2018年3月12日月曜日

菩提寺本堂の音響特性

掲題の寺での法事が有る毎に何時も思い出し感じていた事が...

都内の寺、周辺の交差点には何時も警察が検問している様な環境。


大使館や政府関連の建物が集中している様な場所。
こじんまりした古刹(こさつ、古い由緒ある寺の事)が菩提寺なのですが、
昔から住んでいただけで普通の庶民としての代々の檀家。

寺院は平成になり建て替えをしました。
現代的に基礎や基本構造は鉄筋コンクリートで、
本堂の中だけは相応の内装を施してあります。
休憩場所などは落ち着いた和風ホテルの様です。

新しくとも本格的な又は古くから残る寺院なら構造や造作に興味を
そそられますが、割り切った現代風寺院には特別な感情移入を感じません。
途中で見かけた寺院などは1,2階に飲食店、その上の5階程までがお寺と
大変合理的に出来ていました。

さて、ウッドウイルのブログらしい内容に移ります。
本堂の住職がお経を唱える場所と檀家の皆さんが居る場所の位置関係で、
住職の綺麗に通る声が割れて歪んだお経が天井から降り注ぎます。

寺院本堂の残響時間は平均して0.7~0.8秒とか?
ここは感覚的にはもう少し短そうです。
気になるのは定在波と音の吸収です。

調べてみると、消防法の関連で密集地域には木造建築は建てられない。
寺院であっても同じで嫌でも鉄筋コンクリート造りとなってしまう。
すると低音域の吸収は特別な配慮が無いと期待出来無い。
木造建築はその点は適度に音抜けして最適でした。

 不謹慎ながらお経を聞きながら本堂の間取りを計算してみました。
畳と襖が有るのでこんな時には大変便利です。
目算でかなり正確に寸法が分かりました。

建築用シミュレーターは持っていないのでエンクロージャー設計ツールで
記憶した寸法で計算してみました。
エンクロージャーなら音楽は流せない様な壮大な定在波が発生しています。
特にお経で唸って長く謳う聞かせ所の帯域が凄い。
私は何時も途中で頭が痛くなり耳鳴りがしていたので納得です。

この特徴はあちらこちらの寺院で問題になっている様です。
吸音と分散させる特別な装置が考案され、実用化されているそう。
何でも劇的に改善されて、本堂のイメージが変わる程とか。
さて、この知見を住職に伝えるべきか否か?
そんなに高価な装置とは思えず、工事も最小限か。
この音障害で泣き出す子までいる案外深刻な問題でも有ります。
知らぬ振りをして、今後20年程?我慢すべきか悩む所です。



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