2011年9月5日月曜日

チェロの再生

今年もN響次席チェリストの藤村さんの演奏を聴きました。


前回お会いした時に楽器自身のウオーミングアップに加えて演奏会場の床との


協調も重要だと言われていました。


チェロはエンドピンというピン状の先を床に刺しシャフトで繋ぎ楽器を支える構造ですので


床に振動が直接伝わる事は理解していました。


今年も例の如く正面(チェロが倒れると届く程の距離)で靴を脱いで裸足で聞いてみました。


驚く事に足裏には想像以上の振動が伝わります。


楽器の音に加えて床の振動音も聞いていたのだと明確に理解出来ました。


 


弓で擦った弦その物の音と駒で弦の水平振動を垂直振動に変換して表板を振動させ、


胴体内部の共鳴を誘い胴全体を振動させ、更に魂柱で裏板に直接振動を伝えて協調する。


そんな楽器全体の振動(響き)と床振動をも加えた音を我々は聞いている訳です。


壁や天井の振動も反射音も加わっている事は勿論です。


 


比べてスピーカーなのですが、当工房の無垢材スピーカーは積極的にエンクロージャーを


共振させて良好な響きの音色を引き出していますが楽器には遠く及びません。


エンクロージャーは振動してはならない、再生音はユニットからの振動板の音だけで


有るべき!と言う考え方が主流なのは承知していますが納得出来無い領域もあります。


チェロの振動量は微々たる物ですが振動面積が大変広いのに対して、


ユニット振動板はかなり狭く、それを補う為に振動量(ストローク)でカバーしています。


 


中域や高域の再生には広い振動板面積は原理的には不要ですが、


では何故ヴァイオリンなどはあの様に大きいのでしょう?


今回聞いていて思ったのは振動板のストロークは小さくて良いから良く響く


広い面積のユニット振動板とそれを納めるやはり心地良く響くエンクロージャーが


必要では無いのかと言う事です。


 


最近、広面積平面振動板スピーカーを聞き、その音質改善を検討する機会がありました。


アイディアは良いのですがそれを具体化する加工技術が拙く問題大でした。


 


つき板張り仕上げのエンクロージャーを製作する時には、本体が完成してからつき板を


張るのですが、ユニットの開口部を塞ぐ様に張り、アイロンで熱しますのでつき板は


障子紙の様にピーンと強く張っています。薄さは0.2~0.3mmです。


開口部穴の面積を持った振動板と言う事が出来ます。太鼓の皮とも言えるでしょう。


そのつき板をはじいた時の張りがあって反応の良い軽々とした音に何時も惚れ惚れします。


ユニットを取り付ける為にそのつき板をくり抜くのがもったいない様な気になります。


チェリーやメープル、ウオールナットにオーク、樺などの響きは素敵です。


薄板無垢材の素材のままの響きです。


 


その振動板を取り出してユニットの駆動回路と連結する構想で考えますと


エンクロージャー前面とほぼ同面積で響かせる事が出来る筈です。


エンクロージャー素材も構造もその響きを妨げ無いどころかより積極的に響かせる、


それこそが電気音響技術の可能性の秘めた所です。


未だ見ぬ(未だ聞かぬ)その世界を創造しつつ実現出来たらすばらしいだろうと


思いにふける今日この頃です。


 



制作活動中です。

前回書いた内容とたいして変わりませんが...。


 


生来、体は丈夫な方では無かったが学生時代に鍛えたので


体力、筋力には些かの自身が有った。


そういえば独立前に家具作家で手工具の仕込みを教わった先生の奥さんから


主人は体がきつそうよ...と言われた事があったが気に止めなかったし


事実、ほんの少し前までは忘れていた言葉であった。


 


面倒な事や辛い事、疲れる事を目ざとく察して手を出さない賢い人がいるが、


当方はそんな知恵は働かず馬鹿正直に始めてしまい、後から気が付いてしまったと


言う事が良くあるので困ったものだ。


 


体調万全だったから気にしていなかったが、今は少しは考える様になって来た。


最近の例では...ビスケットジョイントの穴開け加工を例に取ってみよう。


接着強度を高める連結材を埋め込む加工でウッドウイルの作品には欠かせない作業です。


20cm口径用のエンクロージャーペアではビスケットの数は約100箇所です。


穴開けは接合部両面に必要なので穴加工数は約200箇所です。


ビスケットジョイナーと言う穴開け加工する電動工具が約3.5Kgで、


材料を揃えてその機械を正確に構えて押し込んで穴開けしますが、


一列の加工が終わると材料の位置を変える為に機械を置き、再度持ち直して加工します。


姿勢の関係で片腕で持ちますが、その回数が置いて構えてで約100回です。


バーベル運動で3.5Kgを100回左右上下させながらの運動はどの様な負荷となるでしょう?。


 


昨年製作した46cmサブウーファーエンクロージャーでは穴数が約400個で持ち替え


回数は200回。未公開の76cmサブウーファーでは数えるのも恐ろしい...。


これは鉋削りや他の作業に比べればかなり楽な方の作業なのですから、


冷静に考えるとかなりハードな作業を無考慮で行っていた事となります。


この辺に賢さや知恵が足りない理由が有る訳ですね、気が付くのが実に遅い。


 


またパソコンのトラブルの話です。


思えば昨春にウインドウズ7proに変えてからトラブルが始まっています。


やっと手作業で回復させたホームページのデーターが治まっていたHDDのシステムは


MSから勝手に送信されてくるアップデートに答えたらウインドウズが立ち上がらなくなった。


調べたら被害者が相当いるみたいです。


泣きっ面に蜂でプリンターが「ガガガガッ」と叫んで壊れ、


ついでに携帯も壊れるという不思議な連鎖が生じています。


早くこの悪夢から覚めたいものです。


 


携帯の使い道は出先で作品の画像を見てもらう為になるべく高画質で大画面を。


Wi-Fi対応で無線LANでホームページも閲覧出来る事。


移動中は音楽再生する等々からメモリーカードは大容量の物を。


殆ど工房に居るから携帯での電話やメールはあまり必要有りませんけど


そうしたらスマートフォンしかないと窓口で相談したら通信費用が月に最低でも


7~8千円必要でアプリを入れたらどんどん高くなります。


NHKの受信料、有線TVの契約料、プロバイダーやホームページの契約料、固定電話に


新聞代等々考えたらスマートフォンとガラパゴスの中間みたいな機種が有って、


通信費は従来並でそれに決まり!、スマートフォン手に出来るのは何時になる事やら。