2013年1月31日木曜日

エンクロージャーの響き その1

年初にこのブログで以下の事を書きました。

「スピーカーシステムを楽器の様に響かせる(ウッドウイルはこう考えています)。
 響くとは何?、響きの有無で何が変わる!
 これを誰でも分かる形で検証します」

これについて少し考えて見たいと思います。
エンクロージャーの設計と製作では下記の様な要素を検討します。

1.方式の決定 例:密閉、バスレフ、その他各種
2.内容積と寸法
3.使用材料
4.吸音処理
5.不要振動対策
6.バスレフポート等のチューニング
7.その他

これらの要素の内、項目3~5は物理的な検証は行われていません。
(大企業では項目5を検証している所も有る?)
もっぱら物理的評価では無く、官能的評価に頼っています。
いわゆる感性とか経験といった類です。
それ以外の項目は個人工房の設備でも検証が可能です。

では大企業では項目5を検証しているのか?
振動に対しては自動車や機械装置などでは致命的な性能に関わるので
検証は行われているでしょう。
スピーカーシステム、特にエンクロージャーに関しては
果たして大企業でも検証しているのでしょうか?

ウッドウイルで製作を手がけた大手音響メーカーや各種研究所の担当者に
聞いているのですが、その様な話は聞こえて来ません。
内部情報は出さないのかも知れませんね。
でも官能評価の手法は確立されている様で
その様子を垣間見る事は出来ています。

物理的評価が優れていて官能的評価が劣る!
その様には考えていませんし、そうでなければ感性に訴える
音楽再生の装置は作り上げる事など出来ないと思っています。

例えば、
.私のJAZZ Machine は5Wayですが、ユニットの物理データーを入力せずに
 聴感だけでセッティングしてまとめ上げたデーターを確認しますと
 殆ど間違い無い値でセッティングされている事を経験します。
.お客様のスピーカーのチューニングやネットワークなども
 始めに試聴を頼りに調整して行きます。
 最後にデーターを取りますと問題無くセッティングされている事が殆どです。
.物理データーを重視したチューニングで良い音になるとは保証できませんが、
 良い音になった時には物理データーも良い物理特性を示しています。

結局、何を話したいかと言いますと。
項目5.の不要振動対策に関して物理的検証が出来る様にする。
その検証を基に更に積極的に振動を利用してより良い音作りへと
つなげたいと考えているのです。

新しく製作するスピーカーにも、既存のスピーカーの検証や
改良にも威力を発揮してくれるツールとなれば幸いなのですが。






2013年1月21日月曜日

雪上ドライブとヴァイオリン.リサイタル


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先日の大雪と寒さも加わって何処にも出かけないので気が滅入る。


今日も寒いが天気がやたらに良いので厳冬の霧ヶ峰までのドライブと洒落こむ。


昨年春に替えたボルボ850からV70AWDの雪上性能も未だ試していないので良い機会。


スキーをしに数年ぶりに二度出かけた時は何故か二度とも暴風雪で850は、急坂急カーブでのホワイトアウトでの急停止から発進する事が出来ずに渋滞の原因を作ってしまった。なので次回は絶対に四駆にするぞと決めていました。


今日は好天で急坂も無かったが、圧雪もアイスバーンも林道の轍(ワダチ)もまるで夏路を走る様で運転中のストレスは殆ど無し、悪条件でも車がカバーしてくれるので、またまた運転が下手になりそうで、その方が怖い。


途中の車山肩で車から降りて見晴台へ、写真はそこから写しました。きらきら光る雪、車山山頂レーダーと蓼科山、八島湿原と遠くに北アルプスなどが見えます。


スノーシューを履いた数グループや大型三脚に取り付けた一眼レフが目立つ写真家グループなどの重装備している人達の中を、こちらはジャンパーと長靴でヒョコヒョコと歩き回って景色を堪能します。


有る登山者に「ノーマルで来たんですか?」ふーん!装備を持たない素人と見たのかな?、そこで、いやその先の駐車場から来たんですと。えっ!と登山者!そんな訳は無いと言いながら周りを確認すると、尾根を一本間違って歩いていたと言っていました。どちらが素人か分からなかったですね。


好天だが空が少し白いので、先日の北京のスモッグが流れて来ているのではと心配になる。


 


早めに帰って、午後からの地元ヴァイオリンリサイタルに間に合わせます。


天満敦子さんの二度目のリサイタル。前から二番目の席で容姿は見ない様に目を閉じて、素晴らしいストラディヴァリの音色を堪能します。


天衣無縫と言うか自由奔放と言うか、メロディーを外さなければ弓が隣の弦に触れてもかまい無しと言う演奏スタイルには驚きと共感と嫌悪が混ざった不思議な気持ちになります。


今は桐朋学園の教授ですからあくまでも演奏表現であって、実力はずば抜けた物を持っているのは間違いないのです。


最近始めた「日本の歌シリーズ」は優しく丁寧で心に染みて来てうっとり、「赤とんぼ」に「月の沙漠」は良かった、あのバッハのシャコンヌのナイアガラの瀑布の様な演奏とは別人の様です。


使用楽器のストラディヴァリウスとは共演して25年の銀婚式でダンナと呼んでいました。1760年生まれで未だ200年は使えるそうで、楽器との出会いや今迄の幸運に感謝する気持ちで一杯と素朴に語る姿に聴衆も素直にうなずいている様子でした。


来年1月の公演も決まっているそうで、きっとまた聞きに行くのではと思います。


 


 



2013年1月19日土曜日

レーザーターンテーブル

ウッドウイルのお客様でレーザーターンテーブルを開発、販売している方がいて、その方から情報をいただいての書き込みです。


レーザーターンテーブルは少し前から製品化されており、従来の針で溝をなぞり、機械振動を電気信号に変えるカートリッジとは構造がまるで違います。


レコード盤にレーザー光線を照射して、その反射して来た情報により信号を取り出す物です。一見CDプレーヤーみたいですが、CDの信号はディスク溝にデジタル情報として記録しているに比べ、レーザーターンテーブルの情報処理は全てアナログです。


最新のレーザーターンテーブルは大きく進化して大幅に高音質化したそうです。直接聞く機会は未だ先ですが、このレーザーターンテーブルで拾ったLPレコードの音データをいただいて聞いての感想は。


これがLPの音?、今迄聞いたLPの音の中では最高峰でした。


音データーを聞いての試聴でしたので幾分劣化しているので、直接聞けば更に良いと言う事だそうですが、この音だけでも凄い!


良く録音された明瞭度の高いCDと遜色無いのに、音が柔らかくて臨場感も自然なのです。


これは出かけて聞くしか無いか!と言う気持ちになりました。


LPの音は柔らかく、CDの様に情報制限していないので思いの外に情報量が多くて臨場感も有るので音楽を聴くにはCDより勝ると思います。


但しLPでは操作性、保存性は劣る、レコード盤も針も摩耗して耐久性に乏しい、ノイズが多い等の欠点もあります。


良く整備、調整されたシステムで聞くと気にならないレベルの音も有りますが、やはりレコードを回していると感じる事は間違い有りません。


最近では新譜をCDやダウンロードサイトに用意する以外にLP化される事も増えて来ています。そうするとSACDの様に情報量が多く、最新の録音技術でLPを聞く事が出来、更にレーザーターンテーブルで聞くと上記の欠点も克服出来ると言う事になります。


比較は違うかも知れませんが、昨年秋のイベントでの生録!、簡単な機器で難しいセッティングも無しでも生々しい鮮度の高い音が採れると、やはり再生音は音源が悪ければ始まらない!と実感します。


アナログプレーヤーをちょこちょこ改造している場合では無いかも知れませんね(笑い)。


直接聞ける時が楽しみです。


下記はレーザーターンテーブルとLPの情報。


http://www.e-analog.net/


http://www.old-and-new-shop.com/


 



2013年1月15日火曜日

雪掻きと訪問者


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暖かった昨日の「自然が成す形」も雪に埋もれてしまいました。


寒さでは長野県でも指折りですが、降雪量はそんなでもありませんが、


今日の全国的な広範囲の降雪からは逃れられませんでした。


 


1回目は湿った雪で大変に重く、鉋がけ以上に腕がぱんぱん!。


2回目は寒いのですが運動量が半端では無くて汗だくになります。


どちらも雪と汗で衣類はずぶ濡れ状態で、


これを日に二度繰り返すのはしんどいですね。


 


写真は雪掻きを終えた後の塗装小屋の様子です。


まるで雪国みたいです。


実はそうなんですが、この景色は嫌いではありません。


フィンランド産のログ小屋は雪景色がお似合いです。


開業前の準備期間中は木工の練習室で開業後は


埃を嫌う塗装の為の独立した塗装小屋となりました。


 


この大雪の中を就活中の学生さんが訪れて来ました。


当工房は募集はしていないので??でしたが、


音響関連を専攻した工学を専攻する国立大の院生です。


生の物作りの現場と業界の話等を聞きたかった様です。


これから社会に出て行く若者の声を聞く事は新鮮で楽しい時間でした。


 


趣味性の強い作品を作る現場はややもすると


楽しい現場に見えて来られたかも知れませんが、


ビジネスとしてのリアルな話を聞いてどう感じたか?


少しでも役に立つ話が出来たのならと思いつつ


未だ降り続ける雪の中を見送りました。


 



2013年1月14日月曜日

自然が成す形


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連日の真冬日


連日の最低気温がマイナス10~15度


寒くて外に出ない


今日は久々の日中でプラス温度だった。


それで散歩に出かけた


稲刈りを終えて冬ごもりをしている田圃


まめに稲刈り後に田打ち(たうち)している田圃には


凸凹があるので暖かい空気を貯めるらしい


その部分が融けて土が出ている


不思議な幾何学模様


自然が成すデザインと言えるのだろうか


この田圃にはこの春も良い稲が育つ事でしょう。



2013年1月9日水曜日

グレーストーンアームG-565 内部配線材交換
















これも正月休みを利用して行いました。

やろうやろうと思い続けながら数年も経ちました。

高校生の時から使っているグレースのアーム!

当時は他にもテクニカ、SME、オルトフォン、デノン、STAX、等々各種選べました。

現代の様に何故か数十万円もせずに買えました。



そのアームも40年使っていますから配線材もコネクターも酸化してへこたれている筈です。

交換してみたら元気になりました、眠りから覚めたようです、良かった。



配線材には何が良いのか??オヤイデ電気に聞いたら一発回答で3種類有りますと!

流石に専門店です、気持ちが良い!

3種類買いましたが、その内一番音の良さそうな金+銀のオーグ線を使いました。

コネクターは当時無かった金メッキタイプを使います。



詳細はこちらでhttp://www.lcv.ne.jp/~woodwill/menntenance.html

これからは気持ち良く聞けそうです。




2013年1月7日月曜日

JBL L-101 ランサー LE14A エッジ交換


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正月休みを利用して気になっていたJBL L-101 LE14A 35.5cmウーファーのエッジを交換しました。


エッジ交換は多くの方が経験していると思います。交換用専用エッジもオークションなどで容易に入手出来ますし、交換の為のマニュアルも入っています。


何故わざわざ記事にするのかと言いますと....


知り合いの何人かはエッジを交換する前の古いエッジや残った接着剤を取り除くのが難儀で途中で止めてしまう方を知っているからです。


マニュアルには古いエッジを綺麗に取り除く事!これしか説明が無く、馴れない方は途中で途方に暮れてあきらめてしまいます。


エッジ交換は技術的に難しい事は有りません、ちょっとした用具や手順で簡単に(でも時間は必要です)できますので、掲載記事を参考になさって挑戦してみて下さい。


内容は泥臭いのですが、エッジ交換は貼るより剥がす方(綺麗に)が時間がかかります。


http://www.lcv.ne.jp/~woodwill/menntenance.html


 


 


 



2013年1月2日水曜日

新年おめでとうございます

皆様、新年おめでとうございます。


ウッドウイルは開設以来、この春で14年目に入ります。
石の上にも何年とか言いますが、
よくぞ此処まで続けて来られたと自分でも感心すると共に
皆様に感謝する気持ちで一杯です。


今迄はあまり年初の挨拶などは自分らしからぬと思いながら不作法を通して来ました。
思う所がありまして今年は心の内を明かす形で書かせていただきます。


その1
先ずは、お待たせしているお客様に早く作品をお届けする事です。


その2
今迄夢中で良かれと思う創意工夫を惜しみ無く注がせていただいた事。


その3
そんな思いでの形が随分と形成されて来た事。


その4
感覚や感性で作り上げて来た事を見える形で検証できる工夫をする事。


その5
これらの全てを注ぎ込んだ、本当に自信が欲しい、聞きたいと思う作品を
ビジネス抜きで作り上げる事。


 


その5に踏み切るのは難しい事です。
製造業に長く携わりますと無意識にコスト感覚が入り込んで来ます。
それでも開業してからは自信で全てを決められる事から、
利益度外視のコストをかけて来てしまったつもりでは有りますが、
それでもこの手法は良いのだが余りにも部材費が高価過ぎるとか、
自作不可で外注せざるを得ないが為に諦めてしまった方式とか、


それらの呪縛から、もがきながら、純粋に良いと考える事をやり抜く!
短期間での実現は難しいと思われますが、
自信をリセットするつもりで取り組みたいと思います。


 


取り組む順として
1.スピーカーシステムを楽器の様に響かせる(ウッドウイルはこう考えています)。
  響くとは何?、響きの有無で何が変わる!
  これを誰でも分かる形で検証します。


2.磁気回路やフレーム構造までは個人工房の販売数では流石に不可能!
  (でもMakers の潮流次第で可能になるかも?)、
  無垢材スピーカーシステムを製作して来た良かれと思う感覚を活かしたい。


3.これらをフルに採用+過去に囚われない最善のシステムを作り上げる。


 


 


未だ未だ抽象的な説明で申し訳ありませんが、じっくりと取り組んで行きたいと思います。


本年もどうぞよろしくお願い致します。