2008年12月12日金曜日

標準エンクロージャー発表しました

私がコントロールする事などまるで出来ないのではありますが、最近受注します作品は規模の大小に関わらずに高機能で高音質な作品が殆どを締めます。無垢材を乾燥させる為に1~2年も寝かせたり、正味の製作期間が半年以上必要な物など、制作側としては興味深くやりがいがあり大変に幸せな事でありますが、高価格で長納期が常態化しています。



反面、強い拘りは無いけれども市販システムや汎用エンクロージャーでは満足出来ない方も多くおられて、納期や価格で対応できないジレンマに陥ってしまい、長らく頭を悩ませていました。



グレードの差はあれ、高音質を目指して来たウッドウイルとしては安易な妥協は命取りにつながります。その考えがお客様に伝わるのでしょうか?現在はMDF材を使った作品は殆ど無くなりました。市販の汎用品は殆どMDFかもっと安価な合板などを使っていて、当工房が敢えて製作する必要性が薄れて来ているのかも知れません。多様な材料に構造、システム構成で音を聞いている私の耳にはMDFは最早ノイズに近い聞こえ方となって来ています。当工房の試聴室に来られるお客様方も、試作用エンクロージャーのMDFの音には感動を覚えない様です。



同じ大きさ、同じユニットでバーチ合板や無垢材、更にはラウンド構造の完成品を聞かれますとまるで違うシステムを聞く様に驚き、感動し、音楽に入り込めるのです。やはり素材選びは最重要な事の一つと思います。



大変前置きが長くなりましたが、上記の問題点の解決の一つの方法として100%バーチ合板を採用した直方体/ラウンドの2種類の標準型エンクロージャーを発表しました。高度な補強処理、完璧なピアノ塗装など従来の完全オーダーメードの作品と同等以上の高機能で低価格/短納期を実現させる事ができました。短納期と言っても受注製作ですので2~3ヶ月はお待ちいただきますが、最近では比較的簡単な作品でも半年や1年もお待ちいただく事が常態化していましたので大変な改善とご理解いただければ幸いです。



既に2年の間、製作のパートナーや協力者などを探して来た事。新たな仕入先の開発、加工方法の検討など時間はかかりましたが、標準品で間に合うお客様にとっては大変なメリットが有るだろうと想像します。特筆すべきはバーチ合板で曲面成型合板の製作に成功した事です。恐らく内外でバーチ合板の曲面成形合板製の製品は無いと思われ、ましてや注文製作で入手できるのは画期的な事と自画自賛しています(失礼)。この技術で完全オーダーメードのラウンドエンクロージャーのコストダウンと製作期間の短縮も大いに期待できます。



現在未だサンプル制作中ですので画像はもう少し後れますが、過去の制作例を見ていただければ当工房作品の品質はご理解いただける事と思います。初めての標準エンクロージャーですので不備もあるかも知れませんので、その時にはご指摘いただければ幸いに思います。



以上です。









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