2012年10月29日月曜日

長野技能五輪観戦記

 


 



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お知らせしました様に長野技能五輪観戦してきました。10月19日のブログにも書き込んでありますのでそちらを先にご覧下さい。


順位を争う競技会なのでここでは観戦記としました。私の関心が有るのは家具製作です。スピーカー作りはこの技術が基礎になっているからです。同じ会場では建具/左官/美容/理容がありました。


会場近くには駐車出来ずに離れた所に車を駐めてシャトルバスで向かいます。やはり技能五輪ともなると規模が違うなと想像が膨らみます。


技能職には国家試験として技能検定が有り、私が通っていた技術専門校の担当教官が検定員になり、学校がその会場となりますので何度か検定の場面は見た事があります。因みに10月19日のブログのたたき上げの教官は、国家検定員を選定する立場の教官でありました。


技能五輪はその上のレベルの全国区の選手が選ばれているので会場の盛り上がりと緊張感が有りました。


開催県である長野県からは3名のエントリーです。私が講師を務めた事もある上松技術専門校の現役学生2名、今春卒業生1名、前年度卒業生も他県からのエントリーで、関係者は4名で全て同じ学校の学生です。そうなんです、家具を勉強する学校としては全国でも有名校なのです。


その学校の教官(技能五輪検定員)と会場で話をする機会がありました。現役学生は技能五輪を狙って入学した学生では無いから、学業と技能五輪の掛け持ちでかなりの苦労があっただろうと。社会人での参加者は職場から支援され準備も出来るので差が出るかもとの事でした。


私の地元の諏訪地区の会場では機械加工の競技があり、その競技者はセイコーエプソンが全面的に支援しています。


参加者は事前に公開される図面に従って数回~数十回となく製作を重ねて本番に臨みます。本番当日に初めて一部変更になる図面を渡されてその課題の家具を製作します。


家具は二日間で小型のキャビネットを合計11時間で完成させなければならないので、運営上は事前に図面公開という方法を取ります。製作する内容で用意する道具類は大きく変わるので、限られた時間、スペースで行うには必要不可欠な競技進行方法と思います。


添付の図面で皆さんは内容が理解出来ますか?図面には全ての情報は含まれていません。競技者が独自の解釈で製作する事も求められており、最終的に合理的に正確に安定して時間内に製作出来ているか、更には製作姿勢(態度)、作業場の使い方(整頓)なども評価対象ですので二日間の内には付け焼き刃の技、態度は剥がれて見えてしまいますので厳しいです。


この課題を製作するには家具製作のあらゆる技の要素が含まれており、小さくとも侮る事は出来ません。この課題のキャビネットを代表する様なテーブルやタンス類は基本は直線加工の二次元的な物です。同じ家具でも椅子の様に曲線主体で3次元的な造形物は設計も製作も大きく異なります。私は技術専門校の短い1年間でその両方をがむしゃらに勉強したものでした。


観戦者はあまり近くには寄れないので製作物の出来具合は分かりませんが、進捗状況や遠目でも分かる道具の使い方などは分かります。鉋も鋸も鑿も正確に研げていて使い方が正しいと心地良い音を響かせるものです。遠くからでも切れない鋸で不連続な音を出しているのは経験者ばかりの観戦者にはバレバレですから怖い怖い。


競技者が途中トイレに立ちました、検定員がトイレまで確認に同行しています。不正を防ぐのでしょう、厳格ですね。


競技者は各々の可能な範囲で準備をして来てはいても、いざ本番で力を出し切れるか、大勢の観戦者が見守っています。暖かい仲間も居れば、競争相手の関係者の険しい眼もあります。その中での二日間、11時間の戦いです。その集中力には思わず熱くなり応援したくなります。


写真撮影はフラッシュ厳禁、競技者への声かけ厳禁、関連物へ触れてはいけません。女子の参加者が3割いました。私の技専の時にも同級生に4名程いました。男子は力業でこなす所も、女子は技でこなしますので侮れません。


写真は製作図面/長野県参加者2名/家具科目の全体像を写してみました。結果発表は29日です。どんな成績でも参加した事は自身の今後に多いに役立つ事と思います。ご苦労様でした。


教官とも話しましたが、この様な会場で頑張っている若者の姿を見るのは清々しい、自身への戒めにもなりますねと話をして来ました。


 


 



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