2012年3月3日土曜日

バーチ合板積層ラウンドエンクロージャー(7)

最終工程の塗装の説明です。


しかしながら実際の塗料を使った塗装作業に入りますと塗装部屋の雰囲気中には噴霧された塗料が漂っていますのでカメラを持ち込む事は出来ません。手や体にも塗料やシンナーが着いていますのでカメラを持つのは危険です。何より塗装工程中に余計な動きをしますと埃が立って作品に付着しますので避けなければなりません。そんな事で塗装直前の下地仕上げと塗装完成後の画像を掲載して、後は文章で説明と言う事にさせていただきます。


 


下の2枚の画像は組立完了後に凸凹を取り除き、電動サンダーによって60/80/120/180/240番の紙やすりによって仕上げられた状態です。何しろ木口(切断面)はそれこそが紙やすりみたいなざらざらの状態です、それを滑らかにするには荒い(60番)の紙やすりから始めなければなりません。60番の荒い紙やすりを使用すると、その粗さ故に相応の傷が付きます。それを取り除いて滑らかにするには順番に細かな紙やすりを使う必要があります。途中を飛ばして作業をしますと粗さがなかなか取れずに長時間のサンジングが必要となり、何枚もの紙やすりを無駄に多く使う事となります。画像の仕上がった表面をなぞると信じられないかも知れませんが、すべすべ、つるつるになっています。


 DSCN1300


DSCN1302


 


下はいきなり完成した画像で恐縮ですが、上記の下地仕上げが終了した状態から、砥の粉による目止め、シーラーと呼ばれる染み込み防止剤を塗り、顔料による木地着色、2液式ウレタン吹きつけによる中塗り4回、仕上げ塗り1回(80%艶有り仕上げ)の過程を経て完成した状態です。木口の切断面とバーチ合板の積層の特徴が活かされた表情となっています。この手法による構造はラウンド形状が自由に設計出来るので小口径から大口径までそれぞれの定在波と回析効果対策が理想的に行える為に音質面で大きな有利性があります。



 DSCN1307-1


DSCN1308-1
 


7回にわたり掲載したこの作品の製作記も今回で終了です。お付き合いいただきありがとうございました。制作例としてHPに詳しく掲載し、今回の制作で同時に製作出来た部材を使っての限定販売の情報も掲載させていただきます。



2 件のコメント: