2013年10月27日日曜日

日立HS-500とウッドウイルのウイングの定在波測定


画像はHS-500の定在波です










日立 Lo-D HS-500 とウッドウイルのスピーカー「ウイング」の定在波測定を行いました。
http://www.lcv.ne.jp/~woodwill/Enclosure-analysis.html


HS-500は直方体/平行面を持つエンクロージャー構造ですので原理的に定在波が発生します。
測定して、いや正確な寸法を計った時点でその定在波がより多く発生する事が分かっていました。


ウッドウイルの「ウイング」スピーカーは定在波を発生させないラウンド構造を採用していますので
果たしてその成果がどの様になるか興味津々でした。


それぞれ製作した年代に設計手法の違い、技術の進化等々が有りますので比較するのは
適当では有りませんが、直方体構造とラウンド構造の単純比較と言う事では理解し易いのか!
と考えます。


ウッドウイルでは定在波の発生による音質低下よりも、定在波を減衰させる為に用いる
吸音材の充填がもっと大きな音質低下につながると考えています。


定在波を含む音響エネルギーを熱エネルギーに変換して消費してしまうのです。
もったいない、もったいない。
失われたエネルギーはパワーを入れても戻せません。
音の鮮度や立ち上がりやあらゆる音を劣化させます。


コストや時間が許せば、音質を良くしたいなら、
ラウンド構造が有利と考えています。


MUSIC BIRD 「アナログ・サウンド大爆発!~オレの音ミゾをほじっておくれ」での収録時に
田中伊佐資さんからもその話が出ました。
一度体験すると元に戻れないそうです。


2013年10月24日木曜日

MUSIC BIRD 収録して来ました













高音質「音楽専門」衛星デジタルラジオ
田中伊佐資さんの「アナログ・サウンド大爆発!~オレの音ミゾをほじっておくれ」の
番組に招待されて収録を行って来ました。
11月20.30に放送されますので試聴環境のある方は是非聞いてみて下さい。
http://musicbird.jp/programs/analog/


番組中に流す曲は私の高校生の頃に買い求めたものです。
田舎を離れて何度か引っ越しをする毎に失ってしまって、
最後迄残っている私にとっては大変貴重な愛聴盤の中から選びました。
軽めのボサノバやモダンジャズ、
MJQやオスカー.ピーターソン等々が流れると思います。


通常は曲を多く流してその解説で終わる番組の様ですが、
私の収録の時は様子がちょっと違うようです。
田中伊佐資さんの話が長いのです。
勿論私も負けずに話し込んでいます。
理由は田中伊佐資さんが愛聴するスピーカーを私が造ったからに他有りません。
氏のスピーカーへの思いと
スピーカービルダーとして、制作者側の話が多く出て来ます。


番組を聴いて気に入った曲がありましたら
カートリッジ持参で試聴室で聞かれるのも楽しいかも知れません。
大事に扱って来た為にLP盤のコンデションは良いとの事ですし、
今聞いても録音が良いと思います。



2013年10月19日土曜日

ウッドウイル作品「Wingウイング」でのエンクロージャーの振動音

HS-500とL-101のエンクロージャーの振動音を
オリジナル状態と補強後の音を調べて来ましたので
次はウッドウイルの作品で行いました。

名機と呼ばれた製品達を調べた後に自分の作品を調べるのですから、
怖い反面、自信もあるし、この機会にしっかり調べておこう!
そんな気持ちで行ってみました。

振動解析の後には既に定在波の解析も行っていますので、
後にはまた説明したいと思いますが、
取り敢えずは振動についての結果は、
経験から得た設計、チューニングに間違いはなかった事を確認出来た。
皆さんに比較試聴していただいて評価していただければと思います。
http://www.lcv.ne.jp/~woodwill/Enclosure-vibration-analysis.html


今迄色々調べ、測定、解析もして来ましたが、
どちらかと言うと、この種の内容は一般ユーザーよりも制作者に興味が湧くか!
とは思うのですが、始めに書いた様に今迄の官能評価を物理評価に代えて検証して見る!
と言う事で進んでいます。

ウッドウイルのホームページのメインのメニューには
「作品の種類と開設」として作品のランク付けを行っています。
ランク付けの意味や説明もやはり官能的表現の文章で行われている訳で、
その説明を一般ユーザーが納得出来る方法で説明出来ればと言う考えもあります。

作品の製作意図を検証出来る形でお客様に説明して理解をいただき、
今まで以上に満足していただける作品作りが出来たら!
この様に考えている次第です。



2013年10月16日水曜日

日立 Lo-D HS-500 エンクロージャーを補強した音

JBL L-101 に続いてHS-500でもエンクロージャーの補強を行い、
その音を測定してみました。

この測定をして先ず思ったのは、
HS-500を発表当時から、もしくはあまり劣化(エンクロージャー部が)していない良好な
状態での音を知っている方については心配要らないのですが、

本来の音を知らない方が、経年変化により音質の違って来たHS-500を手に入れて、
誤解されているのでは??と危惧した事でした。

今回用意した音源を聞かれた事で誤解を融ければと強く思う次第です。


全体の説明は下記をご覧下さい。
http://www.lcv.ne.jp/~woodwill/

オリジナル状態のHS-500の音
(L-chのみの音を聞いて下さい/R-chには他の音が入っています)
https://docs.google.com/file/d/0B4OQYsHgOZS1RE10a0lhcFJiaWs/edit?usp=sharing

補強後のHS-500の音
(L-chのみの音を聞いて下さい/R-chには他の音が入っています)
https://docs.google.com/file/d/0B4OQYsHgOZS1ZEpub2pjS0tJbTA/edit?usp=sharing



今回は比較試聴用として音ファイルをアップロードしています。
1ファイルが約10MB有ります。

ウッドウイルのインターネット環境では下り100MBの高速回線ですのでダウンロードには
2,3秒で済むのですが、皆さんは如何でしょうか?
この記事を読まれている方でもし聞く事の出来ない方が居られる様でしたら、
又は今回の参照用に掲載した音源についても一言コメントいただければと思います。
以後の参考にさせていただきます

FFT解析の動画と音声ファイルを掲載して比較試聴していただければベストなのですが、
1ファイルで150Mbも有るので諦めました。掲載は静止画だけです。
比較目的なので下手な圧縮で音質が劣化したら意味がなくなりますので。

例えばHS-500オリジナル状態での動画ではバッフル/側板/背板の3ファイルで450MB。
14年間かけて作り上げたウッドウイルのホームページの倍近い容量です。
改造後のファイルも入れると900MB...
ウッドウイル利用のサーバーの最大容量は400MBですからこの点でも不可能。

今回の音源ファイルはウッドウイル利用のサーバーでは無く、
「クラウド ドライブ」と言われる大容量のサーバー専用サイトに預けています。
その為にリンクが簡単では無く、ファイルを選んでダウンロードすると言う手間が必要です。




2013年10月14日月曜日

JBL Lancer L-101 エンクロージャーを補強した音

エンクロージャー解析の続編です。

オリジナル状態の JBL Lancer L-101 を補強してみました。

オリジナル状態との比較を容易にする為に取り外し可能な方法を取りますので
簡易な補強に留めました。

既にスピーカーの自作を行ってはいましたが、このスピーカーとの出会いは
良い音を求めて更に自作の道に強くはまり込んだきっかけとなったスピーカーです。

恐れ多いとは思うのですが、1960年代のスピーカーですので弱っている所は何処ですか?
と言う治療的な意味も含めて取り組んでいます。


35cmのLE14Aを搭載した口径の割りには小型のスピーカーです。
エンクロージャー共振周波数を下げる為に天板に大理石を敷いた独特の外観。
小型シャーシーに強力なエンジンを積んでいますので強い剛性を求められます。

当時は想像も出来ませんでしたが、今ゆっくり眺めて見ると案外に柔な所が有ります。
それが寄る年波で足腰が弱って来ているので無理もありません。
往事の切れのある音は出ていない様です。


剛性の弱い車でコーナーを攻めますと捻れてグリップ出来ません。
サスペンションも同じで外に大きく膨らんでしまいます。
そして高速でコーナーから出る事が出来ません。
陸上100mでスタート台がしっかり固定されていなかったら勢い良く飛び出せません。

スピーカーユニットの振動板が前に振れる時、ユニット全体は逆方向の後ろに振れます。
作用、反作用の原理です。
その反動をしっかり受け止めないと前述の車や陸上の時と同じ様に力が伝わらずに
弱くなるばかりか互いに減衰し合う事になります。

L-101はそんな状態になっている様です。
簡易な補強の効果でスタート台は固定され、サスのグリップは改善した様です。
でも剛性を強める迄には至っていませんので次の課題とします。

そんな事が理解出来る様な結果になったと思います。
下記の二つのwabファイル(L-chのみでR-chを最少に)を聞き比べて見て下さい。
.補強前
https://docs.google.com/file/d/0B4OQYsHgOZS1VkthNDEwV2hUT2s/edit?usp=sharing
.補強後
https://docs.google.com/file/d/0B4OQYsHgOZS1WXZmQUlmYXAtVHM/edit?usp=sharing

何と言っても JBL L-101 の比較試聴です、
可能な限り良質の環境で聞いて下されば幸いです。

次回はHS-500を補強してみます。




2013年10月13日日曜日

JBL Lancer L-101 のエンクロージャー振動音

HS-500に続いてランサーL-101のエンクロージャー振動を測定してみました。
http://www.lcv.ne.jp/~woodwill/Enclosure-vibration-analysis.html

HS-500もL-101も私が高校生の時に出会ったスピーカーです。

アルバイト先の電気店でデモ用に鳴らしていたHS-500、
日立の開発技術者が直接製品説明をしてくれた。

L-101は当時の御三家の新製品発表後に特別デモしてくれました。
この音を聞いてからJBL信者になりました。

ある程度のスピーカー、エンクロージャーを製作して来ますと、
スピーカーユニットの音とエンクロージャーの音を判別して聞く事が出来てしまいます。

ですから前述の名機と呼ばれているスピーカーも良い点も、
及ばない点も分かって来てしまいます。

でも製作側が分かっても、リスナーの皆さんが理解出来なければ意味がありません。
ですから今は周知する為のツールを用意している訳です。

それにしても当時のスピーカーは盛大に鳴ります!何処が!
このリンク先のR-chだけの音を聞いてみて下さい。
スピーカーユニットから出ている音ではありませんよ!
https://docs.google.com/file/d/0B4OQYsHgOZS1VkthNDEwV2hUT2s/edit?usp=sharing

2013年10月11日金曜日

日立 Lo-D HS-500 のエンクロージャーの振動音

このブログで少しずつ研究の成果を発表して来ましたが、
掲題の様な形にまとめてホームページに掲載しました。
http://www.lcv.ne.jp/~woodwill/

ステレオ録音のL-chにスピーカー正面の音をマイクで拾い、
R-chにエンクロージャーのバッフル/側板/背板の振動音を録音した
wavファイルをリンクさせています。

L-chの音を絞り、R-chの音だけを聞くと、何とエンクロージャーの振動音だけを
聞く事が出来ます。

エンクロージャーが振動する事の是非、
その振動音を積極的に音作りに利用する事の是非、
そんな事を考える基礎的な資料となれば幸いです。

最初に測定したスピーカーはオリジナル状態の「日立 Lo-d HS-500」です。
このブログではHS-500関連の記事が一番多く読まれている事、
私も感心が非常に高い事、
ウッドウイル版HS-500を製作し、
今後も更に高度な「ウッドウイル版HS-500 WXⅡ」仮称ですが
製作も予定されている事から取り上げてみました。
次にはJBL Lancer L-101の予定です。

次回の研究ではオリジナル状態のエンクロージャーに
機械的補強を加えて振動を制御した振動音を拾います。
同じく電子的にアクティブ型で制御した音も拾います。
それらの資料を合わせて再度エンクロージャーの振動を
考えて見たいと思います。

その成果から新作スピーカーの設計と
既存スピーカーの改造/レトロフィット等に役立てる事が出来ればと考えます。

では是非、ホームページのリンク先でエンクロージャーの振動音を聞いてみて下さい。