2008年12月14日日曜日

ウッドウイルは敷居が高い

ウッドウイルは敷居が高いと最近言われる事があります。
今迄の経緯を考えてどうなのかを少し考えてみいたいと思います。



2000/4にウッドウイルをスタートさせました。
初めは数千円程のMDF材を使ったエンクロージャーキットの製作です。
来る日も来る日もMDF独特の埃っぽい木屑にまみれての作業が続きました。
実績も知名度も何も無い中からのスタートですから当然であり無理もありません。
それでも数千円のキットをオーダーメードで製作する様な無謀な業者は他に有りませんし、
その頃、脚光を浴びたMercuryspeakers社からのエンクロージャー製作指定もあり
何とか注文だけは切れずに続ける事が出来ました。



お客様からの仕様を聞いて図面を書き、内容に問題が有れば問い合わせて製作する、
それだけでもう赤字です。買った材料のカットを行うホームセンターなどは材料の売り上げが
主体で、カットからは利益を期待しないサービスです。
パネルソーと呼ばれる大型の機械に材料(合板を)載せて、機械の操作で行う物ですが、
切断誤差が0.5mm前後はどうしても発生してしまいます。



ウッドウイルでは材料1枚1枚を荒切りして基準面を作ってそこを基にして
全ての加工を行うという木工加工の基本に則って行います。
天板/底板/側板は同じ奥行きですから、その加工は定規を決して動かさずに
加工を行いますので絶対誤差は±0.2mm程は有るかも知れませんが、
相対誤差は生じません。加えてビスケット加工を行っていますので位置合わせ不要で
組立は正確無比に出来た筈です。
お客様は上記のカットサービスを体験されている方が多いので、比較してあまりにも
あっけなく組立上がり、修正も不要で驚いたとネット上で何件も述べています。



それは価格がいくら安くとも新参者は怖くて手を抜く事など出来ませんでした。
正確なカットで喜んだお客様は次回には組立迄のご注文をくれました。
その仕上がりに更に喜んだお客様は次回は塗装迄を任せていただけました。
その次には全て任せるから例えば室内楽用で予算幾らで作ってくれと。
その継続が現在のウッドウイルの姿です。お客様に育てられて今に至っている訳です。
後にお話を聞かせてくれたお客様が言うには、何処の馬の骨とも知れぬ奴に数万円以上の
注文など初めから怖くて出来ないとの弁でした。



この様なお客様の要望を聞きながら製作を続ける内に相当に高度な仕様の作品を
手がける事も多くなりました。納期が1~2年で価格が数百万円などと言う
ハイエンド機クラスも製作して来ています。
反面、個人工房ですから大作を2機種も抱えると直ぐに納期が半年や1年取られてしまい、
比較的簡易な作品でも相当の期間お待ちいただくジレンマに陥って来た事も事実です。
これは2年かけて問題解決の目処が付いてきましたので、来年度からあまり長納期で
ご迷惑をおかけする事は無くなって来るものと思います。



上記に詳しく述べたキットと拘りの完成作品の制作工程は何ら変わりは無く、
丁寧に制作していましたが、しかし単価が安いイコール相応の品物としか見ていただけない
お客様も相当数(実は殆どの方)いまして、見積りをさせていただいても高価と言われる
事が大変多くなりました。MDF材の汎用エンクロージャーは多数発売されていますから
それらとの比較で高価かと判断されるのかも知れませんが、
オーダーメードのキット製作へのご理解がだんだんとされなくなって来たのも悲しい現実でした。
HPを良くご覧になる方々へのキリ番カウンター踏み無料キット提供も辞退される方が
多くなって来てウッドウイルのキット制作の意味は無くなって来たのかもと思い初めていました。



多くのリピーターのお客様にキット制作を止めようと思うと相談しました。
お客様はキットから完成品までの品質をご存じですから、
理解出来ないお客の為に利益の上がらない仕事は止めた方が良い、
その時間でウッドウイルでしか出来ない作品に集中した方が良い、
その様な声を多くいただいたので今はキット制作を止めています。
これも敷居が高くなった一因かも知れません。



大変長い書き込みで恐縮ですが、まとめますと。
.安価なMDF材の汎用エンクロージャーは市販されている。
.オーダーメードではMDF材キットであっても相応の価格になる。
.お客様は他に頼む事の出来ない拘りの作品製作の依頼希望を持っている。
.制作側も高音質/高機能の作品製作はノウハウ蓄積や何より楽しい事。
.最近発表した標準エンクロージャーは他では市販されておらず、
 ウッドウイルのノウハウが凝縮されている。
.この標準エンクロージャーのノウハウを完全オーダーメード製作の作品に
 採用する事により大幅に納期/価格を改善する事が出来る様になって来ている。
.等々を総合的に考えますと他に有る物、他で出来る事をウッドウイルが
 行う事は意味は少ない。お客様に喜んでいただける事に特化して
 持てるノウハウ、マンパワーを発揮しようと言うのが現実である事。
.これらを総称して敷居が高いと言われるのは案外お褒めの言葉なのかとも思います。
 過去の作品の価値を認めて下さっているのでは。逆に敷居を低くして喜ぶお客様は
 殆どいないと思われ、その先には未来が見えて来ないと思うのです。



2008年12月12日金曜日

標準エンクロージャー発表しました

私がコントロールする事などまるで出来ないのではありますが、最近受注します作品は規模の大小に関わらずに高機能で高音質な作品が殆どを締めます。無垢材を乾燥させる為に1~2年も寝かせたり、正味の製作期間が半年以上必要な物など、制作側としては興味深くやりがいがあり大変に幸せな事でありますが、高価格で長納期が常態化しています。



反面、強い拘りは無いけれども市販システムや汎用エンクロージャーでは満足出来ない方も多くおられて、納期や価格で対応できないジレンマに陥ってしまい、長らく頭を悩ませていました。



グレードの差はあれ、高音質を目指して来たウッドウイルとしては安易な妥協は命取りにつながります。その考えがお客様に伝わるのでしょうか?現在はMDF材を使った作品は殆ど無くなりました。市販の汎用品は殆どMDFかもっと安価な合板などを使っていて、当工房が敢えて製作する必要性が薄れて来ているのかも知れません。多様な材料に構造、システム構成で音を聞いている私の耳にはMDFは最早ノイズに近い聞こえ方となって来ています。当工房の試聴室に来られるお客様方も、試作用エンクロージャーのMDFの音には感動を覚えない様です。



同じ大きさ、同じユニットでバーチ合板や無垢材、更にはラウンド構造の完成品を聞かれますとまるで違うシステムを聞く様に驚き、感動し、音楽に入り込めるのです。やはり素材選びは最重要な事の一つと思います。



大変前置きが長くなりましたが、上記の問題点の解決の一つの方法として100%バーチ合板を採用した直方体/ラウンドの2種類の標準型エンクロージャーを発表しました。高度な補強処理、完璧なピアノ塗装など従来の完全オーダーメードの作品と同等以上の高機能で低価格/短納期を実現させる事ができました。短納期と言っても受注製作ですので2~3ヶ月はお待ちいただきますが、最近では比較的簡単な作品でも半年や1年もお待ちいただく事が常態化していましたので大変な改善とご理解いただければ幸いです。



既に2年の間、製作のパートナーや協力者などを探して来た事。新たな仕入先の開発、加工方法の検討など時間はかかりましたが、標準品で間に合うお客様にとっては大変なメリットが有るだろうと想像します。特筆すべきはバーチ合板で曲面成型合板の製作に成功した事です。恐らく内外でバーチ合板の曲面成形合板製の製品は無いと思われ、ましてや注文製作で入手できるのは画期的な事と自画自賛しています(失礼)。この技術で完全オーダーメードのラウンドエンクロージャーのコストダウンと製作期間の短縮も大いに期待できます。



現在未だサンプル制作中ですので画像はもう少し後れますが、過去の制作例を見ていただければ当工房作品の品質はご理解いただける事と思います。初めての標準エンクロージャーですので不備もあるかも知れませんので、その時にはご指摘いただければ幸いに思います。



以上です。









2008年11月30日日曜日

フィギュアスケートとPA

皆さんはウインタースポーツに興味はありますか?。



私は北海道生まれで今は長野在住という程ですからかなり好きな部類です。



今日のNHK杯の女子フィギュアスケートは何と日本選手が表彰台独占です。



3位の中野友加里は持ち前の根性と表現力を磨いて常に上位に位置して



グランプリファイナル(世界で6人しか出場できません)出場決定です。



2位の鈴木明子は体調不全で6年間も脚光を浴びる事もなかったのですが



先シーズンから盛り返してきました。1位の浅田真央はご存じジュニアチャンピオンから



トップを走って来ましたが、その重責に苦しみながら克服してきました。



この3人の演技には涙を抑える事が出来ませんでした。



アスリートも突き詰めると人間性に突き当たります。



長く応援しているとその努力が見える様で感激してしまいます。



大勢の観客、TVの前で自分のパフォーマンスを見せなければならない、



失敗して涙し、成功して満面の笑顔を見せる、またはその努力を自身に



しまい込んで平成を保つ姿には若くても勉強させられます。







話は変わってリンク会場の音響について。



随分前ですが、ソルトレーク五輪のスケート会場はJBLサウンドが響き渡り素晴らしい



音響でした。トリノはパナソニックが平均的な音を出していて、北京はそれよりもかなり



良い音でした。グランプリシリーズのカナダ大会ではCDプレーヤーで有ろうと思いますが



素人が聞いても分かる程の回転ムラを起こしながらも2日間も世界に音を配信していました。



全くプロ意識が欠如した救いがたい失態でした。



今日のNHK杯の代々木会場の音はPAの音を拾っている様なレベルの音では



有りませんでした。会場独特の残響や帯域バランスを見事に調和させた音で



快適でした、サラウンド5.1ch放送もグットです。



各選手が用意する演奏楽曲は曲も演奏もかなり上質の物が多く



後でネットで調べたりする程に興味深い物があります。



以上の評価は自宅ホームシアターでの試聴感想です。



相応の装置で聞けば上記の評価が出来る程に高品位な音と



画質で自宅で堪能できるのは幸せな事ですね。



2008年11月18日火曜日

雪虫

Yukimushi1



Yukimushi2



皆さんは雪虫と言う物をご存じですか?



北国(雪国)では雪が降り始める1,2週間前に辺りにふわふわと綿をお腹に付けた様な



雪虫が漂い始めます。子供達は(私もそうでした)喜んで追いかけ回します。



とても小さく、ゆっくりとしていて沢山居るので捕まえると言うより雪虫と一緒になって



遊び回るのでした。



今の私の住む地域では見かけないのですが、週末に行った山間部の村で舞っていたので



懐かしく思いました。今日の天気予報では明日にも北部で雪との事。



雪虫さんの予報は的中です。





2008年11月13日木曜日

色々と計画はあるのですが

大怪我をしてから2年以上も経つのに未だ当時の納品出来ていない作品が数点残っています。復帰後直ぐには100%の能力を出せない、無理して他の部分を痛めてしまう。大物作品(大きさも機能も)が続いている事もありますが依頼主様には大変なご迷惑をおかけしていて申し訳ない思いで一杯です。そんな事もあり構想は練っていても手を着けられないジレンマを抱えている今日この頃です。



その構想とは



.レトロフィット



これは既に何作品か制作してはいますが、重点的に日立のLo-DシリーズとONKYOのSCEPTERシリーズです。どちらも私には馴染みが深く、最新のスピーカーに比べても遜色無く、その個性を発揮してくれるからです。総合電機メーカーがハイファイオーディオ分野に足がかりを作る為に力を入れたLo-D。システムやユニット単体を販売して来た専業メーカーで特にホーン形に力を入れていて、オーディオ全盛期から現在まで継続している企業力にも敬意を払いたいONKYOです。



.FH+BHエンクロ



フロントホーンとバックロードホーンを一体化して全帯域にホーンロードをかけたシステム。永くBHファンだった私が常々疑問に思っていた不都合を解決する為の意欲作です。変形型は完成発表済みで、基本スタイルに忠実なシステムは受注済みですので来年中(苦笑い)にはお披露目出来るかと思います。



.標準エンクロージャー



未だ未発表の構想ですが、10/13/16/20cm口径のユニット用に標準的な内容積のエンクロージャーを用意して価格を抑えて短納期で対応したいと思っています。100%バーチ合板の一般的な直方体構造と側板ラウンド構造の2種類の構想です。未塗装品とブラックピアノ塗装を用意できればと思います。通常の完全オーダーメードの様な細かな注文に応える体勢とは別に、標準型で間に合う方にはメリットの多い商品かなと思っています。この商品に対応する製作体勢も同時に整えようと思っています。この標準エンクロージャーは数ヶ月後には発表したいと計画しています。





2008年10月9日木曜日

インターナショナルオーディオショウ

2008インターナショナルオーディオショウを見て来ました。



音を聞くと言うよりは造形や素材に構造などを確認する為です。



その意味では興味深い製品が有りましたので参考になりました。



やはりスピーカーユニットに何を使っているか、2Wayや3Wayなどの構成は



どうなっているかなどと、エンクロージャー構造に目が行きます。



会場は東京国際フォーラムです。各メーカーのブースは完全個室の



会議室と言うよりはホテルの小宴会場と言った趣で、主催側としてはかなり



自社の製品の特徴を出せ、他のじゃまが入らない良い環境ですので



目当てのメーカー/機種のデモを事前に調べればじっくり聞く事が出来ます。



あるブースでは客のCDを快く演奏してくれていて感心しました。



有る意味ハイエンドショーよりも遙かに内容の濃いお勧めのイベントです。



音としては超有名メーカーのフラッグシップ機でもまだまだメリハリを効かせ過ぎた



派手な音や、スケールに囚われてボーカルの音像が巨大になっている物、



優れたユニットを使ったが為にそれ以外のユニットがしぼんでいる物、



まるで抑揚感の無い無感動な音もありました。



ユニット単独供給を止めた某有名欧州メーカーの何の変哲も無い機種からは



そのまま持って帰りたいと思う様な素晴らしい音楽が奏でていました。



たまたま聞いたある評論家が言っていました。



オーディオ機器は何を替えても音は変わるのだ、変わるけれど良くなると言う意味では無い。



闇雲にそんな事を繰り返しても音は良くならない。



自分のリファレンスたる大好きなアーティストを持ち、良く聞いて、あぁ-こうやったら



このアーティストはもっと魅力的になった、身近に感じられると思ったらその方法を生かし、



不明だったら元に戻すべきだと!



その繰り返しが自分にとって良い音への道であると。



私も常々そう思っていて、試聴に来られたお客様にも何度も言って来た事です。



こんな話が聞けるのもイベントの良い所でしょうか。







2008年10月6日月曜日

天満敦子&ミッシャ.マイスキー

デビュー30年プレ記念の天満敦子(ヴァイオリン)と、ミッシャ.マイスキー(チェロ)、



パーヴエル.ギリロフ(ピアノ)を聞いてきました。



天満敦子は初めて聞きましたが又一つストラディヴァリウスの音色を楽しめました。



天衣無縫とは彼女の代名詞になっている様ですが確かに淡々であったり激しく



もあったりで、楽器が独りで鳴っていたかと思うと演奏者の強い意志が染み込んだりで



一回聞いただけでは分からない奥深さがあるようです。



憧れのマイスキーとの共演の為かアンコールの望郷のバラードでは涙ぐみながらの



しっとりした演奏、再度のアンコールでは激しく激しく圧倒される様な演奏で、



観客からも絶大な拍手が湧きました。



只、マイスキーファンとしてはやはりソロで聞きたかったなと思います。



前回聞いたバッハ無伴奏全曲の二日間は夢のようでした。





日本伝統工芸展

なかなか行けなかった日本伝統工芸展を見てきました。



東京日本橋の三越本店での第五十五回 日本伝統工芸展です。



陶芸/染織/漆芸/金工/木竹工/人形/諸工芸/遺作などが



出品される国内最高峰の技を競う場です。



出品者(製作者)にも審査員にも重要無形文化財保持者



いわゆる人間国宝の方達がおられます。



若手から熟達者迄が技を競う?己を表現する?



どの作品も圧倒される様な技と個性が溢れています。



造形として、作りの完成度として、仕上げとして、



伝統的手法から独自の表現手法まで多様です。



全国を巡回しますのでご覧になる事をお勧めします。



余談ですが北陸のある人間国宝の宮大工の棟梁にスピーカー制作の



話をしたのですが、棟梁にはまるで言語が違うかの様にまるで



理解され無かった事を思い出し、同じ物作りをしている(違うか!)



者としてかなり寂しい思いをしたものでした。



2008年10月2日木曜日

専門誌と総合誌に紹介されています

2008/9/29発売中のオークラ出版”オーダーメイドマガジン”vol.1創刊号P75に
当工房の紹介とJBL1500ALエンクロージャーとウッドホーンが
カラー1ページで紹介掲載されていますのでご覧下さい。



Dscn3622_4



9/13発売中の音元出版”analog”vol.21の特集(大口径の誘惑)に
ウッドウイル制作作品のJBL1500ALエンクロージャーとウッドホーンが
紹介掲載されていますのでご覧下さい。



Dscn3623_2



2008年9月27日土曜日

今年一番の夕焼け

Dscn3607_2



Dscn3609



気が付くと外がやけに赤い!。



見ると見事な夕焼けが。



慌ててカメラを持って撮ってみました。



近所の方も同じ様にカメラを携えていて、綺麗ですねと声を掛け合いました。



2008年9月21日日曜日

秋の散歩道

Dscn3588_2



Dscn3586_2



いつもの散歩道の様子です。



今日は半袖で歩き始めて後悔しました。



風が冷たくペースを早めて暖まりながら歩きました。



上の画像は来週にも稲刈りが出来そうな稲穂です。



向こうは八ヶ岳の中の蓼科山と北横岳です。



下の画像は見上げた栗の木ですが、実が落ちていたり



いが栗のまま落ちていたりしています。



稲刈りは遅く栗の熟するのは早い、信州の高原の秋ですね。





続、オーディオ専用トランス

前回、ウッドウイル試聴室常用SATRIアンプの自作改造電源



(左右独立+出川式)に同じ電気的仕様のオーディオ専用に設計製作された



電源トランス(Rコア型)の供給を受けて旧型とそのオーディ専用トランスを



比較試聴して、その音質の向上に驚いた物でしたが、今回はその最新型の



供給を受けて再度比較試聴しました。



今度は流石に前回程の差は無いだろうと思い、方チャンネルだけ



新型Rコアトランスにしてモノラル状態で片チャンネルずつ比較試聴を始めました。



トランス関係者二人に、音楽趣味の木工家二人、そして私の五人で聞きます。



二曲でその差が明らかなので一同、同意して両チャンネル分のトランスを



交換しました。最新型オーディオ専用Rコアトランスは前回の比較向上した



分と同じくらいの向上を見せてくれました。



私のSATRIアンプは豊潤で濃密、艶やかになりました。



本来の素っ気ない程の癖のない音質と他に例の無い音場感の広がりを



併せ持って、本当に素晴らしいアンプへと進化しました。



比較試聴に使っているスピーカー”ウイング”が素晴らしく鳴ってくれています。



未だ世間には知られていない未発表品ですが、時期が来ましたら



当ホームページで紹介させていただきます。



ウッドウイルからの紹介でSATRIアンプご使用中の方は、



連絡いただければ発表前に搭載する事が出来るかも知れません。



トランス製作者曰く、電源トランスは”楽器だ!”そうです。



納得せざるを得ない効果があります。



2008年9月8日月曜日

オーディオ専用電源トランス

ウッドウイルを開業する前の会社ではプロ用電源装置を設計開発していました。



電源装置は商用電源(交流を)安定したクリーンな直流に変換する。



商用電源(交流を)安定したクリーンな交流に変換する。



商用電源(交流を)安定したクリーンで自在に周波数変更可能な交流に変換する。



などですが、その電力を供給する最も重要な部品が電源トランスです。



昨今のスイッチング電源は構造が違いますが、アナログ式に限れば



オーディオパワーアンプの電力(パワー)供給の源は電源トランスなのです。



そんな事は百も承知でしたがそれをオーディオ専用として開発したのを



私は知りませんでした。



ウッドウイルの常用であるSATRIアンプの自作改造電源(左右独立+出川式)



と言うかなり贅沢な電源部を自慢していたものですが、



縁があって同じ仕様のオーディオ電源トランス(Rコア型)の供給を受けて



旧型とそのオーディ専用トランスを比較試聴しました。



果たしてその結果は驚くほどの音質改善でした。



近く、更に新型のオーディオ専用電源トランスとの比較試聴を行います。



その結果は詳しくHPに掲載したいと思いますが、



アンプに不満(低域の腰が無い/中域の密度が薄い/色艶の不足)などが



ありましたら電源部の改造を一考する価値が有ると考え出しています。





2008年8月30日土曜日

工房のお客さん

Dscn3553 Dscn3554



















毎年秋になると一、二度、工房を尋ねてくれるトンボ(オニヤンマ)君。



今年は撮影しようとゴミ袋を網代わりにして捕獲に成功!。



まさにその瞬間に学生時代の友がやって来た。



一緒に袋の中を覗いてオニヤンマだぞ!と自慢すると



おお!本当だ!。



子供の頃はオニヤンマを捕まえるのは至難の業で



ギンヤンマを捕まえても友達に自慢できたものでした。



その友は新型スカイラインGTRに乗って来ました。



昼食を食べに森の中のレストランに向かいましたが、



いつものコーナーでのボルボでのブレーキングポイントを軽く越えて



殆どノンブレーキで曲がり切り、上り坂を首が後になる程に加速します。



友人は何も無かった様に自然体です。



レストランの駐車場に止めたとたんに回りから熱い視線が、



帰りもGTRの回りをうろうろしている人達、



レストランのコックさん達も見送りに出て来ました。



颯爽と乗って帰る中年親父達の話題はオニヤンマと昔話。



豪雨予報の合間の晴れ間の一時でした。





2008年8月9日土曜日

家庭内インフラ整備と五輪

当地は山岳地帯でアンテナTVは映らずもっぱらCATV頼みです。



CATV局の攻勢に負けてやっと地デジが映る環境に変えました。



おかげでアナログ放送もハイビジョンやサラウンドが楽しめてGoodです。



皆さんはもう対策しましたか?。



プロバイダーも同じCATV局で回線速度を一桁上げる契約にしました。



業務で良く訪れるHPが遅く苛ついていましたが原因は当方の環境でした(汗!)。



家庭内インフラと言っても自営ですので業務用インフラ整備とも言えますが、



早い事は良い事だと後戻り出来なくなりますね。



ついでにTVも画像の綺麗な36型ブラウン管式ハイビジョンTVからプラズマ50型に



変えました。ブラウン管と同等以上の綺麗さで薄型省エネの有機ELTVを



待っていましたが産学一体の研究でも未だ40型が目標との事で諦めました。





この環境で今、中国五輪を見ていました。



開会式のセレモニーは過去最大の規模で驚きの連続で100点です。



続く選手入場で国名をアナウンスしているの関係の深い数ヶ国以外は沈黙している



開会式も初めて見てマイナス100点です。日本選手団入場も沈黙でした。



今の所プラスマイナスで0点です。



悲しくて聖火点灯まで見るのを中断しました。



今後の活躍に(中国国民に対して)ちょっとだけは期待しています。











2008年6月16日月曜日

今夏は3000mの稜線への一歩



この数年間は働き過ぎによる体調不良やおまけに怪我が重なって大好きな山登りとご無沙汰です。東京に居た時には2ヶ月間アウトドアしないと頭が変になっりそうでしたが、今は環境が激変で良くなりましたが、毎日山を見ていてストレスが溜まらない筈はありません。



昨年は少しは足慣らしをしたので地元八ヶ岳の日帰り登山を試みましたが、あっけなく敗退した有様でした。今年もめげずに散歩やハイキング(悲しい...)を繰り返し、今日もアップダウンの軽い半日コースを予定していましたが、大差ないとばかりに以前はバカにしていた蓼科山に挑戦してみました。私は脚の付け根がおかしいぞ??、妻は足がつりそうだ!などと、三車線道路で言えば一番左端をゆっくり歩いて、それでも完登して来ました。



夏には妙高のハクサンコザクラを、八ヶ岳は横岳のお花畑を堪能出来ればと願っています。そして来年夏には仕事のけじめもつくので、アルプス縦走再開と狙っているのでした。



写真は幾つか有る散歩コースの隠れたビューポイントと蓼科山で遭遇したカモシカさんです。Dscn34051 F1000073

















Dsc005021_3





















Dsc005061_2



2008年6月6日金曜日

五嶋みどり活動報告会コンサート

五嶋みどりさん含め弦楽四重奏の活動報告会コンサートを聞いてきました。



活動報告会コンサートとは?1992年から国内外の学校や施設等を訪問して生演奏による西洋音楽を聞いて貰うことで新しい世界を体感し、自身の視野を広げ、明日への夢を抱くきっか作りを行っている、五嶋みどりが理事長を務める(NPO)ミュージック.シェアリング(日本語訳で地域貢献活動)の活動の一環です。昨年のベトナムに続き今年はカンボジアでの活動の報告会兼、演奏会です。もう一つの目的として若い演奏家にこのような活動の場を提供すると言う事もあるそうです。



難しい事はさておき、この活動報告会のおかげで私は世界最高峰の一人であるヴァイオリン演奏を三度も至近距離で聞く事が出来ました。今回は室内楽での音響特性で評価の高い浜離宮朝日ホールで2列目中央という4メートル程の距離で際だった技巧と集中力、曲の解釈と名器”ガルネリ.デルジェス`エクス.フーベルマン”1734年作の響きを感動を持って堪能してきました。



ドヴォルザーク”ハ長調Op.74”の叙情的で甘美な曲も、メンデルスゾーン”ニ長調Op.44No.1”郷愁をそそる様な曲も単調で抑揚の無い曲にならずに曲の世界に引き込まれてしまうのだと思わせるその表現力にはただただ感動するばかりです。



本職のオーディオ的には、はてさて如何したらこの響きを再現できるか。スピーカーに要求されるには、ヴァイオリンやヴィオラに限定すればユニットは中口径で軽く素直な音質の振動板、磁気回路は強力で、エンクロージャーは絶対的に無垢材の吸音材無しのラウンド構造です。立ち上がりが良く、抜けが良くなければ駄目です。アンプはダイナミックレンジを広く取る必要から小出力では力不足、プレーヤーは置いて、録音の良い音楽ソースも絶対条件です。無い情報は再生しようが無い!。SACDやダイレクトカット盤などの良いソースを選択する努力が必要です。



録音の良い音楽ソースと言ってもトラックダウン等のレコーディングスタジオで操作した物と言う意味では無く、演奏現場でどれだけ良い音を収録したかを重視したいです。よく定位が良いとか広がりが有るとか言いますが、生演奏ではソロ演奏をしている時でない限りハーモニーの中の特定の楽器の位置を目前でも特定できません。CDで聞いて判るのは演出しているからです。その様な機能に拘る前にやはり音色、音質の表現です。最近はこの考え方に徐々に自身を持って来ています。







2008年5月25日日曜日

藤村俊介チェロ演奏会

ウッドウイルのホームページの”試聴用CD”にも掲載しています、藤村俊介チェロ演奏会が今夜有りました。伴奏ピアノは地元出身の小山香織さんです。メインはラフマニノフ「チェロ.ソナタ ト短調」の他に小曲を5曲ほどです。



藤村俊介さんはNHKフィルの次席チェリストで、僅か5,60人程しか入らない小ホールで毎年演奏会を行っていただいています。大変気さくな方で、演奏も表情豊かでドラマチックで素晴らしく、毎回感動いたします。今日の難曲も圧巻でした、何か物語を聞いている様な気がする程で40分間があっという間に過ぎました。



毎回曲の解説や演奏方法の特徴などを楽しく説明していただけるのも楽しみの一つです。ロシアの作曲家であるラフマニノフのダイナミックな曲のイメージが強くて事前に弾いた白鳥までもがやけに強い調子になってしまったと白状していました。



職業柄、演奏者から2mと離れていない距離で一流の演奏を聴けるのは大変貴重な機会です。直接音に限りなく近い状況、弦の音と響盤の音が未だミックスしない内に音が耳に入って来る様な距離なのです。この音を脳裏に焼き付けてスピーカーの音作りに役立たせています。毎回感じるのは生の音は”生々しいのです”息使いやネックをこする音に大音量でこすれる弦の悲鳴に、胴の飽和する様な低音などです。CDは綺麗に聞き易くする処理するので誤解を生じ兼ねないのですが、柔らかく綺麗な音だけが生音ではありませんね。来月聞く五嶋みどりさんはやはり小ホールで前から2番目を確保しているのでまたまた、弦楽再生のヒントが得られそうで楽しみですが、以前に3m程の距離で聞いた事が有りますが、それこそ”つんざく”様なもの凄い音です、真正面から聞く事に勇気が要りそうな程です。演奏者に難聴者がいるのは理解できます。



今日の演奏会では外は雨でチェロには好都合、しかしホール内は薪ストーブを焚いて少し暑め、チェロには良くなかったらしくて直前の音馴らしを行いませんでした。小曲3,4曲目迄はさしもの銘楽器も本来の響きが出なかったのは惜しい所でした。





2008年5月23日金曜日

カウンターが150000

スピーカー製作工房として2000/4にスタートと同時に開設したホームページ。



昨晩にカウンターが150000となり妻が踏みました。



当工房の無料試聴券をプレゼントしました(自宅だから何時も勝手に聞いていますが)。



開設当時は一日に数件で見ているのは全て自分だけでした(汗!)。



カウンターのキリ番踏んだ方にプレゼントさせていただいたり、



雑誌/新聞/紹介などで本当に少しずつ知名度が上がって、



殆どの関連キーワードでYAHOO検索トップページに出て来る様になりました。



当初はプロにお願いしていたホームページも今では自分で製作運営を行っています。



センスもテクニックも無いのですが、作品の情報を出来るだけ詳しく(詳し過ぎるの意見も)



する事だけを心がけて来ました。



良いと思って2ヶ月もかかって変更したフレーム構造が実は使いにくい物だったりと



何時も見に来て下さる皆様には申し訳有りませんが我慢下さい。



今度の春まで(1年も有るぞ)に又、見易い構造に変えたいと思っています。



一切合切を一人で行っている零細個人工房はやらねばならぬ事が一杯です。



長い目で見守っていただければ幸いに思います。



いつも訪れてくれています常連の皆様。



初めて訪れてくれた皆様。



皆さんありがとうございます。





2008年5月20日火曜日

ランチに芝生へ

この週末とても天気が良くて仕事でしたがランチを近くの農場の芝生で食べました。



何とか制限の注意書きも何も無く、好き勝手に使えるんです。



人が少ないから地面が柔らかくふわふわしています。



若いこれから?のカップル、赤ちゃんを抱いたカップル、犬とボール遊びをするお年寄り



カップルに、熟年カップル(我ら)。



思い思いの時間が過ぎていきます。



寝そべって撮った携帯での写真でした。



次の日も仕事の予定でしたが望遠鏡と双眼鏡を持って近くの湿地でバードウオッチング。



伴奏のカッコウ/ヒバリ/ウグイスにソプラノソロでノビタキが、間合いにキジの父っちゃんに、会場整理にはF1000072 モズが目を光らせていました。



超弩級JBL38cmウッドホーン3Wayシステムの続編

Dscn32171 前回4/30に載せた記事の続編です。



stereo”誌2008年6月号 P212項 (2008年5月19発売中)の田中伊佐資の



オーディオ・ジコマン開陳の記事の中で見開き2ページで掲題タイトル作品の様子が掲載されています。



この作品製作に関わる記事は約1年半に渡って掲載させていただきましたが、



今月号で一応区切りとなります。



次回以降は田中氏のチューニングやセッテイングなどの話になろうかと思います。



そんな事で製作者の私はシェーンのラストシーンの様に背中を見せて八ヶ岳へ帰った事と記事は結んでいます。(何かとても寂しい...)。



でもこの作品には弟たちが5人もいるのです。



帰った私はこれらの作品作りに汗を流さねばなりません。



近い内にその辺の事でも書き込んでみようと思っています。





2008年5月11日日曜日

ハイエンドオーディオショーにて

久しぶりにオーディオ関連イベントを見てきました。



煩雑に行かない理由はオーディオ関連の仕事をしてはいるのですが、この種の世界の人種に何故か馴染めないからなのです。



代表的なのが中小専業メーカーや老舗の秋葉原オーディオ店の社員や社長です。



知識を振りかざし、知見の浅い者をあざ笑う、見下すのは毎度の事で人格を疑います。



先日もウッドウイルのお客様(中堅企業の社長さんです)が餌食になり怒っていました。



試しに現代的なセンスで開設したハイエンド専門店”レフィーノ&...”での対応は?



常識的接客センスと専門知識を持たれた方達が運営されていて安心しました。



電子機器関連の国内外のイベントにも多く出品、参加してきた経験からも特異な世界と思いますね。







ここから本題です。



1983年にオーディオCDが発売されてLPを駆逐してきた訳ですが、その理由は音質より使い勝手ではないかと?。



ノイズも無く選曲も容易でプレーヤーも小型で車載もできる、メディアも小さい。対して周波数帯域を限定し、



データー圧縮などで当時の高品位なLPシステムに音質的には劣っていた



その欠点を補う為にSACDの様な高品質版が発表されて当時の品質に近づいて来た。



マルチチャンネル録音ではホール音響も楽しめるがコストと手間暇かける割には2chで聞く方が大半である。



最近になり録音技術や機材の高度化によりSACDの様な特別な仕様と機材を使わなくとも



CDの規格で充分な音質を確保できると言う動きが業界に起きて来ているそうです。



その確認の為の比較試聴会があったので出かけて行きました。



一部のソースではミニコンポでBGM風で聞いていた物(従来のCD版)がハイエンド装置で正面から聞いた感じ(最新CD版)に激変する(共にマスターデータは同じ)物がありました。



試聴室で確認してから詳しく報告したいと思いますが、個々の機材の情報はネットや印刷媒体で知る事が出来てもこの様な大きな業界の流れはやはり脚で情報入手する必要がありそうです。



2008年5月8日木曜日

フルレンジフロントホーン+40cmサブウーファー

Dscn3288







何時もそうなのですが、お客様のこだわりの要望に応える形で設計製作を試行錯誤してウッドウイルは育てられて来ていますが、この作品もそんな代表例です。



高性能でお気に入りのスピーカーユニットを通常のエンクロージャーでは無くて低域再生限界150Hz迄再生する事の出来るフロントホーン構造とし、更にバスレフ方式との併用で40Hz迄フラット再生を狙ったシステムです(画像参照)。



もう既にこのままで超が付きそうなシステムで、これ単体で充分過ぎる能力を備えていますが、更に40cm口径の励磁型(マグネットでは無く電磁石で駆動)の低音帯域専用システムが加わり、全体で一間の押入に入らない大きさ(汗!)。



既にホーン部の試作を行って設計仕様を満たしているか物理的、官能的評価を行いましたが、素晴らしい結果を確認しています。



オーケストラ等のコンサートでステージやホール全体から湧き起こって来る様な音の波や音圧を感じて生演奏のリアリティーを感じるとすれば、試作機で既にその片鱗を見せています。



現在、本製作を開始していますが完成時にはどれ程の音の世界を再現してくれるか楽しみでいっぱいです。







2008年5月2日金曜日

日記をブログにリンクします

mixiでの著作権問題で改めてネット上でのセキュリティーを考えました。



信用出来なくなったmixiには著作権の生じる情報は載せない事としました。



仕事用のホームページに中止した掲示板の代わりとなるものを用意する



必要もあったのでブログを始めてみました。



mixiの日記はブログにリンクされますのでお手数おかけしますが



これからもよろしくお願いします。





2008年5月1日木曜日

超弩級JBL38cmウッドホーン3Wayシステム

”stereo”誌2008年5月号 P212項 (2008年4月19発売中)の田中伊佐資の



オーディオ・ジコマン開陳の記事の中でタイトル作品納品時の様子が掲載されています。



初打ち合わせから納品までに2年7ヶ月(大汗!!)



初めはホーン製作は含まれていなかった、大きな小さな仕様変更が何度も繰り返された。



想像を超えた製作難易度であった。



不覚にもこの作品制作中に数度の手術を要した大怪我をしてしまった。



等々いろいろありましたがとにかく完成しました。



来月号では初音出しの様子が詳しく述べられると思います。



納品に私も立ち会いましたが、依頼者からの声が聞けるまで



私の感想は控える事としています。



ブログを始めました

皆さん今日は。


以前は掲示板を運用していましたが、今回はブログを使ってみます。


取り敢えずは試用期間中として運用してみて様子を見たいと思います。


ホームページには細々とした事、思いついた事、作品製作の裏話や、


制作中の作品やウッドウイルが今、何を考えているのかなどを


思いついたままに掲載してみようと思っています。


基本的には一方的な独り言になろうかと思いますが、


コメントも受け付けていますので良かったら書き込んでみて下さい。