2017年1月23日月曜日

SONY プロ用ユニット SUP-L11 38cm ウーファー用エンクロージャー

SONY プロ用ユニット SUP-L11 38cm ウーファー用エンクロージャーをHPに掲載しました。
http://www.lcv.ne.jp/~woodwill/SONY-SUP-L11-38cm-Hard-MapleEncro.html



















この大型エンクロージャーの特徴は材質にハードメープル無垢集成材を採用している事です。

エンクロージャーに求められる内容積や密閉、バスレフ方式等の機能は全て満たした上で、
材質に注目して書いて見たいと思います。

ウッドウイルでは現在、ご注文をいただくエンクロージャーの材質は合板が約4割、無垢材が約6割、
構造では材質に関わらず、直方体構造が約3割、ラウンド構造が約7割と言う所です。

その訳は音質は素晴らしいが高価格と言う2点に集約されると言って良いでしょう。

無垢材は大変高価な上に丸太から製材、乾燥と最低でも3~5年は事前に在庫する必要が有ります。
無垢集成材は原木から調達する無垢材に次いで音質に優れていて、在庫不要で手間がかからない
ので価格をかなり押さえる事が出来ます。
その意味でここに紹介するエンクロージャーはかなり的を得ていると言えます。

合板は約100%がバーチ合板を採用します。
価格の圧倒的に安いMDFは音質面から物理データ収集用試作機以外は使っていません。
シナやラワン合板は試作機、治具にも使いません、芯材が何か分からないからです。

無垢材がエンクロージャーの材質として優れている事は、
このブログやHPを読んで下さって居る方は既に承知の事と思います。

マニア垂涎の(殆ど入手不可)このプロ用SUP-L11+SUP-T11を組み込んだシステム、
SONY SEM-5Sを依頼者は所有されていましたが、エンクロージャーの機能不足、
(抜けが悪く、反応の鈍い音) 等の理由で処分されたとか。

スタジオ機器の世界的最高峰の機材を供給しているのに全く不思議ではありますが、
今回製作のこのエンクロージャーに替えましたら見違える様になったという事です。

HPの写真の様に外観はごく普通の形状ですが、隠れた工夫を仕込んであります。
 .ハードメープル無垢集成材を採用。
 .無垢集成材を採用する為に必須な膨張収縮を吸収する構造、組立方法を採用している。
 .音質調整用(エンクロージャーの響き方、鳴らせ方)の構造を採用している。
  勿論、膨張収縮を吸収する構造を採用したものです。
 .上記の工夫をせずに無垢材が良いからと言うだけで製作すると構造破壊を生じます。

プロ用のスタジオモニター用のスピーカーにエンクロージャーの響き方、鳴らせ方...
を論じるのは見当外れと言う方も居られるでしょうが、それはお客様の言葉を借りると
(抜けが悪く、反応の鈍い音)と言う要素を先ずは取り除いて、その上で論じるべきか?
と私は考えるのでした。

ハードメープル無垢材!
高価、硬くて、重くて、制作者泣かせ...でも内部損出が大きく理想的な音響特性に音楽性も付加。
無垢材の膨張収縮を吸収させるので接着組立は厳禁です。
 900×650mmも有る無垢材はカットした瞬間から歪み出します、
その板を強く、ガタツキ無く、音漏れ無く、緩くもキツくも無く差し込み組み立てる必要が有ります。
この構造、組立が出来る様になったのは最近です、HPにも38cm口径クラスの無垢材は、
構造は違いますが、田中伊佐資さん用に製作した物しか有りません。
 http://www.lcv.ne.jp/~woodwill/JBL-Isashi-main.html

 中/大型スピーカーシステムでエンクロージャーの抜けが悪く、反応の鈍い音に悩まれている方、
無垢材スピーカー(出来ればラウンド形状) の記事満載のウッドウイルのHPを熟読されては?