2012年5月21日月曜日

藤村俊介さんのチェロコンサート

恒例となった地元小ホールでの藤村俊介さんのチェロコンサートを聴いてきました。


例の様にチェロの全長よりも短い距離で聞く極上の特等席での演奏会です。


7,8回続く演奏会ですのでエンドピンを指す位置が決まっていて、その小さな凹みが聞いている私にも見えます。


伴奏のピアノは奥様なので息ががピッタリ合うのは流石です。今回は去年に続いて9才の息子さんとの共演や、ヴァイオリンを練習している娘さんがピアノの譜めくりを担当するなど家族総出演の演奏会でした。全員での演奏もそう遠くない事ではと思いました。


何時も演奏会では殆ど目を閉じて演奏に/音に注目するのですが今回は違いました。


最近始めたチェロの為に指使いを見ながらの鑑賞です。知らないのですから当然なのでしょうが、柔らかく自然に持っている弓の手首や指、練習し初めはそれだけで手が痙攣しそうな緊張を強いられます。


まるで意志があるかの様に動く左手の弦を押さえる指の動き、力強く縦横無尽にネックを動き回りますが、五本の指をバラバラに動かそうとするだけでパニックになります。この練習を数分するだけで喉がからからになります。


幼少の頃ら特訓を重ねている技ですから直ぐにまねが出来る訳もありません。聞きますとあぁそうですね、中指と薬指はどうしてもくっついて動くので最初は難しいかも知れませんねと、今は何でも無いような様子でした。


バッハ無伴奏全曲演奏会が1日では無くて二日間かけて演奏する理由が少し分かりました。プロにとってもとんでもない負担が体にかかるのだろうと思います。素人の私は30分の途切れ途切れの練習でも陸上のインターバルトレーニングを3分間全力で走った様な疲労感と体中が筋肉痛で帰りの車の運転が辛い様な有様です。


今日の演奏曲目は、ヴィヴァルディのソナタ第一番/リヒャルトシュトラウスのアンダンテ/ウエーバーのアダージオとロンド他に小曲が数曲でした。高原の小ホールにふさわしい選曲をしたとの事でした。


演奏会後の小パーティーでは少しだけ会話を、数年前に初めて話をした時にはこの地で仕事をされているのですか?何処にも出かけないで?と言われましたが、今日もそんな話をしていました。満員電車は嫌ですよねとか言っていましたが、それは彼のカラヤンがオーケストラを引き連れて国内外を演奏旅行する自身をサーカスに例えていましたので、演奏家もひょっとしたら何処かに腰を据えて仕事をしたいのかな??と思ってしまいました。



0 件のコメント:

コメントを投稿