2014年7月25日金曜日

MGES 補足-1

新規の商談中にはMGES搭載により音質向上に効果が有る作品は
MGES発表前、既に導入を勧めていました。


その甲斐あり、1号機は国産では恐らく最高峰と言えるスピーカーシステムの改造に
MGESが採用されました。
(恐らくと言うのはオールホーンで構成する「弩級の一般オーディオマニア?」とは
 趣の異なる程の超弩級ユニットが嬉しいかな国内に存在するからです)
オールホーン型4Wayなどの8個はあるユニットの内の1個のドライバーの価格だけで
ハイエンドスピーカーペアの価格と同じなのですから...


納品を長く待っていただいたお客様は幸いにもMGESを搭載する機会に恵まれて
採用を決めていただき、嬉しい仕様変更をさせていただきました。
HPに用意した比較試聴ファイルでもその効果を確認出来るとの報告もありました。




MGES 開発の動機の一つ
 
 チェロが好きで良く演奏会にも行き、CDでも聞いています。
 チェロと言う楽器の源の音は弦です。
 楽器に対して水平運動する弦の動きで表板を響かせています。
 駒と魂柱により弦の振動は垂直運動に変換されて裏板も響かせます。
 胴の空洞による共振と全てが同じ目的のベクトルとして集合して
 素晴らしい音色を出してくれます。


 変わってスピーカーシステムです。
 ユニット振動板だけの音では到底かなわないと心底認めざるを得ないと考えます。


 ではどうしましょう、そこには障害が多く有ります。


 音の発生はスピーカーユニットです。
 胴の空洞と置き換える事が出来るのはエンクロージャーでしょうか。
 表板と裏板がバッフル板と背板なのでしょうか?いや違うと考えます。
 
 胴という構造全体がエンクロージャー構造に置き換えると考え易いでしょう。


 弦の動きは音を出す他の要素と同じ目的のベクトルとして働いています。
 対してスピーカーはユニットの振動板から出る音が唯一の音の源なのでしょうか?。
 振動板を動かす事により作用反作用の物理現象を生じてユニットには
 振動板とは反対方向の動きを生じさせます。


 同時に前方向に動くユニット振動板はエンクロージャー内部の圧力を下げる
 働きをします。言い換えるとエンクロージャーは縮むのです。
 
 ユニット振動板とは逆方向の運動を生じます。
 振動板が前方向に動いて音を出す時にユニット自身(磁気回路やフレーム構造)は
 反作用で後方に動いてしまいます。


 陸上100mでスタートする時に全体重を載せているスターティングブロックが
 選手が前方に進む時の反作用の生む力よりも受ける力が弱かったら
 
 前に進みません、タイムは絶望的です。


 
 スピーカーユニットから生じる音を同じ目的のベクトルにする為には
 反作用を生じない様にする、又は打ち消す事が必要です。
 原理的に生じない様にする事はマグネチック形ユニットでは不可能ですので
 打ち消す事を考えねばなりません。
 それがMGESの目的の一つなのです。


 
 この回はここまでで、次回に続きを。



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