2012年7月30日月曜日

オーディオ的な音とは?

今年の夏も暑いですね!信州の高原に住んでいる私が言うのも何ですが、都会に暮らしている皆様のご苦労が分かります。東京に20数年暮らしていましたがもう戻れないですね。


そんな訳で暑さで音楽どころでは無いのが人情で、HPもブログも訪れるてくれる方が激減するのもこの季節の特徴です。


 


さて本日発表したスピーカーの音についてです。


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搭載したユニットは、販売店の評価では「Hi-Endスピーカーシステムに最適なユニット」とあります。デンマークの技術を伝承する音質と言う事です。因みにデンマークには電磁気学に優れた物理学者がいまして、電磁気=スピーカーの駆動回路を良く研究されていたそうです。


完成したスピーカーの音を聞きますと、先ずは大きな癖が無い事、解像度が高い事、音が滑らかな事、音が緻密な事、オールジャンルにバランス良く鳴ってくれる事。良い事ばかりですね、聞いていて特に不都合な所は無いのです。


私が聞き知ったいわゆるハイエンドスピーカーの特徴を良く持っていると思います。特に特徴的なのは音に張りがある、管楽器の空気が充ち満ちた状態で空間に吐き出されるあの音、、ピアノの艶やかな弦と響板の響き、ボーカルの明瞭度の高さ、充分な低音の分解能と、この発表したスピーカーの音を聞いて??と言う方は少ないのではと思います。


私もかなり気に入りまして、近い内に自宅シアターの7.1chスピーカーを更新しますが、そのユニットに同シリーズを採用しようと思っています。シアターサウンドにはピッタリです。


ここまで書いて来て??と思った何時も訪れてくれるコアな方は思っているかも知れません。実はその通りで、一般的というか普通ならこのスピーカーの音はオーディオの王道の真ん中を歩く音質を持ち合わせたスピーカーと言う事が出来るのですがが...


録音スタジオ等の音の工場(敢えてそう呼びます)で生まれた音を再生するには間違いなく優れていると思います。と言う事は普通にスタジオ録音されたCDを再生するにはベストな音質ではあるのですが...


私がオーディオの音を聞き比べる事をあまりせずに音楽会に脚を運ぶのはこの辺の評価をどの様にするべきかと考えているからです。


プロ用音響機器を設計開発している時に強烈に経験させられた納品先での自信の音質評価の無力さ、趣味のオーディオを中断してその予算を全て生演奏に投じて10数年、再びオーディオに戻った時に感じたHi-Endオーディオという名の再生音に感じた違和感。


理由は簡単で、音楽会では感じられない音が出ているからなのです。


その溝は今も埋まっておらずに今迄来ています。音の話なので文章では理解が得られないのが残念なので、試聴室に私がベストとするスピーカーと、王道を行くスピーカーを比較できるようにせねばならないかと思っています。


私の限られた知識や経験では分からない事が多々ありますが、音の評価をせねばならない時に、その評価の基準を何処に置くか!その置き方が難しいのです。


嬉しい、不思議な事にマスプロダクトでは無い手作りに近い拘りの音響機器を製作している中の音には違和感を感じる事が少ないのです。何故でしょうね。


 


 



2012年7月15日日曜日

森麻季ソプラノ.リサイタル

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地元茅野市のコンサートホールで森麻季(ソプラノ)さんのリサイタルを聴いて来ました。伴奏のピアノは(山岸茂人)さん。

今年4月に長野市でも聞いて今年2回目の鑑賞ですが、長野会場は以前から良くある多目的ホールで、それも2階席から聞いたので音が届かずに良く分かりませんでした、しかしもう一度聞きたいと強く思わせる魅力がありました。

今日はクラッシック専門と言って良い程の300人定員の小規模ホールで、中央真ん中やや後ろでの最上の席(ステージから10m程)からの鑑賞でしたので森麻季さんを堪能できました。

器楽曲でのコンサート等ではホール音響を無視して生音に近付く為に最前列に位置取りますが、声楽では声の射程距離を考えて席を選びます。

今日の伴奏のピアノはホールピアノであるフルコンサートピアノのベーゼンドルファーではなくて河合のグランドピアノでした。流石に低音やスケール感は出ませんでしたが中高音が綺麗で声楽の伴奏には合っているのかなと感じましたので、その為に入れ替えたのか?。

世界の数多の華やかな舞台を踏んでいる方が人口5万人の小さなホールの目前で歌っている。その事に感謝しながら聞き入りました。

人間が英知を注いで楽器を作り、それを人生を賭した演奏家が奏でる楽曲を聞いて我々は感動して音楽を聴く訳ですが、その英知を自信の体を使って直接に聴衆に伝える声楽家が人を感動させない訳がありません、良く考えれば分かる事なのですが、それを体験する機会はあまり多くはありませんね。

楽曲の中での声楽を担う場や、オペラで演劇を交えながら歌い踊る場をも担う声楽家とは何と多彩な事か。声は透き通り良く伸びて、深みも表現も多彩で深遠です。勿論の事、技量も最高峰なのでしょう。内外の好きな声楽家が何人かいますが、その方達が平凡に聞こえてしまいす。

声の綺麗さにうっとりし、その表現の多彩さに驚き、いつの間にか観客は一体になって聞き入って(魅入って)しまいます。歌は外国語(ドイツ語やその他)なので演奏前に日本語の歌詞を読んで下さるのですが、その地声も綺麗で優しく、まるで朗読会に来ている様な、この朗読だけでも来た価値がある程の語り具合です。

とても秀麗な方なのに気さくで、優しさが感じられます。単に声楽家と言うよりは総合的なエンターティナーの資質を自然に持ち備えているのでしょうか、観衆は満足感で一杯です。CDは未だ持っていないので聞いた曲を中心に何枚か選んでみようと思っていますので、近い内に試聴用CDのコーナーに掲載しようと思います。

後、これはつまらない事かも知れませんが、ピアノと声楽が目前の中央に位置して演奏しているので、オーディオ的には左右の中心にピタッと定位して聞こえると思っている方がいると思いますが、そんな事はありません。ピアノも声も周りに溶け込んでホールの響きも加わり、中心にいる事は間違い無い事は分かりますが、真ん中にピタッと言うのは再生時の聞こえ方を意識した操作によりそう聞こえていると言う事です。そんな確認をする上でも(そんな人は私だけ?)コンサートへ脚を運びましょう。


2012年7月8日日曜日

CDとLP

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スピーカーの注文を受けた時にオーディオ機器全てを入れ替えるので機種選定からセッティング等の一式を担いました。


そんな事でLPプレーヤー(アナログ)の比較試聴という試みをしてみました。お客さんの機種はDENON-DP500M、当方のはターンテーブルVICTOR-TT81、アームがGRACE-G565+G840、で共通カートリッジはDL-103にイコライザーが東京サウンドPE100SEです。ケーブルはDP500MにはオヤイデPA-2075RR、GRACEは付属ケーブルでカートリッジシェル内のケーブルに柄沢シェルリードVWS3024Bを使っています。


比較結果は価格と汗をかいた分で圧勝となりました。音の透明度や分解能に質感の豊富さなど、違うカートリッジ?と思わせる程でした。


今回はそんな事よりも懐かしいLPを引っ張り出して来て数十年ぶりに聞いた曲に涙した事です。60年代のポップスやR&Bを代表する大型ロソシンガーの曲がありました、随分背伸びして聞いたのが懐かしく思い出されます。聞いていてむずむずします、ハードな運動後の就寝の時に疲れた体の置き所が無くて寝返りばかり打つ、そんな感覚を持って聞いていました。


地元のコンサートホールでアナログ.レコード鑑賞会なるイベントがあるので、自慢のLPを申請して聞いて来ようかと思っています。


画像に有る様に60年代のLPと同じマスターテープから起こしたCDを所持しているのでついでにまたまた比較してみました。音的にはCDが優れているのでしょう、ノイズも有りませんし、隠れた音も聞こえて来ます。しかし曲やその場の雰囲気、音楽の楽しさはLPにかないませんね。柔らかく優しくリラックスして聞けるCDはあまり体験した事がありません。


久々の針を落とす緊張感に忘れていたオーディオの厳かな儀式を思い出しました。


そうそう、LPはかなり汚れていたのでクリーナーに「レイカ33BWエクササイズ セット」を使っていますが効果あります、disk Unionで教えてもらいました。


 


 



2012年7月1日日曜日

10cm小口径フルレンジスピーカー

最近どうした訳か10cm口径や8cm口径のフルレンジユニットを使った作品が増えています。


ウッドウイル立ち上げ時には零からのスタートでしたので、自然と価格優先の小口径フルレンジスピーカーを製作していましたが、10数年を経て再び小口径スピーカーの製作が続くのはとても興味深い事と感じています。


HPに掲載している製作例の他にも現在進行中の物で10cmと8cmが有りますが、それら全てに共通しているのが、「小口径=安価な入門用」と言われる様な範疇の作品では無い事なのです。


小口径サイズのユニットでは最高音質の物(一部普及品も有り)を搭載し、中には10cm口径ながら励磁型ユニットも有ります、価格的には電源を含めるとユニットだけで市販の中高級機と並びます。エンクロージャは例外無く品質の高い物を採用し、ユニットの特徴を最大限生かす事、そして積極的に音色や音場感などを向上させる事を狙っているのです。これらのユニットやエンクロージャーの仕様などは殆どのお客様が仕様を指定されている事が更に興味深いのです。


ウッドウイルのお客様には経験豊富な方が多くて、小口径フルレンジユニットの長所、短所を良くご承知です。癖の無い自然な音色を楽しみたいと願いつつもスケール感などでは大型システムに負けてしまいますし、電気信号対音響信号の最高度の変換特性を持つコンプレッションドライバーなどにも負けます。それでも尚、小口径フルレンジの良さを愛して止まないのです。


ウッドウイルとしてはそんな方達に少しでも良質な作品を提供しようと製作に取り組む訳です。小口径フルレンジではある意味で前述の様なストイックな聴き方を強いられる訳ですが、そんな気持ちにさせない様に長所を伸ばす工夫をします。お客様はサブ機として聞くつもりは無いのです、独自のジャンルとして独立した個性を主張できる性能を求めています。


私もそうでしたので分かるのですが、予算が無かったり自作が好きな方はやはり小口径フルレンジから始めます、しかし直ぐに飽きて中/大口径フルレンジや2Way、3Wayへと進化?させて行きます。その長い過程の中でそれぞれどの様なシステムが自分に合っているのかを見極めて行きます。それで分かったつもりでいても時間が過ぎると変化したり、環境が変わるとまた好みも変化して行きます。そんな経験を積んで来た方が本当の小口径フルレンジの良さを理解されているのではないかと考えたりします。


20~30代の私は38cm平面バッフルに中高音にホーン型の3Wayでネットワークのコイルが焼ける程にビッグバンドジャズを聴いていた時の事、銀座山野楽器の前を通り抜けた時に何とも良い音が聞こえて来ました、つられて中に入って調べるとONKYO-FR16Aのフルレンジ16cmでした、高校生の時に自作エンクロージャーに入れて聞いていたユニットです。その時に今迄いったい何をやっていたのだろうと考え込んだものでした。


何の事は無い、今でも38cmダブルで同じく中高音にホーン型の5Way(JazzーMachine)を聞いていますが、ONKYO-FR12A/16A/20Aを大事に所持しています。何時か自分用の最高のフルレンジシステムを作ろうと思い描いているのです。


あと、別の機会に詳しく書こうと思っていますが、スピーカーをセッティングする時、中央に定位する場所に置かれた物の素材が聞いて分かる?高性能フルレンジスピーカーではそんな現象が起きます。


 



台風4号の爪痕

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先日の台風4号が関東甲信越を配下に納めた時に田舎で不幸が、暴風の中、東京へ移動して翌日は4号を追う様に北海道へ、帰りは5号を迎える様になり、揺れたフライトやらで疲れ気味。


6月29日は快晴の青空、30(土)も終日晴れの予想です。気分転換に八ヶ岳登山に出かけて来ました。ジムニーで何時もの林道をかっ飛ばし、最短で登る何時ものルートです。


一般車が走れる林道を過ぎるとゲートが有り、そこから先は山小屋用の資材運搬林道が続き、登山者はその道をしばらく歩きます。こちらに来て約20年歩き馴れた林道がメチャクチャになっています。


簡易舗装した難所の道のコンクリートはおろか地盤になる土砂も流されています。登山者ルートも変更になっていました。何度か台風を経験して来ていますが、こんなのは初めて。山小屋の従業員に聞くと四号でやられたと、未だ復旧が終わっていません。終点の山小屋のリンゴほっぺをしたバイトの娘がニコニコとボッカ(荷担ぎ)をしていたのが印象的でした。


さて登山ですが、随分大昔からピークハントには興味無し(百名山登頂を目指す方もいますが)で、気持ちの良い場所を見つけ、そこまでたどり着けば3千メートル級の山々と森林限界を超えた所にある青々としたハイマツ、黄花スミレに野いちご、イワカガミにミツバオウレンと高山植物たちが迎えてくれます。


そこにしばしたたずんで、お茶して弁当食べて朝四時半起床で昼過ぎには帰って来ます。体の調子を確かめつつ、自然の中でリフレッシュ(自宅でも自然の中ではありますが)。静かな道でしたが山ガールが進出して来ています。穴場の静けさも風前の灯火です。