2011年11月3日木曜日

小津安二郎記念 蓼科高原映画祭

小津安二郎監督と言えば戦後から家族を視点とした映画を撮り続けてきた人である。


その代表作が東京物語ですが、私より年配の方には親しみを感じられていると思います。


 


東京物語を撮り終えてから氏は私の住む茅野市郊外にある蓼科高原の別荘を本拠地として


脚本を練り続けたそうで、その別荘が補修保全されて今も開放されています。


そんな縁から14年前から茅野市では蓼科高原映画祭を開催して来ました。


 


私がこちらに引っ越した後から出来た映画祭です。


小津安二郎の映画にはあまり興味が無く、同時に上映される他の映画もあまり気を引く


作品が無かったので参加(観劇)した事はありませんでした。


 


今年の映画祭には気になっていた「大鹿村騒動記」を上映するので観てきました。


性格俳優の原田芳雄の遺作となった映画です。


舞台は私の所から直線で50Kmほどしか離れていない山間の部落ですが、


村歌舞伎を300年も続けている知る人ぞ知る村の騒動を村歌舞伎に重ねた


たわいもない地味な映画です。


 


病魔と闘いながら撮ったであろうその姿には病のかけらも無くて観ていて安心しました。


何も無い日常の延長線にある些細な事を映画にする....


その何でも無さに懐かしさや安らぎを覚えます。


素晴らしい映画ですので皆さんも是非ご覧下さい。


 


大鹿村では年1回の公演を映画人気で急遽2回目を公演したそうで遠方からも


大勢の人が駆けつけたそうです。


 


引っ越した当時、私の住む近くの部落を自転車で良くぶらつきました。


何と昔は村歌舞伎を演じていたという神楽殿様の建物が半ば朽ち果てていました。


聞くと戦後直ぐの頃から止めてしまったと言う事でした。


過疎化しているので止むを得ないのかと残念に思いましたが、大鹿村は違います。


戦中の男手が無い時には女子供で公演を続けたと言う事ですから関心です。


茅野市を含む諏訪一帯の御柱際も1200年続いていますが、やはり戦中は女子供老人


だけで続けたそうです。


 


映画上映の後には監督と主演女優とのトークがあり、本来なら原田芳雄がここに居る


筈なのにと故人を偲ぶと言うより未だ実感出来ないと言う様な事を話していました。


 


日本映画も最近は少しは元気になっているようですね。


私は藤沢周平の時代劇物が好きで観ますが、最近はNHK朝ドラに出演していた


満島ひかりのファンになって出演している「一命」を観ようかと思っています。


主演男優には興味ないですが。



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