2011年7月16日土曜日

高齢化による難聴

ウッドウイルのお客様の中心は50代から60代です。


専門書によれば高音が聞こえにくくなり始める年齢との事ですので、スピーカー作りも何か対策を考えなければならないのか??と常々考えてはいました。


物理特性だけを考えれば高域をブーストしたレコードのRIAAカーブみたいなプリエンファシスを加えれば、高域特製が減衰した高齢者の聴覚と併せるとフラットには出来そうです。


知り合いの業界の方は自身の可聴帯域は20Hz~20KHzだと固く信じています。たまたま私は高校生の時に物理の実験で自身の可聴帯域を測定する機会がありました。結果は18KHzでしたが、同級生の中では16KHzまで聞く事が出来るのが大半で18KHz迄は少数でした。担当教官によると人の持つ能力の限界が20Hz~20KHzであって誰もが聞こえる訳では無いとの事でした。そんな事から気楽に考えていたのですがその業界の方は勧めても測定に応じようとはしませんでした。気持ちは分かる様な気がします。人間には100mを10秒切る走力を持ち合わせている人がいるからと言って誰もがそんな事は出来ないのと似ている様な気がします。


仕事で日常的にスピーカーの再生周波数特性を測定していますので分かるのですが、10KHzを超えるとその上はかなり微妙になって来ます。20KHz超を超える測定結果と測定中に実際に聞いている聴感上の感覚はなかなか一致しません。


クラッシックのコンサートに良く出かけますが聴衆は殆ど中高年者ですし、演奏家の年齢層もかなり高いオーケストラもあります。指揮者に至っては高齢者が幅を効かせています。そうすると高域特製が減衰した者同士が演奏して聞いて楽しんでいるのだからそれでいいのか!とも思ってしまいます。


そんな折、有る業界で高齢者(年齢による、又は病気による)に聞こえやすいスピーカーの開発をしているとの事です。直ぐに思いつくのは可聴帯域の事でしたが事はそんなに単純ではなさそうです。小さな音が聞こえなくなりTV等の音を大きくして周りの健常者との調和が乱れるのは実家でも起きているので理解出来ます。しかしよく調べると音が小さいから聞こえないのでは無くて、ノイズの様に聞こえてはいるが明瞭度が無いので識別出来ずに聞こえないという問題も多いのだそうです。


老人ホームでは広間のTVの前にいる方達が大音量で聞いているので、他にいる方達が会話が出来ない、医師の説明が患者に伝わらず等々のこの種の問題が表には出ていませんが深刻になる様相を呈しているそうです。


HiFi再生の前に明瞭度の優れた再生装置の開発が望まれ、その先に音質も付加されるというイメージになるのでしょうか?。ウッドウイルでも既に関わりを持って来ているので更に詳しい説明が出来る事もあろうかと思います。


 


 


 


 


 


 



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