2012年7月1日日曜日

10cm小口径フルレンジスピーカー

最近どうした訳か10cm口径や8cm口径のフルレンジユニットを使った作品が増えています。


ウッドウイル立ち上げ時には零からのスタートでしたので、自然と価格優先の小口径フルレンジスピーカーを製作していましたが、10数年を経て再び小口径スピーカーの製作が続くのはとても興味深い事と感じています。


HPに掲載している製作例の他にも現在進行中の物で10cmと8cmが有りますが、それら全てに共通しているのが、「小口径=安価な入門用」と言われる様な範疇の作品では無い事なのです。


小口径サイズのユニットでは最高音質の物(一部普及品も有り)を搭載し、中には10cm口径ながら励磁型ユニットも有ります、価格的には電源を含めるとユニットだけで市販の中高級機と並びます。エンクロージャは例外無く品質の高い物を採用し、ユニットの特徴を最大限生かす事、そして積極的に音色や音場感などを向上させる事を狙っているのです。これらのユニットやエンクロージャーの仕様などは殆どのお客様が仕様を指定されている事が更に興味深いのです。


ウッドウイルのお客様には経験豊富な方が多くて、小口径フルレンジユニットの長所、短所を良くご承知です。癖の無い自然な音色を楽しみたいと願いつつもスケール感などでは大型システムに負けてしまいますし、電気信号対音響信号の最高度の変換特性を持つコンプレッションドライバーなどにも負けます。それでも尚、小口径フルレンジの良さを愛して止まないのです。


ウッドウイルとしてはそんな方達に少しでも良質な作品を提供しようと製作に取り組む訳です。小口径フルレンジではある意味で前述の様なストイックな聴き方を強いられる訳ですが、そんな気持ちにさせない様に長所を伸ばす工夫をします。お客様はサブ機として聞くつもりは無いのです、独自のジャンルとして独立した個性を主張できる性能を求めています。


私もそうでしたので分かるのですが、予算が無かったり自作が好きな方はやはり小口径フルレンジから始めます、しかし直ぐに飽きて中/大口径フルレンジや2Way、3Wayへと進化?させて行きます。その長い過程の中でそれぞれどの様なシステムが自分に合っているのかを見極めて行きます。それで分かったつもりでいても時間が過ぎると変化したり、環境が変わるとまた好みも変化して行きます。そんな経験を積んで来た方が本当の小口径フルレンジの良さを理解されているのではないかと考えたりします。


20~30代の私は38cm平面バッフルに中高音にホーン型の3Wayでネットワークのコイルが焼ける程にビッグバンドジャズを聴いていた時の事、銀座山野楽器の前を通り抜けた時に何とも良い音が聞こえて来ました、つられて中に入って調べるとONKYO-FR16Aのフルレンジ16cmでした、高校生の時に自作エンクロージャーに入れて聞いていたユニットです。その時に今迄いったい何をやっていたのだろうと考え込んだものでした。


何の事は無い、今でも38cmダブルで同じく中高音にホーン型の5Way(JazzーMachine)を聞いていますが、ONKYO-FR12A/16A/20Aを大事に所持しています。何時か自分用の最高のフルレンジシステムを作ろうと思い描いているのです。


あと、別の機会に詳しく書こうと思っていますが、スピーカーをセッティングする時、中央に定位する場所に置かれた物の素材が聞いて分かる?高性能フルレンジスピーカーではそんな現象が起きます。


 



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