2021年11月18日木曜日

ハイエンド 励磁型20cmフルレンジ 製作開始

メーカー自身がHPに世界最高のフルレンジドライバーと宣言しています。

Voxativ社 AC-X2励磁型(シリーズ最高峰)のスピーカーシステムを製作準備中です。












上記画像の2ペア有るのは総合的に考えて1ペアは予備としています。

ウッドウイルが以前に世界のスピーカーユニットを調べていて、

その中でも群を抜く性能と美しいスピーカユニットを見つけ、

何方か、このユニットを使ってスピーカーを製作させてくださいと提案していましたが、

それから約10年後に実現する事になりました。

このスピーカーユニットはとにかく美しく、触れる時には手袋をして扱う程です。

受入性能検査と音質確認の為の試験エンクロージャーに納めた仮の条件でも、

群を抜く素晴らしい音が出ています。

当然ながら価格も最高峰となっていますが。

解像度と反応の良さは中高音で言えば最高峰のコンプレッションドライバーと同等ですが、

ホーンで色付けされる事と、これに追従する低域が無い事を考えるとAC-X2に軍配が上がるのではと想像します。














上記画像は仮エンクロージャーに納めた様子。

このスピーカユニットを納めるエンクロージャーの基本構造はウッドウイルの

次世代となる最高峰のフルラウンド+100%無垢材+MGESコンプリート仕様+

回析減少バッフルと言う現在考えられる全てを投入した物です。

















数年後の完成をお待ちください。









2021年11月11日木曜日

オープンバッフルスピーカー3種設計終了

 オープンバッフルスピーカー(以下OBSP)設計完了。





下記2.用のユニットです。   

私が半世紀にわたり研究して来たOBSPです。

ウッドウイルのHPには10年間ほどの試行錯誤の過程を掲載しています。

高校生からのJBLファンで最高峰のプロ用ユニットを用いて挑戦して来ましたが、

専用ユニットでは無い限界を感じてしばらく中断していました。

世界では専用ユニットが開発されており導入しやすい方式で設計しました。


国内では古くから平面バッフルと呼ばれていますが、正確な表現では有りません。

世界標準で正確にはオープンバッフル方式と呼ばれます。

下記の3種類を用意しました。

1.38cm2発+高域コンプレッションドライバー+ウッドホーンの2Wayシステム

  反応の良さ+高解像度を求めてコンプレッションドライバー+ホーン型を。

2.38cm2発+20cmフルレンジの2Wayシステム

  十分な低域再生能力とナチュラルなフルレンジの中高域を。

3.30cm2発+20cmフルレンジの2Wayシステム

  狭スペースでもOBSPを、ウーファー30cm2発+ナチュラルなフルレンジの中高域。


.バスレフ型や密閉型等のスピーカー方式とは音色が違います。

.ユニット自身で生じるエンクロージャー内部圧力による振動板抑制が無く、

 高速応答、スピード感のある音はオープンバッフル方式(OBSP)の独自の特徴です。

.世界ではオープンバッフル専用(対応)ユニットが生まれています。

 ウッドウイルの「Jazz Machine」の様に他用途ユニットを強引に搭載した物とは

 パフォーマンスが違いました。

.ユニットの動作方式の違いから低音が出にくいので大口径ウーファーを用います。

.セッティングにはノウハウが要りますのでアドバイスさせていただきます。

.大型スピーカーですが設置環境許せば次元の違う音楽鑑賞が可能となります。


接続/駆動方法の提案

a.L/C型デバイディングネットワークで通常の接続。

  メリット:接続容易、パワーアンプ1個でシンプル構成

  デメリット:クロスオーバー周波数を低く取れますが高音質品部品は高価で

        有りながら下記選択肢より音質が劣る。

b.デジタルチャンネルデバイダーを用いた2Wayマルチアンプ方式駆動。

  メリット:クロスオーバー周波数を自在に設定出来て好みの音質を得られる。

       室内音場補正機能により理想のセッティングが容易に得られる。

       安価なデジタル式パワーアンプ2台+チャンネルデバイダーの

       合計費用はL/C型デバイディングネットワーク製作費と同額です。

  デメリット:機材取扱いなど初期設定が必要(有料で納品設定できます)

c.機材選択はアドバイスさせていただきます。

  下記画像は説明した室内音場補正とチャンネルデバイダー一体型プロセッサーと

  OBSPとの相性が良いKT-88プッシュプル真空管パワーアンプの例です。



 



d.馴染みの無い方が多く居られる事と思います。

  設置場所を確保出来る方でしたら、遠慮無くご相談ください。

  近日中に試聴機の用意出来ます。


2020年3月23日月曜日

出川氏デモスピーカー2号機改造

A&R Labの出川氏のデモスピーカー2号機を昨年末頃に納品しました。
1号機は数年前に納品済みで並べて聞いて見ると意外な展開に。

1号機は可搬性の為にユニット部が分割式になっており、
それが特異な形状となっているのですが、
音質的には意外にも下記の回析効果減少に役立っていました。
.ユニットから出る音がバッフル面に纏わり付いて中高音を濁らせる事が無い
.バッフル周辺の角で乱反射が生じ、信号に無いノイズが発生する事が生じない
 これにより音場感や定位を悪化させます

2号機には音質改善メカの最新型のコンプリート仕様が搭載され、
ハイエンド機に採用されているラウンド構造にバッフルエッジの曲面加工など、
回析効果の影響を受けない十分な仕様となっていますが、
それでも1号機と比較して今一つスッキリしない音質に困惑しました。

1,2号機も良材を積層してラウンド構造エンクロージャーとし、
定在波無し、吸音材無しのエネルギーを損出しない躍動的な音、
ヒアリングを繰り返したチューニング依る高バランスの音色。
MGES搭載でエンクロージャーノイズを軽減した最高品質のスピーカーです。
高度に追い込んで来た音だから回析効果の影響を聞き分けられ、
それが問題として認識できた訳です。

その様な試聴上の問題点を解決するために改造を行いました。
バッフル面からユニットを飛び出させ、
側板のラウンドと同じ曲線上にユニットを配置する、
構造から飛び出す位置は計算で算出されます。
2度の試作を失敗し、狙った効果は出ても音に癖が出てしまう、
構造的な不安定さが出るなど諸々解決しなければ、
簡単な様ですがMGESと言う複雑なメカ構造がユニット背面に
内蔵されている事も有り、見た目では分からない厄介な改造でした。

実は世界の一部のハイエンド機では同様の取り組みがされています。
相応の高級機でも問題とならない(ノイズが多く気が付く事が出来ない)
取り組みですので一般化されるかどうかはまだ不明ですが、
その効果を数年前から知っているので直ぐに対応する事となった訳です。

中高音の明瞭度が上がります。
その影響で低音の解像度が向上します。
音はユニットから離れ、スピーカーの存在は消えます
目前にステージが再現されます。
定位が良く聞こえるのでは無く、定位した位置から音が生じると感じます。

2019年初めに発表したウッドウイルの試聴機(青のスピーカー)も
同様の改造を施します、さらなる高みの音を狙います。



2020年2月29日土曜日

いつも利用する中央道サービスエリアから見える気になる稜線

スピーカーの再生周波数特性を見ている様で気になります。
バスレフポートのチューニングがずれているな、
エンクロージャー容積が合っていないかも?
高域限界は不味いな、ユニット選択再検討しなけりゃ。
いつも利用すSA、休憩しながら彼の山の稜線を眺めては
ぶつぶつ考えています。














最近はこちらへの投稿少なく申し訳ありません。
前にも書きましたがフェースブックを1年ほど前から始めまして、
その中にスピーカーの専門的なグループ(世界中です)が多数ありまして、
情報収集や作品を発表、色々コメント(評価)をいただいています。
作品制作のヒントを多くいただいて物凄く参考になっています。

2020年1月21日火曜日

限定放出品用のユニットが届きました

 欧州と北米からクリスマス商戦と年末セールに紛らわされて遅れての到着です。




















10cmダブル2Wayスピーカーシステム用のユニットです。
15年前に無垢本樺材を用いて成型合板を製作し、
経年変化を見届ける為に保管していた材を用いて
小型ラウンドエンクロージャーを製作して限定販売させていただきます。
合板ではバーチ合板が最良としていますが、上が有る物です。
高価で入手が難しい本樺、エンクロージャー製作する事はもう出来ませんし、
15年もの間、熟成が進んでいるので更に貴重な材です。

ユニットはミッドウーファーとなる monacor社SPH-102KEP 10cm口径が中心です。
最大の特徴は振動板にケブラーを採用している事です。
真にナチュラル、軽い、強い、ウッドウイルの代表するスピーカー
ウイングにも採用しているケブラー振動板、最近見る事は少ないですが、
B&Wが採用し続けている事からも優秀さが分かります。

ツイーターにはリボン型、midのナチュラルさと軽やかさを活かします。
40KHz迄広域が伸びているのも嬉しいです。

バッフル巾が限られているので10cm口径以上のユニットは取り付け出来ない制限、
高さに余裕が有るので内部空気室を隔離して専用ウーファーを搭載します。
最低域を伸ばすユニットでは能率低下、鈍重な音となり、ケブラーが泣きます。
VISATON社W100S 10cmウーファー コーテッドペーパーコーン
何機種も使って来たドイツVISATON社、色付けの無い音色が
本機の低域をカバーしてくれます。

流石にエンクロージャーにMGES等の高仕様オプション搭載は無理ですが、
アコーステック楽器の生々しさ、女性ボーカルの音像表現を狙います。

ユニット/エンクロ材料/その他部材を含めると新規受注では不可能な格安価格。
ご検討ください。


2020年1月13日月曜日

ウッドウイル試聴用スピーカーの2021最新型仕様決まりました

2019年TOKYO AUDIO BASEで発表した試聴用スピーカーは
エンクロージャー材料に合板を用いた最高峰のスピーカーです。

ブログやHPを良くご覧のお客様はご承知の様に、
ウッドウイル作品の最高峰のエンクロージャーは無垢材を用いたエンクロージャーです。


2021年完成を目指す最新型は無垢材を採用します。
ユニットはとても人気の有るEMS社励磁型20cmフルレンジ LB8EXMKⅡ。
音質改善メカの最新型「MGESコンプリート仕様」搭載。
エンクロージャーはラウンド方式を進化させた過去に無い斬新な構造を採用。
 2021最新型気イメージ図
2019試聴機




















海外のハイエンド機種には多様な外観デザインが有りますが、
今迄外観デザインから設計と言う考え方は採用していませんでしたが、
この様な特異な形状になるのには機能上の理由が有ります。
最高レベルの品質を求めますと2019試聴機では限界が生じてしまいます。










最近ブログやHPに掲載した上記画像。
スピーカーの音を聞いてのイメージを画像化した物です。
下の大小の丸が連なったものは例えば室内楽の各パートを表します。
ステージを観れば一目瞭然ですが、再生音を聞きますと
上の画像の様に個々の丸は全体にグラデーションして全体が一様な音の幕?
となってしまいがちです。
2021新型の外観形状はこの下の画像のイメージを再現する物です。

観念的な表現と誤解されるのを承知で掲載していますが、
音楽家は同じ様な感覚で音を捉えています。
真摯に音場再現を求めている方も同様の感覚をお持ちです。
何より試聴されたお客様がごく自然に理解くださっています。

 ウッドウイルはスピーカーユニットは製作出来ないので、
良質なユニットを選択し、その性能を最大限に引き出す。
出てくる音はユニットそのままの音です。
音質を悪化せる物は限り無く取り除きます。

エンクロージャーはスピーカーシステムの50%の仕事をしている。
3月で活動21年目、その経験から自信を持って言えます。
この2021新型は100%無垢材を採用しますので楽器的な響きの要素を加えています。
2019試聴機は合板製でモニター的音質、方向性が若干違いますが、
無垢材スピーカーの音色は絶大な支持をいただいています。

2019試聴機を聞かれて感動されたお客様にさらなる感動を。
共感される方が生まれていますので複数台の製作になろうかと計画しています。


2019年12月17日火曜日

クリスマス時期恒例コンサート行って来ました

クリスマス時期恒例コンサート行って来ました。












何度か聞いているサンクトペテルブルグ室内合奏団。
メインのヴィヴァルディ四季が最高に楽しめた。
「和声と創意への試み」の意味が分かる様な?
まるでジャズのセッションを聞いているみたいに、季節がくるくる変わります。
楽曲構成がどうなっているのかを分解して聞かせてくれている様です。
ソロヴァイオリンとチェロがデュエットしていたりして、
メンバーが途中から楽しそうに笑って演奏しています。
わくわくしてドキドキ、楽しい四季でした。


30数年前にイ.ムジチの四季が流行り、CDでよく聞いていました。
他の奏者でも同じで、判で押した様に各パート毎に皆揃って技を競っている。

音楽の事は聞く事以外の専門知識は有りませんが、
演奏会で聴けば別でしょうが、CDで聴いていた時には低音パート、
チェロ2人、コントラバス1人が構成されていたなんて気が付かなかった。
ただただソロヴァイオリンが主張し、それに一歩引いて皆が並ぶ...

演奏会から帰って改めてイ.ムジチの四季を聞いたのですが、
最新のウッドウイルの機材で聴いても昔と同様の感じ方です。

曲の解釈、録音(かなり悪い)の仕上がりが私には 合わない。
楽器構成は同じでも中高音が全てを占めている様に聞こえる!
ヴァイオリン、ヴィオラ数人の演奏でも中低音が弱いと感じる事も無いのに。

聞き慣れた、良く知っている筈の曲も録音で変わり、機材で変わる。
演奏会で一度聞くと認識が激変する、そんな貴重な体験でも有りました。
前半の演奏は余りに心地よく柔らかでコックリコックリ居眠りしてしまいました。
写真のツリーはオペラシティーホール恒例の入り口を飾ります。