2012年10月30日火曜日

長野技能五輪結果

今日、長野技能五輪の成績が発表されました。


家具競技では昨日ブログに掲載した写真の二人が銀と銅。もう一人の長野県参加者が敢闘賞に輝きました。おめでとうございます。


地元の技術専門校の学生二人と卒業生一人が受賞ですから、私としては地元、学校に関連する者としては嬉しいですね。


 


10月27日の朝日新聞の記事


長野県から工業高校2年生が電子機器組立の種目に出場すると。中学で作った無線機が動いて夢中になり、日本の大企業が全面バックアップした社員に混じり、知識やノウハウどころか、部品の調達さえ困難な高校生が教師や地元企業に教えを請いながらMP3プレーヤーの電子回路基板の設計と製作に挑戦していると。


嬉しいですね、10月19日のブログに書いた私の体験談にも近い話です。この週末のNHKスペシャルではこの10年~20年でサービス業に携わる者が製造業の倍になっているそうです。しかしながら一人当たりのGNP比較では製造業がサービス業の倍ですから付加価値は高いのです。


音楽を愛好して、関連する業種に携わる者としては問題発言かも知れませんが、ある音楽家の集まる酒宴での話題に職業の話が出ました。音楽家ですから幼少の時から想像を絶する犠牲を払って今日が有る事は承知しているのですが、その時には製造業と言う職業はにべも無く切り捨てられていました。彼らが使う楽器は誰が作っているのか、その素材を作ったり育てたり守っている大勢の人の存在は?。


都会での会合です、彼らが今眼に入る物全て、衣服や持ち物、飲食物や食器に部屋に建物に、ここから家に帰るまでに眼に付く物全てが人によって作られている物なのです。それを一言で製造業に関わる人達と呼びます。違うのは空と空気だけでは無いでしょうか。


あまりに身近に有る物なのでその存在が忘れられている。


もう一度考え直す機会がないものでしょうか?。


そんな事を何時も頭の隅に入れての技能五輪への3回の書き込みでした。


 


 



2012年10月29日月曜日

長野技能五輪観戦記

 


 



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お知らせしました様に長野技能五輪観戦してきました。10月19日のブログにも書き込んでありますのでそちらを先にご覧下さい。


順位を争う競技会なのでここでは観戦記としました。私の関心が有るのは家具製作です。スピーカー作りはこの技術が基礎になっているからです。同じ会場では建具/左官/美容/理容がありました。


会場近くには駐車出来ずに離れた所に車を駐めてシャトルバスで向かいます。やはり技能五輪ともなると規模が違うなと想像が膨らみます。


技能職には国家試験として技能検定が有り、私が通っていた技術専門校の担当教官が検定員になり、学校がその会場となりますので何度か検定の場面は見た事があります。因みに10月19日のブログのたたき上げの教官は、国家検定員を選定する立場の教官でありました。


技能五輪はその上のレベルの全国区の選手が選ばれているので会場の盛り上がりと緊張感が有りました。


開催県である長野県からは3名のエントリーです。私が講師を務めた事もある上松技術専門校の現役学生2名、今春卒業生1名、前年度卒業生も他県からのエントリーで、関係者は4名で全て同じ学校の学生です。そうなんです、家具を勉強する学校としては全国でも有名校なのです。


その学校の教官(技能五輪検定員)と会場で話をする機会がありました。現役学生は技能五輪を狙って入学した学生では無いから、学業と技能五輪の掛け持ちでかなりの苦労があっただろうと。社会人での参加者は職場から支援され準備も出来るので差が出るかもとの事でした。


私の地元の諏訪地区の会場では機械加工の競技があり、その競技者はセイコーエプソンが全面的に支援しています。


参加者は事前に公開される図面に従って数回~数十回となく製作を重ねて本番に臨みます。本番当日に初めて一部変更になる図面を渡されてその課題の家具を製作します。


家具は二日間で小型のキャビネットを合計11時間で完成させなければならないので、運営上は事前に図面公開という方法を取ります。製作する内容で用意する道具類は大きく変わるので、限られた時間、スペースで行うには必要不可欠な競技進行方法と思います。


添付の図面で皆さんは内容が理解出来ますか?図面には全ての情報は含まれていません。競技者が独自の解釈で製作する事も求められており、最終的に合理的に正確に安定して時間内に製作出来ているか、更には製作姿勢(態度)、作業場の使い方(整頓)なども評価対象ですので二日間の内には付け焼き刃の技、態度は剥がれて見えてしまいますので厳しいです。


この課題を製作するには家具製作のあらゆる技の要素が含まれており、小さくとも侮る事は出来ません。この課題のキャビネットを代表する様なテーブルやタンス類は基本は直線加工の二次元的な物です。同じ家具でも椅子の様に曲線主体で3次元的な造形物は設計も製作も大きく異なります。私は技術専門校の短い1年間でその両方をがむしゃらに勉強したものでした。


観戦者はあまり近くには寄れないので製作物の出来具合は分かりませんが、進捗状況や遠目でも分かる道具の使い方などは分かります。鉋も鋸も鑿も正確に研げていて使い方が正しいと心地良い音を響かせるものです。遠くからでも切れない鋸で不連続な音を出しているのは経験者ばかりの観戦者にはバレバレですから怖い怖い。


競技者が途中トイレに立ちました、検定員がトイレまで確認に同行しています。不正を防ぐのでしょう、厳格ですね。


競技者は各々の可能な範囲で準備をして来てはいても、いざ本番で力を出し切れるか、大勢の観戦者が見守っています。暖かい仲間も居れば、競争相手の関係者の険しい眼もあります。その中での二日間、11時間の戦いです。その集中力には思わず熱くなり応援したくなります。


写真撮影はフラッシュ厳禁、競技者への声かけ厳禁、関連物へ触れてはいけません。女子の参加者が3割いました。私の技専の時にも同級生に4名程いました。男子は力業でこなす所も、女子は技でこなしますので侮れません。


写真は製作図面/長野県参加者2名/家具科目の全体像を写してみました。結果発表は29日です。どんな成績でも参加した事は自身の今後に多いに役立つ事と思います。ご苦労様でした。


教官とも話しましたが、この様な会場で頑張っている若者の姿を見るのは清々しい、自身への戒めにもなりますねと話をして来ました。


 


 



2012年10月26日金曜日

スピーカーの間に置いた物の素材を感じる





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少し前のブログでも書いた事ですが、
ウッドウイル製スピーカーの「総合グレード4」にランクされる
バーチ合板積層ラウンド型(曲面)エンクロージャーに
フルレンジユニットを搭載して試聴した時の事です。


最初は10cmフルレンジの依頼主様(Sさん)が受け取りに来た時の事です。
一通りの試聴用の曲を聴いたSさんが言いました。
左右のスピーカーの間がざわめいていて賑やかだと。
私は聞き慣れたセッティングで有る為か耳が慣れてしまっていて直ぐに気が付かない。


その時は試聴している10cmフルレンジの間に他の2セットのスピーカーや
スタンド等が並んでいて、それらが音を反射させて悪戯をしている様です。
それらの並んでいるラインから10cmフルレンジを少し前に引き出して聞きます。
音の景色が変わりました。
 .全体に静かになりました。
 .そして歪みが減りました。
更に引き出してみます。
 .音の色づけが取れてスッキリしました。
 .試聴している10cmフルレンジの音が聞けます??
  (当然ですよね)


この時はセッティングで音の品質を変えてしまうので
今後は注意が必要だとの認識で終わりました。
その後に「総合グレード3」の2Wayで試聴した時には
前回程顕著な差は生じませんでしたので特に意識もしませんでした。


しかし、その後の「総合グレード4」で20cmフルレンジを聞いた時には
前回の10cmフルレンジ以上の新しい発見がありました。
それはスピーカー間に並んでいる物の素材の違いを聞いて分別出来るのでした。
.ユニットの搭載されていない穴の空いた状態の
 エンクロージャーの共振音(これは分かり易いですね)
.エンクロージャーの素材の違い
.搭載されているユニットの振動板の違い
.試聴しているスピーカーの外側に置いてある物の位置関係


これはどう言う事だろう。
スピーカーの音を聞いてはいますが、
実はスピーカーからの直接音は約40%程で残りは部屋の反射音を
聞いていると言う事は皆さんご存じと思います。
そうであるから、音質に占める部屋の影響が大きいと言える訳です。
その様にして日常的に音を聞いている訳です。
その曖昧に聞こえていた筈の有る部分の音を認識出来てしまったと言う
現象に出くわしてしまった、そんな事だろうと思います。
前述のSさんは並んでいるスピーカーのユニット中心のセンターキャップ、
約Φ20mm程のアルミの金属音が聞こえて認識出来ると言っていたのは
実は本当なのかも知れません(私には認識出来なかった)。


 


ある物をある物で叩けば音が出る、
その素材の音が出る訳で、撥と皮の太鼓などが一番分かり易いですね。
日常の物なら経験的にその音の種類を案外に認識している物です。
ではスピーカーの音は。
音は空気の疎密で伝わります。
音はそのスピーカーの固有の音であり、
空気雰囲気の中で疎密を生じさせるのだから何らかの物理的な質量を
持つと考えて良いと考えられます。
最近では光や電波にも質量があると考えられていますので。


その物理的な質量を持った固有の音が撥で有り、
皮に相当する物が試聴するスピーカーの間に有る他のスピーカーや
スタンド等に相当するのでしょう。
ですからそこには音が発生します。
当たった皮に相当する様な各種の素材の固有の音がする訳です。


 


この様に考えると、どの様なスピーカーで有れ、
どの様な環境で有れ、その音は出ている訳です。
ただ、それを認識出来るか、出来ないかの差が有るだけです。


この認識が出来る事がどんな意味を持つのか?
 .音の色づけが取れてスッキリする。
 .試聴しているスピーカーの音が聞こえる。
 .セッティングを邪魔する物が聞いて分かる。
大変シンプルですね、だからこそこの意味は大きいと思います。


そこで、「総合グレード3」の2Wayでは
認識が少なく、「総合グレード4」のフルレンジでは
ハッキリと認識出来た訳ですので、この差を考えて見ます。
ウッドウイルのHPをよくご覧になられる方達はこの時点で
既にある程度予測が出来ているのではと想像しますが如何でしょう。


フルレンジは大きさは別にしても点音源(一箇所から音が出る)です。
同軸形と違うのは駆動回路も同一でデバイディングネットワークも無い。
物理的にも電気的にも単独で有る事で、
2wayや3wayなどのマルチwayよりシンプルで特性を乱す要素が少ない。
この点は解説が長くなるので今日はここまでとし、次回に譲ります。


次にエンクロージャーです。
総合グレード3と4の違いは?
 .総合グレード3はバッフルと背面板が平面で平行である。
  平行面を持つから定在波が発生している。
 .総合グレード3のバッフル両端の曲率半径が小さい。
  回析効果削減が少ないと考えられる(理想は球体)。
 .使用材料は同じ
 .3も4も天板と底板間は平行面で有るから定在波が発生している。
  (対策は有るが、今回の試聴した物は全て未対策)
定在波はスピーカーの音色の差を生じるが、
今回の問題では原因要素とは考えにくい。
今時点の予測ではバッフル両端の曲率で有ろうと考えます。


結果的には
.スピーカーユニットはフルレンジを使う。
.マルチwayではユニット間の干渉の少ない工夫。
.マルチwayではデバイディングネットワークの
 厳密な設計、又はマルチアンプ駆動。
.エンクロージャーは総合グレード4クラスの機能を。
.総合グレード3のグレードアップバージョンとして下記を新たに設計製作する。
 .バッフルと背面板を非平行面とする
 .バッフル両端の曲率を大きく取る


この対策を採れば総合グレード4の高機能と
つき板張りの自由な外観デザインを採用する事が出来ます。
セッティング環境を良好にした上でのスピーカーから出る高音質!


この試作品を早く完成させて今迄以上の音を聞いてみたいと思います。


 


 



2012年10月23日火曜日

大人のけんかゴマ


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何かの部品をネットで探していた時に偶然に見つけたコマ?


何やら精密金属加工の会社が本気で作っているおもちゃみたいなので


気になり少し前に購入しました。いつもパソコンのモニターの下に転がっています。


http://store.branchproducts.com/


上手く回せたらまるで止まっている様に何時までも回転しています。


 


そうしたらメッセナゴヤ2012(トヨタの会長も来る大イベント)のイベントの中でこの種のコマを使って


http://www.messenagoya.jp/


「全日本製造業コマ大戦名古屋場所」が有るそうです。


コマはΦ20mm以下で重量材質問わず、片手の指で回す事。


土俵はΦ250mm凹R700mmで行う。


http://k-rt.sakura.ne.jp/koma/


 


本当に真剣に本気でコマを作って回して戦うみたいです。


楽しそうですね。こういうのは大好きです。元気が出ます。


http://www.youtube.com/watch?v=QOlX7oKP6go&feature=endscreen&NR=1


 


 


 


 


 



2012年10月22日月曜日

オーディオ.ホームシアター展


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先日のこのブログにも紹介しましたが、今日は秋葉原のオーディオ.ホームシアター展に行って来ました。


目的は生録会(ライブレコーディング体験会)とウッドウイルがお手伝いしたメーカーの発表会の様子を見てくる事でした。


生録、今日本語変換すると一発で出来ませんでした、それ程一般的では無い趣味になっているのでしょう。私も数十年ぶりですからいかしかたないですね。


会場受付ではウッドウイルのお客さんに声をかけられました、先日のブログを見て直ぐに予約をして来たそうです。その方は以前にブラスバンドに入っていたというので生録もそうですが、演奏に大変満足したと仰っていました。


とにかくブラスバンド(木管も含む)で総勢44名で、今回のイベントの為に苦労して編成したバンドだそうです。オーケストラでは低音楽器のステージから地鳴りの様な空気を振動させる様な響きがありますが、44名編成ではテナー、バス、コントラバスの各チューバが勢揃い、加えてテナーやアルトサックスも並んでいますのでその低音の迫力に浸かってしまいました。


フルオーケストラの重畳たるハーモーニーの響きの良さと同様な音に加えて躍動感などが加わるのですから素晴らしい演奏す。20代の頃は原信夫とシャープアンドフラッツを良く聞きに行き、自宅38cm平面バッフルにコンプレッションドライバーの2Way(ウッドウイルのJazz Machinの前身)でネットワークのコイルから煙が出る程に聴いていましたし、ベニーグットマンなども来日すると聞きに行ったものです。それでも彼らの編成は20人止まりですから、44名の編成は弩級と言えます。


録音は携帯出来る小型のPCMレコーダー(貸してくれる)に小型の三脚を付けてホール内の各自の机に於いて行います。貸し出し機で有る事情などで1時間の演奏を2GBのメモリーで持ち帰る事から録音フォーマットは16bit/44.1KHzのCD品質で行いました。


帰ってから取り敢えずはパソコンのスピーカーで聴きましたが、ライブ感は最高(自身が聴いたのですから当たり前)、残響音が生々しくてリアル、曲毎に録音on/offを繰り返したので曲毎にファイルが出来上がり、選曲が楽です。試聴室機材で聴くのが楽しみです。


機材を持ち込みも出来る為に、マニアは自慢のマイクなどでセットし、フォーマットも大容量メモリーを使えば、24bit/96KHzの高品質で録音する事も出来た筈です。私などは素人丸出しで、モニター用のヘッドフォンも持たないで行きましたから、録音状態の確認も出来ません。そう言えば携帯で音楽を聴く時のカナル型のイヤフォンを何時も持ち歩いている事を思い出して耳に入れてましたが、オープン型ではないので今度は演奏が聞こえない、モニターは直ぐに止めて機械を信じ、後は演奏をしっかり楽しみました。


レコーディングの講師にはオーディオ評論家でもある石田善之氏が担当。生録の3箇条とは1.機材選択/2.録音フォーマット/3.マイクのセッティング だそうです。注意事項は録音レベル調整でオーバーレベルは禁物/リミッターを効果的に使うべし等のアドバイスをいただきました。


なんて事は無い、借りた機材でマイクは机の上しか無く、録音レベルはオート。後は録音ボタンを押すタイミングだけが求められると言う簡単な体験会でした。でもこんな素晴らしいバンドの音楽を楽しめて自分で録音してデーターを持ち帰れると言うのは最高に贅沢な機会でした。


 


さて後の目的はと言いますと。


お手伝いした新製品は時期を見てお話しさせていただきますのでお楽しみに。


それ以外では実はたいした眼を引く物は無かった様に思います。小型のDACやデジタル式パワーアンプにヘッドフォンが目立ち、携帯音楽プレーヤーを自宅で聴く小型オーディオシステムが眼に付いた程度ですので、殆どが素通りです。ウッドウイルのブログやHPを訪れて下さる方達には少し消化不良気味になるかも知れませんので、インターナショナルショーなどの真に良質の音を聞く、聴ける様なイベントが合うかも知れません。


 


個人的に今はアナログプレーヤーを改造していまして、その一つにケーブルの交換が有ります。フォノケーブルやヘッドシェル用の専用線は市販されていますが、気になるのがトーンアームに内蔵されているケーブルです。ジャンクアームを何本も入手して分解方法などを確認しました。なぜならお宝のグレースのアームを壊したくないからです。


出品企業の中に「オヤイデ電気」が有ったので聞いてみました。トーンアームの中に使う音の良いケーブルは有りますか??流石にプロショップです!有りますと数種類を即座に答えてくれました。最近はアナログファンが増えて来て、問合せが増えていますとの事。今日はイベントも有るので日曜もガード下の店が開いていて更に10%offと言うので紹介状を書いてもらってお店で3種類購入して来ました。


ヘッドシェル用ケーブル専門の方を知っていますが、シェルのケーブルやフォノケーブルを替えたって、要のアームの中のケーブルが悪ければ駄目でしょうと質問しましたが、アームの中は怖くて手が出せないと言っていました、自己責任でやってみましょう。水道ホースで庭の芝に水撒き、蛇口栓とシャワー口に水通りの良い物を使っても途中のホースが細ければ水が勢い良く出る訳がありません、そう思っているのです。


出来上がったら紹介させていただきます。


 


そんな事で今年秋のオーディイベント体験でした。早朝家を出る時は5度、都内の昼は25度。どちらも気持ちの良い秋晴れの良い日でした。


 


 



2012年10月20日土曜日

長野技能五輪

技能五輪全国大会(青年技能者技能競技大会)が10/23から長野県で開催されます。


日本が技術立国であるのは自然科学の学問的な先進性と製造現場での技能の両輪で


高度な技術を有するからに他ありません。


 


その技能の技術レベルの向上と維持を若者(22歳以下)に競わせるのがこの大会の趣旨です。詳細は下記で。


http://www.waza-can.com/nagano-skills/outline/index.php


 


私は物心ついた時から物作りに熱中していました。


それが昂じて電子工学の道に進んでメーカー勤務等で設計開発などを行って来ました。


製品作りには試作が必要で、そんな場では子供の頃からの経験が多いに役立ちました。


初めてのメーカー勤務の時には設計は分からないにしても試作や一品物の製造には即戦力として加えていただきました。


そんな事から物作りの重要性は身に染みています。


ウッドウイル独立前のメーカー勤務の時には、物作りの経験が無い若者が多くて、


経験から覚えた体使いですから教えるのに苦労した物です。


 


ウッドウイル開業前の準備期間には趣味で身についた経験では無く、


プロとして役立つ様にと丸1年間木工を勉強する為に「技術専門校」に入学して勉強しました。


その時の先生の一人が技能五輪に出場する選手を何人も育てた方でした。


昔ながらのたたき上げの教え方に大いに戸惑いました。口癖はA級になるつもりは有るか!、


無い奴は何処かへ消えろ...こんな現代の学校にあるまじきスタイルだったからです。


それでも、その妥協の無い教え方が有ったからこそ今の私が有ると思っています。


そんな事も有り、技能五輪には関心が有ります。


 


工学理論を勉強してそれを役立てる様に実践するのも大変なのですが、


技能を習得するのもそれはそれは大変なのです。


参加者はその業界の国内トップを(上位の者は世界大会へと参加出来る)目指す訳です。


その先生との関連からその教え子(技術専門校の先輩でも有ります)達と出会い、


一流技能者の考え方や技能、仕事に向ける姿勢などを知る事が出来ましたので


とても関心が有ります。


 


この大会には見学に行くつもりでいます。


きっと新たな感動を得るものと期待しますので、後ほど報告をしたいと思います。


 


 



2012年10月7日日曜日

ライブに賭ける音の職人

ライブに賭ける音の職人


10/6朝日新聞「be」での特集タイトルです。
山下達郎さんが昨今の音楽事情と自身の活動を語っています。


私と一歳違いの年代ですが、四十代までの活動には殆ど気を止めていませんでした。
独立して一年中工房に詰めてからは「TOKYO FM」のサンデー.ソングブックを聞き出して
十数年経ちました、強いポリシーを持った音楽家だと、
また純粋に良い音を求めていると言う事で注目をしていました。


プロなので飯を食っていかなければならない。
その為にはドラマやCMなどとタイアップして稼ぐと。
相手側の都合で音楽を作っていく事がそれにあたります。
それは心は売っても魂は売らないと言う
譲れない一線を守ってと言う事らしいです。


クラッシック音楽に例えれば宮廷楽士が王様の為に演奏していたのが
心を売る事だとしたら、魂の部分では自らに正直に作曲を
していた事が比較されるのだろうか。


この考え方プロとして正しいと思いますね、
音楽は芸術を追求するばかりでは無いのだから。


演奏家の中には驚異的な演奏会をこなしている方がいます。
練習は演奏会で行っていると酷い事を言う方がいます。
木工作家で年中、個展やら展示会に出品していて
創作活動の時間が取れていないのに売る作品が尽きないのは
何故と不思議がる人もいます。
これもプロと言えばプロなのでしょう。


 


この10年間の国内音楽ソフトのCD等の売上が4800億円から2800億円に減少、
ライブ.エンターテイメント800億円から1600億円に増加。
CDが音楽文化の中心でライブはその販促活動だったが、
今後はこの立場が逆転するそうです。
音楽配信でパッケージのCDは殲滅される、
ユーチューブやニコニコ動画でただで聞けるから
CDは買わないでしょうと。


私などは注目している演奏会に出かけて行き、気に入ったらCDを買うから、
この様な行動指向の方は時代に影響されずにCDを買います。
演奏会場でのCDは結構売れているし、サイン会などには
長い行列が出来ます(ハイ、私も時々並んでいます)。
クラッシック音楽で年配の方の行動パターンですが、
小子高齢化でしょう?無視出来ないのでは。


山下達郎がサンデー.ソングブックで毎回言う、最高の音で放送していると。
私の工房ではチューナーアンプにボーズのBGM用SP(埃に強い)
だから最高と言うその音質チェックは出来ない。
その言葉の真意を掴みかねているのだが、彼にはヘビーユーザー(ヘビーファン)が
ついているのですが(番組中で達郎にその様に名指しされるのを誇りに思っている
ファンが多くいる)、彼らはどの様にその言を確認しているのだろう。
ハイエンドクラスのチューナーでハイエンドの装置で生聞きしているのか?
是非ファンの立場の意見を聞いてみたい物です。


山下達郎のCDを持っていますが楽曲は別にして演奏や各種調整やら
エンジニアがシステムを総動員して御輿のてっぺんに登った様な音で、
何が何だか分かりません、気が変になります。
BOSEやラジカセでBGMで聴いて丁度良いのです。


新聞記事に東北の震災では小型のラジオで聴く方が大勢いるので、
サンデー.ソングブックはそのラジオで聴きやすい音で放送したとか。
私があるプロ用音響機器メーカー勤務時代での事。
納品先にフジTVの優秀な音声担当者がいまして、
ミュージック.フェアという番組で、視聴者は小さなTVの
スピーカーから出る音を聞いているので、そこから良い音が出る様な
音を届ける、それを初めて実現された技術者なのですが、
何時も納品試験が厳しく苦労した事を思い出します。
ひょっとしたら最高の音とは大衆が気が付かずにさりげなく聴いている
日常の中に隠れているのかも知れません。
レコードの低域の振幅を小さく高域を誇張して録音して、
再生時に逆特製のイコライザーを通すというあのやり方です。
TVやラジカセ等はそれ自身が図らずも逆特製を持っていると言う事です。
まともな装置ではやはり気が変になります。
果たして最高の音での放送という真意は。


偏った嗜好で有る事は分かっていますが、それこそ魂を入れ込んで
構築して来たオーディオ装置でポップス音楽を聴く習慣は私には
無かったのですが、それでも今は仕事柄、
Jポップスを試聴用として聴く事も有ります。
ボーカルのリファレンスとして聴く森山良子、
甘さやハスキーさの加減が分かります。
白鳥英美子の声の通り方など。
素材に拘ってスパイスやソースの少ないCDも中には有ります。
えっこの方達はJポップスとは言わない??