に最も素晴らしい注文が来るのは何故?


仕様は満足しても自分は満足せずにせっせと持ち出しで追加加工に精を出す!


そんな地道な仕事を見ている人がやはりいます!


この業界は狭い!マーケットも狭い!だから良質なお客さんも少ない!


そんなお客さんに気にかけていただけるのに7,8年かかった!


そんな業界の方々に声をかけていただくのに10年かかった!


某大手AVメーカー/ユニットメーカー/音楽業界の仕事を受ける様になった!


お客さんに日々鍛えられ感謝に堪えません!


益々奥深さを知りまだまだと自戒の日々!


そんなこんなで13年目を迎える事が出来ました!皆様に感謝致します!ありがとうございます。


 



2012年3月23日金曜日

プロ.アマ.養成計画-1

ウッドウイルではスピーカーを製作する技術者を養成するプログラムを考えて数年前から受講者を公開募集していました。


過去に数人の方が門を叩いてくれましたが趣旨に合わずに去って行きましたが、今回初めて互いの趣旨が合致して受講が開始する事となりました。


スピーカーを造形的に製作出来る事と注文家具を製作する事とはかなりの技術的な共通点があるので、この養成講座はスピーカー製作では無くて家具作り希望の方にも門戸を開けています。


スピーカー製作希望でエンクロージャーを家具調度並みのレベルで製作出来、望めば更にスピーカー設計のノウハウや測定なども含めて勉強していただこうと言う趣旨です。


そうやって勉強訓練を終えた後には関連無く独立されても良し、ウッドウイルの協力関係を保っていただければ外注などもお願い出来るか?などと考えています。


私も開業したのが遅かったので製作に関しては技術レベルの頂点が製作適例年齢の頂点と重なった為に、今後長期間今のままで業務を継続するのは難しくなるのは目に見えています。


他で腕を磨かれた方とは思考も製作手法も大きく違い、協力関係を持った方達とは良い関係を継続する事は難しかったのです。そうであるなら自分で制作者を育てよう!そう思って始めたのがこのプロ.アマ.養成計画です。


プロは勿論、この仕事で家族を養い、生活して行くのですから真剣です。アマはどうでしょうか?。日本の自作スピーカーの教祖的存在の長岡先生は数々のアイデアを考え出して雑誌に出稿、出版して糧を得ていました。そのおかげで私も随分勉強をさせていただきました。


しかし残念な事に氏には本格的な加工を伴って作品を仕上げるという発想はありませんでした。40年も前から合板をカットして組立るだけのアマチュア製作の域を出ないスタイルが延々と続いています。米国などのDIY先進国からすれば作業場内の棚板をくくりつける程度の技術しか国内の多くの方は持たないのです。


住宅事情や多くの文化の違いなどを考慮に入れてもその格差は覆い尽くせない程の物と私は考えています。その意味で本格的な作品を作りたいと願う方がいましたら協力しよう!それがアマ養成講座です。しかし残念ながらそこまでの意識の高いアマチュアの方は未だ現れて来ていません、問合せは何件もありましたが残念ながら皆、中途半端な製作意図しか持ち合わせて居ませんでした。


 


さてその始められたプロ受講者の方の今後は...長期戦でその様子を報告させていただこうと思います。


第1回目の講習は手工具を使える為の最低限の道具とその仕込方法からスタートを切りました。


 



2012年3月11日日曜日

管楽器によるアンサンブルのコンサート

地元の茅野市で管楽器による室内楽コンサートがありました。


人口5万人規模の街でこんなマニアックな演奏を聴けるのはありがたい事です。それも一流オーケストラの主席クラスの演奏ですから尚更です。


フルート/クラリネット/オーボエ/ファゴット/ホルン/そして伴奏にピアノのメンバーです。


特にラヴェルの組曲「クープランの墓」は各パートのソロや掛け合いにはクラシックを忘れてしまう楽しさがありました。ピアノはピアノの伴奏?にベースの伴奏、まるでハープの様にと変幻自在に演奏されます。その他はプーランクのように難解な曲もあり冒頭のモーツアルトの様に心地良く居眠りしている場合ではありませんでした。


松本で行われる「サイトウキネン」は地元の人がチケットを取れない程の人気で、それならと結成されたのがこの「アンサンブル信州」で活動15年になるそうです。


演奏会終了後には出演者によるクリニックが有り、中学生らしい生徒が多数、楽器を持って聞いていたのも印象に残りました。


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2012年3月10日土曜日

春の大雪

例年3月に訪れる春の大雪が来ました。


未だ中旬ですがこれで最後にしてもらえば大変助かりますお天道様。


大雪注意報が出る時は大抵何でもありませんが、静かにやって来る雪が難敵です。


ウッドウイルの看板も雪に隠れて掘り出しました。


車もすっかり雪化粧ですが、ボディーが見えているから未だ大丈夫です。


1週間程は暖かくなって気が緩んでいたらこれですから気が抜けません。


東北、日本海側の方達にはこれぐらいでは笑われますね。


朝食前の雪かきでしたので、その後の朝食の味噌汁が体に浸みて美味い!。


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