2012年3月23日金曜日

プロ.アマ.養成計画-1

ウッドウイルではスピーカーを製作する技術者を養成するプログラムを考えて数年前から受講者を公開募集していました。


過去に数人の方が門を叩いてくれましたが趣旨に合わずに去って行きましたが、今回初めて互いの趣旨が合致して受講が開始する事となりました。


スピーカーを造形的に製作出来る事と注文家具を製作する事とはかなりの技術的な共通点があるので、この養成講座はスピーカー製作では無くて家具作り希望の方にも門戸を開けています。


スピーカー製作希望でエンクロージャーを家具調度並みのレベルで製作出来、望めば更にスピーカー設計のノウハウや測定なども含めて勉強していただこうと言う趣旨です。


そうやって勉強訓練を終えた後には関連無く独立されても良し、ウッドウイルの協力関係を保っていただければ外注などもお願い出来るか?などと考えています。


私も開業したのが遅かったので製作に関しては技術レベルの頂点が製作適例年齢の頂点と重なった為に、今後長期間今のままで業務を継続するのは難しくなるのは目に見えています。


他で腕を磨かれた方とは思考も製作手法も大きく違い、協力関係を持った方達とは良い関係を継続する事は難しかったのです。そうであるなら自分で制作者を育てよう!そう思って始めたのがこのプロ.アマ.養成計画です。


プロは勿論、この仕事で家族を養い、生活して行くのですから真剣です。アマはどうでしょうか?。日本の自作スピーカーの教祖的存在の長岡先生は数々のアイデアを考え出して雑誌に出稿、出版して糧を得ていました。そのおかげで私も随分勉強をさせていただきました。


しかし残念な事に氏には本格的な加工を伴って作品を仕上げるという発想はありませんでした。40年も前から合板をカットして組立るだけのアマチュア製作の域を出ないスタイルが延々と続いています。米国などのDIY先進国からすれば作業場内の棚板をくくりつける程度の技術しか国内の多くの方は持たないのです。


住宅事情や多くの文化の違いなどを考慮に入れてもその格差は覆い尽くせない程の物と私は考えています。その意味で本格的な作品を作りたいと願う方がいましたら協力しよう!それがアマ養成講座です。しかし残念ながらそこまでの意識の高いアマチュアの方は未だ現れて来ていません、問合せは何件もありましたが残念ながら皆、中途半端な製作意図しか持ち合わせて居ませんでした。


 


さてその始められたプロ受講者の方の今後は...長期戦でその様子を報告させていただこうと思います。


第1回目の講習は手工具を使える為の最低限の道具とその仕込方法からスタートを切りました。


 



2012年3月11日日曜日

管楽器によるアンサンブルのコンサート

地元の茅野市で管楽器による室内楽コンサートがありました。


人口5万人規模の街でこんなマニアックな演奏を聴けるのはありがたい事です。それも一流オーケストラの主席クラスの演奏ですから尚更です。


フルート/クラリネット/オーボエ/ファゴット/ホルン/そして伴奏にピアノのメンバーです。


特にラヴェルの組曲「クープランの墓」は各パートのソロや掛け合いにはクラシックを忘れてしまう楽しさがありました。ピアノはピアノの伴奏?にベースの伴奏、まるでハープの様にと変幻自在に演奏されます。その他はプーランクのように難解な曲もあり冒頭のモーツアルトの様に心地良く居眠りしている場合ではありませんでした。


松本で行われる「サイトウキネン」は地元の人がチケットを取れない程の人気で、それならと結成されたのがこの「アンサンブル信州」で活動15年になるそうです。


演奏会終了後には出演者によるクリニックが有り、中学生らしい生徒が多数、楽器を持って聞いていたのも印象に残りました。


CCI20120311_00000



2012年3月10日土曜日

春の大雪

例年3月に訪れる春の大雪が来ました。


未だ中旬ですがこれで最後にしてもらえば大変助かりますお天道様。


大雪注意報が出る時は大抵何でもありませんが、静かにやって来る雪が難敵です。


ウッドウイルの看板も雪に隠れて掘り出しました。


車もすっかり雪化粧ですが、ボディーが見えているから未だ大丈夫です。


1週間程は暖かくなって気が緩んでいたらこれですから気が抜けません。


東北、日本海側の方達にはこれぐらいでは笑われますね。


朝食前の雪かきでしたので、その後の朝食の味噌汁が体に浸みて美味い!。


DSCN1323


DSCN1322



2012年3月3日土曜日

バーチ合板積層ラウンドエンクロージャー(7)

最終工程の塗装の説明です。


しかしながら実際の塗料を使った塗装作業に入りますと塗装部屋の雰囲気中には噴霧された塗料が漂っていますのでカメラを持ち込む事は出来ません。手や体にも塗料やシンナーが着いていますのでカメラを持つのは危険です。何より塗装工程中に余計な動きをしますと埃が立って作品に付着しますので避けなければなりません。そんな事で塗装直前の下地仕上げと塗装完成後の画像を掲載して、後は文章で説明と言う事にさせていただきます。


 


下の2枚の画像は組立完了後に凸凹を取り除き、電動サンダーによって60/80/120/180/240番の紙やすりによって仕上げられた状態です。何しろ木口(切断面)はそれこそが紙やすりみたいなざらざらの状態です、それを滑らかにするには荒い(60番)の紙やすりから始めなければなりません。60番の荒い紙やすりを使用すると、その粗さ故に相応の傷が付きます。それを取り除いて滑らかにするには順番に細かな紙やすりを使う必要があります。途中を飛ばして作業をしますと粗さがなかなか取れずに長時間のサンジングが必要となり、何枚もの紙やすりを無駄に多く使う事となります。画像の仕上がった表面をなぞると信じられないかも知れませんが、すべすべ、つるつるになっています。


 DSCN1300


DSCN1302


 


下はいきなり完成した画像で恐縮ですが、上記の下地仕上げが終了した状態から、砥の粉による目止め、シーラーと呼ばれる染み込み防止剤を塗り、顔料による木地着色、2液式ウレタン吹きつけによる中塗り4回、仕上げ塗り1回(80%艶有り仕上げ)の過程を経て完成した状態です。木口の切断面とバーチ合板の積層の特徴が活かされた表情となっています。この手法による構造はラウンド形状が自由に設計出来るので小口径から大口径までそれぞれの定在波と回析効果対策が理想的に行える為に音質面で大きな有利性があります。



 DSCN1307-1


DSCN1308-1
 


7回にわたり掲載したこの作品の製作記も今回で終了です。お付き合いいただきありがとうございました。制作例としてHPに詳しく掲載し、今回の制作で同時に製作出来た部材を使っての限定販売の情報も掲載させていただきます。