2012年2月18日土曜日

SATRI- IC- ULの驚き

ウッドウイル試聴室の常用アンプは改造型のSATRI-AMP AMP-5511です。故障しましたので修理依頼しました。内蔵SATRI-ICの最新型が発売された直後でしたのでついでに最高峰のICに交換、バージョンアップしました。


SATRI-AMP は心臓部の回路部分を交換する事により購入後でも最新型にバージョンアップ出来るシステムになっています。AMP-5511は古い機種ですがこれで最新型+改造型の最強アンプとしてしばらく使う事が出来そうです。


一般的にアンプの機能や構造を考えると、最終出力段素子の選定と出力段のドライブ回路、ドライブ回路を動作させる為の信号増幅回路、出力を満足する電源部とに分かれます。真空管アンプが分かり易い例です、三極管か5極管か、そのドライブ方式はシングルかプッシュプルかなどと考えて構成を考えるのと同じです。SATRI-ICはその構成の内、ドライブ回路と信号増幅回路を交換して機能や音質を進化させようと言う考えのアンプです。


ウッドウイルの改造型というのは電源部分を左右独立にしてチャンネルセパレーションや干渉を改善する、電源容量が倍になるので中低域の余裕が出ている等の一般的な機能向上の他に、オーディオ専用Rコア電源トランスに交換している事、整流回路に出川式電源を採用しているなど、最高峰の電源を備えたアンプになっています。音としてアンプから出力される電力はこの電源から供給される訳ですから回路がどんなに素晴らしくとも電源の品質が悪ければどうしようもありません。因みに試聴室のコンセントは電柱からマイトランスで専用配線で試聴室に給電されています。


肝心の音質がどの様に変化したか?SATRI-AMPを採用している主な理由は色づけされていないピュアな音質と音場感が優れている事、ノイズが少なく綺麗な音質である事です。スピーカーの機能を確認する目的があるので個性的な音質のアンプは避けます。そうしている内にSATRI-AMPを使い続けているという状態になっています。


バージョンアップしたSATRI-ICはSATRI-IC-ULよ呼ばれる機種です。この音を表現するのに悩みました。言葉や文章で表現するのは商売とは言え難しいです。聞いた素直な印象は戸惑いを伴う驚きでした。このブログや試聴室に訪れた方達は私がコンサートに良く出かけている事をご存じの事と思います。ショップやイベント等でハイエンドの再生音を聞くよりも生の音を基準にしてスピーカー作りをしたいと思うからです。


そんな私でも良くも悪くも試聴室で聞く時には再生音を聞くという慣習に心身が馴染んでしまっていると言う事に気づかされました。SATRI-IC-ULで聞く音楽では音と言うより演奏家の存在が際立っていてその事に驚いてしまうのです。例えれば再生音は綺麗で平面的な写真と認識していて、それがその画像以上の綺麗さで動画として動き出したら驚きますし感動もします。少し大げさで抽象的でもある表現ですが、そんな感想を持ったのが正直な所です。


バックで団子の様になって聞こえていた各パートの演奏者の存在が目前のステージに広がってよりリアルに実像感をもって聞こえてきます。あぁこの楽器はこんな音色だったんだと再確認する連続なのです、何と嬉しい事でしょう。


音が更にクリアーになったとか情報量が増えたとかオーディオで言う言葉は色々有りますが、そんな表現で表される性能向上の行き着く先にはやはり理想とする生音が有るのでしょうね。ちょっとだけ近づいたかな?またまた楽しみになって来ました。


 



0 件のコメント:

コメントを投稿