2018年8月22日水曜日

ウッドウイル試聴室用のエンクロージャー

最近、試聴室で聞くスピーカーは励磁形20cmフルレンジのEMS社 LB8EXMKⅡを
が聞く事が大変多くなっています。

そのエンクロージャーは出川さんにデモ機を製作させていただいたので、
その旧型をお預かりし、改造して(補強とMGES搭載)使っていましたが、
流石にエンクロージャー製作者が他社製作のエンクロージャーを用いて
お客様に聴いていただくのは不味いと反省しまして、
新たに製作する事にしました。
基本構造がこれと同じ物を同時製作募集しましたので2組の製作となります。

製作するからには無垢材を除いた中では最高峰のエンクロージャーを用意します。
勿論ラウンド構造に加え、理想球体に近づける新たな工夫も加えました。
最近はMGES搭載のご注文が主ですが、
この試聴機には新型で最高峰の「MGESコンプリート仕様」を搭載します。

試聴用ですので他のユニットも搭載出来れば便利ですので、
20cm密閉/20cm以下のバスレフ/20cm以下の3Way バスレフ
などに対応出来る様にバッフル全体を交換式にします。
これはかなり難しいのですが機能音質を落とさずに対応させます。

時間が有れば無垢材で製作出来れば良いのですが、
音楽的な音色も付加され(大変好意的な意味で)る事と、
製作時間も取れませんので成形合板を採用します。
試聴機と言う事も有り、エンクロージャーの音色と言う個性を
生じ無い様に出来るメリットも有ります。
ハイエンドの1台数百万円の機種でも同じ材を使っています。


下記の様な外観と簡易透視図です。
設計しながら音が聞こえて来そうな気がして来ました。
早く用意して皆さんに聞いていただきたいと思います。
http://www.lcv.ne.jp/~woodwill/NewProductMenu.html




2018年8月20日月曜日

日立 LO-D HS-500 の修復について

名機として知られる「日立 LO-D HS-500」。
当工房では日立 LO-D HS-500 の修復について多くの問い合わせと、
実際に修復(作り直しですが)を何件も行っています。

つい最近も問い合わせがありました。
エンクロージャーは問題無いが、
ネットワーク部品やスイッチはどうかな?
ユニットの状態も確認出来れば

こんな問い合わせでした。
先ずはこんな回答を
.ネットワーク部品やスイッチは作り直す or 使わない方式にする
.ユニットは使える事が多いので動作確認をさせて貰いますと
.エンクロージャーは外観の良い物も有りますが、
 それは見た目が良いのであって、全く使えませんと

他はともかく、エンクロージャーは大丈夫なので受け入れられないと。
一度、裏板を外して確認してみては?と提案するも受け入れて貰えません。
こちらに持ち込んでいただき、一緒に確認すれば明らかなのですが...。

日立によると「硬質ホモゲンホルツ」と言う材料だそうですが、
パーチクルボードを接着剤で強固に固めた材料に近い物の様です。
問題は接着剤成分に有機物を含んでいる事です。
45年程経過して接着剤成分はバクテリアに食べられてしまっています。
つなぎ合わせる成分が無いので板材の中は個々の木片をつなぐ物が無い状態です。
下記の写真はまだ良い方なのですが、ペンチで挟むと菓子のウェハースの様に
ボロボロと崩れてしまい、状態が悪いのは手で掴むと崩れます。

木材片は多湿高温状態で腐敗が無ければ問題無いので、残念な事です。

エンクロージャーの機能は
 .ユニットを保持する
 .ユニット(ウーファー)を動作させる空気室を得る
なのですが、これは理想状態で、実際には
 .ユニットは激しく振動しているので強固に受け止める必要が有る
 .空気室は振動板運動により膨張収縮を繰り返すので、
  その動きにより生じる振動を構造体としても板材としても止める必要が有る。
ボロボロの板材でこれらの機能が発揮出来ない事は明らかです。
ユニット振動板の音に膨大なエンクロージャーの振動音が付加されて音が出ます。

アンプなどでは歪みが1/100~1/1000で、
基本波に対しての奇数時や偶数時歪みなどは測定器で確認出来ても
聴感上で確認出来るレベルではとうの昔から消えて無くなっているレベルに近いです。
機種名のLO-Dとは低歪みの意で日立は昔から理解していますね。
電気信号を機械信号に変換する系のスピーカーは優れた物で数パーセント未だ有ります。


劣化したエンクロージャーの膨大な振動音が付加された再生音は
ユニット本来の音の性質などは隠してしまいます。
ネットワーク部品などを変えてみても音の変化は判断出来ないレベルです。
それを理解されているお客様は、修復(作り直しですが)されて、
完成後の音を聞いて改めてHS-500の音、
と言うよりは使用されているユニットの低音L-200/高音H-70HDの
優れた音色に驚嘆するのでした。

以上、HS-500について検討されている方の参考になれば幸いです。











ボロボロになった裏板
 




  









新しく製作したエンクロージャー
ネットワークは使わずにマルチアンプで駆動します。
http://www.lcv.ne.jp/~woodwill/HS-500-2gouki-MGES.html




2018年8月14日火曜日

Jazz Machine用の46cmサブウーファー ヤフオクで翌日落札されました。

Jazz Machine用の46cmサブウーファーをヤフオクに出品中で、
そのお買い得感を本ブログで案内させていただきましたが、
翌日に落札されました。


遅れた方からも直接連絡が有りましたが、
早い者勝ちで手遅れでした。


未だバッフルが残っていますが、
流石にこれはかなりマニアックなので使いこなせる方は
少ないのではと思いますが、
情報はお知らせしようと思います。


落札された方、おめでとうございます。





2018年8月11日土曜日

Jazz Machine用の46cmサブウーファーをヤフオクに出品中

Jazz Machine用の46cmサブウーファーをヤフオクに出品中です。
設計思想を新たにしたので全く別のシステムに置き換える為です。
2台出品して、1台は直ぐに落札されました。

落札されたのは知る人ぞ知る、大阪でWE13Aを製作されている方。
ウエスタンのフルレンジで全帯域をカバーする巨大ホーンスピーカーです。

信者が数え切れない程に居られると思いますが、
そのシステムの最低域をカバーしようと考えて、
46cmクラスのユニットとエンクロージャーを探していたのだそうです。

現在は安価なエンクロージャーは溢れている様ですが、
この方や信者が用いるには用をなさないと見切っていて、
私のプライベート機用に製作したエンクロージャーに目を止めて、
実際に音出しして、良く出来ているのでもう1台検討中とか。
分かる方は出品写真で直ぐに性能を理解出来るのだと少し安心。

現在の出品価格は用いたバーチ合板の材料代の半額程度です。
注文製作での受注なら1/6以下の価格です。
本当に早い者勝ちです。
こんなに大きくて頑丈で精緻な物はもう作りたくても疲労するので作らないですよ。







2018年8月2日木曜日

MDFの音質 その2

2012年9月21日に「MDFの音質」と言う投稿をしましたが、

何故かこのブログのベスト5に入る程の人気なのです。

想像するにそれ程にMDFが多用されていると言う事でしょう。

自作マニアの方達は自信のアイデアを形にする為に 日夜取り組むには

高価で入手しにくい材料は敬遠されるのは止むを得ない事です。

音質よりも楽しむ事が優先されるのは理解出来ます。


久々にMDFに触れますのは、カーオーディオの相談を受けて

ドア搭載用のバッフルリングを調べていたからでした。

そうしましたらMDFの音質改善用の塗料の様な 物が紹介されていました。

MDF専用音質改善塗料 「Up Tight Sound」

大幅に音質が良くなるそうです。

強度も出るそうです。

ウッドウイルが多く採用する100%無垢材の桜やカエデに近くなるのだそうです。
無垢材の1/10の価格がMDFと言う記事が出て来て驚きましたが、
正確には約 1/200と言うのが正解です。


2012年の記事を読み返したら関連記事を書いてありましたが 、
木材に樹脂成分を含浸して強度を増す。
木材業界では知られた技術ですが一般的では無いのMDF専用とする事で
利用しやすくしたと言う事でしょうか。

包丁や拘りのナイフの柄の一部には木材が使われていますが、
水に弱いのでは話にならないので樹脂含浸させます。
少し前にVIC◯◯Rのハイエンド機が無垢材を使ったスピーカーを
発表しましたが、見た所では湿度や経年変化を吸収出来る構造に
なっていなくて不思議に思い製造を依頼している工場に見に行ったら、
この含浸剤で無垢材が暴れない様に固めていました。
無垢材の優れた音は捨てて構造安定化を優先させたのか...

MDFにはこの塗料を用いなければならない理由が有る訳です。
少しずつでもMDFやラワン合板等々以外の音の綺麗な材料で
(粗悪な材料はノイズを発します)
自作するも良し、完成品を購入するのでも良いので
良質の音、音楽を聴いて欲しいと思います。

ユニットの振動板の種類には大注目しますね、
搭載マグネットがアルニコとかネオジウムとか...
エンクロージャーの素材に是非着目して欲しいと思うのです。