2013年9月27日金曜日

MUSIC BIRD ミュージックバードの収録参加


ミュージックバード「MUSIC BIRD」はFM東京が運営する音楽専門デジタル衛星放送です。
http://musicbird.jp/


そのJazzチャンネルのパーソナリティーを「田中伊佐資」さんが担当されています。
http://musicbird.jp/programs/brand-new-cd_tanaka/
「田中伊佐資」さんと言えばウッドウイルのトップページを今も飾り続けている
「オーディオジコマン開陳」の作者であり、ウッドウイルが今迄製作した最高の
スピーカーシステムの発注者でもあります。


とても大事な方の割りには私は「MUSIC BIRD」を導入していない!
だから生で(収録ですが)放送を未だ聞いた事がない。
「MUSIC BIRD」のHPや関連のYouTubeで見聞きしただけなのです。
http://www.youtube.com/watch?v=WtLID6zOg9c


ごめんなさい!何度も決めかけたのですが...
でも今回ばかりは導入せざるを得ないかな?
ゲストとして番組に招待されたので、自分の声ぐらいは自宅でエアチェックしなければ、
と言う事情が生まれました。


最近でこそ音も画像も良くなり操作も容易なBSや地デジを
HDDやブルーレイに録画はしていますが、
どうも私には放送からの音源をエアチェックして自分のライブラリーに入れる習慣が
出来なかったようです。
そもそもがアナログ放送とアナログチューナーの音質には懐疑的だった上に、
(勤めていた会社はHiFi用無線機も製作していたのですが...)
高音質で安価なエアチェック機材が無かったせいかも知れません。


その点では現在は天国ですね。
小型/大容量/安価/操作性も利便性も抜群な機材が選び放題です。
ミュージックバードも専用チューナからはアナログやデジタル(CD品質)の出力があるので、
リアルタイムで聞くも良し、ネットワークオーディオでも楽しめます。


さて、「田中伊佐資」さんが工房を訪れて下さった初対面の時に、
私の音楽/オーディオ経歴を聞かれた様に覚えています。
「田中伊佐資」さんはJazzへの造詣が深い方ですので、機材選びもその辺を中心に
考えて居られるだろう事は当然に想像出来ます。


実家には白黒TV購入前にステレオ装置が何故か有って私の小さい頃は
シナトラやディーンマーチンなどのスタンダードJazzを聞いていた様でなのです。
自ら聞き出したのはボサノバからJazzが中心でした。
時代だけにフォークもポールモーリアやレイモン.ルフェーブルなどのイージリスニングも聞き、
このブログにも書いた由紀さおりなども同時期に聞いていました。


オーディオ的にはミルトジャクソンのヴィブラフォンの音を追求し続け、
フルレンジ、BH、平面バッフル、ホーン形3Wayなどの経過をお話しした様に思います。
この数年間に当工房を訪れて下さった方は、私の私的スピーカー装置「Jazz Machine」を
ご覧になっているのでお判りですね。
http://www.lcv.ne.jp/~woodwill/JazzMachine-Menu.html



でもstereo誌での紹介記事も当時試聴室に置いてあったのは弦楽器中心用の「ウイング」でした。
ウッドウイルのお客様の大部分はクラッシック中心に音楽を聴かれている方が多い様ですので、
自然とスピーカーシステムもその様な形式が多くなります。
そんな試聴用のスピーカーを見てあのJBL38cm3Wayの超弩級スピーカーシステムを
発注されたのですから、その想像力と度胸には敬服します。
前述の私の経歴のお話に納得されたからなのでしょうか?
その時に「Jazz Machine」は未だ製作していませんでしたので。

そんな事で、番組では持参する秘蔵のJazzのLPを流しながら、
(実は引っ越しを繰り返して最後まで残ったLP)
スピーカーという作り手の立場でのお話が出来るのかなと想像しています。


放送日が決まりましたらお知らせ致します。



2013年9月15日日曜日

小林聡美「めがね」 /マンドリン「横内の花子」

色々なジャンルにまたがる様なつれづれのお話しです。
よろしかったらお付き合いを。

小林聡美の「かもめ食堂」が気に入ったので「めがね」も録画してあったのを
忘れていて、やっと見ました。

かなり前に井上陽水の音楽番組で小林聡美がゲスト出演していた。
大して気にしていなかったが、やはり女優だけあって綺麗で魅力的。
別番組でインドでのロケで飛び入りで現地映画の主演女優役にトライ!
監督が本当にインドで通用するから残りなさいと!多分お世辞とは思うが、
全ての要素を詰め込んだ幕の内弁当みたいなインド映画での役をこなすのは、
素人目にもかなり大変そうで、もの凄いプロ根性に感心々。
昔、出張時に現地で観た事があります。

そんな訳で「かもめ食堂」を観て、次は「めがね」を観ようかとなりました。
またまた別番組でアイルランドだったかのマイナーな山を登山する紀行番組を見た。
厳しい気候の中での振る舞いがとても自然でこれも気に入ったのでした。

「めがね」は何かの機会に観ていただく事にして、映画中にマンドリンが出て来ます。
観て聞いていてある人を思い出しました。

通称と言うかブランド名というか「横内の花子」さん。
国内に数人しかいないマンドリン制作者、でした。

初めての出会いは長野に越して来て勤めていたある日の会社での事です。
周りが森の会社なので我が儘を通して1Fの窓際が私の席でした。
有る時に会社にはそぐわない風体の男が建て屋の外をうろついています。
そして何故か私の席の窓に来て話しかけます。
この会社は何をやっているの? 一見するとペンションみたいな建屋でしたので。

電源装置を制作していると言うと、自分の励磁形スピーカーユニットに使える物は
有るかといきなり振って来ました、そして有りますよと。
会社の他の人は私達の会話を怪訝そうな目つきで伺っているのでした。
それから10年以上経った有る時に偶然に再開する事となります。

ウッドウイルを開業してしばらくしてから楽器の構造を勉強しようと近所の
ヴァイオリン工房に出かけて行きました。その方について詳しく話すとまた長く
なりますので、またの機会として、とにかく近くにオーディオに拘った人が居る
との事で、誘われて会いに行くと何とあの時の人、彼が「横内の花子」さんでした。

ヴァイオリン工房の方とは手持ちのチェロを調整していただく等のお付き合いは
有りますが、「横内の花子」さんとは深くお付き合いをする事となりました。
工学を志し、企業で働いていた頃の私にはおそらく全く理解出来ないタイプの、
お近づきになる事も無いタイプの方でした。

工房は開設してから一度も掃除をした事は無いのでは?と言う個性的なものでも、
マンドリンは綺麗で精緻で、試し弾きをする音色も独特の哀愁を帯びて、
何度も何度も聞かせていただきました。
その時の音色が「めがね」を観ていて思い出したと言う訳です。

彼の自宅に設置してある直径2メートルは有る朝顔形のフロントホーン(自作)と
オールJBLの2.1ch/3Wayシステム。
吹き抜けの天井コーナーからつり下げられて、
リスニングポイントに狙いを定めています。
10cmも頭が動くとスイートスポットから外れてしまいます。
身を沈める様なフルリクライニングシートは上向きにセットされています。
そこから湧き出るワーグナーの響きはそれはそれは凄い...
オーディオの法則は無視、感動的な官能的な音なのです。

その部屋にある名曲のCDを随分聞かせていただいたものでした。
年配の方でしたが純粋で無垢で芸術家と言うのですか、
若い頃は前衛舞台の演出家兼俳優、マンドリン製作の修行を兼ねて
演奏も練習してコンテスト入賞経験も。

エンクロージャーの不要振動やコンディションを見極めるタッピングと呼ばれる、
指でコツコツ叩いてその反応と音を感じる手法を磨き上げるのも彼から習いました。
理論的で物理的評価に対して、官能評価と言う判断基準の何たるかを
教えていただいた様にも思います。

ウッドウイルの代表作「ウイング」の性能を私が判断つかない頃に、
私の作品で唯一良いと評価していただき、
私自身が実感したのはそれから3年程経ってからでした。

彼の晩年、遺作となる作品製作中に「天使が降りて来た」と言っていました。
そんな馬鹿なとは思いませんでした。
そんな事も有るのかも知れないと思える様なそんな気がしました。

あのマンドリンの曲線を造る構造と直径二メートルの朝顔形フロントホーン、
スピーカーエンクロージャーのラウンド構造などは単純かなと思いますね。
エンクロージャーの要求は他に有るとは言え、未だ未だと強く思いますね。


「めがね」の舞台は綺麗な珊瑚の海です。
海が浮いて見える程のエメラルドグリーン、海に突き出した塊状の溶岩など、
見覚えのある景色が広がります。
映画の最後に波止場が見えて来ます。
そこは沖縄本島から鹿児島方面に向かう大型フェリーは接岸出来ずに
小型船に乗り換えて上陸する場所でした。
そこだけ波が荒く、小型船から手などを船外に出すと岸壁に叩きつけられて
大変危険で、仲間が係から酷く怒鳴られたあの思い出の波止場でした。
もう35年以上前の出来事です。


2013年9月8日日曜日

2020年 東京五輪開催決定













東京五輪開催決定おめでとうございます。

世界最高クラスのプレゼンがどの様なものかをライブで見ました。
感動的で情熱的でこれならもしかして!
朝のニュースで開催決定を知り、思わずやった!と嬉しくなりました。

前回の東京五輪は小学生で迎え、記念の千円硬貨を未だ持っています。
札幌五輪は地元北海道ではあっても当時の特急二時間の距離では
高校生の私には見に行く事は出来ませんでした。

1998年の長野冬季五輪はウッドウイル開業準備を始めた年でもあり、
月の半分出社、半分は開業準備と言う事も有り時間を取る事が出来たので、
地元住民として、学生時代の競技会や合宿等でお世話になった競技の
ボランティアとして、また観衆としても五輪を最高に堪能しました。

スポーツに親しんでいる方でも、そうで無い方も五輪の特別さを
是非知って欲しいと思います。
苦しさに耐えて鍛錬した体と精神力を世界の最高の場で競う姿には感動や
共感、夢や希望を見出す事が出来る様に思います。

特別に選ばれた別世界の人達の遠い世界の事と思う向きも有りますが、
連載中の朝日新聞の「患者を生きる」での五輪アスリート達の連載では、
ただ普通に毎日を生き続けるだけでも大変な難病や怪我を負っている人が、
奮起して頂点を極める姿には全く驚愕してしまいます。
その意味では別世界かも知れませんが...

そんな方達が世界から集まって来るのですから特別にならない訳が有りません。
会場へは是非とも脚を運んで貰いたいと思います。
年配の方でも若い方でも特別な感動を得られる事でしょう。
TVで観て分かるのは試合内容と結果です。
選手の気持ちや応援する方達の心の感動は充分に伝わっては来ません。

さて七年後にはどの競技を観戦しようかな?
ボート競技のエイトなどコース脇からのんびり双眼鏡で見るのも良し。
陸上のフィールド競技で棒高跳びや三段跳びなども面白そう。
水泳の平泳ぎ決勝には誰が出るかな?
今から楽しみですね。

2013年9月2日月曜日

日立 Lo-D HS-500 振動測定
















ここのブログで継続的にも来訪者数でもおそらくベスト5に入るのが、
「日立 Lo-D HS-500」 に関する記事です。
名機の証とも言える現象でしょうか。
最近の記事で人気なのは「エンクロージャーの響き1~4」です。


そこで来訪者に喜んでいただく為に...と言うのは冗談ですが、
エンクロージャーの響きの続編はHS-500を題材にして
より実践的で具体的な形で考えて見ようかと計画しています。


その内容は
1.オリジナルのHS-500を用いたエンクロージャーの響きを
  官能的表現では無く物理的に捉えて検証する。
2.HS-500からの再生音波形とエンクロージャー振動波形の比較。
3.エンクロージャー振動波形を音声データとして試聴可能とする。
4.「エンクロージャーの響き1~4」で研究して来た測定装置の延長である
  振動波形を能動的に消去する振動キャンセラ-の効果を実証する。
5.HS-500再生音から「振動キャンセラ-」によるエンクロージャー振動を
  キャンセルした再生音を試聴可能とする。
6.エンクロージャー振動がスピーカーシステムの再生音に与える影響を
  目前に於いて瞬時に確認出来る事とする。


大体こんな予定で進めてみようと思います。
ウッドウイルでは既に「ウッドウイル版 HS-500」と言う「レトロフィット」と言う、
オリジナル改造版を製作済みで、更に高度な改造版の製作予定もある事から、
仕様決定に効果的に応用出来ればと考えています。

最終的には官能評価でのチューニングとなりますが、
その要素や経過を物理的に評価出来ていると言う事は大変重要と思います。
オリジナルHS-500を聞きながら機器の操作一つでエンクロージャー振動の
有無やその大きさをコントロールしながらその効果を確認ができれば、
お客様立ち会いで「レトロフィット」の効果を予測しながら計画が進められます。
勿論、他のスピーカーシステムにも同様に対応出来る事でしょう。


量産メーカーの様な数千万や億単位もの設備を持つ事は出来ないにしても、
あまりにも経験や勘と言う官能評価に頼り過ぎていた様にも思えます。
「エンクロージャー振動」の解析はその最大の物と言えるのでしょうが、
今後は音質に影響を与える要素を可能な限り検証して行きたいと考えています。


個人工房で行うので大きなコストはかけられませんし、時間も限られます。
測定装置は可能な限りの応用の利く機材の選別調達に努めていますが、
センサーやアクチュエーターは自前で開発せねばなりません。
自動化へのソフト開発はコスト高で断念して手動にする事とします。
試作はほぼ出来ていますが直ぐに完成形が出来る物でもありませんので、
忘れない程度に頭の片隅に置いていただければ幸いに思います。