2009年12月20日日曜日

今年感激した一番のコンサートは

コンサートねたを懲りずにまた一つ。

今年のコンサートで一番感激したのは?
話し合って決まったのは...
東京銀座に有る王子ホールのトイレットペーパーの柔らかさ!
トイレから出て来た妻が興奮して言った...
世の中にこんなに柔らかい紙が有ったなんて...でした。

王子ホール、そうです王子製紙の本社ビルの中にあるホールです。
企業の取り組みとして音楽活動を啓発している様です。

コンサートの出演は大好きな五嶋みどりさんでしたが、
触覚が聴覚を上回った結果と言う事で決まりました。

ネットで探したら(キーワードは紙とコンサートホール)、
やはり変人がいるもので何処かのブログでランキングがありました。
やはり最高は王子ホールで最低は何とサントリーホールでした。
日本でも最高峰のホールの一つなんですが硬い紙だそうです。
うーんと考えてしまいすが休憩時のワイン(有料)は美味しかった。

因みにこの柔らかい紙は非売品だそうですが、
市販で8ロール6500円もするお宝の様な紙が何処かの
最高級ホテルで使われているそうです。
セレブの世界はそこまで違うのか!

さて来年のコンサートの一番は何になるやらです。


2009年12月14日月曜日

今年最後のコンサート

今年最後のコンサートは東京オペラシティーホールで行われている
クリスマス/アヴェマリアと言うタイトルの名曲を選りすぐったものでした。


ここ数年はヴァイオリンとチェロに特化したソリストのリサイタルを
いささかストイックな聴き方をしているのですが、
今回は年末と言う事もありクリスマス/アヴェマリアと言うタイトル通り名曲の
美味しいところを厳選した演目でただただ楽しく至福な時間を過ごす事が出来ました。


名門サンクトペテルブルグ室内合奏団の演奏と二人のソプラノ歌手が出演します。
第1、第2ヴァイオリン/ヴィオラ/チェロ/コントラバス/ハープの総勢19名の構成です。


バッハのG線上のアリア/バッヘルベルのカノン/アルビノーニのアダージョ/
ヴィヴァルディの四季など誰でも何処かで聞いた事の有る様な有名で身近な曲が
十数曲が次から次と流れて何と心地の良い事か。


4列目の中央の席の目前に広がる弦楽のハーモーニーの美しさと言ったら!
皆さんも聞き慣れているこれらの曲を生演奏で聞いてみては如何でしょう?
きっともっと素晴らしい素敵な発見になると思います。
演目からか、子供から年輩までいつものマニアックな聴衆とは違って家族的な雰囲気も
大変和らいだ雰囲気で好印象でした。


中心となったソプラノによるG.カッチーニ/バッハ/シューベルトによる
3大アヴェマリアは特に素晴らしかったです。
人間という楽器の美しさや表現力にはただただ驚嘆するばかりです。
最近ハマっているG.カッチーニのアヴェ.マリアには思わず涙腺が緩みます。


アンコールで”あかとんぼ”が流れると多分年輩者かと思いますが回りから
すすり泣きが...


もう5,6年は弦楽器再生を最優先にしたスピーカーの音作りを研究してきましたが、
一応の満足すべき成果を得られたと考えて、来年度からはピアノと声楽を加えた
コンサートに通って勉強しようと考えています。


ピアノはシンフォニーでも室内楽でも聞く事は勿論多く有った訳ですが、
声楽は数える程しか経験が有りませんでしたので凄く楽しみです。
今回のソプラノでも一人の方のウエストは間違いなく1mは超えていると思う様な
体型でしたが、その音像は口の大きさそのもの、ほんとにピンポイントに聞こえます。
そこから無尽蔵の様に空気大砲が飛び出して遙か後の標的に向かって声が飛びすぎて行きます。
曖昧に聞いていた声楽の再生音との違いを見せつけられましたが
さてその境界をどの様に埋めていけばよいのか....


弦楽器は演奏者が携帯するし、声楽は勿論の事なのですが、ピアノは特殊な事が
無い限りはホールピアノを使いますので、先ずは気に入ったホールとピアノを
探す事から始めないとなりません。
音楽はど素人の私の勉強が続きます。



2009年12月7日月曜日

ヴァイオリンリサイタル

今日はヴァイオリンのソリストで竹澤恭子さんを初めて聞いてきました。


例によって一番前で聞きました。ホールトーンに負けない楽器その物の音を聞き分ける為です。


彼女の正確な年齢は知りませんが小娘で無い事は間違い有りません。


演奏も落ち着いていて抑制の効いた聞いていて安心感の有るスタイルで好感を持てました。


曲目はブラームスのヴァイオリンソナタ1番から3番までの全曲です。


メロディーラインの綺麗な曲とは違い、かなりマニアック好みのする曲でしたので


好き嫌いの分かれる曲と思いました。


彼女のデビュー20周年の集大成となる作品として選曲したそうです。




さて、曲や演奏技法などはこの辺にして目的の主である音色(音質)の方はどうであったか。


楽器は1710年製ストラディヴァリの”カンポセリーチェ”です。


音量は流石に十分あり、音のフォーカス点は席順で10番目くらいか?と想像しました。


1番目の席では音が通り過ぎて行く印象です。


音像が実物大のヴァイオリンよりも遙かに大きく聞こえるのは十数台聞いたストラディヴァリの中では


初めての経験。一番良く聞いている五嶋みどりのガルネリは距離に関わらず等身大の音像の中から


あらゆる響きが飛び出して来ますのでかなり違和感が有りました。


このまま録音したら再生装置側でどんなに苦心してもピンポイントの等身大音像なんか再現できっこありません。


また、大きな音像の中からあらゆる響きがバラバラに出てくる印象も持ちました。


数ヶ月前に同じホール、同じ席で五嶋みどりを聞いていますから間違いない差だと思います。


これの優劣は私には分かりませんが他の多くの楽器と違うと言う事は理解できました。


この差は演奏技法の差では無くて楽器の個性と思うのですが...


生で聞いて楽器の差でこんなにも違うのだからCD等だけ聞いて音質の判断をしようと考えるのは


かなり危険な事だと改めて思いました。


こんな時にはやはり悩んだとしても生演奏を聴いてみて良かったと思います。


但しこれは職業的にスピーカーを製作している立場から誤った判断でチューニングしないようにとの話であり、


一般ユーザーが好に従って聞かれるのは全く問題無い訳でありまして、


それが私的オーディオ再生/音楽鑑賞の楽しみであります。


ただもう一言...お客様の話を聞きますと生演奏を一度も聞いた事が無い方も多く居られるので、


ケーブル1本アクセサリーを買ったつもりでコンサートに脚を運んで見るのも良いのではと思ったりもします。







2009年11月29日日曜日

SONGS

ブルーレイで録画してあったNHKのSONGSという番組で
井上陽水を第一夜から第三夜までを今し方見ました。
高画質/高音質で見られる地デジには感謝感謝です。
他にも大好きなアーティストが出演しているのでワクワクです。

最近はこの種の一人のアーティストに着目して、
その魅力を引き出す、知らない人達への衆知を計ると言う面でも
大変素晴らしい流れと思います。

現在のごく一般の家庭では地デジTVはかなり普及して
いると思いますので高画質で観る事は普通になっていますが、
高音質という面では如何でしょう??

TVにサラウンド装置を接続して聞いている方も多いと思いますが
それでも簡易な装置が多い事と思います。
職業柄、技術的に評価してしまう辛い面もあるのですが、
私などは数百万円の装置で鑑賞している訳です。
言える事はその様な装置で聞くと地デジやハイビジョン放送の
品質は相当なレベル(CDと同等かそれ以上)で楽しめる
と言う事です。

皆さんも是非ブルーレイやハイビジョン放送対応のTV内蔵レコーダーで
録画をして楽しんで欲しいと思います。リアルタイムで観ても勿論OKです。
たまにある5.1CHサラウンド放送なら尚更です。
それは生涯の宝となると思います。

翻って市販のCDは問題大なのです。
今や一般家庭の再生装置にはシステムコンポ(中級ステレオ)
などは既に無く、ミニコンポ(簡易ステレオ)が有れば良い方。
ラジカセさえ無いのが当たり前です。
若者は携帯音楽プレーヤーでダウンロードして聞いています。

そこでCDを製作する側はどうするか?
良い装置で聞いて貰えないのだから、粗悪な(失礼)装置でも
聴き応えの有る音作りをしたCDを苦心して製作販売します。
まるで良くない材料で作った料理をスパイスや調味料で
整えて何とか食べられる料理みたいな物です。

私や同じ趣味を持つ方達がそれらのCDを聞くと
10秒と聞くに耐えられないものになっている物が大多数です。
特にJポップスにその傾向が強いのです。

でも地デジやハイビジョン放送は高品質で放送されていて
スパイスをまき散らす悪い輩が入り込む余地がないので
良質な音楽を楽しむ事が出来るのです。

井上陽水のCDは何枚も持っていますが、
昔に海外出張で携帯CDプレーヤーと超小型スピーカーの
組み合わせで聞くだけでした。
まともな装置では聞くに耐えないのです。

SONGSで聞いた”いっそセレナード”や”とまどうぺりかん”
良かったですね、感動します、還暦を迎えた人とは思えないです。

 

この記事はmixiで書いた日記を再掲載したので、

これを読んでいただける皆様は既にご承知の事と思っていながら

書き込んでみました。

 

昔流行ったサンパチ2トラやカッセットテープでエアチェックしましたね。

今度は地デジやハイビジョンなどのTV番組がソース源です。


2009年11月28日土曜日

フルデジタルチャンネルデバイダー

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試作を重ねて来たプライベート用JazzMachineが完成型として少し形が出来て来ました。


音の目標は学生時代に夜な夜な通っていた六本木ピットイン(ジャズのライブハウス)の


最前列テーブルに陣取って水割りを飲んでいる気分です。


ドラムスが腹に響かなきゃ駄目、ピアノのハンマーの音が頭にこつこつ当たらなきゃ駄目、


アルトが吹き付けなければ駄目、クライマックスでもベースの響きががっちり聞こえなきゃ駄目。




それを38cm2発/MId-Lo30cmを持てない程の極厚平面バッフル+フロントホーンで


Midを2インチコンプレッションドライバー+オリジナルウッドホーンで


Hiをホーン形で


サブウーファーを46cm2発で


スピーカーのシステムはこんな具合ですが未だ平面バッフルしか出来ていません(汗!)


Jazz専用ですが上手く行けばシンフォニーも聴けるかも(結構期待している)


スケールが無いのを有る様に豊かに想像している実はチープな聴き方から卒業したい。




そんなシステムをまとめるのは大事です。L/C作ったデバイディングネットワークで作ったら


いつ完成するか分かった物では有りません。コストもべらぼうに必要です。


それでこのJazzMachineはデジタル機器で駆動して見ようと考えました。


1970~1990年代のユニットを最新のデジタル機器で駆動するのも面白そうです。


最終的にはアナログ信号はアンプの出力だけと言う形になるかも知れません。




いわゆるマルチアンプ方式で構成するわけですが、チャンネルデバイダー(以下チャンデバ)には


オーディオ専用では無くスタジオ機器を使います。なにしろ安いのです。


最初はアナログ式チャンデバ、次ぎにデジタルチャンデバ、これだけでも昔に比べたら途方も無い程に


便利で自由に設定が出来ます。駆動するアンプもピュアオーディオでは無くてシアター用の


AVアンプを使います。今時は10万円以下で100Wのアンプが1台に7chも入っているのです。


取り敢えずは音質の悪いのは置いておきます。


ごく最近までこの構成で聞いていました。迫力だけは結構あります。




そこに掲題のフルデジタルチャンネルデバイダーが登場する訳です。


一部のマニアやショップでは使っていたようですが知名度は有りませんでした。


そこに海外製のDEQXという物が入って来てマルチアンプシステムのオーナーさんにショックを与えました。


従来のチャンデバの機能は当然持ちながらスロープカーブがなんと300dB!!とか


ユニット間の時間軸や群遅延時間を補正して、更にはリスニングルーム内の定在波等を測定補正して


理想的な環境を得る事が出来るという夢の様な機材が登場しました。




ウッドウイルの大事なお客様も使っています、そのシステムも聞いてきました。


L/Cネットワークで聞いている方はオーディオ人生を考え直した方が良いですよ。


従来のアナログチャンデバ使っている方も同じくらい考え直した方が良いですよ。


ウッドウイルも当然考え直さないといけません。




DEQXは良いが高い、使い勝手がいまいちと考える技術者の方が居られます。


偶然にもウッドウイルのお客様です。その方が開発したフルデジタルチャンネルデバイダー(SSC)を


JazzMachineに採用してシステムを組んでみました。


ホームページのJazzMachineの項を見ていただければ幸いです。


http://www.lcv.ne.jp/~woodwill/JazzMachine-complete.html




JazzMachineは未完成ですので未だ限定的な事しか言えません。


例えば映画のベンハーに出てくる戦車の競争シーン。


人が乗る小さな馬車見たいな荷台に馬を何頭もつないで高速でトラックを回って競うのですが、


何れも優秀な馬ばかりで調教がないと暴れてコーナーを早く回れません。


SSCが無い時には調教前の馬達、元気で興奮していなないていますが統率が取れずにいます。


SSCをつなげば整然とスタートダッシュして高速でコーナーを回り安定してレースを終了する。


そんなイメージでしょうか。大きなシステムですが音像は小さくなりました。









2009年11月15日日曜日

五嶋みどりリサイタル

スピーカーをチューニングする時の音色の中でバイオリンの音は五嶋みどりさんを参考にしています。
彼女のCDは全て収蔵して、日本公演の時には聞きに行って音色を耳に焼き付けています。
そんな五嶋みどりさんが昨晩、地元松本市でリサイタルを行いましたので聞きに行ってきました。


年の殆どを海外公演で費やし、 日本には恒例の年末年始以外は来れる年とそうでない年とがあり、
世界のみどりを聞くのは実は大変な事なのですから幸運でした。

NGO活動もしていて、その活動資金のプライベートなコンサートでは
間近で聞けるという夢の様な経験もしました。

彼女の演奏を聴いた人がよく言う言葉で、度肝を抜かれた、腰が抜けた、 圧倒されて言葉も無い!。
ちょっと何の事やらさっぱり分かりませんね。
私流にもうちょっと説明するとバレエで例えればプリマバレリーナの様に美しく華麗に舞うかと思えば、主役男性の様な圧倒的な力強さやアスリート的な運動能力も表現。シリアスな場面ではまるで真剣で斬り合いでもしているかの様な緊張感と体の動き。

曲や音色が綺麗で感動するという次元を超えてしまって、 曲の世界や物語が聞いていて見えて来るし想像できてしまう。 音楽ってこんな世界を感じる事が出来るのだと気づかせてくれるんだ と思わせるのです。

やっぱり訳の分からない説明になりましたが、聞く毎に強烈な感動やインパクトを
受け取っている事だけでも解っていただければ嬉しいです。
コンサートで良くある咳払いなどの観客雑音はみどりさんの場合、
殆ど途中から無くなります。引き込まれてしまうからだと思います。



2009年11月9日月曜日

Markaudio社ユニット搭載の2Wayスピーカー発表

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久々の標準品の発表です。


ユニットの外観はジョーダンに似ています。それもその筈でそこでのユニット開発エンジニアが独立した


会社のユニットです。このシステムに採用したのは約13cm口径のウーファーと7cm口径のツイーターです。


どちらもフルレンジとして使える帯域幅の広いユニットです。


特徴である金属振動板と敢えてダイキャスト等の金属フレームを使わずに特殊樹脂製のフレームなど


細部に拘った職人肌の強いエンジニアが作り上げたスピーカーユニットです。


拘りでは当方も負けてはいません、個性的では有りますが素晴らしい再現性を持つこのユニットを


どの様にシステムにまとめるか、ウッドウイルのスピーカーシステムの能力を高く買っていただいているので


ユニットは供給していただきましたが、エンクロージャー製作からネットワーク設計、総合チューニングに


約1年間を費やして完成させたシステムです。


ウイング等の無垢材によるラウンドエンクロージャーを搭載したシステムには流石に及びませんが、


そこまでのコストをかけずに比較的手頃な価格帯で他を圧する音楽再生を実現できたスピーカーシステムと


思っています。


このシステムはMarkaudio社にてユニットのデモとして使われる予定です。


是非ウッドウイルの試聴室にて聞いてみて下さい。



ミッシャマイスキーリサイタル

11/3の東京オペラシティーホールでミッシャマイスキー(チェロ)と伴奏の娘さんのリサイタルを見てきました。


今度で3度目の彼のコンサート。


プログラムは全般にスペイン民謡組曲/ドビュッシーチェロソナタの長めの曲が続き、


休憩後には有名名曲を何曲もメドレー調で演奏する、普通なら前半/後半が


逆のパターンで構成しそうな編成です。


その為か、演奏終了後の拍手も今一つ元気が無い。


それでも氏は日本好きでサービス精神旺盛ですので何と4曲もアンコールをしてくれました。


アンコール途中の方が余程拍手が大きかったのは何故?


スペイン民謡組曲は他のプレーヤーで聞いた事が有りましたが曲表現の深さはまるで違いました。


今回の曲の中には今まで見た事も聞いた事も無い演奏技法をするものがありました。


白髪の天使の様な優しさと優雅さの顔を見せると思いきや、


悪鬼がチェロに取り憑いたのでは!と思うような壮絶な演奏も有りました。


弓が弦に触れるか触れない様な微妙な奏法でもホール内に音が満ちるのは圧巻です。


いつもの事ながらその音色を心に刻もうと必死になりますが、


只聞こえている音にも実は何重にも重なったハーモニーが有る訳で、


その1枚、1枚を剥がしながら別個に聞き取れればと願い挑戦し続けています。


マイスキーはその重なった枚数が大変多い様に思います。


娘さんのリリィ.マイスキーも父との息がぴったり。


何しろ父があの容貌ですからかなりエキゾチックで20代前半でも30、40代の雰囲気を持っています。


又聞く機会もきっと有る事でしょう。


マイスキーはやはり長い曲をじっくり聴きたいと思った今回のリサイタルでした。









2009年11月8日日曜日

歯科医院の音響装置

東京は銀座のど真ん中にある歯科医院のスピーカーを製作設置しました。


旧場所は学生時代に何度も通ったビアガーデンの有るビルでした。


取り壊しになるので移転する事に。


クラッシック好きのドクターの希望で良質の音楽再生をする装置を新医院には設置したいとの事。


天井に埋め込んだエンクロージャーに天井室内側から取り付けた2個のスピーカーでステレオ再生を!


ユニットに(+/-)60度の指向性能が求められます。


設置工事を伴う仕事もユニットを改造する仕事も初めて。


ウッドウイルで活動している原点はお客さんに喜んで貰うことです。


設計製作/試聴/実測と試行錯誤して何とか完成させました。


治療室の何処で聞いても綺麗な弦の響き、ピアノのほとばしるアタック音、


ソプラノの透き通る優しく美しい声が聞こえます。


この種の建物(商店/飲食店/その他)でこんな優れた音を聞いた事はありません。


ここに通う患者さんは幸せです。


HPに詳しく、医院の場所も掲載しています。



2009年9月5日土曜日

鉱石ラジオと松茸

8月の後半に親しい近所の方が息子さんを連れて家に来ました。



夏休みの自主研究で鉱石ラジオを製作したのだが鳴らないので見てくれと。



お父さんの方が入れ込んでおり、部品はクリスタルイヤホン以外は



センタータップ付き(選局用)の手巻きコイルにゲルマニウムダイオードを使わずに黄鉄鉱を



探し出して来て使った手作り色の強いかなり原始的な物です。



息子さんは想像以上に手こずっているので既に惹き気味(笑い)。



コイルが一部ショートし、黄鉄鉱のダイオード機能が不備で必要なパーツを教えて



再挑戦してはとアドバイスしました。



私は小学2,3年生の学研の科学の付録で鉱石ラジオを作り感動しました。



どうして部品3個で放送が聞こえるのか不思議で不思議で。



その体験が私の一生を決めた事は間違い有りません。





今朝早くそのお父さんが家に来て、今年初物の松茸を採ってきたからと



形の良い松茸を2本も頂戴して、たった今ですが松茸ご飯と松茸の吸い物を



いただきました。家中に香しき松茸の香りが漂っています。



皆さん、出来る事はやっておくものですね。



あー美味しかった。









2009年9月4日金曜日

トンボが今年も来ました

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昨年は何故か”オニヤンマ”とスカイラインGTRに乗った友が殆ど同時にやって来ましたが、



今年は名前の知らない緑の綺麗なトンボ君が秋の気配と同時にやって来ました。



掴まっているのはウッドターニング(木工旋盤)用の刃物の柄(因みにイチローが使っているバットと同じ素材)です。



しばらく休んでいていつの間にかいなくなりました。



ギンヤンマ君も来たのですがあっと言う間に通り過ぎてしまい撮影できませんでした。



誰かこの緑トンボ君の名を知りませんか?



2009年8月11日火曜日

N響チェリスト藤村氏来られる

ウッドウイル作品の中でも最高峰にランクされる”ウイング”や”Model Aoki”などの
100%無垢材積み重ねラウンド方式スピーカーシステムの音作りの最重要ポイントは
弦の音をリアルで美しく綺麗に楽しめる事です。



そのチューニングのリファレンスとなる音はバイオリンのソリスト五嶋みどりさんの演奏と
”ガルネリ作のデル・ジェスの響き”。
チェロはNHK交響楽団の次席チェリストであり、ソロ活動や独自のユニット等で活躍されている
藤村俊介さんです。氏の楽器は未知ですが何でもベネチュアで1700年代に製作された歴史的名器と言う噂です。



両氏共に数年前からホールトーンに包まれる事の少ない小ホールで至近距離から直接音を聞く事が出来る
幸運に恵まれています。音楽を楽しむのならいわゆるSS席辺りで聞くのが良いのでしょうが、
当方はスピーカーから出る音の評価として敢えて演奏ノイズも加わる至近距離で聞いて
その音色を心に焼き付けて音作りの糧としている訳です。



藤村氏も言っておりましたがレコーディングでは生音よりも綺麗でまとまった音となる操作が
加わる為に、生演奏時の至近距離のそれこそ生々しい音は聞けないのだと。
つまりCDの音に合わせた音作りでは楽器本来の音は表現できない、
生の激しく圧倒する様な音を表現する能力を備えておれば、レコーディングされた
おとなしい優しい音??は余裕を持って再現できる。そんな風に考えての音作りです。



そんな背景の中、藤村氏の演奏する地元ホールのスタッフが氏の音をスピーカー作りの参考に
している人がいると紹介下さり、大変興味を持たれて今年の演奏会後にお話をする機会に恵まれました。
CDを発表していて、ユーザーがどのように再生して聞いているのかは常に気になっていたとの事です。
是非試聴に行きたいと言って下さり、それが先程実現いたしました。



さて、大変です。私の音作りのベースとなる方が来られるのですから。
数曲聞いて、では失礼しますなどと言われたらどうしよう(どうも気が小さい)。
面白い物で、氏の来られる前には試聴機材などをグレードアップするチャンスが
幾つも重なりました。



.軽井沢でのWRアンプ試聴で発見したウイングの隠れた再生能力の発見。
.常用アンプ用自作改造電源内の音楽専用トランスの供給を受けて飛躍的向上を見たアンプ。
.上記常用SATRIアンプの最新型やCDプレーヤーを比較する為の上級機を貸し出して下さったお客様。
.試聴室専用商用電源の改造や各種のケーブル類、インシュレーターに至る迄の再評価とグレードアップ。
.それらの相乗効果でウイングの音質改造に成功する。
.チェロを再生するにはベストのスケール感を持つ納品済みの”Model Aoki”を借用させていただき、
 更にチューニングを施しグレードアップさせる(お客様は喜んで承認下さった)。



そうして迎えた藤村氏の試聴でした。
大学生の夏期合宿講師として来られている限られた貴重な時間の合間での約1時間強程の事でした。
自分のCDを聞くのは恥ずかしいなどと言いながら少しだけこま切れに聞き出しました。
レコーディング時には演奏技法の極限に近い弓使いをしていて、その限界直前の音を聞き取れる事、
その時には腕が緊張を強いられ筋肉が強張るがそれを感じ取れると。
師として尊敬する鈴木秀美氏のバッハ無伴奏を聞いた時には、私にはゆったり心地良く聞こえますが、
師の緊張感と存在感に圧倒されるなどと言われていました。
何点か質問した中の回答として次回に演奏しながら答えましょうと再度試聴に来たいと言っていただきました。
最後の感想として、野球のバッターが球を打ち放った後では無く、今まさに球に当たる瞬間の緊張感を
感じられるとの言葉を残して返られました。



全ての感想を理解する事は出来ませんでしたが、プロの演奏者ならではの感想には只驚くばかりでしたが、
少なくとも興味をつないでいただけた事は間違いなさそうで安心しました。
藤村氏は何の気取りも無く自然体で気さくにお話の出来る方でしたが、
次回は更に深い所まで突っ込んだ話が出きればと期待しています。



その夜は緊張から開放され気分転換にとレストランに出かけました。
そうしましたら集中豪雨と落雷が重なり停電に。(日中で無くて良かった!)
静かにキャンドルサービスでのゆったりした食事を楽しむ事が出来ました。





2009年8月3日月曜日

JBL ランサーL101がやって来た

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仕事で知り合ったアマチュア楽団で活躍されている方、物欲が失せたので大事に使ってくれるならと機材を譲り受けました。その中に民生用のJBLランサーL101が含まれていました。



中学高校時代は真空管アンプを作り続け、アナログプレーヤーもスピーカーも自作でした。当時の国内スピーカーメーカーには御三家(パイオニア/トリオ/山水)があり、パイオニアを含めユニットメーカーも多くありましたのでコーラルやオンキョウのユニットを組み込んでは音作りに明け暮れる毎日を過ごしていました。



高校では電気店で修理のアルバイトをしていた関係で地元オーディオ専門店と通じて、上客向けの展示会などに顔を出していました(高校生で!)。上記完成品スピーカーメーカーには私を満足させる様な製品は有りませんでした(ハイエンド機は別でその存在を未だ知りませんでした)。パイオニアは音が丸く切れが無い、トリオはやたらとユニットが多く4Way、5Wayなどでまとまりが無く、山水は皆腰砕けで張りが無い、などと評論家気取りで聞いていました。唯一違うのはコーラルのBETAシリーズのBHシステムでした。



そんな展示会のある時に国産機の試聴が終わった最後に大人二人がそんなに大きくも無いスピーカーを重そうに運んで来ました。特別に試聴できる機会を得たとの事でした。鳴らし出した瞬間に頭にガツン!!と来ました、こんな生々しく鮮明な音はきいた事が無い。国産のスピーカーがゴミに感じました。それが初めて知る米国のJBL-L101-Lancerでした。ミルトジャクソンのヴィブラフォンが目前に潤をしく迫り、シェリーマンのドラムが踊り出します。



それ以後あの音を追って貧乏高校生は工夫を重ねて本格的にオーディオにはまり込んで行くのでありました。以後、完成品スピーカーを買った事は一度もありません。BHで低音の迫力を追い、平面バッフルで中低域のクリアーさを追う、個人的な音作りは今もあまり変わらない様です。今ではJazz MchineでL101以上のユニットを揃えていますが、その原点は変わらないのです。



そのランサーL101が我が家にやって来たというのは何という巡り合わせ。当面はホームシアターのメインスピーカーとして活躍して貰います。セッティングが終わり、当時と同じ曲をかけたのは言うまでもありません。





2009年7月21日火曜日

マイケルジャクソン

こんなにYouTubeを見た事は今まで有りませんでした。それはマイケルジャクソンの映像と音を探す為です。モータウン25周年記念で初お披露目となるbillie jean曲中のムーンウオークや最高の盛り上がりを見せるマイケルジャクソン30周年コンサートはその中でも最高のものでしょうか。billie jeanで見せる踊りや楽曲はストイックに完璧を求める者を感じます。幼少から鍛え上げる事でしか完遂できない演奏家やバレリーナ、用具を体の一部として競うアイススケート選手などのアスリートに思えてなりません。DVDを探して買ったりBS放送を録画しては見まくっている為か、今朝などは夜明け頃から頭の中が”dangerous、dangerous、dangerous”と鳴っています。最近は負のイメージが強かったのですがポップスのキングという称号の彼がもういないのかと思うと残念でなりません。前述の30周年コンサートの観客の反応は今まで見た事も無い様な種類の盛り上がりでTV鑑賞していて涙が出るくらい感動します。



http://www.youtube.com/watch?v=ogq8AAY0RKY



http://www.youtube.com/watch?v=oZZQ6aEl3aM&feature=related



1973年に東京音楽祭と言うのがあって、ゲストにジャクソンファイブが来ていました。帝国劇場で行われましたが、大きなイベントには納入業者が事前点検に入り、本番にも備える事が要求されてモニター室からこの様子を見ていました。関係者は出演者を声量で判断する変な基準があり、未だ若かったマイケルジャクソンの声がレベル計を振り切って慌ててエンジニアが調整するシーンが有った事を懐かしく思い出します。あぁ、あんな若い頃からトップ目指して頑張っていたんだ!そう思うとその凄さを改めて感じている今日この頃です。







2009年7月13日月曜日

深夜の散歩で蛍が

少し飲み過ぎたのとマイケルジャクソンのMTVを見過ぎたのと



50インチプラズマTVの為に部屋が熱いので寝る前にクールダウンを



兼ねて深夜の裏庭(地元の水田)散歩を懐中電灯もって夫婦でしてきました。



こんな夜中、獣以外にはきっと誰にも会わないよねとのんびり歩いていました。



雲に隠れてはいますが月明かりがほんのり明るく歩くのに不自由はないのでした。



歩いていると道の脇の水田の用水路にポッと明るい点が、



その回りにも数点あります、蛍さんでした。



獣?では無いけれど可愛い動物に会う事ができました。



標高1100mのこの辺りは7月末頃が見頃なのですが気の早い彼らは



ほろ酔いの私達を充分楽しませてくれました。



自宅から1分での場所です、贅沢だなと最近思う様になりました。





2009年7月5日日曜日

霧ヶ峰+レンゲツツジ+グライダー

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ビーナスラインを通って工房から3~40分ほどで標高1800~2000mの車山に着きます。



車山はスキー場で有名ですね、山頂には富士山観測ドームレーダーが移設されています。



リフトで山頂へ出て、霧ヶ峰迄の2~3時間を下りだけの快適?ハイキングをしてきました。



その間は全て満開のレンゲツツジが迎えてくれて綺麗綺麗。



後2,3週間すると日光キスゲに代わって全体が黄色くなります。



エアコンの名になる程有名ですから夏でも涼しく、霧の名所でもあります。



画像の遠くの道路見たいのはグライダーの滑走路です。



高原で風や上昇気流が強く、日本のグライダー発祥の地と言われています。



歩いていますと音もなく頭上を滑空する姿には見とれます。



昔見たスティーブマックインの”華麗なる賭け”を思い出しもします。



もう一つの見所は山野鳥です。高山帯で高木が無くて草地に所々に灌木が茂り、



そこに止まってさえずるので直ぐに見つける事が出来ます。



双眼鏡で覗くと可愛い姿に自慢の喉、入り組んだ高原の峰々が綺麗な背景となった



ボカシが効いて更に鳥さん達が綺麗に浮き立ちます。



帰りは定期バスで車山まで戻り、マイカーで帰る半日のお楽しみ。



朝起きて天候を確認してから出かける事の出来る楽しさ。



都会の便利さとは無縁ですがこんな贅沢が出来ます。





2009年6月11日木曜日

五嶋みどり活動報告会コンサート

ヴァイオリンの音色を確認する為のスピーカーのチューニングには主に五嶋みどりさんの演奏と使用楽器のガルネリ.デルジェスの音色を参考にしています。



その様な聴き方の理由から大ホールで聞くとホール音の響きは心地よくとも楽器の直接音が分からない、演奏ノイズが入ってでも近くで聞きたいとの願いがあります。



彼女の運営するNPOの一環として行われる国内外の子供達に音楽を届け、若手演奏家を支援するなどの活動の報告と活動で一緒だった演奏家が集まり、年に1回は掲題のコンサートを開催します。



その会場は中小のコンサートホールが使われる事と、会員は早くチケットが入手できる事などから最前列で毎回聞く事が出来、大変貴重な機会となっています。



演奏曲はシューベルト/ハイドン/ドビュッシーの弦楽四重奏曲他で、途中は若手を引き立てるためにみどりさんは第二ヴァイオリンも担当しますが、その音色や演奏パワーや情熱で第一ヴァイオリンが霞んで見える程でした。



毎回思うのですが、このガルネリの力強く繊細で圧倒的表現力を持つ音色が再現できればストラデヴァリや他の綺麗で優しい音色も再現する事が出来るのでは思うのです。その逆は無いだろうと今は思うのです。



秋にはヨーヨーマとフルオーケストラを従えた公演がありますが何時も上記の理由を考えると躊躇してしまいます。S席の価格も超有名公演のオペラ並みですから。



今回は楽しいハプニングがありました。音楽家でもあり親交の深い司会者がみどりさんにお願いがあるとの事、頬にキスさせて!後ずさりするみどりさんに思いを遂げて客席は大喜びです。少しお堅いイメージのみどりさんも耳を真っ赤にして照れながら声がうわずって報告している姿が印象的でした。世界を駆け回る超一流アーチストの素朴な一面ですね。







2009年5月31日日曜日

藤村俊介チェロ演奏会

今日は地元小ホールでの藤村俊介さんのチェロ演奏会を聞いてきました。



毎年この時期恒例のコンサートで聞くのは今年で4回目となりました。



藤村俊介さんはN響の次席チェリストでオケは勿論、ソロや独自のユニットを組んで



精力的で活発な音楽活動をしています。



小ホールではいつも正面で聞いています、それも右手の弓使いと左手のネック使いが



首を振らないと視界に入らない?距離で聞いています。



この距離では演奏技法によるノイズ(ネックの弦を指で押さえる音等々)や呼吸音など



大中の音楽ホールでは聞く事の出来ないリアルな音を聞く事が出来ます。



生演奏は素晴らしい事は当然ですが、やはり生々しいのです。



この音、全てを心に刻みながらその再生を狙って製作したスピーカーが”ウイング”です。



今日は雨が降る湿気の多い日でしたので演奏前半は楽器が鳴っていませんでした。



後半のメインの曲には楽器も暖まり目覚めて本来の音を奏でてくれました。



ウイングの音をいつも聞いているとそれくらいは分かる様になりました。



演奏は素晴らしく何時しか何も考えずに音楽の世界に没頭してしまいました。



この環境で聞いている幸せに何度も目を開けて確認したものです。



このホールでは7.8年前から新作発表会を行ったりでオーナーさんやスタッフとも顔見知りと



なりまして、私が聞きに行く目的の半分(作品のチューニング)を藤村さんに紹介して



いただけて初めて話をする機会に恵まれました。



その様な目的で聞いている方が居ると言う事に驚かれ、スピーカー作りに興味を持たれ



近い内に工房を訪れてくれると言う嬉しい言葉をいただきました。



私の音作りの核心をその本人である演奏者にチェックしていただけるなどは夢の様です。



実現したら是非とも皆さんにご報告させていただきたいと思います。











2009年5月21日木曜日

新型インフルエンザとコンサート

地元の小ホールで5月末にチェロソロコンサート。



6月初めに少し遠い(愛知に近い)所の大型ホールでヴァイオリンソロ+フルオケコンサート。



6月中頃に東京銀座の中型ホールで室内楽コンサート。



何れも私がチューニングに使っている演奏者が出演します。



果たして無事聞く事が出来るのでしょうか?



今のところ何のアナウンスも出ていませんが。





私は普段は人に殆ど会いません。気難しいからです、嘘!。



その必要性が無いからなのですが、妻とクロネコの集配人さんくらいかな??



心配性だから新型ウイルス対応マスクと消毒薬を手配済みです。



でもきっと使うのは粉塵(木屑)対策かな?



今はネットで探しても売り切れ続出見たいですね。



この山の中で必要になったら日本中はどうなるんだろうかと少し心配。





芝浦工業大学 湯の丸高原寮の閉寮



芝浦工業大学 湯の丸高原寮の閉寮

大学時代はアルペン競技のスキー部に所属していまして合宿や居候に30年以上もお世話になって来た寮が閉鎖になりました。寮長夫妻が定年となった事と建物の老朽化も重なっての事でしたが、想い出が多いだけに残念でした。


ウッドウイルを立ち上げてからは休みなど何時でも取れそうで取れないのが自営の辛いところです。でも閉寮式には感謝の気持ちを込めて参加してきました。


写真は寮長夫妻と私(白上着)、同僚(黒上着)です。











 



以下は閉寮記念の記念誌に投稿したものです。私にも熱い若い頃があった訳です。




湯の丸高原寮記念誌発行に寄せて
お世話になった湯ノ丸高原寮
1981年電気工学科卒
Ⅱ部スキー部代表 柴田喜美雄
大学入学と同時に入ったⅡ部スキー部、先輩達の技量に驚き、来るシーズン合宿前に
何とか練習をと考えたのが湯ノ丸高原寮を長期間利用させていただき、
個人合宿をする事でした。事情を説明して学生課で許可をいただいた数日後の事、
湯の丸の寮長から電話がありました。一人での長期利用は面倒見切れないから
居候になさいと。決められた仕事を片づければ後は自由に練習なさいとの事です。
大学には許可を得たからと、言われるままに白銀の湯の丸へ着く事となりました。
荷物を置いてさてどうしたものかと思案していると何をぼやぼやしていると一括!
さっさっと滑って来いと言われて始まったのが湯の丸高原寮との関わりの始まりです。

Ⅱ部スキー部ではOBと現役の親睦目的の競技会を開催しており、各地で開催して
おりましたが、私が当地に居候している関係でアルペン競技に必要なコース設定等の
準備に都合良く、それ以降は本年2月迄の30数年間、競技会とスキー部の合宿として
利用させていただきました。居候も何代も続き、影響を受けて工学とは離れるも
寮長と同業を生業とする者や寮長夫妻と親戚関係となるOBも現れる程に我が部としては
寮と親密にお付き合いをさせていただきました。

私もその影響を受けた一人で長野県人となって20年近くになります。
忘れられない想い出の一つに寮長とスキー競技会に遠征参加し、転倒、頭部に軽症を負い
帰って来た寮での夜中の発熱、急ぎ地元病院のICU室に入院した時の事です。
その時寮長は大学を解雇になる事を本気で覚悟したそうなのですが、
実は気が付かぬうちに私は風邪を引き始めていたのだという落ちが付きました。

寮長はスキー指導員でありますから、これ程我が部にとって幸運な事はありませんでした。
私を含め、どれ程多くの部員が寮長に適切な指導をしていただいた事か知れません。
我が部では寮長夫妻を親しみと尊敬を込めて“とうやん”、“かあやん”と
呼ばせていただいています。幸いな事に寮は年毎に設備を改善させていましたが、
実は寮の快適性や利便性を向上させて来たのは寮長夫妻の暖かいもてなしがあった
からこそと強く思っています。

食堂から見たカラマツ林の若葉の美しさ、ベランダに遊びに来る野鳥達の姿とさえずり声、春一面を覆うレンゲツツジ。じいやん(寮長の父)らが始めた三方が峰のコマクサ再生や
池の平の高山植物群。早朝登山中にカモシカと一緒に歩いた事もありました。
四季折々の素晴らしい自然が何時も私達を厳しくも優しく迎えてくれました。
そんな環境を提供してくれた湯の丸高原寮と大学に感謝の気持ちで一杯です。

Ⅱ部制度が無くなり我が部も廃部、今後はOBの親睦団体として活動する事に。
湯ノ丸高原寮閉寮とも考え併せると時代の流れかとは思いますが、寂寞の思いに
強く囚われるのは私だけでは無いと信じます。

暴風雪の中、除雪していた頼もしいとうやん、いつも美味しい料理をお腹一杯食べさせて
くれた優しいかあやん。ありがとうございました。そして長い間ご苦労様でした。
私達は紛れもなく若く熱い思いを湯の丸高原寮で燃焼させていたのだと思います。




WRアンプの試聴して来ました

WRアンプという拘りの技術屋さんが作っているアンプがありまして、同県の軽井沢で試聴会が有るというので行って来ました。



お客さんにアンプを勧める事とウッドウイル常用アンプの機能チェックも兼ねての参加です。



機材も部屋もまるで違う環境でアンプの試聴と言ってもそこの環境でのアンプの比較程度しか判断できないので、特別にお願いして常用CDプレーヤーとスピーカー(ウイング)を持参して一般参加者が来る前にセッティングして聞かせてもらいました。



常用アンプの中低域の駆動力が少ないのは分かっていて、左右独立別電源や出川式電源を追加改造するなどしていましたが、やはりこの点は負けてしまいました。100点満点とすると30点は負けたと言う悔しい結果になりました。



自慢のウイングが今まで見せてくれなかった一面を見た(聞いた)のはいささかショックではありましたが、面白い事もありました。開催者がウイングを気に入ってくれてアンプの試聴会が終わった後にウイングの試聴会をしていただけた事です。



但し、下記参照URLで分かりますがアンプの試聴にはディナウディオの巨大なC4を使っていましたので、その後に小人の様なウイングでは圧倒的なスケール感の差で霞んでしまうのではと腹をくくって私が選曲しながら試聴を進めました。結果は意外にもC4に見劣りする事も無く堂々と朗々と鳴ってくれて存在感を示してくれました。下記はその感想の抜粋です。



WR-120M のデモが終了してリクエストタイムになったが、当日参加されたウッドウィル代表
の柴田さんがお持ちになった、ご自身の設計による10cmの超小型2ウェイSPシステムの試聴が行われた。超小型スピーカーだと、ディナウディオのC4を聴いた後で繋ぎ変えられると普通は音が霞んでしまうところだが、中々どうして立派に存在感を示していた。WR-120M は超小型SPにも効果絶大である。



来場者のお一方、WOOD WILLの柴田さん製作になるコンパクトスピーカー、
造りの美しさもさることながら、弦のつややかな響きには聴き惚れました。特注で作っ
て頂ける身分になりたいな、と思いましたが、夢はあった方がいいですよね。



http://west.river.jp.org/ 左メニュー試聴会をクリック



2009年3月17日火曜日

超弩級JBL38cmウッドホーン3Wayのその後

昨年の6月頃に納品に立ち会って、暫定的なネットワークにつないだ音を聞いて以来、



オーナー様は3Wayマルチチャンネル方式に替えてセッティングを進めて来ました。



興味津々、一応の完成を見たので聞きに行って来ました。



個人が組んだシステムには大物量作戦で組んだ億単位システムや何々年代の味を表現した



ヴィンテージ物レトロシステム、などとオーディオには色々な音が有る事を承知しています。



オーディオファンが良い音を求めて求道する基準となるべきリファレンスが各メーカーの



フラッグシップ機であるとするのならば、その基準を変える必要が有ると思いました。



試聴した感想としてはそう言うしか言葉が無いのです。



JBL9800K2に搭載しているユニットに当工房製のウーファーエンクロージャー、



中域ウッドホーン、高域ウッドホーンにCDトランスポート、D/Aコンバーター、



DEQXと呼ばれる室内特性を補正しながら300dB/octカーブのデジタルチャンネルデバイダー、



セミオーダーのモノパワーアンプ4台、に専用電源や選りすぐりのアクセサリー類。



JBL9800には地球上で2番目に高いK2の名が付いています。



JBL66000には1番のエヴェレストの名が付いていますが、



残念ながら地球には1万メートル越える山が無いのでこのシステムに付ける山名が無い。



その道のうるさ方のオーディオファンやプロの方が既に多く聞きに来ているらしいのですが、



皆さんその様な印象を持たれている様です。



私もそんな思いを深くして帰って来ました。



製作者としてはこれを越える作品を作らなければと思いますが、



しばらくはこの耳に焼き付いた印象を払拭するのに時間がかかりそうです。





オルゴールの共鳴箱

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久々にスピーカー以外の作品を制作いたしました。



小さな音しか出ないオルゴール本体の音を大きく響きを良くして楽しむ為の共鳴箱を製作しました。



ウッドウイルのこの地域全体は精密機械工業が発達していまして、この種のオルゴールの世界シェアが90%(1社で)という優れたものですが、今回の注文製作と直接は関連無さそうです。



スピーカーを製作しているので専門だから共鳴箱も作る事が出来るだろうとお客様から依頼されましたが、果たして実際にそうなってしまいました。



スピーカーは特定の帯域で共振しないように工夫しますが、この共鳴箱は共振する様に工夫しなければなりません。考え方は逆ですが同じ設計手法を用いる事が出来ました。



おもいっきり定在波を出す、それも大量に出た方が良いと言うのは、日頃ストイックに定在波を出さない様に設計するスピーカー製作からすればストレス発散になりました(笑い)。



サイズの限界が有る中で低音を出すのに大胆にフロントロードホーン方式を採用して、その効果が確かめられると嬉しくなり、結構楽しんで試作も本番製作も出来ましたし、試行錯誤するのも良い経験になりました。



事前に出張のついでなどにオルゴール博物館に行って実際に見聞きしてどの様な物なのかを検討を付けておいたのは勿論、完成後に近くの博物館で既製品と比較試聴してその出来映えを確認もしてみました。



自慢する訳では(しているか!)無いのですが、常に忠実度再生(ピュアオーディオ)に集中して音響製品を製作している者の耳には比較になら無い程の響きの差が有ったのは間違い有りませんでした。博物館の職員も、その様子を見ていた他の客も良いですねと言って下さいました。



はい!、とても楽しい作品製作となりました。





2009年3月5日木曜日

フェリシモ500色の色えんぴつ復刻版とディスプレー用ケース

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アメリカ大陸発見500周年記念??と言う事で1992年にフェリシモから500色の色鉛筆が発売されました。25色が一つの透明ケースに入っていて毎月20回に分けて送られて来ます。500色にはそれぞれ固有の色が命名されて説明本も付属されています。絵を描く事の好きな妻が購入しましたが、限定販売ですので使うと補充が出来ないので永久保存となりましてディスプレイする事となりました。



そんな訳でディスプレイ用の陳列ケースを製作させられた物が添付画像です。ウッドウイルの試聴室に入ると正面にあるので訪れた方には興味を持つ方が多くおられました。



何でも希望者が多くて最近になって再販売が決まった様です。当然かなとも思います。見ていたり、色の説明文を読んでいるだけで癒される気がします。ディスプレー用ケースを製作してと、訪れた事の有る方から言われまして関心の高さを確認しました。大きいので組立式にした物を用意しようかな?とも思っています。







2009年2月14日土曜日

若いオーディオファン

ウッドウイルのお客様の年代は50~60歳の方が殆どです。



そしてなぜか男性ばかりです。



最近、セール中の即納品をご購入いただいたお客様がいらっしゃいまして、メールのやり取りだけでは手作り品を手に入れるには作品の真髄に(ちょっと偉そうかな!)触れる事が出来ないので直接工房に行って作品を確認したいといいまして、中部地方から車で来られました。



当方は勝手に中年親父(失礼!)と思い込んでいましたが、何と20代の方が来られました。若い時に??買ったコンポのスピーカーがダメになりネットを探していてウッドウイルの作品のデザインが気に入って目が止まったとの事でしたが、実際に来てみて作品の設計ポリシーや工房を見ていただき試聴もしていただきました。



今まで聞いて来た楽曲に対する変化は無かったそうですが、奏者の微妙な奏法に音場感や再生音楽のリアルさに驚き、デザインに引きつけられた以上に音質にも満足したと言われてご注文をしていただき、来て良かったと喜んで帰って行かれました。



自分の感性から来る衝動に素直に反応して遠路はるばる来られた20代の若者、対応させていただいたこちらも熱くなる思いでした。







2009年2月13日金曜日

標準エンクロージャー完成

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ウッドウイルの標準エンクロージャーの仕様や組立工程や未塗装の発表を既にしていましたが、やっとピアノ鏡面塗装が完成しました。



応用例として直方体タイプC-30(内容積30L)には名機として名高い日立のLo-d HS-500の弟分であるHS-350のウーファーL201をL203に変更したレトロフィット(古い物を新しい技術で現代に通じる改良/改善を行う事)としました。



HS-500には内容積が50L必要で標準品では対応出来ませんが、年内には標準品の規格外特注として製作できそうです。ウッドウイル製HS-350も驚くような音を出しています。



応用例としてラウンドタイプR-20(内容積20L)には最近売り出し中の貴重な国産スピーカーユニットメーカーであるPARC-Audioの17cmケブラーウーファーと1インチ超軽量アルミドームツイーターを搭載した2Wayシステムに組んでみました。



こちらは最新型ユニットと100%バーチ合板を使用したウッドウイルの完全オリジナルラウンドエンクロージャーというやはり最新エンクロージャーとの組み合わせとなります。音質は素晴らしいとだけ言っておきましょう。機会が有ればお客様にコメントをいただく事といたします。



従来もバーチ合板製のエンクロージャーを注文製作していました。ラウンドタイプもオリジナル成型合板で製作していました。しかしどちらも完全注文製作で納期もコストも多く必要となり、多くのお客様に対応出来ずに苦慮していました。



この2年程の期間をかけて製造方法や工程を見直して従来よりコストで30~50%offを実現し。納期は常に3ヶ月以内納品(これでも遅いか!)を実現しました。



標準品と言ってもユニット穴径や位置などはお客様の仕様通りに加工してからの製作になりますので(ハーフ注文製作か!)他社の汎用エンクロージャーの様なバッフル板だけでの加工では有りません。他社とは基本性能の高さをまるで違うレベルで目指して製作していますので、この仕様にはハーフ注文製作は必須と考えます。



この標準エンクロージャー開発の過程で得たノウハウを基に標準作品の発表などを進めて生きたいと計画しています。







2009年1月2日金曜日

あけましておめでとうございます

皆様、あけましておめでとうございます。



昨年は大変お世話になりましてありがとうございました。



本年もどうかよろしくお願いいたします。



今年4月で開業9年目に入ります。



夢中で今まで突っ走ってきましたが、今年は少し振り返りながら



今迄に得たノウハウを基に色々な要求されるレベルについて品質、機能、コスト、納期などを



総合的に見直して作品作りを見直し、充実させて行きたいと思っています。



今年はその内容を少しずつではありますが発表、実行して行きたいと思います。



皆様の希望に添えるようにウッドウイルの基本姿勢であるMCH(Make customer happy)



を忠実に行う為にです。



本年の皆様のご健康をお祈りしながら新年の挨拶とさせていただきます。