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2015年4月1日水曜日

顧客邸の下見と納入後、各々2軒の訪問

















大変珍しく、現在製作準備中の神奈川県の顧客邸へ、下見に伺いました。
恐らくは日立 LO-D HS-500 の最も優れた使い方になるであろう仕様の物です。
バーチ積層ラウンド+MGES搭載を6台。
フロント2段積み仮想同軸+リアという構成です。
それも全てマルチアンプ駆動と言う豪華さ。
ピュアオーディオ+シアターのサラウンドがシステム化されています。
更には石井式リスニングルームにリフォームされていると言う完璧さです。
納品前のシステムで聞いても何が不満なのか??と思う程の完成度でした。
http://homepage2.nifty.com/hotei/index.html

お客様の試聴環境を把握する事は重要ではありますが、
中々双方の都合もあるのでご訪問には結びつかない事と、
ウッドウイルは信州の高原に籠もって中々外に出て行きませんので...
上記の理由だけではお客様宅迄訪れる事は無かったとかと...




















もう一軒の訪問は、既に数年前に納品済みの「ウッドウイル版HS-500」のオーナー様宅です。
そう!このお二人のつながりはHS-500なのです。
このお宅には前述のお客様と揃って伺いました。
 
HS-500を愛好する方達の仲間である前述のお客様が 「ウッドウイル版HS-500」を
大変気に入っていただき、この作品の更に数ランク上の仕様で製作をとなった訳です。

「ウッドウイル版HS-500」の納品先での試聴は今回が初めて(左の赤っぽいもの)。
懐かしく撫でながら聞かせていただきました。

そうそう、この方は 「Old & New Shop」と言う、選りすぐりの名盤・名録音と言われた
高音質復刻盤メーカーのアナログ レコードを主に販売をしていらっしゃいます。
アナログLPを良質な音で聞けるレーザー方式のプレーヤーも手がけています、
一度訪れてみて下さい。
 http://www.old-and-new-shop.com/


話は未だ続きまして、話題の中心は今度は「YAMAHA  NS-1000M」です。
これも名器として名高いスピーカーですが、このエンクロージャーを高性能型に変えて
聞けば、今でも素晴らしく鳴っているN-1000Mが更に素晴らしくなるのではとの思惑です。

ウッドウイルのHPには既にN-1000M専用エンクロージャーのご注文を呼びかけていますが、
その発端となったのは、この画像のN-1000Mの鳴りっぷりからでした。
ここでもN-1000Mはオリジナルのネットワークは外してマルチアンプ方式で聞かれています。
ウッドウイル版ではマルチアンプ対応の端子も追加せねばと考えています。
http://www.lcv.ne.jp/~woodwill/NS-1000M-woodwill.html

価格を抑える為に5セットの注文をいただいた時点で製作開始となります。
5セットに満たないと掲示価格での製作不可 です。
満たされれば感謝ですが、初代の5セットは限界価格なので、
その後の製作が実現してもビジネスが成り立つ数割高めの設定となってしまいます。


HS-500、N-1000Mなどかなりの時が過ぎても現在でも十分どころか、
最新型にも無い個性を主張したスピーカーが存在します。
名器達を更にグレードアップして高音質を楽しもうと言う計画。
何もスピーカーだけでは有りません、アンプにアナデジどちらでもプレーヤー等々、
そんな活動も続けたいと願っています。

先ほど出ました、デバイディングネットワークでスピーカーを駆動するのでは無く、
マルチアンプシステムを組んで更に良質な音を!と言う動き、
今回の両者のシステムはハイエンドに近い高価で緻密で高音質なシステムでしたが、
「これから生まれるウッドウイルの新しい作品達  その-3」で提案した下記では
もっと気軽に安価に、システムはお客様が組んでもウッドウイルが組み込んでも良いのです。
スピーカーとパワーアンプに関してのシステム構築はウッドウイル任せで、
より音楽を楽しむ為の音源探しに集中してみては?
ご検討いただければ幸いです。
 http://www.lcv.ne.jp/~woodwill/New-Product-Main.html


2015年2月17日火曜日

YAMAHA NS-1000M専用 ウッドウイル版エンクロージャーの注文受付


 2014年12月のこのブログで掲載しました、YAMAHA NS-1000M 専用の
ウッドウイル版専用エンクロージャーの注文受付を開始します。
 http://www.lcv.ne.jp/~woodwill/NS-1000M-woodwill.html

 ウッドウイルは一品の注文製作なので市販品に比べれば高価になります。
その解決方法は同じ物を同時に複数製作する事。

とても簡単なのですが、 知名度も企業力も無い個人工房が
不特定多数の方を想定して標準品を複数製作して在庫する力は無いのです。

そんな理由からこのウッドウイル版 NS-1000M 専用エンクロージャーは
事前に注文を募集します。規定数に達したら製作開始します。
価格は大凡一品オーダー時の50%~60%の価格を目標にします。

2015/2/20から第一回目の募集を開始します。
規定数が集まったら応募した方は格安で購入出来ると言う訳です。

こんな製作方法を採るのは、NS-1000Mの愛好家であるお客様からのアドバイスです。
その方はウッドウイル版 HS-500エンクロージャーをお使いですが、
その音の激変にNS-1000Mにもその恩恵をと言う事からのスタートです。

音質改善は上記URLを読んでいただければお判りと思いますが、
コストダウンについての説明を少し。

.材料はフィンランドバーチ合板、全て24mm厚仕様で第一級の素材で文句無し。
.補強も贅沢に中仕切り方式で万全でNSシリーズのコンセプトに添います。
.構造は直方体です、勿論ラウンドが良いのは分かっていますが、
 高価なラウンドエンクロを同時に複数の方が注文下さる事は無いでしょう。
.バッフル両サイドのラウンド処理
.ユニット類はザグリの落とし込み
.うーん安くなった所は無い!

.塗装はウレタン吹きつけ塗装はコスト高で絶対無理なので、
 この作品用に特注した黒色オイル仕上げ(専門家が相談に乗ってくれました)。
.つき板もバッフルに張って上位機NS-1000X並にします。
.材料の複数発注で木取りの歩留まり向上
 NS-1000Mクラスを1台製作すると材料代で約8万円もするんです。MDFなら一桁安い。
 普通ならこの材料とウレタン塗装で今回の受注金額になってしまいます。
.加工も複数同時で大幅に工数減少。
.ユニットザグリ加工など治具製作に1日、セッティングに半日、加工に数分。
 一品加工の辛さを分かっていただければ幸いです。

初回の募集は二度と出来ない、やる気がしない程の低価格の設定です。
2回目以降(有れば)はビジネスが成り立つ価格にします。


MGESの研究でJBL L-101/LOD HS-500など往年のエンクロージャーを細かく分析しました 。
経年変化が激しいです、有機物はバクテリアに食べられているので合板はボロボロと
砂の様に崩れます、合板の接着剤成分は化学変化と経年劣化と酸化が進み、
やはりかなり酷い状態です。もはや発売当時の音質を維持出来ている訳は有りません。

ユニットとネットワーク部品は信用すると仮定しても、スピーカーの音を決める要素の内、
エンクロージャーは50%を占めます。
若返った音を聞いてみるのは如何でしょうか?


2014年12月9日火曜日

制作者の喜び続編







































前回、朝の工房で陽に当たって綺麗に輝いていた製作途中の作品。
同じ作品がユニットの穴加工を終え、塗装も終わって試聴室に入り、
次の工程を待っていました。


今朝、試聴室に入ると四角い窓からの陽を浴びていました。
逆光ですが思わず撮影しました。
未だ何とか木製品としていますが、今日にはスピーカーと言う音響機器に変身します。


 ウッドウイルを初めたころには、一緒に学んだ木工の仲間が多く遊びに来たものです。
家具作りは勿論、機能性を持たせて設計製作されますが、
同じ様に見える木工品で有るスピーカーは、材質、構造、意匠、としての木工品で
有るだけでは無く、音を出す機能を持つと言う事で、彼ら木工家は戸惑うのでした。


家具製作を勉強して製作もして、また使う立場でもある、その市民の感覚では、
美しく出来上がった家具はそれだけで充分に満足出来ます。
多少の使い勝手の悪さもご愛敬です(椅子を除けば)。


でもスピーカーという木工製品はどんなに美しく出来上がろうと、
オーナーさんの音の趣向に合わなければ約立たずと言う烙印を押されてしまいます。


ウッドウイルは木工屋さんのイメージが強いとのお話しを受けますが、
私はラジオ少年から始まったアンプ作りをきっかけにオーディオ好きとなってから、
電気の世界に導かれ、電子工学を専攻して電子機器開発設計などの職歴の後に
独立してオーダーメードで製作するスピーカービルダーとなった訳です。
ですから私としては電子機器に少しは詳しいオーディオスピーカー屋さん!
と思っているんですがね?。


スピーカーは殆どの場合エンクロージャーを必要として、
それを木で製作している訳ですが、それはスピーカー製作全体の工程の8割、9割を
木工という作業に割いています。
この工程に情熱を持たないで作品が出来上がるとは到底考えられません。
それにエンクロージャーは「目は口程に物を言う」の例えで
「エンクロージャーはユニット程に物を言う」とても重要な働きが分かって来ました。


工房名のウッドウィルと言う私が考えた造語。
 「樹を媒体として人と物の心が通じ合えるそんな思いを込めています」
 やっぱり木工屋さんなのですかね??。
近所の人達はピュアオーディオの話をしても理解していただけないので 、
面倒だから木工屋です、と言っています(笑い)。




2014年4月1日火曜日

ウッドウイル開設15年目に入りました

あっという間に14年間が過ぎました。


多種多様なスピーカーを製作させていただきました。


今は更に音質を追求した作品、ウッドウイルらしいオリジナルを作りたいと考える様になっています。




製作経験からか、少しは他の製品も理解する事が出来る様になったからかも知れません。


音楽会では本当に感動する事が多いのでその体験を少しでも再現出来ればと言うのも有ります。


手間暇をかけますので納期は長くなり安く製作する事は出来ないかも知れませんが、


そんなスピーカービルダー(製作工房)が有っても良いのかな?と考えています。




長く続けていると惰性で進む事も有るかも知れませんので要注意です。


新作への取り組みもそうなのですが、製作技術の陳腐化という物にも気づかされます。




スピーカーエンクロージャーの機能の整理/問題点/改善点などを研究していますので


少しずつ発表していきたいと思います。




機能を整理すると面白いアイデアが生まれる!


そんな事も体験しながら進めています。


皆様に喜んでいただける物や情報を提供出来れば嬉しいと考えます!




今後もよろしくお願い致します。









2014年3月10日月曜日

オーディオ、デザイン、新作、ぼやき?

お馴染みのジャンルを超えた書き込みです。
確定申告でゴチャゴチャの頭の切り替えをしましょう。


ウッドウイルの顧客の大部分は一般の方ですが、
最近は試作だけでなく小ロットでの製造依頼も有ります。
プロの方に認めて下さるのですから有難く光栄な事です。


でも中にはこんな方も!
既存デザインを越えた斬新な物を発表したいと。
新しいアイデアを持ち込むのは大歓迎ですので相談に乗るのですが...
世の中に製品を送り出す訳ですから、
安全で簡単に故障せず、用途にあった機能と価格などは
アイデア以前の問題としてクリアーしなければならないはずなのですが...
そんな事を言うから既存スタイルから抜けられないのだと叱られます。
例: 木目が綺麗で響きも良さそうだから無垢の樹で作りたいと。
   収縮や反り対策の工夫が必要と話しますが、高コストなので不要と!
   相見積もり先は強引に固める対策をすると言っていますと。
   なる程!!そうして割れて歪んだ製品の修理依頼がこちらに来るんだ!


  米国では庭石にスピーカーが組み込まれていて外でも音楽を、
  壁に埋め込まれたスピーカーがリモコンで飛び出してくるシアター、
  自宅プールの中でにも音楽が!自由な発想で楽しんでいる様です。
  そのリモコンで動くスピーカーをメインユニットにしてスピーカーシステムを
  製作してくれと言われた事も。
  音響的な理屈も音質も無視です、リモコンで隠れたユニットが出て来れば良いのだと。


ウッドウイル開業目的の一つは「お客様に喜んでいただく」ですので、
上記の例などは遠慮させて貰います。
もう一度言うのですが「新しいアイデアを持ち込むのは大歓迎です」。
iphoneもAndroidも斬新ですが基本はクリアーしていますよね。
物作りの基本ですね、直接製造に関わらない方達も知らねばならない事です。
日本の物作り、頑張って!
  




ウッドウイルも4月で開業15年目に入ります。
適当な時期に改めて紹介させていただきますが、
今迄に数多く製作発表して来たエンクロージャー構造などは
従来型から更に高機能なタイプへと移行させたいと考えています。
アイデアは当初から有りましたが、それを実現させる技術と経験不足から
実施を躊躇っていました。


例えば、ラウンド型でも背面は平面だったり、
無垢材型でも接着剤を多く使っていたりなどの製造上の問題をクリアーする。
スピーカーエンクロージャの構造を新しく考え直してみるなどです。
これらは勿論、音を良くしたいの一点に集中する為ですが、
技術的にはどれも高度な技が必要になります。
活動15年目、私も60才、残りの時間を高性能な作品製作に注ぎたいと考えます。




もうかなり前からウッドウイルでは「プロ.アマ。養成講座」を募集しています。
何人かのアマ/プロ/セミプロの方達が挑戦されました。
簡易な木工教室ではありませんので、自身の自信を打ち破られた人。
スピーカー製作到達の前に木工製作で躓いた人。
春から新たに挑戦される方が来られます。
当方は手薬練引いてお待ちしています。
成就を心から願っています。


















  

2014年1月9日木曜日

「シェーカースピーカー」の次期作品とMUSIC BIRDの影響力



左が次期作品/右が現行作品


昨年、発表しました「シェーカー」スピーカー。

バッフルを積極的に振動させ、共振音から心地良い響きを生み出して
安らぎを生む、イージリスニングの用途を意識した作品。
http://www.lcv.ne.jp/~woodwill/Shaker-SP.html

基本設計はバーチ合板によるバスレフ型エンクロージャー方式ですので、
無垢材のバッフルを取り外しても高品質な音楽を再生できる能力を持っています。

先日、出演させていただいた、高音質「音楽専門」衛星デジタルラジオ
MUSIC BIRD の田中伊佐資さんがパーソナリティで運営する、
「アナログ・サウンド大爆発!~オレの音ミゾをほじっておくれ」。
http://musicbird.jp/programs/analog/

田中伊佐資さんがシェーカーに大変興味を持って下さり、
番組中でシェーカースピーカーの誕生のエピソードや
その特徴などを話題にさせていただきました。

放送の影響は大きい!
放送中の話を聞きながらもう欲しいと思っていた方居られました。
そうして現行作品から若干のサイズ変更とスタンド脚の構造を
2本から1本にして設置サイズを少なくして外観をシンプルにさせたのが
上記写真の「次期シェーカースピーカー」です。

2本脚の方が安定はしています。
でも設置巾がユニットサイズに比べて如何にも広い。
バッフルが鉄棒にぶら下がっている見たい(構造上その通りです)
一長一短ですが、そこは注文製作で基本性能を確保すれば
後はお客様の仕様に添える様に工夫します。



MUSIC BIRD は嗜好のハッキリ限定した放送ですから影響力が有りますね。
オーディオ関連誌などの紙の媒体は保存が利くので影響も保存が利きます。
ありがたい事です。

某公共放送で30分番組(県内版)を製作放送してくれましたが、
知り合いが見ていて、出てたね!で終わりでした(汗!)。
某大手経済紙の工業版(全国版)でも同じ様なもので、
関連業者からの営業攻撃を受けた程度(これも汗!)。
結局、一般大衆相手の媒体の中でウッドウイルに共感される方を
見つけるのは至難の業かと...

ウッドウイルの顧客になられる方は音楽/オーディオ愛好家の中でも
相応の経験を積まれた方や市販品選びの限界に気づかれた方など、
ご自身の求めるものが何で有るかを見極めている方が多い様です。
そんな経験豊富で造詣の深い方達に「ビッビッ」と感じ取ってもらえる様な
作品を発表して行きたいですね。

本年もよろしくお願い致します。


2012年12月2日日曜日

世界最大のスピーカーユニット

私の知る限りで世界最大口径のスピーカーユニットはF社の80cm口径スーパーウーファーユニットです。


そのあまりの大きさからエンクロージャーを用意する事は殆ど不可能です。


それでもこのユニットを用いる事を許されたごく一部の幸運な方達の現実的に採る方法としては。


押し入れをエンクロージャーとするか、リスニングルームと隣接する部屋全体をエンクロージャーとするしかありません。


何れもドアを改造するのは言うまでもありません。


 


押し入れと隣接する部屋の身になってみれば突然湧いた災難に他なりません。


いきなり、やれ共振するは、音が濁るは、大きな音を出すと建物が暴れ出すは等々で迷惑千万です。


きっと今迄の平和な暮らしが愛おしく思う事でしょう、お察しします。


 


最近はウッドウイルのホームページを殆ど更新していません。埋め合わせに下手なブログでお茶を濁しています(^_^;)。


 


そうなんです、その80cm口径用のエンクロージャーを只今製作しています。


製作期間が長いのでその間はHPを更新するネタがありません(^_^;)。


どうか懲りずに時々HPを訪れて下さい。


 


そのあまりの製作期間の長さでオーナー様は待ちくたびれています。


こちらも本当にごめんなさいです。でももう少しで完成いたします。


 


数年前に製作したJazz-Machine用の46cmサブウーファーが赤ちゃんの様に見えてしまいます。


個人的には80cmユニットを使う機会は訪れそうもありませんが、


大変ありがたい事に製作するチャンスは与えていただきました。


それもお茶を濁す様な前述の暫定的な使い方ではありません。


正面から品質を求めた作品です。


更にはその存在感に負けない様に外観デザインにも妥協がありません。


 


皆さんが最大規模のスピーカーを想像されるのはどんなでしょう?(勿論プロ用は除いたコンシュマー用機材ですが)


アルテックA5?/タンノイオートグラフ?/WestlakeAudioの38cm×2発+25cm?/


VITABOX?/それともJBL4350?


 


このスピーカーはそれらよりも大きいのです。実寸よりその存在感が更に大きく見せるかも知れません。


極最重低音の世界を垣間見せてくれるであろうこのスピーカーシステム。


もう直ぐご紹介出来ると事と思います。


 








 

 



2012年11月16日金曜日

総合グレード3を4への改良で音質向上

ウッドウイルのスピーカーには自ら「総合グレード」としてランク分けしています。http://www.lcv.ne.jp/~woodwill/enkuro-menu.html


お客様がどの構造方式がどの様な機能や音質を備えているかを容易に理解出来る為です。


 


バーチ合板積層曲げ合板使用ラウンドエンクロージャー(側板のみラウンド)は総合グレード3の作品です。側板がラウンドしていますが、バッフルと背板が平面で向き合う為に定在波が生じるので上位のグレードに及ばないのが理由です。天板と底板も平面で向き合いますが、オプションで対策が可能です。


総合グレード4はバーチ合板積層ラウンドエンクロージャー(側板/背板に加えてバッフル内面もラウンド)で、オプションを加えると対面する平行面無し→定在波極小→吸音材使用量極小→音質劣化せず→合板使用エンクロージャーの最高峰で最良の音質となります。


 


しかし、この総合グレード4のエンクロージャーの外観は個性的です。バーチ合板の断面は大変綺麗で積極的に利用する例が多いのですが、従来の木目を活かした外観とは違う為に馴染めない方も居られます。


その点では総合グレード3の構造では任意のつき板が張れますので従来方式の外観を活かす事が出来ます。


しかし音質がグレード3では悔しいですね。製作側もお客様も消化不良です。何故、背板もラウンドにしないのか??、曲面と曲面を接合するという構造上の問題です。加工や組立も難易度が高いのです。このシリーズを発表した時にはとても製作は無理だろうと断念していました。


 


不思議なもので難易度70%程度を幾ら繰り返しても変化は無いのですが、100%を繰り返すと、それ自体は100%から80%程度へと感じられる様に習熟する内にその難易度が下がって来ます。また、経験する内に新たな技法を見いだす事が出来ます。そんな訳で今迄は130%の難易度で手が出なかった物が、100%へと実現可能な領域へと下がって来た訳です。


これで総合グレード3の音を4に向上させ、外観も従来の木目を活かした物で対応できる事となりました。


 


では何故そこまでラウンドに拘るのか?再生音楽の最大の弱点は鮮度と考えています。装置の規模によっては低い領域への再生も可能でしょうし、その他いわゆる帯域をカバーしたり、低歪みや、音場補正したり、高品質音源を使ったりと今ではかなり進んだ機材を使う事が出来ます。


料理に例えてみます。素晴らしい調理法やソースに、素敵なレストランに豪華な食器、美味しい食前酒、ましてや美人と同席などでは夢心地!でも食材の鮮度が悪ければ全て台無しです。料理が美味しい訳がありません。


 


エンクロージャーを必要とする帯域のユニットで平行する平面が有れば定在波が発生します、これを無くす(消す)為に吸音材を入れます。定在波を含んだ音は吸音材内部に浸透して振動させ、音響エネルギーを熱エネルギーに変換して定在波を無くそうとします。しかし都合良く無くなるのは定在波だけでは有りません。エンクロージャー内部の全帯域の音(厳密には吸音材の持つ特性に影響されます)が無くなる(消される)のです。スピーカーユニットから出るエネルギーを吸収してしまって果たして良いのでしょうか?。


この様に吸音材を充填したその音は抑揚の無い抑圧されたまるでコンプレッサーでダイナミックレンジを狭められた様な音となります。どの様な素晴らしい装置を持ってしても最終段階の音の出口でそうなってしまったらリカバーする事は出来ません。これをウッドウイルでは鮮度の低い音と呼んでいます。


 


昨晩のアコーステック(PA無し)のjazz演奏でサックスの音に惚れ惚れし、バスドラムの低音に快感を得るのはその鮮度が高いに他なりません。


 


定在波対策を行うと上手い事に回析効果減少などの効果を上げる事も出来ます。点音源再生を目指し、定位や音場感を大事にされる方にもベストの方式です。ラウンドエンクロージャーに早くから取り組み、それもオーダーメードで一品製作している拘りが此処に有ります。


総合グレード4のエンクロージャーで生じた効果を2012年10月25日の「スピーカーの間に置いた物の素材を感じる」で書き込みましたが、どうやら音楽ソースの中には想像以上の要素が含まれていて、再生装置の品質が向上してくると見えてくる物が有る様です。その一部を体験したものでした。


 



2010年1月15日金曜日

今年の製作予定などなど

ウッドウイルを開設して3月で丸10年になります。


開設当時の数年間は来る日も来る日も1万円程度のMDFのオーダーキットばかり製作していました。


MDFは切ると大量の切り粉が舞いますのでかなり辛い作業が続きました。


年間数百セットは製作していたでしょうか?それでも台所は火の車です(今もたいして変わらないけれど)。


数をこなしたおかげで基本技が嫌でも身に着きました。


ペア製作ですから正確に同じ物を作る、隣り合わせて隙間無く接するなどの普通の基本の技の事です。


数年前から納期短縮を狙って協力者を募って試しに製作して貰うと左右の寸法が違う、平面が出ていない、


角が直角でないので置いてもがたつく等々でベテランの作家でもこれが出来ないのです??不思議不思議。



話を戻して、この数年は年間の製作数が約10セット前後になりました。


お客様から依頼される仕様内容が高度になって来た為であり、決して私がコントロールしている訳ではありません。


したくても出来る訳がありませんね、ご注文内容はお客様次第です。


高度な分、納期も長く必要でお客様にご迷惑をおかけしている事で心苦しく思っています。


ホームページの更新が少なくなり、お客様には退屈をさせている事と思います。



最近発表したロシアンバーチ合板による標準ラウンドエンクロージャーは、今までの経験を基に高機能と


低めの価格設定(それでも高いと怒られています)、短納期を目指してこの問題を解決する手段としています。



比較的簡単な作品の初期段階での下加工を外注する体制は出来ましたが、最近製作している様な無垢材使用の


ラウンドタイプなどは全て一人で行わなければなりませんのでどうしても時間が必要です。


認めたくは有りませんが体力(持久力)の問題も有りまして、当初程は早くは作業出来ない事もあります。


しかし、経験を積んだからこそ今製作している高度な構造の作品が出来る訳ですから納得せざるを得ないか!


と考えている訳であります。



今年、皆さんに紹介できる主な作品は下記です。


.フロントホーン+バックロードホーンシステム


.38cm3WayJBLシステムの三男でLowther20cmフルレンジ、同じく四男のSEAS EXCELの3Way


.ソナス風17cm2Wayバーチラウンドシステム


.超弩級FW800サブウーファー


.改良型のウイング


.16~20cmクラスのバスレフを含んだ一点音源方式のバーチラウンドシステムの開発(開設10年記念作品?)


.レトロフィットとしてONKYO SCEPTERシリーズのユニットを使ったホーン形3Wayの3種類の提案(提案だけ)。


.来年以降にはModel Aokiの改良型数台の製作や38cm3WayJBLの小型化したシステムも決まりそうです。



バーチ合板の標準エンクロージャー(ピアノ塗装)の中で直方体エンクロージャーは廃止致しました。


問い合わせや受注実績から見て直方体エンクロには感心が薄いからです。


この方式は当工房で無くとも他でも入手可能(仕上げは別として)ですから、ご了解頂きたいと思います。



こんな事で今年も頑張って行きたいと思っていますが、手間のかかる高機能な作品は年内製作は難しいかも知れません。


標準エンクロージャーを基本とした物や大きくとも製作期間の短い物も有りますのでお問い合わせ下さい。



2008年12月14日日曜日

ウッドウイルは敷居が高い

ウッドウイルは敷居が高いと最近言われる事があります。
今迄の経緯を考えてどうなのかを少し考えてみいたいと思います。



2000/4にウッドウイルをスタートさせました。
初めは数千円程のMDF材を使ったエンクロージャーキットの製作です。
来る日も来る日もMDF独特の埃っぽい木屑にまみれての作業が続きました。
実績も知名度も何も無い中からのスタートですから当然であり無理もありません。
それでも数千円のキットをオーダーメードで製作する様な無謀な業者は他に有りませんし、
その頃、脚光を浴びたMercuryspeakers社からのエンクロージャー製作指定もあり
何とか注文だけは切れずに続ける事が出来ました。



お客様からの仕様を聞いて図面を書き、内容に問題が有れば問い合わせて製作する、
それだけでもう赤字です。買った材料のカットを行うホームセンターなどは材料の売り上げが
主体で、カットからは利益を期待しないサービスです。
パネルソーと呼ばれる大型の機械に材料(合板を)載せて、機械の操作で行う物ですが、
切断誤差が0.5mm前後はどうしても発生してしまいます。



ウッドウイルでは材料1枚1枚を荒切りして基準面を作ってそこを基にして
全ての加工を行うという木工加工の基本に則って行います。
天板/底板/側板は同じ奥行きですから、その加工は定規を決して動かさずに
加工を行いますので絶対誤差は±0.2mm程は有るかも知れませんが、
相対誤差は生じません。加えてビスケット加工を行っていますので位置合わせ不要で
組立は正確無比に出来た筈です。
お客様は上記のカットサービスを体験されている方が多いので、比較してあまりにも
あっけなく組立上がり、修正も不要で驚いたとネット上で何件も述べています。



それは価格がいくら安くとも新参者は怖くて手を抜く事など出来ませんでした。
正確なカットで喜んだお客様は次回には組立迄のご注文をくれました。
その仕上がりに更に喜んだお客様は次回は塗装迄を任せていただけました。
その次には全て任せるから例えば室内楽用で予算幾らで作ってくれと。
その継続が現在のウッドウイルの姿です。お客様に育てられて今に至っている訳です。
後にお話を聞かせてくれたお客様が言うには、何処の馬の骨とも知れぬ奴に数万円以上の
注文など初めから怖くて出来ないとの弁でした。



この様なお客様の要望を聞きながら製作を続ける内に相当に高度な仕様の作品を
手がける事も多くなりました。納期が1~2年で価格が数百万円などと言う
ハイエンド機クラスも製作して来ています。
反面、個人工房ですから大作を2機種も抱えると直ぐに納期が半年や1年取られてしまい、
比較的簡易な作品でも相当の期間お待ちいただくジレンマに陥って来た事も事実です。
これは2年かけて問題解決の目処が付いてきましたので、来年度からあまり長納期で
ご迷惑をおかけする事は無くなって来るものと思います。



上記に詳しく述べたキットと拘りの完成作品の制作工程は何ら変わりは無く、
丁寧に制作していましたが、しかし単価が安いイコール相応の品物としか見ていただけない
お客様も相当数(実は殆どの方)いまして、見積りをさせていただいても高価と言われる
事が大変多くなりました。MDF材の汎用エンクロージャーは多数発売されていますから
それらとの比較で高価かと判断されるのかも知れませんが、
オーダーメードのキット製作へのご理解がだんだんとされなくなって来たのも悲しい現実でした。
HPを良くご覧になる方々へのキリ番カウンター踏み無料キット提供も辞退される方が
多くなって来てウッドウイルのキット制作の意味は無くなって来たのかもと思い初めていました。



多くのリピーターのお客様にキット制作を止めようと思うと相談しました。
お客様はキットから完成品までの品質をご存じですから、
理解出来ないお客の為に利益の上がらない仕事は止めた方が良い、
その時間でウッドウイルでしか出来ない作品に集中した方が良い、
その様な声を多くいただいたので今はキット制作を止めています。
これも敷居が高くなった一因かも知れません。



大変長い書き込みで恐縮ですが、まとめますと。
.安価なMDF材の汎用エンクロージャーは市販されている。
.オーダーメードではMDF材キットであっても相応の価格になる。
.お客様は他に頼む事の出来ない拘りの作品製作の依頼希望を持っている。
.制作側も高音質/高機能の作品製作はノウハウ蓄積や何より楽しい事。
.最近発表した標準エンクロージャーは他では市販されておらず、
 ウッドウイルのノウハウが凝縮されている。
.この標準エンクロージャーのノウハウを完全オーダーメード製作の作品に
 採用する事により大幅に納期/価格を改善する事が出来る様になって来ている。
.等々を総合的に考えますと他に有る物、他で出来る事をウッドウイルが
 行う事は意味は少ない。お客様に喜んでいただける事に特化して
 持てるノウハウ、マンパワーを発揮しようと言うのが現実である事。
.これらを総称して敷居が高いと言われるのは案外お褒めの言葉なのかとも思います。
 過去の作品の価値を認めて下さっているのでは。逆に敷居を低くして喜ぶお客様は
 殆どいないと思われ、その先には未来が見えて来ないと思うのです。



2008年11月13日木曜日

色々と計画はあるのですが

大怪我をしてから2年以上も経つのに未だ当時の納品出来ていない作品が数点残っています。復帰後直ぐには100%の能力を出せない、無理して他の部分を痛めてしまう。大物作品(大きさも機能も)が続いている事もありますが依頼主様には大変なご迷惑をおかけしていて申し訳ない思いで一杯です。そんな事もあり構想は練っていても手を着けられないジレンマを抱えている今日この頃です。



その構想とは



.レトロフィット



これは既に何作品か制作してはいますが、重点的に日立のLo-DシリーズとONKYOのSCEPTERシリーズです。どちらも私には馴染みが深く、最新のスピーカーに比べても遜色無く、その個性を発揮してくれるからです。総合電機メーカーがハイファイオーディオ分野に足がかりを作る為に力を入れたLo-D。システムやユニット単体を販売して来た専業メーカーで特にホーン形に力を入れていて、オーディオ全盛期から現在まで継続している企業力にも敬意を払いたいONKYOです。



.FH+BHエンクロ



フロントホーンとバックロードホーンを一体化して全帯域にホーンロードをかけたシステム。永くBHファンだった私が常々疑問に思っていた不都合を解決する為の意欲作です。変形型は完成発表済みで、基本スタイルに忠実なシステムは受注済みですので来年中(苦笑い)にはお披露目出来るかと思います。



.標準エンクロージャー



未だ未発表の構想ですが、10/13/16/20cm口径のユニット用に標準的な内容積のエンクロージャーを用意して価格を抑えて短納期で対応したいと思っています。100%バーチ合板の一般的な直方体構造と側板ラウンド構造の2種類の構想です。未塗装品とブラックピアノ塗装を用意できればと思います。通常の完全オーダーメードの様な細かな注文に応える体勢とは別に、標準型で間に合う方にはメリットの多い商品かなと思っています。この商品に対応する製作体勢も同時に整えようと思っています。この標準エンクロージャーは数ヶ月後には発表したいと計画しています。