ウッドウイルの活動を初めて13年目になりますがその間に
各種のエンクロージャー(以下エンクロ)を発表して来ました。
密閉型やホーン型等の方式の違いは別にしまして、
エンクロジャーを構成する基本的な部分を創意工夫し、
実験/試聴測定/具体的な製作例からのユーザー評価
などを経て生み出された製品たちですが少し分かり易い様に
下記の様に整理してみました。
これを見た皆さんは自分が愛用されているスピーカーが
どの分類に当てはまるのかお判りでしょうか。
1.標準的な平行面を持つ直方体
2.直方体の角に大きな面取り(45度や曲面)
3.天板等の一部を傾斜させる
4.側板を湾曲させたラウンド(多数の溝に沿わせて曲げる)
5.側板を湾曲させたラウンド(積層曲げ合板を用いる)
6.側/前/後を湾曲させたラウンド(くり抜き積層方式)
7.天/底の内部と側/前/後を湾曲させたラウンド(くり抜き積層方式)
8.項目7に天板を傾斜させたラウンド
9.項目8に球体を付加させたラウンド
品質の良くなる順に並べて見ました。
これらの基本構造を基にしまして密閉型やバスレフ型、
共鳴管等々へと応用して行く訳です。
1と9の作品例として画像をご覧下さい。
何故に1.~9.迄の種類が存在するのか!
理由は案外にシンプルなのです。
1.定在波発生による音質の劣化を防ぐ
2.定在波減衰の為の吸音材の使用量を抑える
3.音の自然な伝搬を妨げる回析効果を減少させる
4.以上の効果により伸びやかな新鮮な音質と、
音楽ソースに含まれる音場感を再現する。
さらに使用する材料(ウッドウイルでは木材だけですが)
によっても品質/音質が大きく変わります。
木材の種類としては、これも音質の良くなる順から並べると
1.MDF合板
2.シナアピトン合板
3.バーチ合板
4.各種無垢材による集成材
5.無垢材(桜/楓/楢/その他)
構造による基本的な音の出方の優劣に加えて
材料の違いは音色の違いで出ます。
柔らかい/クリアーだ/引き締まっている/等々
但しMDFのレベルですとノイズが多く音が曇ります。
ホームページには数多くの作品を紹介する内に、
上記の種類や違いを分かり易くご理解いただくのが
難しくなって来ている様に思いますので、
メニュー構造を変更しようと考えています。
最後にエンクロージャーの事をボックス(箱)と
呼ばれる事が多いのですが、それでは平面バッフルや
各種ホーン型は説明出来ません。
これからはエンクロージャーと呼びましょう!
語源は”エンクローズ”
欧州の戦国時代を形作った貴族単位の”国”
その国の中で自給自足していました。
その囲いの中を総称してエンクローズ。
スピーカーユニットから出る音を何らかの形で
エンクローズする物が”エンクロージャー”です。
エンクロージャーはスピーカーシステム全体の音質の
50%以上の影響力を持つと経験から分かって来ました。
優秀なユニットの持つパフォーマンスを100%
発揮させてあげる事が出来れば嬉しいですね。
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