2015年4月25日土曜日

田中伊佐資邸へメンテナンスと試聴


数年ぶりに納品先で有る田中伊佐資邸を訪問して来た。
訪問内容が濃すぎて写真を撮る間も無く、少し古い画像を使わせていただきます。

訪れる度に思うのですが、玄関の広さと言ったら、
誰かが書いていましたが、私の1LDKのマンションが玄関にすっぽり入ってしまいますと。

恐らくオーディオ雑誌に記事を書いている著者の中ではダントツで全国の
オーディオファイルを 訪れている方で有ろうと思いますが、
氏のシステムは着々と進化していて、訪れる度に驚きを禁じ得ません。

今回も期待を裏切らない完成度で聞かせていただきました。
氏もある程度形が見えて来たのかも知れないと...
下の画像の入力装置が今は少し変わっていますが、
アンプ類にスピーカーはこの数年来は同じです。

とは言っても、ウッドウイルの製作した最高のスピーカーシステムは、
ありがたい事に代々受け継がせると言っていますので、
この田中邸から出る事は私の生きている限りは無いかも知れません。
 














入力装置の変更、それは知る人ぞ知る、田中伊佐資さんは今はアナログレコードに
ぞっこんで、とうとう1960年代頃のRCAの局用プレーヤーにたどり着いた様です。
2極インダクションモーターに車みたいなギアボックスが有って、
その全てが目に見える、例えばSLみたいな機械です。
ターンテーブルの上に人が乗っても動く様な超弩級トルクの持ち主。
これで聞く60年代のモノラルで聞くJazzボーカルは、
濃い!、汗が飛んで来そう、唾が飛んで来そう。



試聴させていただいた後はメンテナンス。
下記は制作時の様子の写真ですが、
このスピーカーシステムは100%ハードメープルの無垢材で、
塗装には一般的なウレタン塗装をせずに、
ソープフィニッシュという自然素材で出来た塗料を擦り込んでいます。
塗膜を造らずに汚れや埃から守る最低限の保護材としての
塗装を行っていますので、数年置きにメンテナンスが必要です。
画像の塗料(普通の店では売っていません)をタンポと言う
照る照る坊主みたいな形にした布でごく軽く上塗りします。
その塗り方を伝授して来た訳です。
自然木の響きを最大限活かす、その為には少しの手間は厭わない。
そんな方だけが採用出来る塗装方法です。





















下記がその塗料です。
夏以外は固形で、25度以上になると液体になります。
赤ちゃんが呑んでも安心な無害な自然塗料です。

話はそれますが...
スピーカーの塗装の話を 塗料屋さんと話すとウンチクが多く飛び出します。
スピーカーに楽器に、販売したり塗装工事をしたりなどで耳年増になっているのです。
楽器は人が手に持つのが多いので汚れ対策が必須です、
バイオリンやギターが無塗装なら大変な事になります。
ガチガチの塗膜を形成して音が良くなったので有れば、元々の素材がひ弱だった。
用途に素材に構造に、そして好みによって、
実際に音を比較して聞き分けて見ないと分からない事が多々有りますので、
私もこれがベスト!とは簡単に言えないのでした。
 




















それにしても田中邸のシステムの築き上げた完成度の高い音は感動でした。
やはり音は優しいですね、聞く人も、システムその物も、
音を鳴らしていると心地良いと感じるのは多分、隙が無いからと感じました。

翻って私の JazzMachine はじゃじゃ馬で暴れ牛で(その様にしていますが)、
まとまりの無さに恥じ入ります。
きっと完成度が高まるのは引退した後か、
今は貴重な実験機でも有ります、未だ未だ色々とトライします。



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