2012年10月26日金曜日

スピーカーの間に置いた物の素材を感じる





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少し前のブログでも書いた事ですが、
ウッドウイル製スピーカーの「総合グレード4」にランクされる
バーチ合板積層ラウンド型(曲面)エンクロージャーに
フルレンジユニットを搭載して試聴した時の事です。


最初は10cmフルレンジの依頼主様(Sさん)が受け取りに来た時の事です。
一通りの試聴用の曲を聴いたSさんが言いました。
左右のスピーカーの間がざわめいていて賑やかだと。
私は聞き慣れたセッティングで有る為か耳が慣れてしまっていて直ぐに気が付かない。


その時は試聴している10cmフルレンジの間に他の2セットのスピーカーや
スタンド等が並んでいて、それらが音を反射させて悪戯をしている様です。
それらの並んでいるラインから10cmフルレンジを少し前に引き出して聞きます。
音の景色が変わりました。
 .全体に静かになりました。
 .そして歪みが減りました。
更に引き出してみます。
 .音の色づけが取れてスッキリしました。
 .試聴している10cmフルレンジの音が聞けます??
  (当然ですよね)


この時はセッティングで音の品質を変えてしまうので
今後は注意が必要だとの認識で終わりました。
その後に「総合グレード3」の2Wayで試聴した時には
前回程顕著な差は生じませんでしたので特に意識もしませんでした。


しかし、その後の「総合グレード4」で20cmフルレンジを聞いた時には
前回の10cmフルレンジ以上の新しい発見がありました。
それはスピーカー間に並んでいる物の素材の違いを聞いて分別出来るのでした。
.ユニットの搭載されていない穴の空いた状態の
 エンクロージャーの共振音(これは分かり易いですね)
.エンクロージャーの素材の違い
.搭載されているユニットの振動板の違い
.試聴しているスピーカーの外側に置いてある物の位置関係


これはどう言う事だろう。
スピーカーの音を聞いてはいますが、
実はスピーカーからの直接音は約40%程で残りは部屋の反射音を
聞いていると言う事は皆さんご存じと思います。
そうであるから、音質に占める部屋の影響が大きいと言える訳です。
その様にして日常的に音を聞いている訳です。
その曖昧に聞こえていた筈の有る部分の音を認識出来てしまったと言う
現象に出くわしてしまった、そんな事だろうと思います。
前述のSさんは並んでいるスピーカーのユニット中心のセンターキャップ、
約Φ20mm程のアルミの金属音が聞こえて認識出来ると言っていたのは
実は本当なのかも知れません(私には認識出来なかった)。


 


ある物をある物で叩けば音が出る、
その素材の音が出る訳で、撥と皮の太鼓などが一番分かり易いですね。
日常の物なら経験的にその音の種類を案外に認識している物です。
ではスピーカーの音は。
音は空気の疎密で伝わります。
音はそのスピーカーの固有の音であり、
空気雰囲気の中で疎密を生じさせるのだから何らかの物理的な質量を
持つと考えて良いと考えられます。
最近では光や電波にも質量があると考えられていますので。


その物理的な質量を持った固有の音が撥で有り、
皮に相当する物が試聴するスピーカーの間に有る他のスピーカーや
スタンド等に相当するのでしょう。
ですからそこには音が発生します。
当たった皮に相当する様な各種の素材の固有の音がする訳です。


 


この様に考えると、どの様なスピーカーで有れ、
どの様な環境で有れ、その音は出ている訳です。
ただ、それを認識出来るか、出来ないかの差が有るだけです。


この認識が出来る事がどんな意味を持つのか?
 .音の色づけが取れてスッキリする。
 .試聴しているスピーカーの音が聞こえる。
 .セッティングを邪魔する物が聞いて分かる。
大変シンプルですね、だからこそこの意味は大きいと思います。


そこで、「総合グレード3」の2Wayでは
認識が少なく、「総合グレード4」のフルレンジでは
ハッキリと認識出来た訳ですので、この差を考えて見ます。
ウッドウイルのHPをよくご覧になられる方達はこの時点で
既にある程度予測が出来ているのではと想像しますが如何でしょう。


フルレンジは大きさは別にしても点音源(一箇所から音が出る)です。
同軸形と違うのは駆動回路も同一でデバイディングネットワークも無い。
物理的にも電気的にも単独で有る事で、
2wayや3wayなどのマルチwayよりシンプルで特性を乱す要素が少ない。
この点は解説が長くなるので今日はここまでとし、次回に譲ります。


次にエンクロージャーです。
総合グレード3と4の違いは?
 .総合グレード3はバッフルと背面板が平面で平行である。
  平行面を持つから定在波が発生している。
 .総合グレード3のバッフル両端の曲率半径が小さい。
  回析効果削減が少ないと考えられる(理想は球体)。
 .使用材料は同じ
 .3も4も天板と底板間は平行面で有るから定在波が発生している。
  (対策は有るが、今回の試聴した物は全て未対策)
定在波はスピーカーの音色の差を生じるが、
今回の問題では原因要素とは考えにくい。
今時点の予測ではバッフル両端の曲率で有ろうと考えます。


結果的には
.スピーカーユニットはフルレンジを使う。
.マルチwayではユニット間の干渉の少ない工夫。
.マルチwayではデバイディングネットワークの
 厳密な設計、又はマルチアンプ駆動。
.エンクロージャーは総合グレード4クラスの機能を。
.総合グレード3のグレードアップバージョンとして下記を新たに設計製作する。
 .バッフルと背面板を非平行面とする
 .バッフル両端の曲率を大きく取る


この対策を採れば総合グレード4の高機能と
つき板張りの自由な外観デザインを採用する事が出来ます。
セッティング環境を良好にした上でのスピーカーから出る高音質!


この試作品を早く完成させて今迄以上の音を聞いてみたいと思います。


 


 



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