2016年6月18日土曜日

軽井沢大賀ホール 五嶋みどり リサイタル




久々に五嶋みどりさんのリサイタルを聞いて来ました。

場所は同じ長野県の軽井沢にある大賀ホールです。
 ソニーの名誉会長である大賀典雄氏が自費を投じた事で有名。
600名程収容、全て木製の五角形の独特な形状をしています。

ホール周辺には公園や大きな池、樹木が並び、
新緑の今はそれはそれは素晴らしい環境です。
話を聞いた五嶋みどりさんは堪能する為に駅から歩いて来られたとの事です。


演奏前に30分間程のトーク時間を設けていて、
過去現在、今後の活動内容などを話して居られました。






今回のリサイタルは1時間です。
一般的には2時間程(休憩時間20分、アンコール曲など含めて)が多いのですが、
高齢化で二時間の鑑賞に堪えられない観客、
短い曲から始まり、後半にメインの曲と言うのが常の構成も
独自の考えで練られた選曲など、世界のトップを走る五嶋みどりさんの事ですから、
きっと今後のコンサートの在り方に影響を与えるのでは?
と考えてしまいました。


何度もここで書いて来ましたが、
ヴァイオリンの音色のリファレンスは五嶋みどりさんです。
もう二十年以上聞き続けています。
頭にこびりつく程に聞いていますが、
聞く毎に新たな発見が見つかります。
今回もそうでした。

偶然にも今月初めには庄司沙矢香さんのリサイタルも聴いて来ました。
何か音楽へのとり組む姿勢が五嶋みどりさんと通じる様な気がして、
大好きな演奏家です。
今回は不遜にも、彼女の音色に近づける事は出来るのでは?
臨場感やホールトーンなどの演奏会の雰囲気は別として。

変わって本日の五嶋みどりさん。
アンコールに良く使われる様な短くて特徴的なメロディーを持つ曲を、
敢えてプログラムの中に入れています。
良く聞き知っている曲です。
ですが、五嶋みどりさんが演奏するとまるで別物の様な表情を魅せます。
 繊細で
 軽やかで
 柔らかく
 表情豊かに
 ダイナミックで
 ドラマチックに
 綺麗で
 激しく
 美しく
 この様に感じる感覚の恐らく最高峰のものがここに有るのでは

 こんな音色をどうやって再現するの
 絶望的
 振動板に質量が有ったらもう駄目
 でも楽器には質量が有るな
 工夫すれば??

こんな事を感じながら聴いて来ました。
この刺激が必要です。
創作意欲が湧いて来るのです。


2016年6月7日火曜日

音楽を聴く時に目を閉じる、開ける??

音楽を聴く時に目を閉じる、開ける??

中々興味深い課題で日々考えています。


現在、歯医者に健診で通っています。
治療中は何時も目を開けます、医師や看護師と目が合うのを避けながら。
目を閉じると、ドリルなどの振動や音が意識を占有するのが嫌、と言うより怖い。



先日聞いて来たお気に入りの庄司沙矢香さんのヴァイオリン.リサイタル。
綺麗なメロディラインの曲は安心して目を閉じます。
意識の全てを音に集中する為です。

今回は初演という曲演奏がありました。
作曲者も紹介されていました。
曲は現代クラッシックで良く聞く調子の極めて ストイックでシリアスで、
ただならぬ様子から目を開けて全てを見届けてしまいました。






















話は変わって。
ウッドウイルで製作するエンクロージャーは無垢材から作り始める事が多い為か、
製作には大変な労力が要ります、きつい肉体労働そのもですす。
その為の疲労や怪我がつきもので悩ましい。
正しい体使いが必要と考え古武道を勉強したりもします。
この数年は「アレクサンダー.テクニーク」の指導を受けています。
舞台俳優に音楽家にアスリートなども受講しているそうです。

その受講中に体感覚や意識などに集中する為に目を閉じてしまうのですが、
日常の生活では目を閉じる事は無い筈と、
目を開けて受講して下さいと指導されました。



目を閉じる、開ける、皆様は如何でしょうか?
私などは音楽を集中して聞くのが日常の生活になっているので、
目を閉じる事が多いのです。

ほ乳類などの動物の成長過程を見ると、
心臓が生まれ、脊椎が伸び、次には脳と眼球が育ちます。
耳は何処? と思います。
脳の処理能力に占める視力の割合がいかに多いかが分かる様な。

処理能力の貧弱な者が聴力に集中するには
目を閉じて視力をoffさせ、
脳のマルチタスク負荷を減少させ、
聴力に集中させる。
こんな事が脳内で起きているのでしょうかね。

要は如何に音を集中して聞くか、感じるかです。
何かの機会に調べて見たい物です。