2009年12月20日日曜日

今年感激した一番のコンサートは

コンサートねたを懲りずにまた一つ。

今年のコンサートで一番感激したのは?
話し合って決まったのは...
東京銀座に有る王子ホールのトイレットペーパーの柔らかさ!
トイレから出て来た妻が興奮して言った...
世の中にこんなに柔らかい紙が有ったなんて...でした。

王子ホール、そうです王子製紙の本社ビルの中にあるホールです。
企業の取り組みとして音楽活動を啓発している様です。

コンサートの出演は大好きな五嶋みどりさんでしたが、
触覚が聴覚を上回った結果と言う事で決まりました。

ネットで探したら(キーワードは紙とコンサートホール)、
やはり変人がいるもので何処かのブログでランキングがありました。
やはり最高は王子ホールで最低は何とサントリーホールでした。
日本でも最高峰のホールの一つなんですが硬い紙だそうです。
うーんと考えてしまいすが休憩時のワイン(有料)は美味しかった。

因みにこの柔らかい紙は非売品だそうですが、
市販で8ロール6500円もするお宝の様な紙が何処かの
最高級ホテルで使われているそうです。
セレブの世界はそこまで違うのか!

さて来年のコンサートの一番は何になるやらです。


2009年12月14日月曜日

今年最後のコンサート

今年最後のコンサートは東京オペラシティーホールで行われている
クリスマス/アヴェマリアと言うタイトルの名曲を選りすぐったものでした。


ここ数年はヴァイオリンとチェロに特化したソリストのリサイタルを
いささかストイックな聴き方をしているのですが、
今回は年末と言う事もありクリスマス/アヴェマリアと言うタイトル通り名曲の
美味しいところを厳選した演目でただただ楽しく至福な時間を過ごす事が出来ました。


名門サンクトペテルブルグ室内合奏団の演奏と二人のソプラノ歌手が出演します。
第1、第2ヴァイオリン/ヴィオラ/チェロ/コントラバス/ハープの総勢19名の構成です。


バッハのG線上のアリア/バッヘルベルのカノン/アルビノーニのアダージョ/
ヴィヴァルディの四季など誰でも何処かで聞いた事の有る様な有名で身近な曲が
十数曲が次から次と流れて何と心地の良い事か。


4列目の中央の席の目前に広がる弦楽のハーモーニーの美しさと言ったら!
皆さんも聞き慣れているこれらの曲を生演奏で聞いてみては如何でしょう?
きっともっと素晴らしい素敵な発見になると思います。
演目からか、子供から年輩までいつものマニアックな聴衆とは違って家族的な雰囲気も
大変和らいだ雰囲気で好印象でした。


中心となったソプラノによるG.カッチーニ/バッハ/シューベルトによる
3大アヴェマリアは特に素晴らしかったです。
人間という楽器の美しさや表現力にはただただ驚嘆するばかりです。
最近ハマっているG.カッチーニのアヴェ.マリアには思わず涙腺が緩みます。


アンコールで”あかとんぼ”が流れると多分年輩者かと思いますが回りから
すすり泣きが...


もう5,6年は弦楽器再生を最優先にしたスピーカーの音作りを研究してきましたが、
一応の満足すべき成果を得られたと考えて、来年度からはピアノと声楽を加えた
コンサートに通って勉強しようと考えています。


ピアノはシンフォニーでも室内楽でも聞く事は勿論多く有った訳ですが、
声楽は数える程しか経験が有りませんでしたので凄く楽しみです。
今回のソプラノでも一人の方のウエストは間違いなく1mは超えていると思う様な
体型でしたが、その音像は口の大きさそのもの、ほんとにピンポイントに聞こえます。
そこから無尽蔵の様に空気大砲が飛び出して遙か後の標的に向かって声が飛びすぎて行きます。
曖昧に聞いていた声楽の再生音との違いを見せつけられましたが
さてその境界をどの様に埋めていけばよいのか....


弦楽器は演奏者が携帯するし、声楽は勿論の事なのですが、ピアノは特殊な事が
無い限りはホールピアノを使いますので、先ずは気に入ったホールとピアノを
探す事から始めないとなりません。
音楽はど素人の私の勉強が続きます。



2009年12月7日月曜日

ヴァイオリンリサイタル

今日はヴァイオリンのソリストで竹澤恭子さんを初めて聞いてきました。


例によって一番前で聞きました。ホールトーンに負けない楽器その物の音を聞き分ける為です。


彼女の正確な年齢は知りませんが小娘で無い事は間違い有りません。


演奏も落ち着いていて抑制の効いた聞いていて安心感の有るスタイルで好感を持てました。


曲目はブラームスのヴァイオリンソナタ1番から3番までの全曲です。


メロディーラインの綺麗な曲とは違い、かなりマニアック好みのする曲でしたので


好き嫌いの分かれる曲と思いました。


彼女のデビュー20周年の集大成となる作品として選曲したそうです。




さて、曲や演奏技法などはこの辺にして目的の主である音色(音質)の方はどうであったか。


楽器は1710年製ストラディヴァリの”カンポセリーチェ”です。


音量は流石に十分あり、音のフォーカス点は席順で10番目くらいか?と想像しました。


1番目の席では音が通り過ぎて行く印象です。


音像が実物大のヴァイオリンよりも遙かに大きく聞こえるのは十数台聞いたストラディヴァリの中では


初めての経験。一番良く聞いている五嶋みどりのガルネリは距離に関わらず等身大の音像の中から


あらゆる響きが飛び出して来ますのでかなり違和感が有りました。


このまま録音したら再生装置側でどんなに苦心してもピンポイントの等身大音像なんか再現できっこありません。


また、大きな音像の中からあらゆる響きがバラバラに出てくる印象も持ちました。


数ヶ月前に同じホール、同じ席で五嶋みどりを聞いていますから間違いない差だと思います。


これの優劣は私には分かりませんが他の多くの楽器と違うと言う事は理解できました。


この差は演奏技法の差では無くて楽器の個性と思うのですが...


生で聞いて楽器の差でこんなにも違うのだからCD等だけ聞いて音質の判断をしようと考えるのは


かなり危険な事だと改めて思いました。


こんな時にはやはり悩んだとしても生演奏を聴いてみて良かったと思います。


但しこれは職業的にスピーカーを製作している立場から誤った判断でチューニングしないようにとの話であり、


一般ユーザーが好に従って聞かれるのは全く問題無い訳でありまして、


それが私的オーディオ再生/音楽鑑賞の楽しみであります。


ただもう一言...お客様の話を聞きますと生演奏を一度も聞いた事が無い方も多く居られるので、


ケーブル1本アクセサリーを買ったつもりでコンサートに脚を運んで見るのも良いのではと思ったりもします。