2012年10月7日日曜日

ライブに賭ける音の職人

ライブに賭ける音の職人


10/6朝日新聞「be」での特集タイトルです。
山下達郎さんが昨今の音楽事情と自身の活動を語っています。


私と一歳違いの年代ですが、四十代までの活動には殆ど気を止めていませんでした。
独立して一年中工房に詰めてからは「TOKYO FM」のサンデー.ソングブックを聞き出して
十数年経ちました、強いポリシーを持った音楽家だと、
また純粋に良い音を求めていると言う事で注目をしていました。


プロなので飯を食っていかなければならない。
その為にはドラマやCMなどとタイアップして稼ぐと。
相手側の都合で音楽を作っていく事がそれにあたります。
それは心は売っても魂は売らないと言う
譲れない一線を守ってと言う事らしいです。


クラッシック音楽に例えれば宮廷楽士が王様の為に演奏していたのが
心を売る事だとしたら、魂の部分では自らに正直に作曲を
していた事が比較されるのだろうか。


この考え方プロとして正しいと思いますね、
音楽は芸術を追求するばかりでは無いのだから。


演奏家の中には驚異的な演奏会をこなしている方がいます。
練習は演奏会で行っていると酷い事を言う方がいます。
木工作家で年中、個展やら展示会に出品していて
創作活動の時間が取れていないのに売る作品が尽きないのは
何故と不思議がる人もいます。
これもプロと言えばプロなのでしょう。


 


この10年間の国内音楽ソフトのCD等の売上が4800億円から2800億円に減少、
ライブ.エンターテイメント800億円から1600億円に増加。
CDが音楽文化の中心でライブはその販促活動だったが、
今後はこの立場が逆転するそうです。
音楽配信でパッケージのCDは殲滅される、
ユーチューブやニコニコ動画でただで聞けるから
CDは買わないでしょうと。


私などは注目している演奏会に出かけて行き、気に入ったらCDを買うから、
この様な行動指向の方は時代に影響されずにCDを買います。
演奏会場でのCDは結構売れているし、サイン会などには
長い行列が出来ます(ハイ、私も時々並んでいます)。
クラッシック音楽で年配の方の行動パターンですが、
小子高齢化でしょう?無視出来ないのでは。


山下達郎がサンデー.ソングブックで毎回言う、最高の音で放送していると。
私の工房ではチューナーアンプにボーズのBGM用SP(埃に強い)
だから最高と言うその音質チェックは出来ない。
その言葉の真意を掴みかねているのだが、彼にはヘビーユーザー(ヘビーファン)が
ついているのですが(番組中で達郎にその様に名指しされるのを誇りに思っている
ファンが多くいる)、彼らはどの様にその言を確認しているのだろう。
ハイエンドクラスのチューナーでハイエンドの装置で生聞きしているのか?
是非ファンの立場の意見を聞いてみたい物です。


山下達郎のCDを持っていますが楽曲は別にして演奏や各種調整やら
エンジニアがシステムを総動員して御輿のてっぺんに登った様な音で、
何が何だか分かりません、気が変になります。
BOSEやラジカセでBGMで聴いて丁度良いのです。


新聞記事に東北の震災では小型のラジオで聴く方が大勢いるので、
サンデー.ソングブックはそのラジオで聴きやすい音で放送したとか。
私があるプロ用音響機器メーカー勤務時代での事。
納品先にフジTVの優秀な音声担当者がいまして、
ミュージック.フェアという番組で、視聴者は小さなTVの
スピーカーから出る音を聞いているので、そこから良い音が出る様な
音を届ける、それを初めて実現された技術者なのですが、
何時も納品試験が厳しく苦労した事を思い出します。
ひょっとしたら最高の音とは大衆が気が付かずにさりげなく聴いている
日常の中に隠れているのかも知れません。
レコードの低域の振幅を小さく高域を誇張して録音して、
再生時に逆特製のイコライザーを通すというあのやり方です。
TVやラジカセ等はそれ自身が図らずも逆特製を持っていると言う事です。
まともな装置ではやはり気が変になります。
果たして最高の音での放送という真意は。


偏った嗜好で有る事は分かっていますが、それこそ魂を入れ込んで
構築して来たオーディオ装置でポップス音楽を聴く習慣は私には
無かったのですが、それでも今は仕事柄、
Jポップスを試聴用として聴く事も有ります。
ボーカルのリファレンスとして聴く森山良子、
甘さやハスキーさの加減が分かります。
白鳥英美子の声の通り方など。
素材に拘ってスパイスやソースの少ないCDも中には有ります。
えっこの方達はJポップスとは言わない??


 



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