2011年12月27日火曜日

クリスマス/アヴェ・マリア サンクトペテルブルグ室内合奏団

最近はクリスマスにちなんで盛んに行われるコンサートに出かける事が恒例になっています。今年は12月25日に東京オペラシティ コンサートホールで行われた掲題のコンサートに行きました。


演奏は世界屈指の芸術都市サンクトペテルブルグで結成されたサンクトペテルブルグ室内合奏団で、レニングラード音楽院を卒業したイーゴリ・ロマニュクをコンサート・マスターに、最優秀なメンバーで結成された合奏団です。


メンバーは、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスで基本的に構成されて、「クリスマス/アヴェ・マリア」では歌手とハープが加わって演奏されます。


クリスマスコンサートはいつもの様な仕事用のストイックな聴き方では無くて、ただただ演奏を聴いて心ゆくまで楽しむと言う趣向のコンサートです。ソプラノによる三大「アヴェ・マリア」がクリスマス気分を盛り上げてくれます。


中規模の東京オペラシティ コンサートホールはソプラノの声で驚く様な声量で満たされて、人間の能力の凄さを改めて思い知らされます。


他のホールや演奏家、クリスマスと年末を兼ねた第九などの大編成物も何度か聞きましたが、サンクトペテルブルグ室内合奏団は良いですね。演奏技量や習熟度などが素晴らしいのです。他は特別編成で行われたりで完成度が今一つだったりで演奏に没頭出来なかったりしました。


チケットはそんなに高くないので来年辺り、行ける方は情報を集めてみては如何でしょうか。


オーディオ的に少しだけ拘った見方をしますと...二十人弱の室内合奏団でも編成が的確であれば低音域から中高音行きまで充分な音量とバランスで聞かせる事が出来るのだなと実感します。それと中央に立ったソプラノの声は見ていれば真ん中に聞こえますが、目を閉じてじっくり聞きますと大体真ん中かな?高さはホールの響きの影響で身長より高く聞こえたりします。1階席中央で聞いた印象です。以前同じ演奏を聴いた時には前から3列目でしたが、ソプラノの声がホール中央に飛んで行ってしまって前の席では音が素通りすると言う経験から中央の席にしました。


オーディオ的な評価ではボーカルが中央にかっきり定位して各、楽器のパートの配置もハッキリ分かるなどと良く聞きますが(私も言ったりします)、そんなのはマイクで拾って調整した人工的で作為的な音であって、生演奏ではそんな事はあり得ないと思います。


全体として各楽器個別の音よりも全体のハーモニーと心地良いホールの響きを聞く。そして好きな楽曲、演奏家、そして指揮者とそれら全体から受ける感動で充足感を得る。そんな楽しみ方を一度体験するのも良いのではないかと思います。


 


 



2011年12月14日水曜日

五嶋みどりのヴァイオリンの行方

ヴァイオリン奏者として世界的な名手として名高い「五嶋みどり」さん使用のヴァイオリン、


「ガァルネリ.デル.ジェス-エクス.フーベルマン」はストラディバリウスと双璧を成す


名器で、それを彼女に終身貸与している岡山の会社が倒産、再建しましたが、


そのメセナ活動「芸術文化支援事業」に変化が起きるのが心配です。


 


世界的な名器ともなると個人で所有する事は殆ど不可能ですが、日本で所有するのは


資産家の高島さち子さんや、購入したその過程が本にまでなった千住真理子さん他


数人でしかありません。五嶋みどりさんや諏訪内晶子さんなどの多くは財団等から貸与


されていて、所有者と演奏者が別と言うのが多いのです。


 


五嶋みどりさんのガァルネリは恐らく10億円?、個人で所有するよりも適切な組織が人類の


財産とも言える名器を永く使用、保存出来る様に工夫するのがベストと言う考えが主流の


様です。


 


五嶋みどりさんのガァルネリは最悪、彼女の手を離れてオークションで処分!


世界的名手が現役で使用している楽器を引き離して処分という例は無いそうなのですが、


引き続き彼女の手元に有る事を願って止みません。


 


ウッドウイルのスピーカーの弦のリファレンスは彼女のガァルネリの音色です。


耳に焼き付ける為に数え切れない程にコンサートやリサイタル、支援活動での演奏会


などに出かけてきました。


リファレンスは簡単には変更出来ません!


 


名器は演奏者を育てると言います。


ストラディバリウスからガァルネリに換えて育って来た五嶋みどりさん。


まだまだ道を究めて、それを私たちに披露していただきたいと願います。


 



2011年12月4日日曜日

ボンベイ.ベリーウッド舞踏団

ボンベイ.ベリーウッド


http://www.timeout.jp/ja/tokyo/event/1334
http://www.youtube.com/watch?v=lhIIQ1gCscY



今日は大変興味深いお客様を迎えたので、その事を書き込もうと思いましたが、
その方とは続編がある様な気がしてまたの機会にここへ記載しようと思っていました。


そうしましたら面白いTVを見てしまい書き込むと言う事となってしまいました。


インドの古典舞踊と中近東のベリーダンスを西欧的な脚本で仕立てた踊り中心のショーを
今晩(昨晩?)NHK-BSで放映しているのを偶然見てしまいました。


興味を持ったのは下記の幾つかの理由があります。
1.インド出張を機にインドの音楽、舞踊に興味を持っていた。
2.古武道を通した体使いに興味を持っていた。
3.ベリーダンスは単純に興味を持っていた。
4.官能的な踊りは単に異性を挑発するだけの物では無い事に気が付いていた。


1.カルカッタのホテルで本場インド舞踊を見てしまった。
  神に奉納する踊りなのか時の為政者に捧げる踊りなのか分かりませんが、
  踊り子は鬼気として取り憑かれた様に踊ります。
  その体の動きが予測出来ません、気が付いたら違う体制で踊っています。
  意識より体が先に動いているようです。


2.ご存じの方も多いと思いますが古武道を通して人の体の動きを研究している
  甲野善紀氏、現代人が忘れてしまった動物としての体の動きを研究実践している方です。
  移動する時、利き足を踏ん張ってもう片方の脚を前に出して歩く!。
  命のやりとりをする時代の武道家(武士)はそれでは命を失う!。
  なぜならそれらの動きは相手に読まれるからで、それを防ぐ動きを昔
  (機械や教育が普及する前の時代の意)の人間は出来ていて、現代人は忘れている。
  そう、インド舞踊の踊り子はその動きを現代に伝えている事に驚くのです。
  因みに甲野氏の研究会で直に動きを組んで見させてもらった経験がありますが、
  動いた奇蹟を理解出来ません、予測出来ない動きをします。


3.腰を激しく振って妖艶な服装で踊る姿はどう見ても殿方を楽しませる余興の様に
  見えてしまいますが、その中には宗教的なものや、地域独特の文化表現があって、
  それを訪れた旅人に伝えると言う様な目的も有った様です。
  物事を表面的に見るだけではいかんのだ!戒めですね。


4.最初はハワイの観光施設でハワイアンダンスを見ました。
  半裸で腰を激しく振る動きは単純に歓楽的な芸能に見えました。
  でも踊りの中には男性の舞台もあって、それは勇猛な戦いを表現するもので、
  その体の動きは中途半端な動きでは無い事に気が付きました。
  その時の踊り子は州立の舞踊学校の学生が観光客に文化を周知させる目的で
  踊っていて、普段は文化の伝承と言う重責を担う指導者を養成する目的を
  持って勉強している事を知りました。
  文字を持たない文化では口承や体の動きで意志を伝える事も知りました。
  そうして踊りを見てみるとハワイアンダンスは何と神秘的で深い意味が
  込められている事が分かるのでした。


ボンベイ.ベリーウッドの団員の中に二人気になる人がいました。
一人はインド人で体の動きが他の人とはまるで違います。
他の人は教わって上達したと言う事が見て分かるのですが、
この人はインド人のDNAが体を動かしているのでは?と思わせます。


もう一人が東洋人と思われる(ひょっとして日本人?)人です。
体の柔らかさが他の人とレベルが違います、軟体動物の様です。
皆さんはマイケルジャクソンのビリージーンを見た事(聞いた事)有りますか?
そう!あのムーンウオークを初めてお披露目した曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=ogq8AAY0RKY
http://www.youtube.com/watch?v=_Bf6AST5Itw
このロボットの様なキビキビした動きと柔らかい動きを同時に
こなす踊り子さんで見ていて興奮しました。
マイケルを超える人を初めて見ました。
残念ながら冒頭のyoutubeの動画には二人とも出て来ません。



こんな事を何故書き込むかというと...
.素晴らしい演奏家の体の使い方が最高の武道家や舞踏家に勝るとも劣らない動きをしている。
.技術的に難しく重労働のスピーカー製作活動も体の使い方が重要である事。
.その様な一連の事を甲野善紀氏の書籍、研究会で実体験した。
.踊りも武道も製作活動も体使いという意味では共通する事大である。


そんな事を思っているからでした。



2011年11月30日水曜日

由紀さおり 夜明けのスキャット

最近、由紀さおりさんが海外でブレークしている様ですが、私の思い出を少し。


中学生の頃は自作ラジオ(五球スーパー)で深夜放送を良く聞いていました。


一番良く聞いたのは渡辺貞夫さんの「ナベサダとジャズ」、その影響でジャズファンになりました。


当時は夜も10時を過ぎる頃から曜日違い毎に魅力的な番組が数多くあり、良く長時間聞いていたものでした。モコ/オリーブ/ビーバーの三人組の番組に、刺激的な平凡パンチパンチパンチ、最後はジェットストリームでそれから後は眠くて起きていられなかった。


夜明けのスキャットはそれらの時間帯に有った詩の朗読番組のテーマ曲として流れていました。当時新鮮なスキャット唱法、透明で綺麗な甘い声、なんて心地良い曲だろうと何時も思っていました。


それから数年後にラジオで由紀さおりと言う人が歌う「夜明けのスキャット」が発表。えっ!あの番組の曲じゃないか!たちまちヒットして新曲も多くリリースされました。


私が始めた買ったレコード盤のシングルはポールモーリヤの「シバの女王」http://www.youtube.com/watch?v=GAcPmqotWBY


次が由紀さおりの「夜明けのスキャット」、「手紙」など数枚でした。擦り切れる程聞いていましたね。母や姉に妹は怪訝な顔つきで見守っていました。因みに始めて買った30cmLPは赤い鳥の初アルバム、続いてボサノバやモダンジャズへと続いて行きました。http://www.amazon.co.jp/%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%82%AF%E6%AD%8C%E5%B9%B4%E9%91%91-1969-Vol-2-%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%82%AF%EF%BC%86%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%83%E3%82%AF%E5%A4%A7%E5%85%A8%E9%9B%86-5/dp/B000H5VF5C/ref=sr_1_8?s=music&ie=UTF8&qid=1322616708&sr=1-8


50代の人に聞いたら、由紀さおりも夜明けのスキャットもあまり印象無いね!なんて言われて悲しかったけれど今は挽回中で嬉しいです。


話は変わるのですが、毎晩真空管が5本も煌々と灯るラジオを長時間聞くので電気代を気にする親からクレームが!その対策に直系1mあるコイルを巻き、高能率安物スピーカーを取り付け、アンテナは屋根全体(北海道の屋根はトタンです)とした、スピーカーを駆動出来る鉱石ラジオを完成させて聞いていました。


耳元で聞けば充分な音量がありましたし、中波放送であの当時の音を超える物は未だ聞いた事が無い程に素晴らしい音でした。


放送アンテナが近く障害物が無い場所にあったのが良かった。今人気の旭山動物園のある山の山頂に有ったのです。動物園はまるで「ひょっこりひょうたん島」の様な山にあります。旭川のある広大な盆地の外れに流れ着いたイメージです。そこの中腹に動物園が有り、山頂から電波が届く様な環境でした。


そうそう、旭山動物園が開園したのは私が中学生の頃でした。地元の人はペンギンとシロクマ以外は皆、凍え死ぬから直ぐに閉鎖されると皆思っていた。


「ひょっこりひょうたん島」の背景には延々と山並みが続き「大雪山」へとつながります。ひょっこりひょうたん島に桜が咲いても背景の大雪は残雪で真っ白。秋には平地は緑でひょっこりひょうたん島から背景は紅葉、大雪は初雪で真っ白。そんな景色を見ながら小中学校へ通学していたのでした。懐かしいですね、年上の女性の声に憧れていたませガキの思い出です。


 


 


 



2011年11月27日日曜日

雲一つ無い!

DSCN1095-1


未だ明るい内に仕事を終えて散歩へ。


寒い!毛の帽子を被って来れば良かった。


 


360度ぐるっと見渡すが本当に雲一つ無い快晴です。


真っ赤な夕焼けを見た後に北アルプスが浮かんで見えて来た。


山好きな方は分かると思うけれど常念岳/槍ヶ岳/穂高にキレットがくっきり。


左端には乗鞍岳が見えています。


 


雲一つ無いのは間違いでした。


沈んだ陽の方向に向かって茜色の微かな飛行機雲が数本見えて来ました。


あれはアジア方面に向かう便ですね、以前は良く乗っていたな...


 


仕事で汗ばんでいたシャツのまま出かけたから凍えて来た。


早く帰って風呂に入ろう!。



2011年11月20日日曜日

映画  ミルコのひかり

2005年のイタリア映画で実話を元にした映画です。


10才のミルコが家の銃で遊んでいて暴発、
殆ど視力を失い、法律で盲学校に入る事を強制されて
教会運営の寄宿舎に移る事となります。


個性的なミルコは盲学校の生活にも授業にも馴染めません。
授業と言うよりは職業訓練校の様な教程です。


学力、教養より何が出来るかを問われて、
電話交換手やタイピストの職業に就ければ
学校としては成功と100年も続けている
古い体制の盲学校、国の教育方針があるのです。


微かに光を感じるので反発するミルコは授業を拒否するばかりか
盲人として必要不可欠な点字の訓練も受けません。
でも直ぐに完全に光を失う事になります。


心の広い教師(神父)は彼の興味を巧みに利用しながら、
ミルコの将来を考えて、授業はいいから点字だけは
勉強する様に優しく接します。


その教師の授業で言う一言がミルコにも私にも共感を得ました。
有る音楽会に行ったのだと、演奏家は殆ど目を閉じて演奏している。
目を開けると音楽のイマジネーションが消え失せるのだと。
だから目を閉じて集中して演奏をすのであると。


人の感覚は視覚だけでは無い、五感が有ると!
他の感覚に目を開けと教師は言うのでした。


同じ頃、ミルコはテープレコーダーが学校にあるのを
発見して、音を録音してその凄さに見入ります。
100年続く学校の教育方針で季節の変化を詩にする事を
生徒に課せられます。


ミルコはそれを隠れて工夫してテープレコーダーで
音で再現して見せました。
校長先生は酷く怒ります。
しかしその教師は変わってはいるが悪くないと支持します。


結局は例年詩の朗読で終わる学芸会を
ミルコの才能と共感した生徒達と先生らが協力して
音と詩の演劇を見せて父兄から大喝采を浴びる!
父兄は閉ざされた子供の将来に明るさを感じたのでしょう。


そのミルコは現在、イタリア映画界を代表する音響の
プロデューサーとして活躍しているそうです。


人間の才能や感覚には驚く事ばかりです。
私も何回かこのブログで書きましたが、
演奏会で聞く時には殆ど目を閉じてしまいます。
目を開けると広がったイメージが消える、
あるいはやせ細ってしまうのです。


ピラティスと言う運動を習った時にも
身体感覚を意識しようとすると無意識に目を閉じたりします。
収穫時期の田圃を散歩していてある日何故か違和感を感じる。
何!と意識して分かったら、稲刈りされて地面が5,60cm下がっている。
その地面の高さの違いに戸惑っているのでした。


これは目を開けて散歩しているのですから見ています。
でも幾ら気配に気を配っても分からず、
目を閉じると風の音が来る方向の高さが違っている事に
気が付くのでした。


あと、遊びで春先はヒバリが田圃の上を風に乗って高く
羽ばたいているのを、目を閉じて探すのです。
目筈が(目を閉じていますが)つくとその方向で目を開けて
目のピント(距離を)だけを合わせますと、
6,7割の確率で見つける事が出来ます。
普通に目を開けていると5割がいい所かな?


不思議ですね。



2011年11月15日火曜日

出川氏(出川式電源)と前園氏(Zonotone)の両氏来る

本日はお二人のお客様を迎えました。


お一人は出川式電源の開発者である出川三郎氏です。


http://www7b.biglobe.ne.jp/~degawa/index.htm


ウッドウイルのアンプ(SATRI)は既に数年前から出川式電源に改造済みで、その内容は


田中伊佐資氏著の「オーディオジコマン」に詳しく載っていますし、ウッドウイルのHPの


「試聴室の案内」にも詳細がありますのでご覧下さい。


 


アンプは改造済みですがCDプレーヤー(以降CDP)は未だ手つかずで、その事を気遣って


いただき今回は改造前と改造後のCDPを持参下さりその音質差を体験しました。


常用CDPはマランツSA-13S2ですが持参されたのは2~3ランク下のクラスなのですが、


SA-13S2が完敗する曲がいくつも見つかり、投資した金額は何だったの??


 


その音質差が充分に把握出来るシステムと見た出川氏は秘密の最高クラスのCDPを


持ち出して来て試聴させて下さいました。その音の違いとは??


バックコーラスの一人一人の姿が見えてくる、透明で素晴らしく綺麗なボーカルに


更に丸さや艶が加わり声の輪郭がハッキリする。


それらを今でもかなりな高次元な再生音と勝手に錯覚して聞いていました私の耳に


気持ちの良い(かなり悔しいですが)刺激を与えていただきました。


 


その他にはアナログのRCAケーブルに用いているピンプラグのメッキ素材による音質の


差などを実際に聞き比べてみて、またまたその音の差(音情報量の差)に愕然。


恐らく近いうちにCDPとRCAケーブルに手を付ける事となりそうです。


その時にはまた報告させていただきます。


 


もう一方はなどと後出しするのも気が引ける現在はオーディオケーブル全般を扱っています


(株)Zonotoneの社長さんである前園俊彦氏です。


http://zonotone.co.jp/index.html


たまたまなのですが1,2年前にリファレンスとしているチェリストの藤村俊介氏が試聴に


来られる事が決まった時にオーディケーブルも一新してZonotone社のスピーカーケーブル


に変えてあったので少しは面目が立ちました。


お恥ずかしい話ですが社名のZonoは前園の園だと言う事が今日分かりました。


本人を前にして無知をさらけ出してしまいました。


 


前園氏はカートリッジのSPUで有名なオルトフォン社日本支社長、オーディオケーブルの


素材差による音質変化を早くから訴えて来られて来た方と、ネットで調べれば1日かかる


程の膨大な検索にかかる様な知識と経験を備えた方です。


 


今日は前述のピンプラグのメッキによる音質差について特殊測定器(私も作ります)を


使ってこんなのが駄目なんだと言う様なお話しをされていました。


今後は更に高音質のケーブルが発売されて来る事と思います。


 


前園氏はJBL38cmダブルウーファーでシステムを組まれており、私のJazz Machineに


興味を持たれたご様子て、昨晩設定したばかりの新型SSCとオーディオインターフェース、


FIREFACE-UFXによるロイ.ヘインズのグリーンチムニーを聞いていただきました。


付け焼き刃のセッティングには当然ながら鋭い指摘が下りました。


しかしながら趣味の話です、楽しく勉強させていただきました。


 


話の途中で前述の田中伊佐資氏著の「オーディオジコマン」表紙のシステムの写真を


見ていただくと、これは伊佐資の部屋じゃないか?(凄い!呼び捨てです)


ハイ!、そのスピーカーは私が作りましたと言うと、何だそうか!


話は聞いてるし音も何度も聞いている、そうか君か!と言う事になりました。


 


私のJazz Machineの完成予定図を見ていただき、完成したら「ダブルウーファーズ」


(JBL38cmウーファーを片チャンネル2個使ったシステムを持ち、メンバーに点検を受けた


後に参加が許されるクラブ)に入ろうかと話しましたら、口うるさい輩から何言われるか


分からんから覚悟しろと言われましたが、それはそれで楽しそうです。


 


今日はそんな人生の師ともこの道の師とも言える様なお二方に一度にお目にかかれる


幸せな日となりました。彼らに注目される様な作品を作り続けなければとの新たな思いも


内から湧いて来るのを感じた日となりました。


 


出川様、前園様、遠くまで来ていただきありがとうございました。


 


 


 



2011年11月10日木曜日

草刈オルガン工房(パイプオルガン)

7,8年前の事、お客さんの所に打合せに行きますと、近所にパイプオルガンを作っている


方がいますとの事、興味を示したら知り合いなのでと連絡を取り早速見学に訪れました。


私の工房から車で約30分程の山梨県の小淵沢にある草刈オルガン工房でした。


参考資料  http://www.sorgel.net/kusakari/index.html


 


コンサートでのあの荘厳な響き、高い所で近づきがたい様な高貴な方が演奏している様な


姿に一種の畏怖を感じていましたが、そのオルガン製作の現場ですから子供が山程も


積み上げられたおもちゃ工場に入って行った様なものです。


 


初対面なのに主宰する草刈さんは私の興味に快く応じて下さり構造や製作手法などを


丁寧に説明して下さいました。草刈さんはスピーカー製作の経験があるそうで、


その方面の知識もかなりありそうです。


 


音楽/音/巨大な木製構造物と興味津々ですから私は質問を矢継ぎ早にしました。


少しはオルガンの基本構造や木工や音響の知識があると見ていただけたのか、


かなり細部まで分解して見せていただき感激したのを良く覚えています。


 


その近くにフィリア美術館という何と草刈工房のオルガンが設置してあり、不定期ながら


コンサートを開催していまして、次のコンサートに行ったのは言うまでもありません。


この美術館で演奏録音された古楽器によるバロックコンサートのCDも所持しています。


http://www.philia-museum.jp/


 


その工房へ最近またお邪魔しました。前回の質問の時に特殊な木工加工をしているのを


聞いていたからでした。常識的なスピーカーでは決して用いないであろう筈の特殊加工が


必要になったからで、海外の専門書では勘所が分かりません、経験者に聞くのが一番です


その旨伝えますと、覚えていて下さりまたもや親切に、実際に加工までさせていただきました。


その特殊加工を施した作品はもうしばらくしましたら紹介出来ると思いますのでお待ち下さい。


 


お弟子さんがいまして休憩時に話をしますと、長野県の技術専門学校出で共通の先生を


互いによく知っており、何と削ろう会と言う主に鉋や手工具を極限まで使いこなす事を


目的とする全国的な会への参加やスピーカーを製作していると言う事を先生から聞いていて


ウッドウイルのHPを既に見ていると言う事が分かり驚きました。


 


更にはHPに掲載している作品例のBoxy-50の依頼者さんは都内の教会で草刈オルガンを


設置していてお会いした事が有ると後で聞きまして、何とも不思議な縁だなと思っています。


 


下記の写真は訪れた時に撮らせていただいた制作中のオルガンですが、1.8mの私が


上部を見上げる様な大きさで、これが個人の家に設置されると聞いてびっくり!。


音楽家の世界の事は知りませんが、オーディオ愛好家でも200インチプラズマTV


(200インチですよ)を設置した壁面が、まるで小さな絵を飾った程度の大きさにしか


感じられないような部屋というか空間で聞いているお客様もいますので、


世の中は広いです。とにかく教わった特殊加工をマスターしなければ。


  DSCN1033


 



2011年11月6日日曜日

2011東京インターナショナルオーディオショウ

2年ぶりにインターナショナルオーディオショウを視察してきました。


会場は東京国際フォーラムです、フォーラムの言葉通りに集会や広場を指す意味から、


このイベントは防音された大小の個室にて各メーカーのブースが展示されますので


他の会場の様に騒音に悩まされる事無く試聴できる特徴が有ります。


 


もう一つの特徴はインターナショナルと言う事も有り、海外の有名有力なメーカーの代表や


役職者が現地入りして直接製品に関わる解説を行う事です。


ジャンルは違いますが国内の展示会などでは若手の技術者や営業担当が製品説明に


終始するのとは違い、欧米では自社ブースには責任を持たされた相応の役職者が配置され


製品説明後には即、商談に移りその場で決めるのが普通なので、その意味で欧州の


雰囲気に近いですが、エンドユーザー対象のオーディオショウですのでその場で


即断販売成立する事は無いでしょうから幹部達は歯がゆい思いをきっとしている事でしょう。


 


さてショウの内容ですが下記のURLから展示メーカーへリンクすれば情報が得られますが


http://www.iasj.info/event.html


私が気が付いた事をスピーカー限定で書き込んでみたいと思います。


 


.JBLDD66000 ペア700万円


会場セッティングが充実していた様ですので能力を引き出せていた様に思います。


低いクロスで慣らすコンプレッションホーン型でしか出し得ない中高域は圧巻ですが、


大入力の低音成分を含んだ音源では低域がぼやけるのが難点。


 


.TAD CR-1 他 ペア385万円


これもなかなかリアルに音が出ていました。ボーカルなどの音像が自然で色気がある。


逆にその他大勢の大型ハイエンド機は音像無視で作っているの?と不思議。


 


.TANNOY KINGDAM ペア480万円


試聴会が始まる前のBGMの音が良いので座って待っていましたが、某有名評論家先生の


選択したソフトでは演奏はともかく音の評価は出来ませんでした。デザインは個性的でその


意味で興味津々。他社の製品にも有りましたが低域のコーン振動板の音色と同軸のホーン


型の音色が高域になるにつれて違って聞こえるのが気になり、設計の難しい所だなと


同情いたしました。同音源でCDとガラスCDの比較ではやはりガラスが断然良かった。


 


.PIEGA MasterONE ペア530万円


同軸リボンツイーターと総アルミ構造エンクロが特徴でウッドウイルの思想と真逆です。


リボンの音色は好きですが、やはりウーファーの音色との違いが際立って不自然。


これでこの価格はうーん?。


 


.MAGICO Q3 ペア450万円。


金属振動板に金属エンクロでうわぁーと思って見ていたら試聴が始まった。


流石に少し堅い音ですが、上手くチューニングしている点はPIEGAと大違い。


バランスが良いのでこれからは気に止めます。


 


.DALI HELICON MK2 ペア110万円


残念ながら音は聞けませんでしたがユニットが気になり掲載しました。


低域はペーパーコーンにウッドチップのブレンド/ソフトドームにリボンツイーター。


ユニットの分解モデルの展示につい目が行ってしまいます。


 


.ortofon カートリッジその他


スピーカーでは有りませんがアナログプレーヤー関連が目を引いたので書き込みます。


試聴に使っていた曲が偶然にもゲイリー・バートン(ビブラフォン)でした。彼の柔らかめの


演奏が更に滑らかに鳴っていたのには好感が持てます。ミルトジャクソンに匹敵する


ジャズマンはいないのかと高校生の時に見つけたLPは未だ健在です。


それにしてもアナログプレーヤー関連の機材は高価ですね。


 


 


.その他


音的にはDYNAUDIO、意匠的にはソナスファーベルをと思っていましたが、


DYNAUDIOは特に変わり無し、ソナスの「The Sonus faber」は思わず目を背けたくなる。


ネットオーディオに関する取り組みは特に無し、全体として2011年のショウは温和しい。


そんな印象を持って会場を離れました。


世界に名だたる製品群を前に個人的な印象を素直に書き込ませていただきました。


大変失礼いたしました。



2011年11月3日木曜日

小津安二郎記念 蓼科高原映画祭

小津安二郎監督と言えば戦後から家族を視点とした映画を撮り続けてきた人である。


その代表作が東京物語ですが、私より年配の方には親しみを感じられていると思います。


 


東京物語を撮り終えてから氏は私の住む茅野市郊外にある蓼科高原の別荘を本拠地として


脚本を練り続けたそうで、その別荘が補修保全されて今も開放されています。


そんな縁から14年前から茅野市では蓼科高原映画祭を開催して来ました。


 


私がこちらに引っ越した後から出来た映画祭です。


小津安二郎の映画にはあまり興味が無く、同時に上映される他の映画もあまり気を引く


作品が無かったので参加(観劇)した事はありませんでした。


 


今年の映画祭には気になっていた「大鹿村騒動記」を上映するので観てきました。


性格俳優の原田芳雄の遺作となった映画です。


舞台は私の所から直線で50Kmほどしか離れていない山間の部落ですが、


村歌舞伎を300年も続けている知る人ぞ知る村の騒動を村歌舞伎に重ねた


たわいもない地味な映画です。


 


病魔と闘いながら撮ったであろうその姿には病のかけらも無くて観ていて安心しました。


何も無い日常の延長線にある些細な事を映画にする....


その何でも無さに懐かしさや安らぎを覚えます。


素晴らしい映画ですので皆さんも是非ご覧下さい。


 


大鹿村では年1回の公演を映画人気で急遽2回目を公演したそうで遠方からも


大勢の人が駆けつけたそうです。


 


引っ越した当時、私の住む近くの部落を自転車で良くぶらつきました。


何と昔は村歌舞伎を演じていたという神楽殿様の建物が半ば朽ち果てていました。


聞くと戦後直ぐの頃から止めてしまったと言う事でした。


過疎化しているので止むを得ないのかと残念に思いましたが、大鹿村は違います。


戦中の男手が無い時には女子供で公演を続けたと言う事ですから関心です。


茅野市を含む諏訪一帯の御柱際も1200年続いていますが、やはり戦中は女子供老人


だけで続けたそうです。


 


映画上映の後には監督と主演女優とのトークがあり、本来なら原田芳雄がここに居る


筈なのにと故人を偲ぶと言うより未だ実感出来ないと言う様な事を話していました。


 


日本映画も最近は少しは元気になっているようですね。


私は藤沢周平の時代劇物が好きで観ますが、最近はNHK朝ドラに出演していた


満島ひかりのファンになって出演している「一命」を観ようかと思っています。


主演男優には興味ないですが。



2011年11月2日水曜日

日立 Lo-D HS-500

ウッドウイルへの既存製品の改造等の問い合わせで一番多いのは
(国産限定で海外製ビンテージ物は除く)恐らくHS-500であろうと思う。
次に多いのがYAMAHAのNS-1000であり、それ以外は特に見当たらない。


NS-1000はプロが手がけた改造又はレトロフィットの例が無いので
問い合わせる方は遠慮がちである。


HS-500はウッドウイル版HS-500としてのレトロフィットの実績が有り、
その一つは作品例としてホームページに掲載しているので
その記事を見て多くの方からお問い合わせをいただいています。


オークションをウオッチしていても出品されたHS-500が落札されなかった
例を未だ知りません。益々落札価格が高くなっているのが気がかりではあります。


HS-500の仕様等は詳細は下記を見て欲しいが、その背景として
1960年代の日本のオーディオ花盛りの時期、それを支えていたのは
御三家を代表とした中小の専門メーカーでした。
http://www.lcv.ne.jp/~woodwill/new-hs-500.html
http://audio-heritage.jp/LO-D/speaker/hs-500.html


文化住宅などと言う核家族化向けに狭い間取りの住宅が未だ
浸透していなかったのか、それでも狭い日本の住宅には
家具風のステレオと同じく家具風のカラーTVが居間に鎮座していました。
それを更にマニアックにしたのがコンポーネントステレオと呼ばれる
アンプやスピーカーを個々に買い揃えて高品質の音楽鑑賞を楽しむ
と呼ばれる商品群です。


そのマーケットを大手総合電機(電気)メーカーが指を咥えて静観する
訳がありません。日立もその一つで、市場に入って来たその目玉として
全ての商品群に低歪み(Low-Distortion)をうたって来ました。
そうLo-Dです。HS-500はその代表商品でした。


日立の本社工場には博士クラスの技術者が1,000人単位でごろごろしていると。
(工業高校の電気課の担任の先生が教師前に日立で働いていて聞いた話ですから間違い有りません)
その知見をオーディオに集中させたのですからそれは凄い事になります。


そうやって名機HS-500は生まれました。
それが現在も人気を博しているのですからすばらしい事です。
その当時の新婚の先生の月給が3万円程だったそうですから、
HS-500はペアで13万円、かなりの高級機であった事が伺えます。
私などはONKYOの16cmフルレンジ(当時1台2千円?)を自作エンクロで
毎日自宅とバイト先のHS-500を聞き比べしていた訳です。


さてレトロフィットの話ですが。
流石に40~50年前の製品ですのでネットワークのコンデンサー/アッテネーター/
スイッチの接点はほぼ寿命が尽きています。エンクロージャーの硬質ホモゲンと呼ばれる
合板も内部で剥がれていますので大音量で無くともビリ付きや濁りが出てこれも寿命。
これらは止むをません、まっとうに製品寿命を尽くしています。


気になるユニットですが、今迄見て来た物は7割方未だ現役で働いています。
これは驚く事ですね。残念ながら駄目なのは相応の期間未使用で湿気の有る場所に
保管していて磁気回路の駆動部分がさび付いて動かないか重くなっている。
カビが発生して振動板が変質している。使用中にアンプが壊れる等の異常信号で
ボイスコイルが半焼け等などです。


運良く正常なユニットを所持されている方は幸せです。
ウッドウイルで生まれ変わらせる事が出来るからです(大変失礼しました)。
その理由は
.想像ですが開発費の殆どがユニットに向けられその他は特筆する物が無い。
.高音質なネットワーク部品を選択出来る。
.高音質なエンクロージャー材料が選択出来る。
.当時の設計思想に無かったラウンドエンクロージャーを採用出来る。
.HS-500エンクロのダンプドバスレフ方式は小型で豊かな低音を出せるが
スピード感や新鮮な音質が損なわれているのでこれを工夫出来る。


新しく生まれ変わったHS-500は素直で飾りが無くて正直者と言う印象です。
何かの音作りやその様ないやらしさが有りません、やはり日立の社風でしょうか。
その音は現代でも充分に通じる素晴らしいものです。


他のメーカー/機種などのレトロフィットを依頼されて試聴した事も有りますが、
全て良くなると思ってはいけません、正直に買い換えを提案した例が
多くありますのでお間違えの無い様に。


 



2011年10月31日月曜日

今迄はmixiに投稿していた日常の何でも無い写真などをこのブログに掲載しよう。

SNSには最近興味が薄れて来た事と運営の嫌みがだんだん露骨になって来たからだ。



  DSCN1022-1

1枚目は夕焼け。

二日前の夕方の散歩の時に夕焼けが綺麗そうな予感がしてカメラを持参。

本当は八ヶ岳が赤く燃えるのを撮りたかったがそれは外れ。

稲刈りが終わり静かになった田圃だが、外れのハウスに夕日が透けて見えたので

撮ってみた、お日様の方向には昼間だったら中央アルプスが見えます。



  DSCN1026-1

2枚目は今朝9時頃の二階のベランダから撮った雲海。

早朝は雲が深すぎたので少し待っていました。

あの雲海の下にはJR中央線/中央高速/国道20号などが走っています。

甲府から小淵沢、諏訪湖へ通る渓筋を東から西へゆっくり流れていきます。

我が家の標高1100mから何時も見える風景ではあります。

左端には甲斐駒ヶ岳、中央やや右にはスズランで有名な入笠山が見えています。


2011年10月29日土曜日

バーチ合板積層ラウンドエンクロージャー(1)

たまには作品作りの初めの頃の様子を伝えてみよう。

いつもは完成してからのHPへの掲載だから。


DSCN1019-1


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


画像の板材はロシアンバーチ合板を決められたサイズにカットして積み上げている様子。

この板材からは歩留まりが良ければ8cm口径から20cm用のエンクロージャーの5機種分の

材料が採れるかも知れない、それは注文の仕様次第だ。


この材料で製作出来る最大の大きさは20cm口径用のエンクロージャーだが、

内容積は約80Lで30mm厚の板を30数段重ねて製作します。

重さは205Kgもあった(くり抜くから作品はそんなに重くはなりません)。

載せている30mm厚MDFの台車は重さで湾曲している、MDFは腰が無いのだ。

1枚1枚加工する訳だからトータルで205Kgを何回移動するのか自分でも分からない。

たったそれだけの事でも実は重労働なのだと言う事を最近気が付くのだからあきれる。


 


DSCN1020-1


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


次の写真はラウンド形状のドーナツ型(馬蹄型)に切り抜く為の治具を製作開始している

様子である。丸穴は板材を重ねる時の位置決めに利用され、組立時にはダボ(木製栓)

を通してやはり位置決めと接着強度を高める役を担います。


素人でも分かる通り、穴位置がずれれば積み重ねた板材もずれて積み重なります。

単純な穴開けが精度が生命線となる訳です。


ラウンド形状にもノウハウが詰め込まれています。

一般的な直方体のエンクロージャーは平行面が3箇所有り、各々の距離に応じて定在波を

発生させます。設計のポイントは黄金比を導き出してその定在波が可能な限り干渉しない

様な寸法を算出しますが、ラウンド方式は天地は別として他は定在波を極力減衰させる

様な複雑な曲面を構成します。この形状を考え出せればラウンドエンクロージャーの

主な設計は終わった様なものです。


天地もオプションとして内部非対称構造が可能であり、上手く行けば吸音材が全く不要に

なりますが、定在波減衰の目的では無くて音を整える目的で少量(葉書数枚程度)使う

程度で済みます。因みにウイングでは葉書大の吸音材をネットワークを覆う程度

充填しているだけです。


あとはその設計図面を具体的な形に作り上げる製作技術が要求されます。

穴あけ作業もそうですが全く同じにラウンド形状の板材を数十枚も切り抜くのは高度な

技が必要?と思われるかも知れませんがこれが案外に簡単なのです。

切り抜く為の使い勝手やその他の工夫を盛り込んだ治具の精度で全て決まります。


木材には年輪が有り、冬目と夏目では堅さが違います。その境目辺りに穴を空けようと

しますとドリルの刃は柔らかい方へ流れていきます。そのごく当たり前の現象を防ぎながら

正確で同じ位置に穴開けをするのはこの作品の製作工程で一番難しいかもしれません。

金属や樹脂ならこんな苦労は無いでしょう。

実はウイングやJBL38cm3Wayなどの材料は無垢材ですので、

今、扱っている合板などに比べ更に数倍は加工が難しいのです。


組立完成して完璧に積み重ねが滑らかに揃うと言う事はありません。

加工精度の点と、合板とは言え相手は生きている木材ですので収縮等が有るからです。


若干の時間は必要ですが、その段差(目違い)は鉋や電動サンダーで滑らかに仕上げる事は、


熟練した者には容易に対処出来ます。


その辺の画像も今後出来るだけ掲載してみたいと思います。

では今回はこのへんでおしまいです。



2011年10月19日水曜日

プラネタリウム メガスター の次は

先ほどNHKBS103でプラネタリウム作家の大平貴之がチリ・アタカマ砂漠へ旅して


地球上で一番綺麗な夜空の星を撮影する内容で放映していました。


標高5000mで高度順化と健康診断しないと登れない場所です。


 


メガスターは2200万個の星を投射する能力のある世界最高峰の装置ですが、


その上を行く装置を製作する為に実際の星空を見に行くと言う事です。


 


その地には現在、世界中の天文学者が集って世界最高峰の電波望遠鏡を設置中です。


氏の撮影した全天の星の画像を見た学者達も驚いていました。


それだけの物を作るとすれば、制作者はその装置の完成イメージを自身に


明確に持っていなければならない。


 


こじつけみたいですが、私がオーディオのイベント等にはあまり行かなくとも、


演奏会に多く足を運ぶのと同じと思います。


自分が感動する音楽、音を聞いていなくて何を表現できる??


どんなスピーカーを製作出来る??


 


ウッドウイルには大手のオーディオメーカーの方がいらっしゃいますが、


その都度、演奏会に行っている?と質問しますと殆どの方がノーと言われます。


11月3~5にインターナショナルオーディオショーが開催されますが、


以前その会場で母国の販売担当の方に試聴用CDが私と同じですねと訪ねたら、


演奏会で感動して以来今も使っていると話してくれました。


私も演奏会で感動し常用CDなので嬉しく思いましたが、でもそれが自然と思うのですが。


 


プラネタリウム作家の大平貴之氏も王道を進んでいるんだなぁ-と思いながら


番組を観ていました。次はきっと「ギガスター」となるんでしょうね。


 



2011年10月18日火曜日

地元の地震活動状況

信州大学の地震学者と放送大学の地震学者が地元で公開講演会を開催した。
時節柄気になる議題なので大学教授の話を聞いて来た。

小松左京の日本沈没で有名になった糸魚川-静岡構造線活断層が私の街に
沿って日本海と太平洋を横断しています。

この地に引っ越して土地を購入した約20年前、過去に重大な自然災害の記録は有るかと?(市が分譲した土地です)。
その様な災害は記録に無いと言ったので安心しました....が!

最後に起きたこの地域での地震災害(M8クラス)は1200年前との講演会での説明。

1200年何も無かったから市政発足1200年は経っていないから災害の記録は無いと言う
市の担当者の話は本当の事だろう。


過去には約1000年毎にM8クラスの災害が起きているから、
計算上は30年以内に14%の確率でM8の地震が起きても不思議ではないと。
M8とは震度6強~震度7であるから恐らく無事では済まないだろう。

震度6強。震度7では周り全部が液状化、古い家は全壊、ライフラインは全てストップ。

地元での講演なので地図にそれらの被害状況予測が盛られた資料が有るのが生々しい。

ただ事では済まされない事が分かります。
私は自営で家にいる事と家族も歩いて帰れる距離である事が救いである。

この構造線(活断層)が動くのは太平洋プレートとフィリピン海プレートが
太平洋側から大陸側へ押しているストレスが原動力らしい。
今回の東北震災の例の様にいくつかの活断層が同時に動いて巨大地震を
形成した様に東海地震/東南海地震/南海地震の3箇所が連動して
起きる可能性を今は排除できないのだそうだ。

30年以内に14%/50年以内に23%/100年以内に41%の確率。
50年以上の心配をする必要は無いから14%が問題だ。
何かしなければと思いついたのが講演会の帰りにホームセンターに寄って

食器棚の扉が開かないストッパーを 買って帰りました。

情けないがこれくらいしか考えられない。

寝室には家具を置かず、ヘルメットと一日分の食料、衣料をザックに収めています。

後は2,3週間分の水/食料/燃料/暖房(切れると死にます)/ トイレ/情報機器を

常備する様に家族と緊張感を持って話し合う事が出来た。
意味ある貴重な日となりました。

ここで大問題!

自宅は地震に耐えるだろうが、工房は大丈夫だろうか?

自分で設計してプレカットしてもらいセルフビルドしたものである。

壁やら天井には木材に工具に山積み!

工房にいる時に大地震に見舞われたらと思うと...

人間一人分の安全なシェルター地帯を確保せねば!。


2011年10月12日水曜日

アンジェラアキの津軽海峡冬景色

インターネットの動画サイトでアンジェラアキの津軽海峡冬景色を聞いて(観て)
感動してCDを購入してしまいました。


アンジェラアキはハーフで恐らくアラサーのピアノ弾き語りの今人気のミュージシャンです。
「拝啓 十五の君へ」は十代の若者に絶大な人気があるようです。


おじさんの私には15,6歳の時にそんな悩みがあったっけ??
今の若者は知らないがこんな応援歌があると心強く感じて助けになるんだ....
何か弱いなぁー、それに合わせている優しいミュージシャン程度にしか思っていなかった。


それがいきなり津軽海峡冬景色です。
私の田舎は北海道、何度も上野から夜行で青森に出て連絡船で函館に渡り旭川へ。
当時は23時間かかりました。


まるで津軽海峡冬景色の歌詞そのものです。
北へ帰る人の群れは誰も無口で....
上野からガタンゴトン揺られて寝不足で早朝青森に着くのですから
ハイテンションな人なんか居る訳ないのです。
逆コースでも北海道の各地から函館に集まって連絡船に乗る頃には
列車(電車ではありません)疲れが貯まっているので同じ様です。


当時の飛行機は高価だったので帰省の半分は連絡線でした。
年に一度の出稼ぎからの帰省、これから就職、進学、冠婚葬祭、
それぞれに人生を背負って乗った連絡船です。


アンジェラアキの津軽海峡冬景色の動画サイトには
演歌を汚すな!、おまえに演歌の何が分かる!....酷い中傷がありました。
でもこんな書き込みをしている方達は青函トンネルが完成した後の世代の人達です。
私にすればおまえらに何が分かる!です。


私の生まれた1954年には洞爺丸台風が発生してなんと函館の湾内で
4隻の連絡船が遭難して1,800名程の犠牲者が出ています。
この惨事を機会に青函トンネルが現実味を帯びて計画に上がりました。


私は未だ青函トンネルを通った事が有りません。
何時も時間がないので飛行機です、皮肉な物ですね。


さてアンジェラアキの津軽海峡冬景色の事ですが、
前述の様に「誰も無口」なのです。
石川さゆりにその歌唱力と演技で歌われると旅人は本当に沈み込んでしまうのです。
悲しく立ち直れない様な殺伐とした空気がそこには流れていました。


そんな事も知らないアンジェラアキですが歌唱力は驚く程の物ですばらしい。
彼女なりに編曲を考えたと思うのです。
その歌はバラードと演歌を融合させてピアノの弾き語りで更にドラマチックに仕立てています。
私が通っていた当時は未だこの歌は有りませんでしたが、
もしアンジェラアキの津軽海峡冬景色が当時に歌われていたら
帰省する旅人、旅立つ旅人共に明日に希望を持てたのではないだろうか?
そんなインスピレーションが湧いたので大好きになってしまったという訳です。
どうも大変お騒がわせいたしました。


「拝啓 十五の君へ」


http://www.youtube.com/watch?v=pFJ8EFzywjw


「津軽海峡冬景色」http://gyao.yahoo.co.jp/player/00100/v07982/v0993900000000543636/?list_id=828867&auto=0



2011年10月11日火曜日

小澤征爾

BS放送で小澤征爾の番組を放映していました。


こちらはサイトウキネンの地元なのでニュース等で知っている内容ではありました。


今年はオペラ指揮を休みながらも初演と千秋楽は何とか勤め上げました。


演奏指揮では チャイコフスキーの弦楽セレナーデを一曲指揮しました。


後は後継者に任せて止む無く休養したようです。


 


チャイコフスキーの弦楽セレナーデを指揮した後のコメントは音楽は生命そのものだと、


指揮にその全てを捧げている事がこの上もなく幸せな事だと。


小曲なのでCDも少なく聞く機会は少ないかも知れません。


音質はともかく下記を聞いてみて下さい。


http://www.youtube.com/watch?v=5R9RdRcKaB8&feature=fvsr


私は夏に放映した今年の演奏をBSで映像つきで録画したのでたまに聞いていますが、


その鬼気迫る迫力や思い詰めた様な切ない様なその音楽表現には他では感じられない


何か特別な物を感じてしまいます。


 


聞く物に特別な感動をもたらしてくれる。


何とか回復してもっともっと活躍して欲しいと願います。


彼の若き頃の姿を描いた本があります、指揮者とはこんな仕事なのか、


小澤征爾とはこんな人間なのかと感じ入る本であると確信します。


「ボクの音楽武者修行 (新潮文庫)


 


私の通っているペインクリニックにサイトウキネンの間、小澤征爾も通っていたのを知って、


驚きましたが、それ程無理を通して参加した音楽会だったのだと改めて思いました。


 


来年は通しで指揮できる事、音楽監督として全うできる事を心から願っています。


 



2011年10月1日土曜日

3月11日昼に届いたスピーカーユニット

事前の打ち合わせに従い、製作依頼を受けたエンクロージャーに搭載するスピーカーユニット


JBL CONTROL 328C(天井埋め込み用20cm2Way同軸型)が3月11日の昼に届きました。


その2,3時間後にあの震災発生でしたが、仙台から3月10日に発送された物です。


 


何と言う事だろうと思いながらも、通常でしたら受け取った旨の連絡を入れるのですが、


流石に現地はそれどころではないでしょうから控えました。


よくよく考えて連絡したのは2ヶ月後ですが、パソコンからのメールは届きました。


幸いに津波の被害は無く、ご家族も無事で何よりでした。


多くは語っていただけませんでしたが建物や家の中は相応の被害に遭われた事と想像します。


 


このユニットを搭載する作品が完成してもうすぐ納品となります。


CONTROL 328Cは中々の実力者です。中低域に厚みがありボーカルはリスナーの背中を超えて後ろまで


届きそうなリアルさです。20cm2Way同軸のホーン型でクロスが何と1.9KHzです。


この意味を分かって下さると嬉しいのですが。


昨年再度マスタリングされたビートルズのHere Ccome The Sun 、何とも再生の難しい曲ですが、


CONTROL 328Cは見事にボーカルもギターもエネルギッシュに鳴ってくれました。


おかげでアマチュアバンドをされているお客さんと一緒に聞きながら楽しく会話が出来ました。


とにかくお客様が無事でユニットもあわやの惨事から救われた事は本当に良かったと思っています。


近々ホームページに作品を紹介いたします。


DSCN0931


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今年の登山

退院数ヶ月後にリハビリと長い運動不足とリフレッシュを兼ねて今年も登山を行った。

そもそもこの地に住んでいるのは自然に接し、山もスキーも気軽に出来る事がある。

でも納期遅れを出している身としては小さくならざるを得ません。

肩は思う様に動かなくても足腰は元気なのです、済みませんです。


昨年から今年は北アルプスの双六岳周辺を歩こうと計画していました。

体力は落ちているから山小屋泊まりと考えていたのですが、メインイベント登山に備えて

登った白馬大池での山小屋が超絶混みで完璧に不快で頭に来る/嫌気がさす等で

装備を再点検、殆ど総入れ替え、軽量化して夢の様なテント泊まり登山が実現しました。


先ずは地元の八ヶ岳、霧ヶ峰、足を伸ばして湯の丸高原の日帰り登山。

次に北アルプスの白馬大池~白馬岳~大雪渓の一泊登山。

メインイベントに双六岳周辺/鏡平/三俣蓮華等の三泊テント登山。

締めは秋の八ヶ岳の硫黄岳と根石岳。


どの登山も帰って来ると足の筋肉痛はありますが肩も腕も軽くなります。

きっと登山中に色々な動きをしているのが良いようです。

頭もスッキリして最高の気分転換です。


 


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湯ノ丸高原の湿原を遠望

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八ヶ岳の主峰を望む

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白馬岳山頂

  DSC00901
北アルプスの鏡平


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槍ヶ岳と穂高を奥地から遠望


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双六岳キャンプ場(右端手前が我が家)



2011年9月5日月曜日

チェロの再生

今年もN響次席チェリストの藤村さんの演奏を聴きました。


前回お会いした時に楽器自身のウオーミングアップに加えて演奏会場の床との


協調も重要だと言われていました。


チェロはエンドピンというピン状の先を床に刺しシャフトで繋ぎ楽器を支える構造ですので


床に振動が直接伝わる事は理解していました。


今年も例の如く正面(チェロが倒れると届く程の距離)で靴を脱いで裸足で聞いてみました。


驚く事に足裏には想像以上の振動が伝わります。


楽器の音に加えて床の振動音も聞いていたのだと明確に理解出来ました。


 


弓で擦った弦その物の音と駒で弦の水平振動を垂直振動に変換して表板を振動させ、


胴体内部の共鳴を誘い胴全体を振動させ、更に魂柱で裏板に直接振動を伝えて協調する。


そんな楽器全体の振動(響き)と床振動をも加えた音を我々は聞いている訳です。


壁や天井の振動も反射音も加わっている事は勿論です。


 


比べてスピーカーなのですが、当工房の無垢材スピーカーは積極的にエンクロージャーを


共振させて良好な響きの音色を引き出していますが楽器には遠く及びません。


エンクロージャーは振動してはならない、再生音はユニットからの振動板の音だけで


有るべき!と言う考え方が主流なのは承知していますが納得出来無い領域もあります。


チェロの振動量は微々たる物ですが振動面積が大変広いのに対して、


ユニット振動板はかなり狭く、それを補う為に振動量(ストローク)でカバーしています。


 


中域や高域の再生には広い振動板面積は原理的には不要ですが、


では何故ヴァイオリンなどはあの様に大きいのでしょう?


今回聞いていて思ったのは振動板のストロークは小さくて良いから良く響く


広い面積のユニット振動板とそれを納めるやはり心地良く響くエンクロージャーが


必要では無いのかと言う事です。


 


最近、広面積平面振動板スピーカーを聞き、その音質改善を検討する機会がありました。


アイディアは良いのですがそれを具体化する加工技術が拙く問題大でした。


 


つき板張り仕上げのエンクロージャーを製作する時には、本体が完成してからつき板を


張るのですが、ユニットの開口部を塞ぐ様に張り、アイロンで熱しますのでつき板は


障子紙の様にピーンと強く張っています。薄さは0.2~0.3mmです。


開口部穴の面積を持った振動板と言う事が出来ます。太鼓の皮とも言えるでしょう。


そのつき板をはじいた時の張りがあって反応の良い軽々とした音に何時も惚れ惚れします。


ユニットを取り付ける為にそのつき板をくり抜くのがもったいない様な気になります。


チェリーやメープル、ウオールナットにオーク、樺などの響きは素敵です。


薄板無垢材の素材のままの響きです。


 


その振動板を取り出してユニットの駆動回路と連結する構想で考えますと


エンクロージャー前面とほぼ同面積で響かせる事が出来る筈です。


エンクロージャー素材も構造もその響きを妨げ無いどころかより積極的に響かせる、


それこそが電気音響技術の可能性の秘めた所です。


未だ見ぬ(未だ聞かぬ)その世界を創造しつつ実現出来たらすばらしいだろうと


思いにふける今日この頃です。


 



制作活動中です。

前回書いた内容とたいして変わりませんが...。


 


生来、体は丈夫な方では無かったが学生時代に鍛えたので


体力、筋力には些かの自身が有った。


そういえば独立前に家具作家で手工具の仕込みを教わった先生の奥さんから


主人は体がきつそうよ...と言われた事があったが気に止めなかったし


事実、ほんの少し前までは忘れていた言葉であった。


 


面倒な事や辛い事、疲れる事を目ざとく察して手を出さない賢い人がいるが、


当方はそんな知恵は働かず馬鹿正直に始めてしまい、後から気が付いてしまったと


言う事が良くあるので困ったものだ。


 


体調万全だったから気にしていなかったが、今は少しは考える様になって来た。


最近の例では...ビスケットジョイントの穴開け加工を例に取ってみよう。


接着強度を高める連結材を埋め込む加工でウッドウイルの作品には欠かせない作業です。


20cm口径用のエンクロージャーペアではビスケットの数は約100箇所です。


穴開けは接合部両面に必要なので穴加工数は約200箇所です。


ビスケットジョイナーと言う穴開け加工する電動工具が約3.5Kgで、


材料を揃えてその機械を正確に構えて押し込んで穴開けしますが、


一列の加工が終わると材料の位置を変える為に機械を置き、再度持ち直して加工します。


姿勢の関係で片腕で持ちますが、その回数が置いて構えてで約100回です。


バーベル運動で3.5Kgを100回左右上下させながらの運動はどの様な負荷となるでしょう?。


 


昨年製作した46cmサブウーファーエンクロージャーでは穴数が約400個で持ち替え


回数は200回。未公開の76cmサブウーファーでは数えるのも恐ろしい...。


これは鉋削りや他の作業に比べればかなり楽な方の作業なのですから、


冷静に考えるとかなりハードな作業を無考慮で行っていた事となります。


この辺に賢さや知恵が足りない理由が有る訳ですね、気が付くのが実に遅い。


 


またパソコンのトラブルの話です。


思えば昨春にウインドウズ7proに変えてからトラブルが始まっています。


やっと手作業で回復させたホームページのデーターが治まっていたHDDのシステムは


MSから勝手に送信されてくるアップデートに答えたらウインドウズが立ち上がらなくなった。


調べたら被害者が相当いるみたいです。


泣きっ面に蜂でプリンターが「ガガガガッ」と叫んで壊れ、


ついでに携帯も壊れるという不思議な連鎖が生じています。


早くこの悪夢から覚めたいものです。


 


携帯の使い道は出先で作品の画像を見てもらう為になるべく高画質で大画面を。


Wi-Fi対応で無線LANでホームページも閲覧出来る事。


移動中は音楽再生する等々からメモリーカードは大容量の物を。


殆ど工房に居るから携帯での電話やメールはあまり必要有りませんけど


そうしたらスマートフォンしかないと窓口で相談したら通信費用が月に最低でも


7~8千円必要でアプリを入れたらどんどん高くなります。


NHKの受信料、有線TVの契約料、プロバイダーやホームページの契約料、固定電話に


新聞代等々考えたらスマートフォンとガラパゴスの中間みたいな機種が有って、


通信費は従来並でそれに決まり!、スマートフォン手に出来るのは何時になる事やら。


 



2011年7月16日土曜日

しばらく製作作業を休んでいました

ブログに入院生活の事(かなりの長編)を書き込んでいましたが、


昨年の大物製作の無理と日々の体へのメンテナンス不足で肩が動かなくなり


入院/手術/リハビリと製作をしばらく休んでいました。


皆様には大変ご迷惑をおかけしまして申し訳ありませんでした。


お陰様で現在はかなり回復しまして既に製作開始しております。


完成作品の紹介も随時掲載していきますのでお待ち下さい。


 


併せてホームページの更新が止まっていました。何故か昨年からパソコンの不調に悩まされております。メールの仕事用フォルダーだけが消えて無くなる、重要ファイルが半年も前の履歴に戻ってしまう、ハードディスクが壊れシステムが起動しなくなる...バックアップを取っていたはずのホームページのデーターが半年以上前の古いデーターに逆戻りしまして、ファイルを全て手作業で更新するという事態となっていました。既に回復させましたがその間、更新したくとも出来ない状態が続いていました。


皆さんもバックアップは考えておられるでしょうが、ウッドウイルの現在のバックアップ体制はシステム回復用内蔵ハードディスクを2台用意し、そのディスクには時間差を置いたデーターのバックアップもしています。RAID構成のハードディスクによるバックアップはハードの故障時には有効ですが、誤操作でデーターを削除したり変更した様な場合にはそのままバックアップされますので危険です、時間差を置いたバックアップが別途必要です。更に外付ハードディスクに日々データーのバックアップを取っています。専用ソフトを使ってバックアップするフォルダー等を設定していますのでいとも簡単に必要なバックアップが可能となっています。


痛い思いをしたので慎重な対応となりました。皆さんもどうか気をつけて下さい。


 


 


 


 


 



高齢化による難聴

ウッドウイルのお客様の中心は50代から60代です。


専門書によれば高音が聞こえにくくなり始める年齢との事ですので、スピーカー作りも何か対策を考えなければならないのか??と常々考えてはいました。


物理特性だけを考えれば高域をブーストしたレコードのRIAAカーブみたいなプリエンファシスを加えれば、高域特製が減衰した高齢者の聴覚と併せるとフラットには出来そうです。


知り合いの業界の方は自身の可聴帯域は20Hz~20KHzだと固く信じています。たまたま私は高校生の時に物理の実験で自身の可聴帯域を測定する機会がありました。結果は18KHzでしたが、同級生の中では16KHzまで聞く事が出来るのが大半で18KHz迄は少数でした。担当教官によると人の持つ能力の限界が20Hz~20KHzであって誰もが聞こえる訳では無いとの事でした。そんな事から気楽に考えていたのですがその業界の方は勧めても測定に応じようとはしませんでした。気持ちは分かる様な気がします。人間には100mを10秒切る走力を持ち合わせている人がいるからと言って誰もがそんな事は出来ないのと似ている様な気がします。


仕事で日常的にスピーカーの再生周波数特性を測定していますので分かるのですが、10KHzを超えるとその上はかなり微妙になって来ます。20KHz超を超える測定結果と測定中に実際に聞いている聴感上の感覚はなかなか一致しません。


クラッシックのコンサートに良く出かけますが聴衆は殆ど中高年者ですし、演奏家の年齢層もかなり高いオーケストラもあります。指揮者に至っては高齢者が幅を効かせています。そうすると高域特製が減衰した者同士が演奏して聞いて楽しんでいるのだからそれでいいのか!とも思ってしまいます。


そんな折、有る業界で高齢者(年齢による、又は病気による)に聞こえやすいスピーカーの開発をしているとの事です。直ぐに思いつくのは可聴帯域の事でしたが事はそんなに単純ではなさそうです。小さな音が聞こえなくなりTV等の音を大きくして周りの健常者との調和が乱れるのは実家でも起きているので理解出来ます。しかしよく調べると音が小さいから聞こえないのでは無くて、ノイズの様に聞こえてはいるが明瞭度が無いので識別出来ずに聞こえないという問題も多いのだそうです。


老人ホームでは広間のTVの前にいる方達が大音量で聞いているので、他にいる方達が会話が出来ない、医師の説明が患者に伝わらず等々のこの種の問題が表には出ていませんが深刻になる様相を呈しているそうです。


HiFi再生の前に明瞭度の優れた再生装置の開発が望まれ、その先に音質も付加されるというイメージになるのでしょうか?。ウッドウイルでも既に関わりを持って来ているので更に詳しい説明が出来る事もあろうかと思います。


 


 


 


 


 


 



2011年7月15日金曜日

サントリーホールの二日間

サントリーホールでホールのイベントの一つである6月のコンサートと五嶋みどりのリサイタルを聞いて来ました。


イベントコンサートは


.チェロに堤鋼でサントリーホールの支配人でもあり、ソリストとして何度か聞いている。


.ヴァイオリンに竹澤恭子、ブラームスの演奏に生涯を捧げている様です。


.ヴィオラに豊嶋泰嗣、国内オケでは主席で演奏しているのを何度か聞いている。斉藤記念にも参加されている。


.ピアノにメナヘム.プレスラー、高齢だがかなりの実力者だそうであり初めて聞きました。


演奏曲目はシューマン:ピアノ四重奏/ドホナーニ:弦楽三重奏の為のセレナード/


ドヴォルザーク:ピアノ四重奏曲でした。


感想としては個人の力量は素晴らしいのに今回の四重奏では感動は無かった。無味無臭の素っ気ないイベントの最終日を飾るコンサートとしては如何な物かと静かに帰りました。


 


この日のコンサートに対して次の日の五嶋みどりは圧巻です。伴奏のピアニストを変えた様ですが息も表現もピッタリです。演奏曲目はモーツァルト/ヤナーチェク/ラベル/ベートベンそれぞれのピアノとヴァイオリンのためのソナタでした。美しいメロディーラインの曲とは違って取っつきにくそうな難しい曲の連続でした。


一曲目が終わって周りの観衆が囁くには音楽会ではなくて演劇でも観ているみたい!。それ程に音楽表現が豊かで私も全く同じ感想を持ちました。毎回進化しています。素晴らしい。きっと他の方が演奏したら難解で難しいだけの演奏となっていた筈ずと思いました。


今回は先行予約のS席でしたが一番外れの席で音質を判断する事は諦めて音楽を楽しみました。座席指定の出来ない先行予約は次回からはしない事に決めました。あと、室内楽ではサントリーホールは大き過ぎて音響が良くない。東京オペラシティーホールや浜離宮朝日ホールなどの中型ホールが良いのですが、そうそう希望通りの環境には巡り会いませんね。



2011年4月22日金曜日

視覚と聴覚と痛覚の戦いBy入院生活-1

昨年続いた大物製作で肩を痛めて手術、入院生活を余儀なくされた。


ここでは入院生活をどの様に過ごしたかについて触れてみようと思います。


痛みで眠れぬ夜を過ごした方法を思い出しながら書き連ねてみようと言う訳です。


 


1ヶ月以上の入院予想だったので事前に小説、技術書等の書籍と新しいアプリケーション


他多数。各種ジャンルの音楽CDやBS、ハイビジョン放送で録画したブルーレイの音楽番組や


映画の類に購入したままの映画ソフト等々を大量に準備しました。


特に日常的に試聴に使う楽曲は大体決まっており、それもさびの部分だけを聞く事が多いの


で、この機会に交響曲などはじっくり聞いてやろうと意気込んでいました。


 


入院前日にギリギリ届いたブルーレイ搭載ノートパソコンは何とJBLのAV仕様。


とにかく慌ただしくインストールして病院に持ち込んだ。


メールだけは送受信出来るように準備したが、病院ではLANにつなげられないのでUSBに


保存した受信メールを自宅から運んで来てもらい、翌日返事をUSBで渡して自宅から返信


すると言う、ハイテクだかローテクだか分からない手段で何とか業務に支障の無い様に


努めた。


 


さて入院中の時間の使い方の算段です。


手術が終わって後の入院生活は、起床(寝てないが)/検温/朝食/病室の掃除/


自主リハビリ+アイシング数回/昼食/リハビリ+拷問牽引(重りを付けて腕を吊る!)+


アイシング(数回)/検温/回診/夕食と続き、加えて数日おきに体拭きや洗髪などが


あって、暇かと思いきや2時間以上空く様な時間が案外に無くて、先ずは昼間に3時間以上


ある様な映画を鑑賞する事は諦める事としました。


更に、手術後には脇下に大きなパットを取り付けられて腕と肩を24時間固定させられました。


腕を動かせないのでマウス操作ができない、3DCGのアプリケーションの勉強も諦めざるを


得ませんでした。


 


大きな思い違いが有りました。手術する迄苦しんだ肩や腕の痛みは手術と共に消えるものか


と思っていました。リハビリの時だけ痛い思いを我慢すれば良いのかと考えていた訳です。


現実は違っていて24時間痛みが続きます。強い鎮痛剤を限度まで服用し、病院の早い消灯


で床についても、毎晩11時から1時には痛みで起きてしまう。


しばらく悶々としてから諦めて座薬を頼んで用いるのですがそれでも寝る事は叶わない。


これが毎日続くと言う状況でした。


 


24時間痛いので1日3回食後服用の鎮痛剤を何時飲むかが重要ポイントとなり思考は全て


そこに集中します。起床時が一番痛いので朝食後に直ぐ服用したい所ですがよく考えます。


なにしろ15分で効果が現れ3~4時間で効かなくなりますので、拷問牽引やリハビリの時に


薬が効いている事を優先します。任意の時間に服用出来る様にバナナなどの服用時に


胃に入れる食品を確保しておき、食事後の服用時間に拘束されない様に考えます。


メタボ腹になっているのでこれも良い機会と思い、上記以外の病院食以外は何も


食べませんでした。


1日1900Kcalきっちりの食生活です、退院時には2.5Kg減量となっていました。


見舞いからいただく菓子、果物類はもったいないとは思いましたが口にしませんでした、


ごめんなさい。


 


 


『読書による時間の使い方』


痛さを我慢している為か七面倒くさい技術書は読んでいると怒りぽっくなり殆ど読めません。


同じく翻訳本に良く有る形容詞を羅列した類の本も読みづらく読めませんでした。


難解な物、理屈ぽっくて展開の遅い類の本は受け入れられませんでした。


理屈抜きに展開の早い内容の小説で警察物や司法物のサスペンス、私の好きな潜水艦


物や大航海時代の戦力艦の戦記などは楽しかったですし、気持ちをほのぼのとさせてくれる


類の本も楽しめました。


●脳を理論立てて使う事を要求する類の本は痛みに耐えている状態では受け入れ不可。


 脳が勝手に想像を膨らませて別の世界に導いてくれる類の本は合格です。


 痛みを一時でも忘れさせてくれます。


 


 


 


『音楽による時間の使い方1.』


先ずは音楽/映画鑑賞ツールの説明。


ノートパソコンにはJBLの2.1chスピーカーと専用再生ソフトが入っているAV対応ノートの


DEL-XPS15。底面にサブウーファー付で4W×2+12Wの計20Wで凄い!効果有るのか?。


イヤフォンで聞きますから今回は2.1chには眠ってもらいます。画面は15.6インチ/WXGA/


1366×768/高性能グラフィックスボード/ブルーレイドライブ内蔵/CPU-Corei5等で


ハイビジョンソフトが鑑賞出来る環境です。


http://www1.jp.dell.com/jp/ja/home/notebooks/xps-15/pd.aspx?refid=xps-15&s=dhs&cs=jpdhs1&~ck=mn


妻のノートは壊れかけていて気が引けるのでXPS17のフルスペックを導入しました。


XPS15は仕事用だから余計なオプションは付けていないがXPS17はフルスペックです。


こちらにしておけば良かったと反省。


 


イヤフォンはカナル型インナーイヤホンのエティモテックリサーチのER-4Bを使います。


http://www.etymotic.com/ephp/er4-wrfy.aspx


http://www.etymotic.com/ephp/er4.aspx


音質はバランス良く質実剛健で余計な色づけをしていないので好感が持てます。


長時間の試聴でも疲労が少ないのは大いに助かりました。EQ等で詳細な音質調整が


出来るのも役立ちました。でも最大の特徴は遮音性です。場所柄、音が漏れては困るので


その点では満点です。-42dBの遮音特製です。計算上は外の音の聞こえ方が1/126になる


訳です。音楽を聞いていてナースに何度も叩かれました(そっとですが)。それ程に遮音性の


高いイヤフォンを装着している事が分からずに無視されていると思い、怒ったナースもいたの


ではなどと心配になったくらいです。でも音楽プレーヤーが2台買える価格は辛い。


 


このイヤフォンは携帯電話での音楽再生やワンセグにも使っていましたが、携帯での音楽


再生は音質が良くない。これはドコモの指示によるWindows Media PlayerでCDをリッピング


(読み込み)して専用ソフトで携帯に転送する手順によるもので、携帯とソフトの機能不足から


来る総合的な音質不良と考えられます。数年前にキムタクが派手に宣伝していた機種なので


すがね。ホームページに載せている試聴用のCD殆どが携帯の中に入っていましたが音が


悪くあまり聞きませんでした。


 


ドコモの最新XperiaではPCオーディオで扱う高音質ソフトが使えそうなので機種変更を検討


中です。綺麗な4.2インチの画面も作品を紹介するには充分で無線LANで料金を気にせず


ネットを見られるのも良い。とにかくJBLのAVパソコンの音が良かったので助けられました。


この文章を書きながらこのノートパソコンのスピーカーでブルーレイを視聴していますが、


スピーカーで聞いてもなかなかです。弦が綺麗でパソコン用外部スピーカーセットより中高音


は綺麗で、ハードメープル無垢の机に載せていますので低音も天板が助けてくれて


まずまずでした。


 


 


『音楽による時間の使い方2.』


読書や映像付き音源の視聴で目が疲れてくると次は音楽鑑賞です。同じ痛さでも日中と夜中


はでは気が紛れる為か痛さの感じ方が違いう様です。日中はそこそこ聞いて楽しむ事が


出来ました。現在継続購入中の「ウイーンフィル魅惑の名曲」全50巻の内25巻程を読破?の


目標はあえなく6巻で終わりってしまいました。


http://www.shogakukan.co.jp/wien-cd/about.html


ジャズから音楽好きになったのに近頃は遠ざかっていますが、DAVE BRUBECKの


テイクファイブやhttp://www.youtube.com/watch?v=BwNrmYRiX_o


キューバ音楽のCACHAITOのベースなどは大変気晴らしになり楽しみました。


http://www.youtube.com/watch?v=FggyNIsPJmU


 


**ちょっと話はかなり脱線しますが**


25年程前、国内外を出張で飛び回っていた頃、インドに2ヶ月程の出張に行きました。


カルカッタ到着の筈が嵐で国の反対側のニューデリーに深夜下ろされました。ジャンボ1機に


税関職員が二人、ボスが事務所にいてそのまたボスが更に奥にいてただ見ています。


数百人が夜中を通しての通関苦行の始まりです。私の前の婦人達はアクセサリー類を没収


されます、嫌なら賄賂です。一人一人にひと悶着が起こります。私は気が重くなります、


何しろ特大スーツケースを3個持っています。億単位のパーツを数万円と申告した物や、


特殊な工具類や当時で言うラップトップパソコン、私物の最新パーソナルオーディオ機器など


を持っているので係員との悶着は避けられないだろうと。特殊な機械や工具は通関ならん!


ここに置いて行け!。そこで、こんな時の為に準備してあった書類を見せます。


お国の国営企業の依頼で来ました。この荷物を私が期日迄に届けて工事しないと大変な事


になりますと書いてあります、職員はボスの所へ相談に。その間は通関停止、戻って来て駄


目と言うので次の作戦へ、ここの税関の責任者の名前を教えろ、後で国営企業から連絡が


来て相応の処置を行うだろうと、職員はボスの所へ、更に奥のボスの所へ、その間またまた


通関停止。私の後ろの人の冷たい視線に凍りつきそうです。


カースト制度のため上の位の者は下の位の者の仕事を手伝ったりしないらしいです。


 


戻って来て仕事道具は了解したとの事、やれやれお役人は疲れる。次は私物です。当時


発売されたばかりの最新のCDウオークマンとアンプ内蔵スピーカーとその付属品に音楽


CD数十枚が出て来て職員は???。これは何だと!、無理も無いのです、この製品は日本


以外には発売されていない、小型で高性能で高価な品でした。音楽を聴く装置で普通の市販


品で特別な物では無いと強調します。職員はここで開いて動かせと言い張ります。


かまはないが電源が要るし、時間がかかる等々要求すると、いいからここに置いて行けと言


われます。仕事場に持って行くからここには置いて行けない!。当然です、ニューヨークに行


くつもりがサンフランシスコに下ろされて帰りに取りに来いなんてね。又職員はボスの所へ、


職員も疲れたのか行列が進まないので根負けしてOKを出してくれて無事通関終了。


私だけで1時間は費やし申し訳なさと怒りの視線を浴びてさっさと逃げ出します。


 


そうやって苦労して持ち込んだ最新オーディオシステムをホテルのゲストルームに設置しまし


た。ここ迄は良かったのですが、当時出張に馴れた私でも初めて気が付いた事がありまし


た。出張先は後進国の中の更に最奥地にある国営工場なので、工場以外には自然以外に


何もない。お金を使う所も無い程です。仕事を終えて部屋に戻るとTVでインドの番組が砂漠


の中に見え隠れしますが、あとはレストランのウエイターに注文する以外人と会わない、話さ


ない、孤独なのです。


 


それが2ヶ月です。いつのまにか持参した各ジャンルのCDの中で女性ボーカル、それも日本


人以外は聞かなくなっていました。大好きな当時のナベサダも賑やかで楽しそうなのですが


一人では空しい。当時流行のアールクルーなんか聞こう物なら心まで凍り付いてしまいそうで


す。森山良子/高橋真梨子/竹内まりや/山本潤子/そしてユーミン。彼女達には本当に


お世話になりました。癒されました。


●この孤独という感情はある意味、心の痛さでは無いかと思うに至りました。楽しい曲、クール


な曲、ストイックな曲など日常と違う環境では聞く事に耐えられない種類の曲が有る事に気づ


きました。


 


『音楽による時間の使い方3.』


問題は眠れない夜の過ごし方です。


夜中ですからノートパソコンの画面の照明しか有りません、自然に目を閉じて聞く事となりま


す。コンサートではどんなに特等席でも私は殆ど目を閉じて聞いています。時々もったいない


ので演奏する姿(姿勢もチェック!)を目に焼き付ける程度に目を開けます。


目を閉じる事により曲に集中出来ます。音の細部が見えて来て、音の形や色彩までが見えて


来る事も珍しくありません。ヴァイオリンの弦と表板/底板の響きが聞き分けられ、音の伝わ


り方が形を持って見えて来ます。曲の世界に没頭出来る。脳の中は音の、音楽の世界で満


たされるのです。


 


深夜の音楽鑑賞では脳の中で音の世界を築き上げる感性と眠れぬ程の痛さの痛覚が脳の


中で戦います。感性が勝利すれば心穏やかに深夜の音楽鑑賞となるのですが、現実には痛


覚が完勝しました。痛覚は若いナースが用いてくれた座薬の薬効にも負けずに風林火山よろ


しく微動だにしませんでした。感性の力は音楽の様にピアニッシモからフォルテシモの様に連


続的に変化します。美しいメロディラインが流れていればその瞬間はフォルテシモの様に感


性が強まり脳を支配します。曲が単調になったり馴染めない楽曲では感性はピアニッシモと


なり脳は痛覚に支配されてしまいます。


●連続して変化する楽曲の全てを感性がフォルテシモの様に継続出来ない以上、


 連続している痛覚に隙を突かれて断続的に脳を支配されてしまう。


結果として音楽に没頭する事が出来ないので鑑賞を継続する事が出来ない。


 うーん残念!!、音楽情報だけではこの痛覚に勝てないと言う結果となってしまいました。


 



視覚と聴覚と痛覚の戦いBy入院生活-2

『映像付音楽と映画による時間の使い方1.』


冒頭で書いた様に映像ソフトも豊富に用意していましたのでそれをいつ鑑賞するかを考


えます。部屋の雑音はイヤフォンで遮断出来、音楽は目を閉じれば済みますが、病室


(4人部屋)では暗黙のルールによりカーテンが開放されているので明るく、人通りも案外ある


ので集中出来ません。初めの頃にカーテンを占めていたら明るく元気で可愛いナースが


気持ちが良いからカーテン開けましょうね!と大声で言われて以後開放のままです。


痛みで寝れずナーバスになっている所に盛大に周りに迷惑をかける病人が新たに同室に


なってもうキレそう!。個室を希望するがより重篤な患者で埋まり我慢して下さいとの事、


うーん。 


治療で入院しているのだから読書/音楽鑑賞/映画鑑賞/などに集中したいと言う方が


心得違いなのかも知れません。しかし治療に必要な事は全力で実行している。限界迄拷問


牽引に耐え、自主リハビリもこなし、8階建て病棟を一日4往復して一日4千歩を歩きました。


それ以外の時間を無にせず有意義に過ごしたいのです。結局は昼間は読書と少しの


音楽鑑賞とパソコンでお客さんへの問い合わせの返事、見積提案等をメール作成する


事に時間を多く割く事となりました。


 


夕方となり夕食(18:00)も終わると夜勤のナースが挨拶に来て夜の過ごし方の確認を


します。今晩の座薬は彼女に頼む事になるのかと複雑な思いを感じながら話を聞きます。


痛め止めを服用するタイミングとか睡眠剤を服用するか等々の相談です。病院側もまともに


寝ていない患者には注意を払う様です。知りませんでしたが私は睡眠剤はあまり効かない


様です。それと便秘(失礼!)普段は超が付く程の快便なのですが、痛みで体中(内臓も)が


相当に緊張していますので通じが悪いのは無理も無いのではと思いました。


それが終わると消灯(21:00)迄は自由時間となりカーテンを閉めたりして鑑賞準備をさりげな


く始めます。


 


消灯迄は切りの良い所まで読書を進めたり、ニュースをワンセグで見たり(携帯の便利さを


再確認出来ました)。日中よりはのんびりして眠りやすい様に穏やかに過ごします。


見舞いに来てくれた妻と談話室に移動してその日の出来事を話したりお茶をしながらしばし


寛ぎます。大事な送信メールもUSBに入れて持ち帰って送信を頼んだりもします。


 


ほぼ毎日消灯直前に一日に服用出来る最後の鎮痛剤を服用して寝ます。15分で薬は効き


出し不思議と簡単に眠りにつく事が出来ます。普段も床につくと数十秒で眠りにつくのでこの


点は助かります。痛みで夜中に(未だ夜中になっていない事が多い)起きた時からがやっか


いなのです。座薬を用いても寝れないのですが、敢えて眠りにつこうなどと思わない様にしま


す。ナースも無理に寝ようとして悶々としても精神的に参るから開き直っても良いのではと


言ってくれます。0時と3時に見回りに来るのですが、ノートパソコンの画面を見つめる姿を


確認しても何も無かった様に黙って巡回して行きます。


 


さてそれからの時間(毎晩11時から1時頃)は基本的には起床時間までの時間つぶしです。


音楽にしろ映画にしろ余程面白い物でないと痛覚に負けてしまいますのでソフトは慎重に


選択します。映画はBSやハイビジョン放送の録画と購入したDVDです。


未だ見ていない物、何度か見た物、中学生や大学時代に見た映画もあり楽しみです。


音楽(映像付き)も殆どが録画ですが何本かは購入した物もあります。


 


『先ずは映像付き音楽から1.ポピュラー編』


1.2010/1月JCBホール  BS2放映 大貫妙子ピュアアコーステック2009


http://www.amazon.co.jp/dp/B002WQSVC4


http://www.youtube.com/watch?v=tccs2R63ks0&feature=related


http://www.youtube.com/watch?v=7Z6EfACV4t8&feature=related


http://www.youtube.com/watch?v=QLco4ZEj5-A&feature=related


 同年代、リアルタイムで活動を見て来た。若い頃は高原サラダみたいな清楚なイメージが


最近は個性が滲み出ています。ぶれずに歌い続けていると何かの形が出来上がっていて


ジャズに聞こえたりシャンソンに聞こえたりと不思議です。人生を重ねて歌う姿に観客の表情


が答えを出している様です。楽曲と歌い手の良さステージの暗さと病室の暗さが見事に


調和。


●痛みを忘れて楽しめた今回一番のソフトで入院中に何度も見た(助けられた)。


上記の黒のクレール(若い頃)と今の歌とを聞き比べると年齢を重ねる事の意味をしみじみ


感じます。


 


2.DVD版 吉田拓郎 ‘93 TRAVELLIN’MAN LIVE NHK STUDIO101 


何時だったかTV放映しているのを偶然見た。昔から知っている曲で「外は白い雪の夜」を


聞いた。聞き惚れて固まってしまった。現代風にアレンジしていて拓郎が進化しているのを


知って嬉しかった。何年も探して見つけたDVD正規版で12曲入っています。下記には同じ


映像が入っています。


 http://www.youtube.com/watch?v=SYQy1hkdx04


●ラジオ番組の邦楽、洋楽ベストテンで「旅の宿」が連続トップの頃に放送を聞きながら


教習所通って車の免許取った。当時を思い出し痛さを忘れる。


 


3.DVD ボックス版 小田和正 「風のように歌が流れていた」2004/9月~11月 


TBSにて6回放映。


ライブでジャズにはまっていたのでリアルタイムでは小田和正を聞いてはいなかった。


友人が我が家のシアターで聞かせてくれと言うのでしばらく預かって鑑賞した。


歌に込めた思いが伝わります。衰えぬ声に驚きます。素晴らしいゲストが多数参加します。


特に山本潤子、鈴木雅之は素晴らしい、彼らのCDを多数持っているがこれが一番良い。


オフコース/赤い鳥が競った第3回全日本ライト.ミュージックコンテスト決勝ライブでの


情熱を込め、生き生きと弾む様な声、これが若さだったかと思い出される音源も入って


います。このコンテストの音源がありCDを購入、因みに高校の時に買った赤い鳥の初LPを


今も持っています。


http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00092QSPK/ref=olp_product_details?ie=UTF8&me=&seller=


●我を忘れます、時間を忘れます。


 


4.NHK総合 SONGS 2009/11/11~4周連続放映


“デビュー40周年”を迎えた 井上陽水さんを、“4週連続”で特集する「SONGS 井上陽水」


フォークやニューミュージックなどにはあまり関心が無かったが、陽水の曲は嫌でも耳に、


心に入って来た。今でも現役バリバリ、若手を発掘し、影響力絶大、だんだん妖怪、化け物


風の凄みが出て来た。その割に控えめで丁寧な語り口に照れ屋だから尚更に人間離れした


感がある。


http://www.nhk.or.jp/songs/archive/091111.html


http://www.youtube.com/watch?v=dCRMh2ucrKc


●深夜の病室で視聴する「とまどうペリカン」、何とも言えません。インドでも聞いていたな。


   


 5.NHK総合 SONGS 2010/04/21 放映


 女性歌手の名曲を德永英明さんがカバーする「VOCALIST」シリーズ第4弾


 http://www.nhk.or.jp/songs/archive/100421.html


 http://www.youtube.com/watch?v=w9bxyOGTsrI


 ●4枚入りCDBOXは購入済みで「ハナミズキ」は試聴にも使っています。


   カバーしていると言うより自分の曲に消化しきっている所が見事です。


 


6.NHK総合 SONGS premium 2010/03/12 放映


今年で30周年を迎える松田聖子さんの特集。


http://www.nhk.or.jp/songs/p100312.html


http://www.youtube.com/watch?v=ua-3J8VDTWo


●私が聖子ちゃんの歌を聴いたっていいでしょう!、赤いスイトピーや下記のビールの


CMソングなどで徐々に惹かれていった。この番組での若い頃のヒットメドレーは


ちょっと引いてしまうが、良く見ればいつの間にか大変魅力的で歌もしっとりと聴かせる


素敵な女性になっていました。


 


 7.BSジャパン 2010/04/17 放映


 第3回 逢坂剛 『カディスの赤い星 ギターコンサート』メインゲスト: ハビエル.コンデ


 直木賞作家である逢坂剛はフラメンコギターの名手?で、ギターコレクターでもあります。


 本場スペインから最高峰の演奏家を呼んでコンサートを開催してTV放映もしています。


 第3回目は運良く録画出来ました。いつかは本場でフラメンコを観たいと願っています。


 試聴用には少し前までは世界最高の演奏家と言われたビセンテ.アミーゴを聞いて


 いますが、本場には色々な流派があるらしくそんな事情もこの番組を3回観て少し分かって


 来ました。


http://www.bs-j.co.jp/redstar2010/


番組中の動画は日本人奏者「沖仁」との共演しか見つからず、


つまらないから他の演奏を探した。


http://flamenco-ole.seesaa.net/article/150111002.html


●日本人の第一人者には遠く及ばない音楽性。技巧だけでは足りない、


精神的にでも強いDNAが必要なのだろうか?。農耕民族の喜怒哀楽を表に出さない


日本人と、人生の機微を隠さないで生きている民族。音楽は民族、国境を越えると思える


のだが、本当の所はどうなんだろう?。ジャズに入る前に聞いていたボサノヴァは今はあまり


聞かない、50、60になって彼女の家先でギターを弾きながら愛を囁く音楽を私が本当に理解


出来るのだろうかと考えたからだ。



視覚と聴覚と痛覚の戦いBy入院生活-3

『映像付き音楽から2.クラッシック/オーケストラ編』


 1.2009/10月 東京芸術劇場 NHK教育TV放映 オーケストラの森 


アレクサンドル.ラサレフ指揮 日本フィルハーモニー管弦楽団


.ハチャトリアン バレエ音楽 スパルタクス 


.ラフマニノフ ヴォカリーズ 幸田浩子 ソプラノ


.チャイコフスキー 交響曲マンフレッド 第1,4楽章


NHK FM放送「気ままにクラッシック」通称キマクラ出演の浩子ちゃんファンであるので迷わず


録画。ヴォカリーズも大好きな曲で、この演奏を聴いてからヴォカリーズ(ソプラノ)のCDを


探し周りお気に入りを見つけました。浩子ちゃんにはもっと勉強していただきましょう。


ラサレフ指揮+日本フィルも熱のこもった演奏で聞き惚れました。SS席に座ったとしても


コンダクター、コンマス、ソリスト、と最前列の演奏者がよく見える程度で奥の方の管楽器や


木管、打楽器などのパートは殆ど見る事が出来ません(良く聞こえますが)。その点では映像


付きの演奏は各パートが良く見えて大変わかり易いので楽しめます。この録画ではありませ


んが、大編成の曲では何の音か聞き分けられない、聞こえないなどと言う事があるので映像


付きはハッキリ分かりますので音楽を楽しむ以上に勉強にもなります。


 http://www.youtube.com/watch?v=pbNzCc8nJqw


●痛みを忘れて楽しめました。


 


2.2009/6月 NHKハイビジョン放映 ウイークエンドシアター


クルト.マズア指揮 ライプチヒ.ゲヴァントハウス管弦楽団


アンネ.ゾフィー.ムター(ヴァイオリン)


アンドレ.プレビン(ピアノ)


.メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲 (ライプチヒ.ゲヴァントハウスホール)


.メンデルスゾーン ピアノ三重奏曲 第1番(ピアノ+ヴァイオリン+チェロ)


 ウイーン楽友協会ホール


.メンデルスゾーン ヴァイオリンソナタ ヘ長調 (ウイーン楽友協会ホール)


誰もが認める現代の最高の女性ヴァイオリニストです。何と昨年は松本でコンサートが


ありました。天才少年少女ヴァイオリニストは実は大勢いてその中からソリストとして生き残る


のは極めて少ない、そんな中で彼女はすでに女王として君臨してその風格を漂わせていま


す。共演するピアニストは分かれた亭主。純粋無垢風に聞こえる日本人演奏者と違って演奏


は個性的で色艶とかを含んだ官能的なものです。好き嫌いはあると思いますがある意味


大人の演奏で曲によっては満たされる事もあります。CDを聞くよりは容姿も美しい映像付き


で、勿論コンサートで聞くのが最上でしょう。


http://www.youtube.com/watch?v=_0sDAdyMtnk&feature=related


●痛みを忘れさせてくれる演奏には癒されました。


 


3.2010/12月4日 NHK BSハイビジョン放映 NHKホール


ズービン・メータ指揮  イスラエル.フィルハーモニー管弦楽団


.べートーベン  交響曲 第6番 ヘ長調 田園


.ベートーベン 交響曲 第7番 イ長調 作品92


文句無し、世界最高峰の指揮とオーケストラの共演です。


改めて曲の素晴らしさに聞き惚れます。


初めて聞いたサントリーホールでの時には身震いした事を覚えています。


震災中に国内でオペラ公演中でしたが止む無く中止、4月10日に再来日して


東京文化会館でN響と共演しべートーベン第九のチャリティー演奏を行いました。


4/17日教育TV 21:00からその演奏が放映されます。


http://www.youtube.com/watch?v=TetBZhVpVGo


●演奏会にいる様で没頭出来ました。


 


4.2010/11月25日演奏  NHK BSハイビジョン放映 NHKホール


パーボォ.ヤルビィ指揮 ドイツ.カンマーフィルハーモニー管弦楽団


.ベートーベン 「プロメテウスの創造物」序曲


.ブラームス バイオリン協奏曲 ニ長調


ヴァイオリン ジャニーヌ.ヤンセン


.ベートーベン 交響曲第5番


学校で習ったブレーメンの音楽隊の銅像が有る街を拠点とするオーケストラです。銅像は見


て来ました音楽会に行く暇は勿論ありませんでした。古楽器を取り入れた小編成のオーケス


トラです。指揮者は現在世界から引っ張りだこ問い言われている旬のマエストロで、まるで


サッカーかスポーツの監督みたいな雰囲気の生きの良い指揮者です好感が持てます。


http://www.youtube.com/watch?v=qkIuZAd2Dns


●痛みを忘れさせてくれる元気で生気に溢れる演奏は良いですね、ヴァイオリンも良かった。


 


 


『先ずは映像付き音楽から3.クラッシック/器楽編』


1.○BS2 クラッシック倶楽部 2010/07/06 放映


木嶋真優 ヴァイオリン.リサイタル 2009/6/20 紀尾井ホール


.シャコンヌ  作曲者不詳/シャルリエ編曲


.悲劇的な詩作品12  イザイ作曲


.チャールダッシュ  モンティ作曲


未だ若いのに輝かしい経歴の持ち主です。


http://www.mayumusic.com/jp/homejp.html


http://www.mayumusic.com/jp/discjp.html この中のシャコンヌ聞いて下さい。


http://www.amazon.co.jp/gp/product/B0011BKMEG/sr=1-1/qid=1303370115/ref=olp_product_details?ie=UTF8&me=&qid=1303370115&sr=1-1&seller=


●今度絶対聞きに行きます。


 


2.2009/2月 NHKハイビジョン放映 ウイークエンドシアター 2008年ドイツ製作


.バッハ  バイオリン.ソナタ第3,4,5,6番.


クリスチャン.ツィマーマン(ヴァイオリン)


エンリーコ.パーチェ(ピアノ)


バッハのバイオリンソナタの演奏を中心に据えたドキュメンタリーです。 演奏は宮廷風のサ


ロン形式の音楽会と言った風情で私には(多分殆どの日本人にも)馴染みの無いスタイルで


演奏されます。ツィマーマンは現代の最高のヴァイオリニストの内の一人で洗練された高貴な


演奏スタイル(この番組では)で感動すると言うより勉学の為に聞いてみると言った内容で


す。途中途中には音楽についての考え方、息子への指導の悩み、過去を振り返ったり、


未来を考えたりと決して安楽な毎日を過ごしているのでは無い事が分かります。


●回復したらもう一度聞いてみます。今の状態では全曲聴く余裕はありませんでした。


 


3.2010/6/18日 NHKE(教育放送)放映


ソプラノ:ディアナ.ダムラウ


ハープ :グザヴィエ.ドウ.メストレ


ソプラノとハープのデュエット。詳細は下記で。


http://www.nhk.or.jp/art/archive/201006/03music.html


http://www.youtube.com/watch?v=PJlKYqfo4F8


●ユニークな編成、完成度の高さ、選曲の良さ、永久保存版になりそう。


 魅入り聞き入りました。今回のクラッシック音楽ソースでは一番かな。



視覚と聴覚と痛覚の戦いBy入院生活-4

『映像付き音楽から3.クラッシック/ピアノ編』


1.○ 特集 完全保存版 ぴあのピア 300年の歴史を旅する(ナレーション 宮崎あおい)


 .第1回 2010/3月11日 NHK BSハイビジョン放映


誕生楽器の王様 バロックから古典派 そしてバッハ/モーツアルト/ベートーベン/


シューベルトの時代にチェンバロから現代のピアノへ発展イタリア フィレンツェ メディチ家 


ピッテイ宮殿にて誕生、初演。


2.第2回 2010/3月12日 NHK BSハイビジョン放映


共演 鍵盤の詩人達 ~ロマン派の時代~


.ショパン ノクターン 第20番 嬰ハ短調(遺作):


.ショパン ノクターン 第14番 嬰ヘ短調:


.ショパン バラード 第1番 ト短調


.ショパン ピアノ.ソナタ 第3番 ロ短調


.ショパン ボロネーズ 変イ長調「英雄」


●以上の演奏は仲道郁代:綺麗にまとまって音は綺麗/でも世界が狭く弾けない/


音色が堅い/華やか過ぎ/思い入れが強すぎてから回り/こんな演奏者が珍しくないと


思うのですが。


 


3.メンデルスゾーン 無言歌「ないしょ話」


.メンデルスゾーン 無言歌「ベネチアの舟歌」


.メンデルスゾーン 無言歌「春の歌」 


.メンデルスゾーン 無言歌「紡ぎ歌」


.メンデルスゾーン 無言歌「民謡」


 http://www.youtube.com/watch?v=k0ldXFgRp1I


●以上の演奏は田部京子:試聴用に使う程好きな方です。どの曲もメロディーラインが


しっかりしていて安心して聞けるのが良い。女性演奏家特有の強さ、激しさ、きつさが無く


中性的で良い。


 


4.シューマン 子供の情景 第1曲「知らない国々」


                  第3曲「鬼ごっこ」


                  第4曲「おねだり」


                  第7曲「トロイメライ」


                  第13曲「詩人のお話」


シューマン  幻想小曲集  第1曲「夕べに」


                  第2曲「飛翔」


●以上の演奏は伊藤恵:音色は優しく軽やかで表情豊、気持ちが落ち着きます


 


5.ブラームス 2つのラプソディー 第1曲ロ短調


.ブラームス パガニーニの主題による変奏曲


●以上の演奏は若林顕:初めて聞くピアニスト。姿勢が悪くて演奏しにくそう、殆どパスした。


 


6.フランツ.リスト ハンガリー狂詩曲 第2曲


●演奏は青柳晋:初めて聞くピアニスト。難曲の名曲。演奏からイマジネーションは


広がらない。


 


7.フランツ.リスト 愛の夢 第2、3番


●演奏は岡田将:初めて聞くピアニスト。リスト国際コンクールで優勝とか。


メロディーの綺麗な名曲。イマジネーションが広がり他の曲も聴いてみたい。


 


8.フランツ.リスト メフィスト.ワルツ 第1番


http://www.youtube.com/watch?v=0Y0ECT7PSYE


●演奏は野原みどり:ロンティボー国際音楽コンクール1位、リスト国際コンクール2位とか。


ここで聞くリスト演奏者の中では一番ダイナミックで堂々とした姿で演奏しています。


自分の曲の様に弾きこなしている。リサイタルに行きたくなりました。


 


9.第3回 2010/3月13日 NHK BSハイビジョン放映


未来の響きを求めて ~近代から20世紀へ~


.スメタナ 演奏会用練習曲「海辺にて」


.スメタナ チェコ舞曲第2集「フラーン」


http://www.youtube.com/watch?v=GDVpeGsh4Eg


●以上の演奏はイルジー.コレルト:初めて聞くピアニスト.スメタナと同じくチェコの生まれ。


偏見だろうか、音が弾けている、今迄聞いて来た演奏者とは明らかに違う。テクニックでは


コンテストで優勝していても感性が違う。祖国の曲を演奏する違いか。


 


10.ドボルザーク ピアノ三重奏曲「ドゥムキー」第1楽章


ピアノ:野原みどり  ヴァイオリン:江口有香  チェロ:唐津健


●大好きなドボルザーク、この特集では作曲家の経歴を字幕で解説してくれるので


楽しみながら勉強出来る。


 


11.ヤナーチェク 草陰の小道にて「散りゆく木の葉」


                     「一緒においで」


                     「フリーデクの聖母マリア」


●以上の演奏 はイルジー.コレルト:美しい曲です。映像は演奏の様子だけではなく、


曲にふさわしいBGVを流すので尚更素敵です。 


 


12.グリーグ 叙情小曲集 第3集 第6曲「春るに」


                 第5集 第4曲「夜想曲」


●以上の演奏は田部京子:BGVのフィヨルド、ノルウエーを思い出します(行きました)。


作曲家のふるさとの情景が浮かびます。   


 


13.シベリウス 5つの小品 作品75 第5曲「もみの木」


●演奏は田部京子:フィンランドで好まれている代表曲。


田部京子さんが更に好きになりました。


 


14.ムソルグスキー 組曲「展覧会の絵」 第1曲「プロムナード」


                          第10曲「キエフの大きな門」


http://www.youtube.com/watch?v=qV7prk_-9z0


●以上の演奏はイリーナ.メジューエワ:身長180cmは有ろうかと思うロシア女性で鍵盤が


小さく見えます。キエフの大きな門がその通りに大きな門に聞こえます。


 


15.アルベニス スペイン組曲 第1曲「グラナダ」


http://www.youtube.com/watch?v=I-2-FZif3Fk


●演奏は下山静香:マドリードでピアノを習う。こんなにもロマンチックなクラッシック曲が


あるのか? こんな曲を聞いても眠れないなんて。


 


16.グラナードス 組曲「ゴイェスカス」第1部 第4曲「美女とウグイス」


●演奏は迫明義:やはりスペインでピアノを習い活動する。美しい曲です。


グラナードスはUボートに攻撃され亡くなった。


  


17.フォーレ 夜想曲 第1番 


●演奏は野平一郎:フランスの曲は馴染みにくいのです。


  


18.ドビュッシー 版画 第1曲「塔」(印象主義をピアノで表現??)


  .ドビュッシー ベルガマスク組曲 第3曲「月の光」


  .ドビュッシー 映像第1集 第1曲「水に映る影」


  .ドビュッシー 前奏曲集 第1巻 第2曲「帆」


                  第8曲「亜麻色の髪の乙女」


●以上の演奏はミシェル.ベロフ:「塔」や「水に映る影」は絵画展のBGMなら違和感ないで


す。これらの曲は鑑賞を対象した曲なのでしょうか?。反面、有名な「月の光」は


しっとり綺麗で分かりやすいのに。やはりフランスの曲は私には馴染みにくいのです。


 


18.ラヴェル 鏡 第4曲「道化師の朝の歌」


●演奏は阿部裕之:やはりフランス風で馴染みにくい曲、演奏はなかなかパワフルでこ気味


良い。ラヴェルと言うとやはりボレロですが今回はピアノ曲ですから我慢。


 


19.ラヴェル 亡き王女のためのパヴァーヌ


●演奏は北村朋幹:良く聴く曲で題名が分からない代表みたいな曲ですがうっとり良い曲で


す。 このピアニストは若く芸術家肌で全霊を込めて弾いており注目です。


( 彼と比べると今迄出て来た日本人男性ピアニストは音楽の授業でも開いている様な


 無感情で没個性的と思ってしまいます)


 


20.セルゲイ.ラフマニノフ 練習曲集「音の絵」作品33第2曲


                             作品39第4曲


http://www.youtube.com/watch?v=V5lfrnCFITc


●演奏は小川典子:ラトビア出身でショパンコンクール2位の妙齢の女性ピアニスト。


 ハットする様な粒建ちの際だった演奏で聞いていて目が覚めます。


 寝れないから聞いているのですがね。


 


21.セルゲイ.プロコイエフ  ピアノ.ソナタ第7番 第1楽章


http://www.youtube.com/watch?v=6Ci_1-Ua3f0   


●演奏はディーナ.ヨッフェ:レニングラードをドイツ軍に包囲されていた年の作品と聞いて


驚き。 ヒットラーに占領される危機の時に作曲を通して戦ったと。


 曲は戦争を連想させる激しい調子で演奏家も戦っている様な激しさです。


 とても眠れる様な曲ではありません。



視覚と聴覚と痛覚の戦いBy入院生活-5

『音楽による時間の使い方』


.難病映画というジャンルが有るそうですが、心に残っているのは「レナードの朝」と


「ロレンツォのオイル」 これは心身共に健康で無ければとても見られない、


「ロレンツォのオイル」のDVD買ったが未だ見てない。.戦争映画も大好きで派手にドンパチ


やるものは気になりませんが、リアルに戦闘シーンや傷ついたシーンを詳細に見せる類の


ものはパス。以前友人にリアルな戦争映画を50インチ、7.1chの我が家のシアターで


見て貰ったら途中で辛くて見るのを止めたと、数年後に4回も手術する怪我をして休養中に


その映画を見たら心が痛くてとても見続ける事が出来ませんでした。


経験しないと気持ちを察する事は難しいと実感する事とになりました。


 


1.華麗なる賭 1968年製作 スティーブ.マックイーン/フェイ・ダナウェイ出演


スティーブ.マックイーン 没後30周年記念 NHK BSハイビジョン放映の録画


セレブが愉快犯的に犯した犯罪を美人保険調査員が真相を調べるというストーリーの映画で


す。私はロードショウで15歳の時に見ましたので約40年ぶりに二度目を見た事になります。


子供が見る映画では有りませんが、主題歌に惹かれて悪友と共に見に行きました。


ミシェル・ルグラン作曲の主題歌『風のささやき』アカデミー賞歌曲賞受賞です。


歌っているのがノエル・ハリソンと言う英国のポップシンガーなのですがその爽やかで本当に


ささやく様に語りかける様な歌に惹かれて見に行きました。当時の名画には名曲が必須でし


たのでサウンドトラックが大流行で音楽聞きたさに映画館に脚を運ぶ事は珍しく有りません


でした。当時は米国の生活スタイルは夢の夢、ジェットストリームや兼高かおる世界の旅など


で世界を想像していた時代。映画では庶民の生活も想像も出来ないのにセレブの世界が


広がり、パンナムで颯爽と登場するフェイ・ダナウェイ、サンドバギーで砂浜を駆け、ロールス


ロイスで出勤、ポロを嗜み、グライダーを操ります。想像を超える別世界に心を奪われた事


は言うまでも有りません。刺激されて模型グライダーを幾つも製作しました。映画の真っ白い


機体と風切る豪快な音に見入りましたが、40年後に見たら機体は黄色でした、想像が白にさ


せたのですね。アクション俳優と言われる事も有るマックイーンですが、この映画では演技力


で魅了させます。フェイ・ダナウェイはその前に見た「俺たちに明日はない」のボニー役で


強烈なショックを受けていたので忘れる事の出来ない女優です。着の身着のままのボニーと


は違ってこの映画ではファッションモデル張りのお洒落と色気を楽しませてくれます。


今見ても色あせしない一流の映画として楽しめます。もう一度曲の話を。当時も今も米国や


英国にはスタンダードと呼ばれるジャンルを歌う男性歌手がおり、ネイティブなカントリーや


ソウル、ジャズとは違い、流行のポップスを歌うでも無く、バラードを歌い上げる人達が


いました。ビッグネームではシナトラやディーンマーチン、サミーデイビスJrなどでしょうか。


無名の人が大勢いて未だ子供ながら惹かれていました。何せ貧乏な我が家にはTVよりも


前にステレオがあり、シナトラを聴いて育った(大げさですが)のです。日本には知る限りこの


種の歌い手は未だいませんね。ショービジネスの底辺の広さ、マーケットの大きさの違いで


しょうか。


http://www.youtube.com/watch?v=tg-XaYrbX-o&playnext=1&list=PLA0B72963075DDB1C


http://www.youtube.com/watch?v=0QtKDlZ7FKE


●40年の時を経て見た映画、風のささやきが素敵です。


 


2.THE  ALAMO 「アラモの戦い」 DVD版 1960年製作


ジョン.ウエインが初監督をした映画です。


米国テキサスが独立宣言するも承認しないメキシコ軍7千人が攻めて来る。


迎える正規軍の準備が出来るまで廃墟の教会に立て籠もり全滅を覚悟で時間稼ぎをする


義勇軍185名の壮絶な戦いを史実に基づいて製作した映画です。ジョン.ウエインは


デイビー.クロケット役(これは空想の人物)、大好きなリチャード.ウイードマークは私兵の


ボスでジム.ボウイを演じます。中学生から見ている映画で何度見たか、何度泣いたか覚え


ていない程に大好きな映画です。現在でもジムと言う名のテキサス生まれの米国士官は


自動的にジム.ボウイとニックネームが付く程、米国人には忘れられない歴史的な戦いと


語り継がれているようです。


主題曲「The Green Leavees of Summer」邦題「遙かなるアラモ」は何とブラザーズ・


フォーが歌っています。この哀愁を帯びた曲を聴くだけで涙が出てしまいます。


http://www.youtube.com/watch?v=E-Vwvf1qAMA


●また泣いた。


 


3.ディアハンター 1978年製作 NHKBS2 衛生映画劇場 2010/6/24放映


主演 ロバート.デニーロ アカデミー賞5部門受賞


大学時代に見た映画。本編が終了してクレジットが流れ終わっても誰も席を立てなかった


事が印象深い。もう一度みたいと思い録画してあったが、今見るのは辛いかも知れない。


映画は米国の片田舎、工場労働者の若者が働き、飲んで騒ぎ、週末には鹿狩りを楽しむ


普通の生活を延々と描く。場面が突然変わってベトナムに招集された凄惨な戦いの場面を


映し出す。仲間のリーダー格が帰還して車椅子生活を悲観して軍の病院にいる友を暖かく


街に迎え入れに行く。その病院に他の仲間から大金がベトナムから送られて来ていた。


その彼は精神を病み陥落直前のサイゴンでロシアンルーレットの賭けに興じていた。


助けに行き見つけ出した直後に目前で弾が発射され亡くなる。


街に帰った仲間達と昔の様に鹿狩りに行くのだが、もう生き物を撃つ事が出来なくなって


いた。戦争の狂気を淡々と描くこの映画に米国の苦悩が表れていると思います。


同名の主題曲はクラッシックギターの最高峰、ジョン.ウイリアムズが演奏してヒットしたので


映画を知らずとも曲を聴いている方は多いと思います。


http://www.youtube.com/watch?v=c6gpa8nUa70&p=C793F2CD516033D7


●日常と残酷な非日常、3時間はあっという間に過ぎてしまいました。


 


4.ブエナビスタソシアルクラブ 1999年 DVD 版


キューバ音楽の魅力を再発見する為にギタリストのライ・クーダーとキューバの老ミュージ


シャンたちの交流を追いながら、捉えた記録映画。同名の音楽CDが少し前に発売されて


世界的な大ヒットとなりました。ライ.クーダーはキューバ音楽を築き上げたが、人々からすで


に忘れられていた各ミュージシャンを見つけ出します。彼らは自分が何者であるのかその


ルーツを淡々と話します。世を儚んでいた60代から90代までのミュージシャンが再び脚光を


浴びてCDがヒット、そしてニューヨークの音楽の殿堂「カーネギーホール」を熱狂させた時の


彼らの人生を噛みしめているその表情には何と言ったら良いのか。下記にキューバ最高の


ピアニストを紹介していますが、彼を含めてすでに何人もの方が亡くなっています。


ライ.クーダーが急いだ訳です。


サイドカーを運転しているのがライ.クーダーで、横に座るのは息子です。


http://www.youtube.com/watch?v=6JEdf7XsV5g


http://www.youtube.com/watch?v=zmm_XUiWXtE&NR=1


●最高の音楽ドキュメンタリー映画です。



2011年3月25日金曜日

今日は今年の初コンサート

1月に予定していたヴァイオリン.リサイタルは招待していただいたので、私の不調と妻の風邪を押して出かけたら何とチケットを忘れるという失態を演じて流れてしまいました。


その後は私の治療や入院手術でコンサートどころではなく、今日も果たして行けるか?でしたが、リハビリに通ったついでにこれから手術という主治医を捕まえて、痛み止めの注射やら処方をしてもらい、落ち着いたので出かける事ができました。


上原彩子さんのピアノリサイタルを聞いて来ました。


2,3年前にNHKBS放送でソリストとしての彼女の演奏を聴いて気に入りまして、昨年は地元長野県でロシアのオーケストラを従えての(従っての?)演奏を聴いて大満足。今日はリサイタルですから期待も高まります。


地元、茅野市の市民館コンサートホール。今はどの地方にもありますがここのホールは小規模で(多目的の大ホールも併設してます)殆どクラッシック専門と言える好感度のホールです。ウッドウイルが制作した大型ウッドホーンの開口部に居る様な扇形の一風変わった形状です。挨拶でこのホールが大変気に入って感動していると言っていただきましたので嬉しい。


演奏曲目はシューベルトの3つのドイツ舞曲の可愛い曲と、ショパンのワルツ第6,7番の華麗で哀愁を帯びたダンス曲の対比。ベートーベンのソナタ第3番の難曲。この3曲目に演奏した曲で完全に彼女の世界に浸ってしまいました。後半のショパンのノクターン第8番は期待しなかった(巨匠の名盤をいつも聴いている)のですがこれも良い意味で裏切られて大満足です。同じくショパンの12の練習曲はこれでもかと言う程に表現の世界が違う曲をエンドレスで聴かせてくれ、完全に参ってしまいました。


地元(田舎の)コンサートは土地柄か関係者のツテが多く、一見して音楽にあまり興味のなさそうな人が動員されていてビッグネームの演奏でも儀礼的な拍手が多かったりして興ざめする事が多いのですが、今日は違いました!。観衆の心は見事に打ち抜かれていました。小さなホールでの大喝采はすばらしい!おかげでアンコールを3曲も聞けました。


最近恒例になって来たサイン会が有る時にはCDを買ってサインしていただく。また来て下さいねと言ったら笑顔で事務所の方が呼んでいただけたら来ますと言っていました。ホール関係者に希望を伝えてみましょう。


そうそう、TVでみた時には妊娠中、昨年聞いた時には出産からそう遠くない頃、今は子育てに大変な筈、それでも演奏への集中力は凄いです。五嶋みどりなど知っている何人かの演奏家は音楽家と言うよりアーティストと感じさせるのですが、上原彩子さんもその一人に入るのかなと思います。子離れしてさらに円熟味を増した演奏を聴けるのを待ちながらチャンスが有ればその都度、聞きたいと思っています。


 



2011年1月4日火曜日

サイトウキネン

1992年から始まった長野県松本市を舞台に行われるクラッシックの音楽祭は、
指揮者の小澤征爾さんが総監督する”サイトウキネン”と呼ばれます。


私の所から松本迄は高速を飛ばすと1時間弱で行かれますが、
何故か今迄この音楽祭に出かけた事がありませんでした。
可能な限りの小規模の室内楽中心の演奏会を聞こうとしていた為でもあります。


昨年は小澤征爾氏が体調を崩して1曲しか指揮を出来なかったと言う
音楽ファンには大変残念な年でもありました。


今日のNHK総合で、その1曲の演奏と練習風景を放送していました。
曲はチャイコフスキー:弦楽セレナード 第1楽章
小澤征爾氏にとっては馴染みの曲ですが昨年ばかりは体力の関係で
その7分間の曲の指揮しかできなかったのです。


自身の心内では充分に時間を取る事が出来ていた。
この音楽祭から復帰を果たそうと決めていた。
療養中の音楽から離れていた情熱の高まり。
その気持ちをぶつけてリハーサルを行い、
気心知れた楽員達はそれに情熱を込めてそれに答えてくれている。


TVニュースでその曲の出だしを流していたのちらっと聞いて
これは凄いぞ!と思い、今日の放映を待っていました。
その演奏はすばらしいものでした、感動して熱くなってしまいました。
もう一度、素晴らしかったです。


録音も素晴らしく、各パートの一音一音が聞き取れていながらも
素晴らしいハーモニーが感じられました。
演奏が良ければ装置に無関係に音楽に感動出来るとは言いますが、
有るレベル以上のピュアオーディオで組まれたシアターシステムで
聞きますとリハーサル中に何度も弾き直すコントラバスの重低音の表現の違いも
聞き分ける事などが出来ますのでやはり感動の大きさは違うと思いました。


サイトウキネンの楽団員は全てが一流の人とは限りませんので、
うがった見方でいた事は正直有りました。
逆に一流のオケでも力の入らない演奏会ではつまらない思いをして
帰ってくる事も珍しくありません。
でもこのTVを見た方なら楽団員の生き生きとしたリハーサルの姿や
感情のこもった演奏に心を動かされた事と想像します。
感動が感動を生むのですね。
小澤征爾氏の入魂の指揮だった証であります。


音楽を専攻していない私などは指揮者と言う職業をよく分かりませんが、
小澤征爾氏の若き日を記した”ボクの音楽武者修行 (新潮文庫) ”を
読むと指揮者がどれ程の才能に恵まれながらも勉学と努力と己の道を開き進む苦労を重ねているかが垣間見えますので楽しみながら読み進む事が出来ます。
世界の人からマエストロとして尊敬を集める職業で有る事の理由が少し分かります。



2011年1月3日月曜日

おめでとうございます。

明けましておめでとうございます。


本年もよろしくお願いいたします。


 


各地大荒れの空模様で難儀されている方が多いので大変ですね。


若い頃は年末には帰省していましたので移動中の事故等のご苦労が良く分かります。


ありがたい事に、信州の中部地域は静かな年末年始となりました。


 


ウッドウイルは今春で開業12年目を迎えます。


お客様のおかげで何とかここまで来る事が出来ました、本当にありがとうございます。


 


今年は他には無いオリジナルの高機能キットの発表を計画しています。


このキットを発展させた完成品の製作も準備しようと思っています。


簡単、高性能のエンクロを容易に組み立てられ、完成品よりも割安で入手出来る作品です。


 


また、今迄の経験から得たノウハウを元に無駄を省いたり加えたりと細かな手直しを


設計や製作に盛り込み、受注製作の良さを更に進めてお客様に更に喜ばれる様な


工夫をして行こうと考えております。その都度HPにてご報告させていただきます。


 


昨年は大型作品が多く個人工房の限界も見えましたので、安定製作出来る体制を


作り上げる事も大きな課題として取り組みます。


あまり若くは無くなって来ましたので、中型程度の大きさでハイエンドを狙う様な作品で


一番力を出せるのですが、それは贅沢というか我が儘である事は承知しています。


 


このブログはホームページを訪れてくれる方の半数が見ていて下さる様なので敢えて


申し上げる事といたしますが、今年からはお問い合わせ時に氏名/住所/電話番号を


お知らせいただけない方には対応を行わない(返事をしない)事とさせていただきます。


過去に何度も試行錯誤し、お得意様に意見を聞いたりした経験から決めました。


今迄11年間の活動の中で、初めのお問い合わせ時に氏名/住所/電話番号をお知らせ


いただけなかった方からのご注文は一件も無いという事実がその最大の理由です。


敷居が高くなったり等で恐縮ではありますが、ビジネス視点で決めさせていただきました。


無駄に時間を費やす、ノウハウを知らない方に流出させる事を防ぎたいと思ったからです。


 


年初からかしこまった話ですみません。


今年のHPにはPCオーディオのコラムなどを加えてウッドウイルの作品を買った方、


検討されている方、興味を持って見て下さる方にも楽しんでいただける様な


情報提供をして行こうと計画していますので懲りずにHPを訪れて下さる様お願いします。


 


最後になりましたが、今年も皆様にとり良いお年となりますように。


ウッドウイル 柴田。