2012年1月26日木曜日

バーチ合板積層ラウンドエンクロージャー(3)

前回迄の型板を用いて外側(内側も)に書き込んだ輪郭線に沿って荒木取りしている様子を説明させていただきます。


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この画像は輪郭線の内側を切り抜いている様子です。糸のこ盤と言う機械を用います。糸のこ盤は鋸状の細い刃を対象となる材料の上下に貫通させる事が出来ますので内側の様に内部に孤立した部位を切り抜く事が可能です。但しあまり厚い材料や堅い材料には適していませんので加工は困難です。画像の板では3枚切り抜くと刃が切れなくなり交換します。全体の作業が終了する迄この機械が壊れない事を願います。


 


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切り抜いている様子のアップです。積み木などの柔らかくて薄い材料ではこの画像の様に線に沿って切り抜くのは容易ですが、バーチ合板30mmではかなりの慣れが必要です。この記事を読まれている方で木工に心得の有る方には何故NC加工機(プログラムされた自動機械)を使わないの?と疑問を持たれる事でしょう。理由はいくつかあります。まず個人工房では高価過ぎるNC加工機は購入出来ないので使うなら外注する必要がある事。NC加工機では隣り合う線の幅が約15mm(この材料では)必要となり材料の歩留まりが極端に悪くなります。手作業では3mm程の幅で加工出来ます。画像では1枚の板から大小合わせて5種類のエンクロージャーを取り出せますが、NC加工機では3種類に落ちます。更に、現実にはこの様なドーナツ状の面積の少ない加工形状ではNC加工機に材料を固定する事が不可である。以上の理由から泥臭い手作業で作業を行っている訳です。


 


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この画像は輪郭線の外側を切り抜いている様子です。バンドソー(帯鋸盤)を用いて加工します。この機械は350mm程の厚さまで切り抜く事が出来る強力な物です。画像の様な形状の材料でしたら容易に加工出来ます。但し、この機械の刃物が輪になっていますので内側の加工には使え無い所が残念です。


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切り抜いた外側から3種類の材料の様子です。外側から20cm口径用/16cm/13cmに使用します。


 


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切り抜いた10cm口径用の材料の様子です。この材料が一番最初の完成品となります。


 


 


 


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切り抜いた8cm口径用の材料です(左側)。右側は未だ用途を決めていませんが、5cm口径には使えるかも?でも5cm用とは言え手間暇かかりますので安くは出来ません。5cm口径を3個使って中央を高域用に、上と下を低音用(中音?)の仮想同軸でもしましょうか?読まれた方で5cmに興味のある方はいらっしゃいますか?。


 


 


 


 


次回は10cm口径用を仕上げ加工をして組立てる様子をご紹介出来るでしょう。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 



2012年1月23日月曜日

雪景色

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1/22日朝の庭樹(ヤマボウシ)の様子。


昨日は朝夕2回の雪かき、今朝も雪かきしました。


寒いが例年に比べ雪は少なめですので、こんなに降ったのは今シーズン初めて。


冬は雪があった方が暖かく明るくて好きです。


寒いだけで枯れ草と土色だけのモノトーンでは心が寒くなります。


 


大陸からの寒気流は日本海の湿気を含んで重くなり立山などの北アルプ西側に大量の降雪をもたらします。


高度の高い風に乗って日本海側に降り切らなかった雪は残って本州中央部の我が家の庭に降雪を


もたらします。


降雪量は年間50cm程かな?積雪量は10~20cm程?


そう!大陸性気候で乾燥して晴天率が国内トップクラスで木材の乾燥には理想的なのです。


朝、氷点下の工房内での労働環境は過酷ですがね。


 


でも今朝は比較的暖かく明るく日中の最高気温はプラス3度でした!。


明日予想は最低気温-5度/最高気温-2度!。


 



2012年1月13日金曜日

小田和正 クリスマスの約束 2009/2011

2011/12/25深夜に恒例となった小田和正の「クリスマスの約束」の番組が有り、機材の壊れた友人から録画を頼まれた。


この番組の話は聞いていたがその録画をBDにして渡す時に2009年の見た?と言われて見てないと言うと友人は用意してあったDVDを貸してくれた。そして早速一緒に見た。


我が家のはプラズマ50インチに7.1chシアターでメインスピーカーはJBL101と言う贅沢なシステムであるから友人の32インチの液晶TVで聞くのとは恐らく天地程の差があったと思う。


2009年の番組最後に伝説となった豪華出演メンバーによるメドレーがあります。各人が持ち歌を歌い他の出演者は練習を重ねた完成度の高いコーラスでバックアップします。それを総勢21組34名分繰り返します。このメドレーには「22分50秒」と言うタイトルが付きました。


これだけ聞くと何でも無いようですが小田和正が監修する訳ですからその完成度がまるで違います。観衆に向けられたカメラから人々のただならぬ事がこれから起きようとしている、既に起きているのだと言う緊張感や高揚感や期待感で既に多くの人が感動で涙しています。


50代の私と40代の友人のオヤジ二人が昼間からこの番組を見て感動して涙していると言うのは何とも気持ち悪いのですが、歳は関係ない!感動する時には感動するのです!


このメドレーが終わっても3000人の拍手が止みません。止みません。止みません。小田和正が生涯で最も長くいただいた拍手ですと感謝する、最後の曲が終わると涙を腕でぬぐっています。出演者も泣いています、あちこちでハグしています。


このDVDが友人のだから何とアナログ録画です。何とか再放送が有る事を願って高品質で録画したいものです。


我が家で録画したのは「クリスマスの約束2011年」でやはり最後にメドレーが有り、それには「28分58秒」と言うタイトルが付きました。放映直後ですから近々に再放送が有ると思います。


中学/高校/大学まではボサノバ、サウンドトラック、ジャズを主に聴いていてごく少数のフォーク歌手やニューミュージックしか聴いていなかったので、当時はオフコースなどは知りませんでしたが、大好きな「赤い鳥」のライバルらしい?程度の知識でした。


その友人から2005年の「風のようにうたが流れていた DVD-BOX」を聞かせてもらって感動して、そして「クリスマスの約束2009-22分50秒」へと続いて感涙に至ると言う訳です。


下記は関連資料ですが、著作権が厳しいのでしょうね画像付きの物は見つける事が出来ませんでしたが、是非歌だけでも聴いてみて下さい。


http://www.barks.jp/news/?id=1000055959


http://www.youtube.com/watch?v=UU48pfb1rYU


http://www.youtube.com/watch?v=u1CM7ReaJOE


 


 



2012年1月12日木曜日

バーチ合板積層ラウンドエンクロージャー(2)

現在製作進行中のバーチ合板積層ラウンド方式エンクロージャーの製作過程の報告の第2回目です。


効果的な製作工程上の都合から一度に5種類の大きさ(ユニット口径と内容積)を同時進行しますので


中々思う様には作業が進みません。量的な問題と制作者に肉体的に大きな負担がかかるからです。


物作りの経験がない方は軽く流して読まれる事でしょう。少しでも自作をされた事が有る方は興味津々、同業の方は全体を把握する事は出来ますが、ほんの一部の細部の工夫や加工がどうなっているかという興味を持たれる事でしょう、多分?。


 


DSCN1081-1設計製作の大元となる治具(型板)に空けた穴位置を数十枚もの積層する各板に


写し取る作業をしています。特殊に加工したドリル先を逆回転させて位置を写して


行きますが、1枚の板に穴が約60個で板が約70枚、合計4000個以上の穴を写します。


画像の電動ドリルに垂直維持する工具を含めると約3Kg有ります。


位置を合わせてドリルを打ち込んでまた持ち上げてを4000回以上繰り返すので


途中で腕がギブアップ!以前メーカー勤めで工場のラインで見たバランサーという


機械を思い出して導入して装着した様子を写したのがこの画像です。


重さをゼロにしてくれる優れ物で上下させるのはほんの少しの力で足ります。


個人工房の一品製作でこんな装置を取り付ける事になろうとは思いませんでした。


 


 


DSCN1136-1写真はラジアルボール盤と言われる木工機械で、これで位置決め用の4000個以上の


穴をあけます。ラジアルボール盤はドリルの刃の付いたヘッド部分と加工品を載せる台が


回転しますので複雑な斜め方向の穴開けが可能です。更にヘッド部分が手前から奥方向


にスライドしますので懐が深くて広い板の中央にも穴を開ける事が出来ます。


このボール盤でユニット穴も開ける事が多いので大口径の穴でも開けられる様に単相200Vの仕様を


3相200Vで減速ギアー内蔵の高トルク仕様へとパワーアップ改造しています。


 


DSCN1133-1上記ラジアルボール盤で穴開けした板材の一部です。


穴開けを延々と何日間も続けます。


 


 


 


DSCN1086-1バーチ合板積層ラウンドエンクロージャー(1)で説明した型板を各個別に


荒木取りした状態です。この状態から外形/内径線に沿って滑らかな曲線に仕上げて


行きます。作品はこの型板のコピーとして生まれますのでこの型板の加工精度で


全てが決まると言っても過言では無いかも知れません。


 


DSCN1170-1その型板を綺麗に仕上げて穴開け済みの板に専用ピンを差した様子です。


この状態で型板の外側(内側も)に輪郭の線を書き込み、その線に沿って荒木取りして


個別の形状に切り出し、再度この画像の状態にし、ルーターで型板に沿って綺麗に


削って仕上げて行きます。そう!今迄の全ての作業はこの画像の状態に持って来る為だったのです。


 


次回の報告では型板と同様の形に切り出された板材(これがエンクロージャーのボディーになります)の


様子を報告出来ると思います。



2012年1月10日火曜日

ヴァイオリンとピアノによるデュオ.コンサート

HPトップにも紹介していました鈴木公平さんと三界晶子さんによるコンサートを聴いてきました。


妻が行けなくなったのでウッドウイルの作品をお持ちで色々お付き合いをさせていただいているお客様と


一緒に聞く事となりました。開場前だったのですが何故か入場出来て最前列でピアノの鍵盤が見えて


ヴァイオリンも正面という最高の席で聞く事が出来ました。


 


鈴木公平さんの活動拠点はドイツヘッセン州でオーケストラやオペラ演奏の第一ヴァイオリンとして活躍しています


日本へは年に二度だけ帰国して母親の住む地元長野と都内とで演奏会を例年行っています。


演奏曲目はベートーベン:ヴァイオリンソナタ/スーク:ヴァイオリンとピアノの為の4つの小品、


ブラームス:ヴァイオリンソナタと地味な渋い曲目ではありますが、円熟した演奏に心地良い鑑賞が


出来て堪能する事が出来ました。ピアノも共演が永いので息もピッタリでした。


 


またまたオーディオ的な音質的な事を付け加えます。


同席したお客様は間近でのヴァイオリン演奏が初めてのご様子で演奏ノイズを初めて聞かれた様です。


弓のこすれる音などかなり耳障りな音が直近では聞こえます。少し離れると聞こえませんし、CDなどは


機械的に消したりします。でも生の音は生々しいのです、激しい曲ではかなりの刺激を受けます。


弦は柔らかく優しく聞きたいと言う方も居ますが、それでは生々しい録音での演奏を再現する事は出来ないのです


全てを再生出来てしかも聴き疲れのしない音でなければいけません。


 


もう一つ、ピアノも相応の音量で演奏しているのにヴァイオリンの音量がピアノに全く負けていない事にも


驚かれていました。演奏技法もあるでしょうが楽器の性能がやはり違いますね。


日頃から大きなオペラハウスの隅々まで音を届けている方ですので300人程の開場では何でも無い事でしょう。


但し、演奏開始から第二楽章くらい迄はヴァイオリンが未だ目覚めていません。


充分に暖めてから演奏が開始されるなら最初からベストで聞けるのでしょうが、そこは演奏家やその他の


事情があるのでしょうね。


 


最前列ですのでステージの高さと客席の私の耳の高さがほぼ同じです。


ピアノの低音域の強打でピアノ底からの音がステージ床と共振してまるで音圧/風圧の様に聞こえて来ます。


ホールピアノの”ベーゼンドルファー”(世界三大ピアノらしい)の迫力に感心します。


大きなホールでは決して経験出来ない事ですね。


 


地元のコンサートで車で20分足らず、休日も自営業には関係ありません。


30分後には仕事開始していると、先ほどの音楽体験が嘘の様に思えます。


どうもお休みの日にゆっくり音楽を聴いて少しは余韻を楽しんだ方が良さそうですね


 



2012年1月5日木曜日

今年もよろしくお願いいたします

今年は昨日から事務仕事から始め、製作作業は本日から開始です。


真冬は事前に暖房を入れる為に早めに工房に入りますが、今朝は-6度でした。7時前の外気が-9度でしたから外よりはましか?


工房内の温度設定は12度です。無垢材にストレスを与えない!機械を結露させない!止むを得ず人間が着ぐるみ状態の厚着で耐えるしか有りません。誰かが12度ってそれ暖房?と言っていましたね。


昨晩から少しまとまった降雪があり、製作作業前に除雪作業をしました。雪がパウダー状でサラサラ軽いので軽く体が温まる程度で終了。何時もこうだと良いのですがね。


さてと、遅れ遅れの作品や新構造の作品を気分も新たに始めなければ!


今年は体調や怪我に気をつけながら頑張ってみたいと思っています。


皆様、今年は平穏な良いお年であります様に。


今年もよろしくお願いいたします。