2014年4月14日月曜日

至宝 庄司沙矢香 & メナヘム・プレスラー デュオ・リサイタル

庄司沙矢香 & メナヘム・プレスラー デュオ・リサイタル
松本市 ザ.ハーモニーホール 2014/04/13
http://office-mayu.net/events/Shoji-duo.html




過去に聞いたコンサートの中でこれ程に感動した事があったろうか?
そんな体験をして来ました。


ヴァイオリンの庄司沙矢香さんは今回で聞くのが3回目です。
前回は2010年の全曲ベートーヴェン ヴァイオリン.ソナタのツアーでした。
久々で、しかも地元ですので楽しみに出かけて行きました。
ピアノのパートナーであるメナヘム・プレスラーさんの事は殆ど知らずにです。




庄司沙矢香さん


前から3列目のやや中央の席ですのでよく見えます。
大きな花飾りが付いたピンクの華やかなドレスを身にまとって
ステージに現れた彼女は相変わらずキュートで清楚で素敵です。
高齢のパートナーと歩く時、ドレスの裾が邪魔にならない様にと、
また、前後ではなく、横に並んで歩いて万が一に備える?。
その仕草に欧州中心に活躍しているとは言え日本女性の細やかさが美しさを引き立てます。


今回のデュオ・リサイタル、
初めは神様みたいなメナヘム・プレスラーさんにレッスンを依頼したら
録音を聞いた後に是非一緒にプロジェクトをと言う事で
夢みたいなデュオ・リサイタルのツアーになったとの事です。
詳しくは現在発売中の「レコード芸術4月号」に掲載しています。


演奏前半のモーツァルト.ヴァイオリンとピアノのためのソナタ/
シューベルト.ヴァイオリンとピアノのための二重奏曲では、
ヴァイオリンもピアノも力み無く軽やかです。
息がぴったりと言うか、まるで一つの楽器になった様でどちらが主旋律を弾いているの?
と思わせる様です。


未だ聞く方も余裕が有り、何時もの様にホールトーンや残響の大小に、
定位がどうのこうのと頭の隅に考えながら聞いています。
後半に入りますと様子が変わって来ます。


特にブラームス.ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第一番ト長調「雨の歌」、
もう聞き入ってしまい、曲の世界に没頭してしまいます。
目を開けるとステージと演奏者が見えてしまい、現実に戻されますので目を開けたくありません。
そうしてプログラムは終了してしまいました。
この曲を納めたCDは絶対に手に入れなければと誓います。
何度かのカーテンコール、大絶賛の拍手の嵐の中、アンコールが始まります。




メナヘム・プレスラーさん


恥ずかしながら演奏は勿論、CDも聞いた事が有りませんでした。
コンサート案内のチラシや当日のプログラムには「音楽界の至宝」とまで表現して
言葉の限りを尽くして大絶賛しているピアノ演奏者です。


やはりオーディオはともかく、音楽については素人ですのでデュオでの演奏中は
その凄さは迄は分かりませんでしたが、実はブラームスの曲にあれ程心酔出来たのは
ピアノの冴えが無ければ実現しない訳ですね。


アンコールではなんと「ショパン.ノクターン 第20番 遺作」を。
「横内の花子」さんからこの曲の演奏はクラウディオ.アウラ 1977年録音が最高と
教えていただき、それを何時も聞いていた為に他の演奏者には満足出来ませんでした。
しかし、メナヘム・プレスラーさんは違います。
この短い悲しい曲の中にこんなに弾ける様なリズムが含まれていたのか!
こんなにも大きな表現の昂揚が有ったのかと驚きです。
何と言う演奏なのでしょう!、聞いていて涙が出て来ます。


デュオでのアンコールは2曲も有って、それはそれは素晴らしいのですが、
観客は大喜びと言うより、完全に酔いしれています。
アンコールは4曲もありました、庄司沙矢香さんが驚いて笑ってあきれています。
今年91才になるのに元気元気、最高に幸せそうなのです。


最後のアンコール曲はソロで「ショパン.マズルカ 作品17-4」聞いた事はあります。
生演奏は初めてです。腕を交差させて演奏が始まり、交差させて終わります。
指は若者みたいに伸びていません、マウスを握る見たいに丸まっています。
力強くなんて鍵盤を押していません、派手な指使いは皆無です。
なのに大音量に緊張感と高揚感、これでクラッシックなのか?と思います。
バラードを弾いている様でもあり、人生を語るソウルみたいでもあります。


私の席からは譜面めくりの方の椅子に座る庄司沙矢香さんのピアノ演奏に食い入る様に
見る顔が、ピアノの鍵盤正面の板に鏡の様にして写って見えます。
メナヘム・プレスラーさんの指と鍵盤と彼女の顔がワンカットの画像に納まる!
写真撮りたいと思わず思いました。
この曲にも何故か涙が出てしまいました、周りの人達も同じ様です。




音楽の素晴らしさ、感動はこんなに深くて大きいのだ!
小さな地元のホールでこんな感動を味わえるのは何と幸せなんだろう。
こんな体験をしたくて懲りずに聴きに行くのです。
数年に一度出会うかどうかの素晴らしい体験をしたい為に。





































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