2010年1月20日水曜日

スピーカーのレトロフィット

古い家具を大規模に修理したり、その材料を使って新しい家具やその他の物を作ったり、色々な分野でこの種の事を行うと思います。業界では広い意味でレトロフィットと呼んでいます。


ウッドウイルでは希望するお客様に答える形でスピーカーのレトロフィットを幾つも手がけてきましたが、私の好きなメーカーのユニットを収集して幾つかのシステムが組める様になったのでHPに発表しました。良かったら覗いて見て下さい。古くて全く使い物にならないユニットも有れば、最新型を凌駕するのでは?と思うような物もあり製作する側としては大変興味深い経験となっています。




JBLの大型3Wayホーン形システムの製作過程をstereo誌に連載して下さった田中伊佐資氏。その記事のコラムは”オーディオジコマン開陳”と言うのですが、この春にこのコラム(6年分)を再編集して単行本として発刊される事となりました。連載では紹介出来なかった事も含めてウッドウイルの事もバンバン出てくる(田中氏の弁)そうなので今から楽しみです。何でもとんでもなく分厚くて常識外に写真が多いのだそうです。



2010年1月15日金曜日

今年の製作予定などなど

ウッドウイルを開設して3月で丸10年になります。


開設当時の数年間は来る日も来る日も1万円程度のMDFのオーダーキットばかり製作していました。


MDFは切ると大量の切り粉が舞いますのでかなり辛い作業が続きました。


年間数百セットは製作していたでしょうか?それでも台所は火の車です(今もたいして変わらないけれど)。


数をこなしたおかげで基本技が嫌でも身に着きました。


ペア製作ですから正確に同じ物を作る、隣り合わせて隙間無く接するなどの普通の基本の技の事です。


数年前から納期短縮を狙って協力者を募って試しに製作して貰うと左右の寸法が違う、平面が出ていない、


角が直角でないので置いてもがたつく等々でベテランの作家でもこれが出来ないのです??不思議不思議。



話を戻して、この数年は年間の製作数が約10セット前後になりました。


お客様から依頼される仕様内容が高度になって来た為であり、決して私がコントロールしている訳ではありません。


したくても出来る訳がありませんね、ご注文内容はお客様次第です。


高度な分、納期も長く必要でお客様にご迷惑をおかけしている事で心苦しく思っています。


ホームページの更新が少なくなり、お客様には退屈をさせている事と思います。



最近発表したロシアンバーチ合板による標準ラウンドエンクロージャーは、今までの経験を基に高機能と


低めの価格設定(それでも高いと怒られています)、短納期を目指してこの問題を解決する手段としています。



比較的簡単な作品の初期段階での下加工を外注する体制は出来ましたが、最近製作している様な無垢材使用の


ラウンドタイプなどは全て一人で行わなければなりませんのでどうしても時間が必要です。


認めたくは有りませんが体力(持久力)の問題も有りまして、当初程は早くは作業出来ない事もあります。


しかし、経験を積んだからこそ今製作している高度な構造の作品が出来る訳ですから納得せざるを得ないか!


と考えている訳であります。



今年、皆さんに紹介できる主な作品は下記です。


.フロントホーン+バックロードホーンシステム


.38cm3WayJBLシステムの三男でLowther20cmフルレンジ、同じく四男のSEAS EXCELの3Way


.ソナス風17cm2Wayバーチラウンドシステム


.超弩級FW800サブウーファー


.改良型のウイング


.16~20cmクラスのバスレフを含んだ一点音源方式のバーチラウンドシステムの開発(開設10年記念作品?)


.レトロフィットとしてONKYO SCEPTERシリーズのユニットを使ったホーン形3Wayの3種類の提案(提案だけ)。


.来年以降にはModel Aokiの改良型数台の製作や38cm3WayJBLの小型化したシステムも決まりそうです。



バーチ合板の標準エンクロージャー(ピアノ塗装)の中で直方体エンクロージャーは廃止致しました。


問い合わせや受注実績から見て直方体エンクロには感心が薄いからです。


この方式は当工房で無くとも他でも入手可能(仕上げは別として)ですから、ご了解頂きたいと思います。



こんな事で今年も頑張って行きたいと思っていますが、手間のかかる高機能な作品は年内製作は難しいかも知れません。


標準エンクロージャーを基本とした物や大きくとも製作期間の短い物も有りますのでお問い合わせ下さい。