先日、静岡県の客様のリスニングルームにお伺いして来ました。
注文いただいたスピーカー製作前にどの様な環境でどの様に聞いているのか、
確認しに来て欲しいとのお誘いでした。
お伺いする御宅はお客様の拘りが多く詰まっている様です。
間取りなどの基本設計をご自身で行う。
採用する部材を細部に亘り詳細に検討されたとの事。
一例として大径木の大黒柱2本が1階から2階に突き抜けています。
リスニングルームには重い防音扉を通って入ります。
中に入っての印象は広い、如何にも音楽が溢れる様な空間です。
お気に入りの演奏会に出かけて行く時、
ホール入り口からフロントを通り指定席へ、
最後の音合わせをしている楽員が奏でる独特の音を聞きながら
開始のブザーが鳴るのを待つ。
音楽会での観客の気分を落ち着かせ、高めてから演奏が始まりますが、
そんな会場がご自宅に備わっていると言う様子です。
音響建築専門では有りませんので、音楽を楽しく聴く環境は?、
そんな思いで聞き出します。
物理的にはリスニングルームは定在波と残響時間の影響を受けます。
床面積が広く天井が高いので定在波はかなり低い帯域となり、
数次にわたる高調波も聴感域から逸れている様に感じます。
偶然なのか意識されたのかビート音も聴感上は感じられ無いのは稀有な事です。
広い部屋ですのでリスニングポイントもピーク、ディップの影響の少ない場所を
選ばれている様で、聴感上は違和感を感じません。
既存の家では残響時間を調整する事や音の吸音処理をするには、
壁、天井、床等に何かを貼る、敷く、等での対応となり、
気になる癖等の対策を出来る頃には味も無くなる、
などの弊害も生じますので難し所です。
こちらのリスニングルームは床材に無垢のハードメープルで良質な響きを。
広大な壁は漆喰で吸音処置、兼、美的外観を生み出す。
天井材も無垢材を用いて独自の外観と響きを生んでいる様です。
要所には音響パネル等を用いて微調整されている様です。
当然に部屋の内側構造には防振防音の対策が為されています。
部屋は直方体で並行面が大きく有りますので、
配慮しないと酷い音響的特徴を持った部屋になるのが常ですが、
この部屋で音楽を聴いていて不自然に感じる事が無かったのは不思議です。
事前の準備と完成後のチューニングに相当の労力をかけたと想像します。
情感一杯に歌い上げる女性ボーカルを大音量で聞ける環境は稀有ですが、
オーナーさんの最も好まれるジャンルで有った事が良質のリスニングルーム
完成につながったのではと想像します。
主な使用機材
入力:殆どのCDやハイレゾ音源はネットワーク化し建物内どこでも利用可能
アンプ:GM70PP特注真空官、
サブ機用特注半導体アンプ
スピーカー:Supravox社励磁型38cm/25cm2発/ツイーターの豪華背面開放型
サブ機:特注トールボーイ型 Scan-Speak Revelator(ハイエンドユニット)
22cm/15cm2発/ツイーター(ウッドウイルで改造予定)
ここにVoxativ社 AC-X2励磁型20cmフルレンジを搭載したウッドウイル最高峰の
エンクロージャーのシステムが置かれる予定です。
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